こんにちは、ちみをです。仕事がどんづまって錯乱してます
確定申告もしなければなりませんし、迫りくる年度末って感じでハードシングス真っ盛り、ええ。
「心を亡くす」と書いて「忙しい」。
正気を保つためには余暇および脳の養生が必要で、とにもかくにもダラダラしなければなりません。
▲荒廃(A.D.199X年)
だからと言って家事をサボり、外食三昧となってしまっては生活グルーヴが乱れてしまいます。
やはりなにかしら自炊の所作をある程度組み入れておかないといけません。かといって自炊に時間をかけてしまうと、洗濯や入浴、読書、スマブラ、テトリスとトレードオフになり、それはそれで心をかき乱します。
「簡単で手数も少なく、ほっておいたら出来ている。そんな飯はないものか?」
と考えると「炊飯器」あたりがいいツールではないか? と考えつきます。
最近は炭水化物を抑え気味の食生活であまり使ってないし、可動してもせいぜい魔封波の練習くらいですが、低温調理器としての未来がありそうです。
▲以前よりチャーシューやローストビーフ製作に活用してはいた
とりあえず、炊飯器の保温の温度を調べる
まず、炊飯器が低温調理にふさわしい温度になるかを確認。
「炊飯」も使いますが、長時間調理するには「保温」の温度が気になります。
私の所有している炊飯器は「保温1」と「保温2」のふたつのモードがあるので、それぞれ水をしばらく保温して温度を測ってみます。
▲保温1 60度
▲保温2 74度
60度か。素晴らしい、未来は明るいぞ。ではさっそく活用していきます。
一撃コンフィ
まずは肉。
コンフィは「揚げもの」というよりはも低い温度の油脂でじっくり「煮る」料理。
「保温1」が60度となれば、肉に最低限の加熱をしつつ十分なパスチャライゼーション(低温殺菌)ができるため、チャーシューのような「焼き」工程のないコンフィに最適と考えます。
さらには、あくまでも「一撃」でぶちギメるマス大山スタイルを追求したい、となると、材料、工程は以下となりますね。
材料(1人前)
- スーパーの味付け肉 適量(鶏が良いかと)
- オリーブオイル 適量
工程
①ビニール袋に肉と、オリーブオイルをひたひたに入れ、お湯を張った炊飯器に打ち込んで保温を押します。
②テトリスのオンライン対戦をします。
③ウィスキーでも飲みながら3時間ほどボコボコにされてるうちに出来上がります。
▲中もしっとりしている
バリうまです。
脂でじっくり煮ると肉の水分流出が防げるので超絶しっとりモイスチャーな仕上がりに。さらに味つけ肉を使うことで味付け工程を省略、洗いものも出ません。
肝心な衛生面でいえば、米国では「対数減少率7」という基準があって、これは細菌が10,000,000分の1まで減少するのに必要な加熱温度・時間を満たしているかどうか? というもの。
その基準で考えるならば内部温度が摂氏60度で35分加熱されれば満たされるとのことなので、60度で3時間も閉じ込めておけば十分であるだろうと考えます。
※著者は内部温度まで細かく図って実施しているわけではないので、あくまで目安
また60度という温度は肉にとって良い環境で、66度になるとアクチンと言うタンパク質が変性し縮んで水分が抜けてパサパサになってしまうので、その手前までの加熱がいいのです。
コツとしては、あとはしっかり密閉、ビニールの空気は抜いて二重にする、オイルはしっかりひたひたにする。といったあたりでしょうか。
一撃温玉
温玉もいけるっしょ。
材料(1人前)
- 生卵 4個
工程
①炊飯器に(冷蔵庫で冷えたままの)生卵、60度のお湯を写真くらい入れ(半カップくらい)、保温1を押します。
②スマブラのオンライン対戦をします。
③1時間ほどボッコボコにされたら出来上がり。水で冷やしましょう。
▲ゆるいな
60度だと黄身も白身も変性しないので、ほとんど生に近いです。
では高温の保温2のボタンで再チャレンジ。
温玉、再び
事前に水を保温して74度まで上げたうえで、加熱時間を数パターン試してみます。
▲左上20分、右上25分、左下30分、右下35分
▲20分と
▲25分の間が良さそう
あとは各自お好みですかね。下段は既にただのゆで卵です。
保温時間以外の変数としては「卵の量、水の量、最初の水の温度、保温温度、卵の初期温度(冷蔵庫から直か、常温か)」ですが、それぞれパラメータを固定してたうえでお使いの炊飯器における適切な「保温時間」を探っていくのがよろしいのではないかと。
鍋で作ると温度管理が難しいですが、炊飯器だと勝ちパターンさえ見つかれば失敗しづらそうです。
一撃キッシュ
温玉研究用に卵を大量購入したのでキッシュもいいのでは。
材料(1人前)
- 芽が出たじゃがいも 1個
- 乾いてきたにんにく 1片
- 冷凍庫の奥に眠るブロッコリー ひとつかみくらい
- 冷凍庫の奥に眠る鶏のひき肉 50g程度
- 冷凍庫の奥に眠るトマト 半玉分くらい
- 宅飲み後に余りがちなおつまみチーズ 適量
- 消費期限的な問題をかかえる豆乳 半カップ
- 卵 3個
- 顆粒コンソメ 小さじ1
- 塩コショウ 少々
ほぼ冷蔵庫に眠っていたあまりものです。
工程
①炊飯器に全部突っ込んで混ぜて炊飯ボタンを押します。
②風呂に入ります。
③風呂から上がると完成してます。
▲よっこら
▲せ
▲断面
ぶん投げておいても完成するうえに冷凍庫、冷蔵庫のあまりものたちをまとめて消費できるという非常に高いユーティリティーがあります。
具はなんでも大丈夫、あまりものをバシバシ突っ込んでやりましょう。
肉類は先に塩コショウしておくと良いかも。朝ごはんにもいい感じ、ケチャップでもかけていただきましょう。あともちろん豆乳は牛乳でもOK。
これはあんま失敗しないレシピかもしれませんね。
といった感じでいろいろ作って見ましたが、ちょっとここで妙な思いつきがありました。
「カレー、いける?」
一撃カレー
「ライスとカレーを同時に一撃で作る」ことは可能であろうか?
