こんにちは! これまで2500件以上の酒場に足を運んできた酒場案内人の塩見なゆと申します。
本日は、私自身もよく飲みに行かせていただいている酒場の厨房さんが、実際に自宅で作っているおつまみレシピを教えてもらってきました!
おつまみのプロは、一体どんなアイデアや工夫を凝らしたおつまみを作っているのでしょうか? これまでなかなか見ることができなかった「プロが作るプライベートおつまみ」について、取材してまいりました。
※取材はオンラインにて実施しました。
個性豊かなサイドメニューが特徴の駒込「高賢」
まず最初にご紹介させていただくのは、2020年12月にオープンした駒込のもつ焼き店「高賢」さんです。
都内の評判の高いもつ焼き店などで修行した酒場好きの3人がはじめたお店で、オープン時は、酒場好きの間で話題になった注目の酒場です。
このお店の特徴は、もつ焼きのレベルの高さとサイドメニューが驚くほど充実していること。次々に変わっていくサイドメニューは、来店する度に何を頼もうかとワクワクさせてくれます。
今回はそんな高賢で絶品おつまみを次々に生み出している厨房担当の小林清一さんに、自宅でよく作っているおつまみのレシピを2品教えていただきました!
揚げてないのにコロッケ風!? 「ポテサラパン粉焼き」
まずは、お惣菜の定番「ポテトサラダ」を使ったおつまみレシピです。ちょっとひと手間をかけるだけで、お酒がすすむおつまみになるとのこと。早速ご紹介していきますね!
材料(1人前)
- 市販のポテトサラダ……1パック(100g)
- 生卵……1個
- 粉チーズ……大さじ2(パン粉と合わせる用)
- 粉チーズ……小さじ1(最後に振りかける用)
- パン粉……大さじ2
- オリーブオイル……大さじ2
- 乾燥パセリ……適量
- ブラックペッパー……適量
作り方
1. まずは、市販のポテトサラダを小判型に成型していきます。
2. 次に、成形したポテトサラダを溶き卵にくぐらせ、あらかじめ混ぜておいたパン粉と粉チーズを全体にまぶします。
ポテトサラダは硬めの方が作りやすいです。柔らかいと崩れやすいため、その場合は一口サイズに成形してもよさそうです。
3. オリーブオイルを引いたフライパンを弱火で熱し、温まったらパン粉と粉チーズをまとったポテトサラダを投入します。
両面がきつね色になるまで丁寧に焼き上げていきます。側面はスプーンでオリーブオイルをかけてあげるとキレイに仕上がるそうです。
4. 最後にお皿に盛って、粉チーズ、乾燥パセリ、ブラックペッパーを振りかければ完成です!
実際に食べてみると、油で揚げていないのに、粉チーズ入りパン粉のおかげでコロッケのような食感に! コロッケ風の中身に使ったポテトサラダも具だくさんで満足感がありました。
個人的にはチューハイに合わせて楽しみました。ポテトサラダを使ったコロッケ風なんて……。こんなおつまみを思いつく発想力に脱帽です!
お酒がすすむ「イカの塩辛を使った簡単パスタ」
酒場のメニュー表を眺めていると独創的なパスタメニューを見かけることはありませんか?
お酒がすすむうえに、満足感もあるパスタを自宅で作れるようになったら素敵ですよね。ということで、2品目に教えていただいたのは、「イカの塩辛を使った簡単パスタ」です。
材料(1人前)
- キャベツ……150g(1/6個程度)
- スパゲティ……100g
- 塩……スパゲティの茹で汁の1%分(スパゲティを茹でる際に使用)
- イカの塩辛……20g(お好みに合わせて調整してくださいとのこと)
- ニンニク……2片
- オリーブオイル……大さじ2
- バター……5g
- 魚醤(※醤油でも代用可)……大さじ1
作り方
1. みじん切りにしたニンニクを、オリーブオイルを引き弱火で熱したフライパンに入れて、きつね色になるまで加熱したら、火を消しておきます。
2. 別の鍋でたっぷりのお湯(分量外)を沸かし、全体の1%にあたるお塩を入れてからスパゲティを表記時間通りに茹でていきます。茹で上がりの1分前に一口大にカットしたキャベツを投入します。
(アルデンテが好きな方は、表記時間の1分前を目安に調理してくださいとのこと)
3. 茹で上がったスパゲティとキャベツをザルなどで湯切りして、ニンニクを炒めたフライパンに投入します。
4. 次に、魚醤とイカの塩辛とバターを投入します。イカの塩辛を加熱しすぎないように、スパゲティとフライパンの予熱のみで混ぜ合わせていけば完成です!
※魚醤を入れることで、熟成された魚の奥深いうま味を感じられることに加えて、イカの塩辛のうま味をより一層引き立ててくれます。家庭に魚醤がないという方は、醤油でも代用可能です。
実際に食べてみると、食欲をそそるイカの塩辛の香りがなんともたまりません! イカの塩辛とバターの相性は抜群なので、冷蔵庫に少しだけ余ったイカの塩辛を使ってパスタにしてみてはいかがでしょうか?
