こんにちは。
これまでの人生で餃子を作ったことがない僕が、今日は餃子パーティーをすることになりました。ひとりで。
ちなみに僕は餃子が好きでもなんでもないので、このとおり。
死んだ魚の目をしてます。
今回は餃子のA.T.フィールドをぶっ壊すのがテーマ。
ちなみにA.T.フィールドとは『新世紀エヴァンゲリオン』に出てくるエヴァンゲリオンや敵が出すバリアみたいなヤツです。Wikipediaによれば、庵野秀明監督いわくA.T.フィールドとは「心の壁」なんだそうです。
よく分かんない人は『エヴァンゲリオン』を観るか、ググってください。
早い話が、餃子の皮をA.T.フィールドに見立てて、その「心の壁」を崩壊させ、素敵な存在に生まれ変わった餃子の生誕祭をしようという企画です。
いやあ、わくわくしますね(棒読み)。
まずスーパーで具材を購入。
餃子の中身(タネ)を作る。
みじん切りをしていると、先日の「【東京サバイバル】都会の野草を喰らう」の取材を思い出して、なんだか喉のあたりがイガイガと締め付けられます。
色々と調味料を揃えるのが面倒なので、「餃子の素」的なのも購入。
パッケージの裏に餃子の作り方があり、このとおりにやってみる。
こねこね……
こねこね……
はい。
非常に地味なこねこね作業でタネができつつある。ここに例の「餃子の素」を投入。もいっちょこねこねして、冷蔵庫へ。
……さて、タネを皮で包むワケだが、包み方がわからないので、簡単便利な餃子包み器を用意。
普通の餃子の皮という「心の壁」から解き放つために、ライスペーパーを買ってみた。
このシースルーなシロモノを皮として使えば、餃子の心も丸裸だ。
ライスペーパーは1枚がデカいので、本来の餃子の皮の大きさにカットして、タネを包む。
すると……
ゴゴゴゴゴ……ッ!!
……これぞ、スケルトン餃子だ!
まるで、ひきこもりの友人を外に出してあげたような気分です。
この調子でどんどん生まれ変わって欲しいという思いを込めつつ……
見た目的にも変貌を遂げるために、皮という概念を捨てて、ハムでタネをサンド。
ただ、餃子包み器を使っても、上下がうまく閉じない。
そこでご飯粒を接着剤代わりに使って、無理矢理くっつけた。
なんかおしゃれ!
フランケンシュタイン博士のような気持ちだが、着々と(餃子の)心の鎖を壊していっている達成感。
餃子の宿敵、「春巻きの皮」でもチャレンジ。
だんだん、やりがいを見つけた人間の顔になってきました。
しかし、この春巻きの皮、うまく円形にカット出来なかったので、
バンダナやお守り、リストバンド風に巻いてみる。
ここまでくると、餃子という枠を外れて別次元の扉を開いている感じがしてくる。
餃子の存在理由を保つため、一応焼きます。
こうばしい匂いが漂ってくる。……そして完成!
まずはハムとライスペーパーだが……
……出来たてなのに、この残飯っぽさ。
水も油もマニュアルどおりなのに、すっかり焦げてしまった。しかも、ペーパーライス餃子はすっかり縮んでいる(右)。
だが、見た目はアレでも味としては奇跡が起こってるかも!
あーんっ。
ハム餃子から食べてみるが、肉の中に肉が存在するというクドい味。というかこれ普通に「肉」じゃないかと。肉の塊じゃないかと。
では、ライスペーパーの方はというと、
焼け焦げたオブラートのように口内に絡みつく味わい。黒焦げが酷すぎる。内部のひき肉はこんがりしていて、新食感ではあるが、戸惑いのあまり、目の前が真っ白になる。
そしてフィニッシュはこれ!
春巻きの皮で作った、バンダナとお守り。
なんか脳みそを解剖してる気分だが……。
春巻きの皮がモチモチしていて、肉との相性も結構良い。
まとめると、こうだ。
ライスペーパー < ハム < 春巻きの皮
これで、すっかり餃子のA.T.フィールドは破壊し尽くした。
本当の餃子の皮で大量に作った餃子とともに。
いまやパーティは最高潮の盛り上がりを迎えるタイミングなのに、心はどんどん冷えていくのはなぜだろう……。しかも食べるにつれて、顔からはどんどんヘンな油が出てくる。
ともあれ、人間でも食べ物でも、心の壁を取り払ってサシで向き合うと、こうしてお互いの肚のうちが伝わるものである。
最後に一句。
「この味がいいね」とは思わないうえ、こんなに餃子を食ったのは初めてだし、結局餃子が全然好きになれなかったので、やっぱり今日は餃子記念日。
おしまい。