実験開始。
材料(1人前)
- 人参 1/4本
- じゃがいも 半分くらい
- 玉ねぎ 1/2
- ナス 1本
- 豚肉 80gくらい
- カレールー 2片
- 水 半カップくらい
- 米 2合
工程
①野菜類は切って、材料全部をボールに入れる
②炊飯器に入れたお米の上にボールをセットし、「炊飯ボタン」を押す
③マインドフルネスします。
④しばし瞑想(めいそう)しているうちに完成します。
▲完成、カレーを少し混ぜて盛りつけ。見た目は良さそう
だけど、野菜かってーーーーーー
火が通ってないですね、失敗(鍋にうつし、もう少し煮込んで食べました)。
あと米も芯が残っており、甚だまずいです。
なぜ失敗してしまったのか? 仮説と対策を立ててみることにします。
【仮説】カレーの材料が多すぎるため熱カロリー不足、またボールの重さで米が対流していなかったのではないか
【対策】カレーの量を減らす、具を小さくする、ボールから軽い耐熱容器に変更する
というわけで再チャレンジ
▲今度は材料を全て半分程度に
▲容器は100均で入手した耐熱タッパに変更
▲どうだオラァ
▲まだちょっと野菜が固いかな
▲一発チンすると食えました
お米は初回よりまともになったので、仮説はある程度当たっていた模様。しかしながら野菜類の火の通りがイマイチという印象。
というかすでに「一撃」になってないし、抜本的に手法を変えたい。
……などと考えながら業務用スーパーを物色していると、素晴らしい商品が。
▲イタリアンな冷凍のカット野菜
うおおお加熱済み! こいつを使えば完璧なのでは?
では改めて材料はこちらにて、同工程で。
材料(1人前)
- 加熱済みカット野菜 100g
- 豚肉 60g
- カレールー 1片
- 水 1/3カップ
▲さっきと同じタッパに入れて炊飯器に入れ、「炊飯」ボタンを押す
▲完成
▲少しかき混ぜてから盛り付け
▲完璧であった
炊飯器一発、さらにまな板も包丁も使わず一人前のカレーができました。
すごくないですか? もうホント、普通のカレーでとってもおいしくておいしいです(語彙の敗北)。
▲熱の通りが絶妙
カレーを作る量も1人前に絞ったことでジャストの加熱具合。
肉と玉ねぎのコク、ナスも崩れていない十全抜かりなき出来。
完全かつ確定的な空白時間を創出する
というわけで炊飯器レシピ、あれこれ開発してみましたがいかがでしたでしょうか。
温度が変えられる炊飯器があるのならば、もっといろいろ応用も効くでしょうね。
とりあえず温度計を買ってご自宅の炊飯器の温度を調べてみるといいでしょう。
あと皆様もなにかおもしろい炊飯器レシピがあればぜひご教示いただきたいですな。
なにせ細切れの余り時間じゃなくて、まとまった「完全かつ確定的な空白時間」ができるのがありがたい。
鍋の火を見張ったりせず、家事でも趣味でも集中できる「質の高い時間」は大変貴重じゃないですか。タイムイズマネーとはよく言いますが、実際はタイムイズライフ、時間こそが生、質の高い時間は質の高い人生。
そう、炊飯器はいい人生製造マシーンであったのです。
さあそういうわけで皆さん、炊飯器で炊飯している場合ではありません、炊飯器で後悔のない良質な人生を。
※メーカーや機種によっては、炊飯以外の調理を推奨していない場合もありますためご注意ください。約束だよ。