また、イカの塩辛を10〜20gほど多めにすれば、さらにお酒がすすむおつまみパスタになりそうです。今回は自宅にあった赤ワインと合わせて頂きました。
赤ワインは力強く芳醇な味わいが特徴なので、お肉などに合うと言われますが、イカの塩辛とバターの濃厚で重厚なうま味は赤ワインとの相性もバッチリでした。まさにお酒泥棒なおつまみパスタといえる一品でした。
荻窪を代表する老舗酒場「かみや」
さて、次に取材させていただいたのは、荻窪の老舗酒場「かみや」さんです。
創業は1955年(昭和30年)という荻窪を代表する老舗酒場のひとつ。歴史と伝統のある酒場で楽しむ時間は、言葉では言い表せない魅力がありますよね。
おつまみの特徴としては、丁寧な仕込みで素材の魅力を生かしたおつまみが多いことだと思っています。本当に何を食べてもおいしいと感じさせてくれるようなお店です。
今回は、お店の暖簾を守る三代目の小山昌宏さんにお電話で取材をさせていただきました。
なめこと豆腐の相性の良さにびっくりしてしまう「なめこ豆腐」
材料(1人前)
- なめこ……50g
- 木綿豆腐……1/2
- 三つ葉……10g
- 海苔……少々
- 料理酒……大さじ1
- 薄口醤油……大さじ1
- 白だし……大さじ1
作り方
1. まずはなめこ、料理酒、薄口醤油を鍋に入れ、中火でひと煮立ちさせます。
2. 2~3分ほどさっと煮たなめこは、粗熱をとってから、煮汁ごとボウルなどに移して冷蔵庫で冷やしておきます。
3. 木綿豆腐を食べやすいサイズにカットして器に盛ります。先程のなめこを煮汁ごとかけて、さらに三つ葉をのせていきます。
4. さらに白だしをかければ、なめこ豆腐の完成です!
かみやさんらしい、素材の魅力を引き出した一品です。実際に食べてみると、料理酒と薄口醤油で煮ただけのなめこが驚くほど豆腐にマッチします!
なめこのネバネバが木綿豆腐の断面によく絡むので、絹豆腐よりも木綿豆腐の方が相性が良いと感じました。タレの味も決して濃すぎず、豆腐の味もしっかり楽しめる一品でした。
冷奴のアレンジレシピとしてなめこ豆腐を知っておくと、ヘルシーなおつまみを食べたいときには便利かもしれませんね。冷やした日本酒と一緒に、ゆっくりとした時間を楽しむおつまみにぴったりでしょう。
かみやの評判メニュー「ナスチーズ焼き」
続いて、小山さんに教えていただいたのが、かみやで評判の高いメニューの1つである「ナスチーズ焼き」。お店のレシピをアレンジしていただき、家庭でも作りやすいようなレシピを教えてもらいました。簡単なのに本格派。ビールが止まらなくなる1品です。
材料(1人前)
- ナス……1.5本
- トマト……1個
- ベーコン……30g
- 玉ねぎ……100g(1/2個)
- 市販のピザソース……大さじ2杯※同量のケチャップでも代用可能です。
- バター……5g
- スライスチーズ……2枚
- タバスコ……お好み
- ブラックペッパー……お好み
- 乾燥パセリ……お好み
作り方
1. フライパンを中火で熱してバターを溶かします。そこに薄切りにしたナスを入れて軽く炒めます。
2. 次に、みじん切りした玉ねぎ、1.5cm幅にカットしたベーコンを加えて4〜5分ほど炒めていきます。
具材がしんなりしてきたら、角切りにしたトマト、ピザソースも加えます。
3. 炒めたものをグラタン皿に移し、スライスチーズをのせて、オーブンかトースターに入れてチーズを溶かします。
※具材は十分加熱されているため、スライスチーズが溶ければOKとのことです。
4. お好みでブラックペッパーやタバスコ、乾燥パセリなどを振りかければ完成です!
最近は肌寒くなってきたので、熱々のまま楽しめるメニューは嬉しいですね。実際に食べてみると、思ったよりも軽くヘルシーな印象。
ただ、香味野菜やベーコンのうま味と、ピザソースとチーズが相まって驚くほどにビールがすすみます。難しい工程や珍しい材料も使わないため、簡単に作れるのも魅力ですね。
まとめ
もしかすると、ここまで読んでいただいた方にはおわかりかも知れませんが、私は普段あまり料理をすることがありません。しかしそんな私でも、苦労なくどのレシピも簡単に作ることができました!
また、珍しい材料や高額な調味料を使わなくても、プロが教えてくれた作り方と分量で調理していけば、お店のようなおつまみが作れるんだなと感じました。
食べてみたいおつまみがございましたら、ぜひ今晩のお酒のお供に作ってみてください!
お店情報
高賢
住所:東京都豊島区駒込1-28-15 第二ゼノアビル 1F
電話番号:03-6912-2959
営業時間:16:00~22:30
(※営業状況は店舗までお電話でご確認ください)
定休日:月曜日
かみや
住所:東京都杉並区荻窪5-26-8
電話番号:03-3393-2963
営業時間:ランチ11:30~13:00/平日16:30~23:00/土・祝16:00~22:00
定休日:日曜日
書いた人:塩見なゆ
酒場案内人(飲食・酒類専門ライター)。東京都杉並区・荻窪生まれ。 得意分野は街と酒。 新宿ゴールデン街に通ったお酒好きの両親を持つ。両親が飲んでいた瓶ビールに憧れて成長する。趣味からはじまった酒場めぐりは、次第に仕事になっていく。