窯焼きピザ20種が全て500円!「秋葉原500バル」で限界までピザを食べてみた【別視点ガイド】

ピザ食べたいなって思ったらフラッと立ち寄って、石窯で焼かれた薄焼きのピザをサクッと平らげる。しかもそのピザ1枚500円でドリンクも1杯500円だったら、もうイタリアには行きません! 逆に! 東京・秋葉原「秋葉原500バル」ってお店でそういう気分になれる、って話です。

エリア秋葉原(東京)

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世の中にはいろんなタイプの「食べたいのに食べづらい物」がある。

 

たとえば、カニ。

強固な殻にはばまれて、ハサミでバラすのも一苦労。

細い足から身をほじくる作業は、単純ながらも高い集中力を必要とし、せっせと手を動かさなくてはならない。

集中が続くと、必然、会話も途絶えてしまう。

食べれば確かにうまいけれど、ハイリスクハイリターンな投機商品と言える。

 

食べづらさのタイプはまるっきり異なるが、ピザも食べづらい物の一種だと思う。

ちょっと食べたいなと思っても、宅配ピザだと2,000円ぐらいとそこそこするし、1人で1枚いくのもしんどい。

かと言って冷凍ピザでは味気ないし、家で作るのもなかなか難しい。

 

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▲秋葉原駅昭和口から徒歩2分「秋葉原500バル」

 

サクッと充たしづらいピザ欲を、みごと解消してくれるのが「秋葉原500バル」だ。

オープンは2016年7月。秋葉原駅昭和口から徒歩2分、ドカンと光ったPIZZAの電飾が目印だ。

 

その名のとおり、ほとんどのフードメニューが500円。

20種類あるピザも全て500円だ。

資本主義を生き抜くまともな社会人であれば「安いしどうせ出来合いだよね」と推測するのが道理だが、ここは注文を受けてから生地をのばして窯で焼く。 

500円なのに本格ピザなのだ。

 

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▲桑原店長

 

なにか裏があるに違いない。

桑原店長に本格ピザを500円で出せる秘訣(ひけつ)をたずねた。

 

「秘訣は無いですね。普通に原価高いですし。飲食店って原価30%と言われてるけど、うちは抑えきれてない。500円の理由? お客さまにそのぶん、おなかいっぱい食べてもらって満足して帰っていただきたいからですね」

 

秘訣はなかった。

単純に原価を高めて、500円で提供していた。

 

500円ならお財布にも優しい。どれだけ食べてもどうってことない。

どうせなら胃袋の限界まで食べてやろうと、朝からなにも食べずに来店した。

はたして何枚の500円ピザを食べられるのだろうか。

 

グッツグツのおいしいアヒージョも500円!

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お通しはサラミ、生ハム、モルタデッラ。

 

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▲アヒージョ 540円

 

ピザにとりかかる前にアヒージョを注文した。

グッツグツのアヒージョから湯気が立ちのぼり、オリーブオイルとニンニクのいい香りが食欲をそそる。

エビ・牡蠣・ヤリイカなどから1種類、マッシュルーム・トマト・ブロッコリーなどの野菜から1種類を選ぶ方式。

ブロッコリーとエビを選んだ。

 

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バケットに汁をつけて一緒に食べるのもいいけれど、ピザの分を少しでも空けておくためアヒージョ単体で食べた。うまい。

 

あまりにもグッツグツだったから動画でもおさえた。

別府の地獄めぐりを彷彿とさせる。

 

ピザ何枚、食えるかな?

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前菜をいただいたところで、いよいよメインディッシュのピザだ。

生地を均一に丸く伸ばすのが難しいポイントだとか。

 

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平日18時過ぎ、客席も混みあってきて、次々入るピザの注文を手際よく作っていく。

 

「ランチはスピード勝負になっちゃうので。オーダー受けてから作るので1枚5分くらいかかります。クオリティーで勝負したいので中途半端なものを出すぐらいならやらないほうがいい」

オフィス街で需要はありそうだが、今のところランチ営業はしていない。

 

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最大3枚まで焼ける釜。

生地を入れてしばらくすると……

 

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ぽこんと膨らんだ。

 

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いい塩梅に焼けたらさっと取りだす。

素早くやらないと生地が焦げてしまうそうだ。

 

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▲マルゲリータ 540円

 

まずは定番のマルゲリータ。

焼きたてアツアツで、想像していた以上に大きい。

「1人1枚食べていく方が多いですね。生地が薄めなので食べきれますよ」と店長さんがおっしゃるとおり、クリスピーな生地で1枚くらいペロリといけそうだ。

 

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ボトルに入っているのは、ちょっと辛くしたオリーブオイル。

 

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タバスコ代わりにかけてみた。

 

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たっぷりのっかったトマトソースをこぼさないよう、2つに折って包みこむようにして口に運ぶ。

トマトの香りが広がるソース、とろっととろけるチーズ、サクサクの生地がうまい。

 

2人でうかがったので3切れずつ食べた。

1人だったら1枚ペロリといけるものの、逆にいえば1枚で十分お腹を満たせるだろう。

 

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▲激辛メキシカン 540円

 

2枚目は激辛メキシカン。

チョリソー、ピーマン、ハラペーニョがのっかったピリッと辛いピザだ。

 

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激辛と言っても辛すぎない。

 

お肉がジューシーな1枚だった。

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▲牛ハラミのステーキ 1,490円

 

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見てください、この生々しいレアな焼き加減。

 

ピザの箸休めにハラミステーキを注文した。

肉厚に切られているのでかみ応えあり。肉をむさぼる充足感に満たされる。

特製ソースにつけてもいいし、塩とレモンでさっぱりいってもいい。

うまい、うまいと箸が止まらず、3分もたたずに完食した。

 

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▲大葉エビ明太子 540円

 

ピザ2枚とハラミステーキを食べ切った時点で2人の腹は8分目をとうに超えていた。

味を変える意味で和風系ピザの「大葉エビ明太子」を注文。『鉄・病原菌・銃』がごとく無骨でベストセラーっぽいメニューである。

 

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あえてタバスコもオリーブオイルもかけず、そのままいただいた。大葉の香りが爽やかだ。

 

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▲クワトロフォルマッジ 540円

 

とうに満腹100%だが甘いものは別腹。

最後の締めとしてデザート的なピザ、クワトロフォルマッジを注文した。

女性に好評の1枚でチーズたっぷりの生地に、お好みに合わせてメープルシロップをかけていただく。

 

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とろーん。

 

ピザという同じカテゴリーに入っていながら、これはもう完全にスイーツだ。

 

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2人で4枚はちょっとやりすぎたかもしれない。

「お値段それなりのサイズだろう、1人4~5枚イケるんじゃないか」と高をくくっていたけど、きっちりボリュームがあるのでそんなに食べられるわけがない。

500円ピザ、ウマくて、デカくて、すごい代物だ。

 

「飲食店は当たり前のことを当たり前のことをやってれば、だれも不幸にならない」

そんなポリシーのもと、熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに、お客さまをよく見てサービスに徹している。

現在は「秋葉原500バル」「上野500バル」と2店舗の展開だが、来年以降まだ増えていく予定だとか。

 

地元駅にも出来ないかなあ。

 

お店情報

秋葉原500バル

住所:東京都千代田区神田佐久間町2-8-1 シャンピア秋葉原ビル
電話番号:03-6886-1213
営業時間:17:00~翌0:00
定休日:無休

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年7月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:松澤茂信

松澤茂信

観光会社「別視点」の代表。「東京別視点ガイド」を書いてます。

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