立ち食いそばマニアでも本当の店名を知らない?大岡山の立ち食いそば店「よりみち」を味わう【東京ソバット団】

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立ちそばの名店「よりみち」の本当の名前とは?

こんにちは、東京ソバット団の団長、またの名を『立ち食いそば図鑑』の中の人、本橋隆司と申します! 今回は「美味くて面白い店を紹介せよ」との命を受け、「メシ通」に参戦いたしました。座右の銘は「だいたい美味い」です。押忍!

さて、今回紹介するのは大岡山にある「よりみち」さんです。環七沿いにあってドライバーの常連さんが多い、いわゆるロードサイド店なのですが、意外と最寄りの大岡山駅からも近いのです。

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東急目黒線、東急大井町線の大岡山駅。目黒駅からは10分ぐらい。

 

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駅の北口を出たら商店街をずいずい進みます。けっこうにぎやかな商店街で、歩いているだけで楽しい。気になる飲食店がたくさんありますが、どんどん先に行きます。ちなみに今回同行しているのは、カメラマンの安藤青太氏。一緒に『立ち食いそば図鑑 東京編』と『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』を作ったそば仲間で、東京ソバット団の副団長でもあります。食べ物から女のコまで仕事の幅広さには定評あり。押忍!

 

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店が少なく住宅地が増えるあたりまで10分ほど歩けば、目的地はすぐそこ

店街の通りと環七の交差点カドに「よりみち」はあります。

 

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暑い時期はよしず、寒い時期はビニールシートの半オープンエア。

 

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環七沿いでありながら、車を停められるスペースがあるのでドライバーに評判。

 

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店内はカウンターに加えテーブルもあり。なんともホッとする雰囲気で、まるで田舎のじいちゃんちに来たみたいなのであります。

 

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これだけで紹介するに値するのですが、実はこのお店 、不思議なところ、いや、よくわからないところが1つ。記事ではずっと店名を「よりみち」と紹介しているのですが、なんともうひとつの店名があるのです。

それは……「米次郎」!

正式な店名は「よりみち」にもかかわらず、立ち食いそばマニアの間でもすっかり「米次郎」として定着してしまっているこのお店。確かにどこを見ても「よりみち」とは書いていません。

 

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看板も「米次郎」だし……

 

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こっちの看板も米次郎(!)。

そして「よりみち」の看板がこんなところに……。

 

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……ありました。

 

なんと某口コミグルメサイトにもこのお店は「米次郎」で登録。

これでは誰がどう見ても店名は「米次郎」。にもかかわらず正式には「よりみち」って、なにがいったいどうなっているのか、お父さんに直接聞いてみました!

 

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お父さん「店は30年以上前から、よりみちって名前でずっとやっているんだよ。で、奥さんが神楽坂でバーをやっていたんだけど、もう歳だからってやめてね。それでここの店は息子に任せて、バーのあとに神楽坂で立ち食いそば屋を始めたんだよ。その店の名前が『米次郎』なんだよ」

 

── ん? 神楽坂の店が米次郎? でもここは大岡山ですよね?

 

お父さん「それで結局、神楽坂の米次郎は閉めちゃってね。看板がもったいないから持ってきて使ってるんだよ。ずいぶんお金かかったからさ。今は息子と2人でやっているんだよ」

 

── や、でもここ「よりみち」ですよね。「米次郎」の看板使ったら、まぎらわしくないですか? みんなここのこと「米次郎」だと思ってますよ。

 

お父さん「そんなのどうでもいいじゃない。そば屋だってわかれば、店名なんて『米次郎』でも『よりみち』でもお客さんは気にしないんだよ」

 

なんともおおらかなお父さん。そうっすね。美味いそばが食べられれば、どうでもいいですよね。取材する時は、ちょっと気になりますが……

ちなみに取材時に来ていたお客さんに聞いたところ、店名は「知らない」とのこと。やっぱりどうでもいいことのようだ。

ということで気を取り直し、「よりみち」a.k.a.「米次郎」のおそばをいただきます!

 

じんわり美味い、名店のごぼう天そば

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バットに並んだ天ぷらから選んだのは、ここに来たらこれを食べなきゃのごぼう天。

 

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ごぼう天というと、きんぴら状に切ったごぼうが多いのですが、ここのは太に切ったごぼうをいかだ状に組んでいるんです。ごぼうの土の香りが濃厚で、なんとも美味い。

 

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ごぼうの上にはニンジンがひとつちょんと乗っている。こういうのが嬉しい。

 

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ずずっ。 ずずっ。

 

ツユは優し目。じわっと染みるお味 です。

 

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そしてこいつをこんなところで食べるわけですね

 

ああ、落ち着くわ~。

立ち食いそば屋なのに、おもわず長居してしまいそう。

 

ちなみに奥には大画面テレビがあって、ついつい見ちゃうんですが、そのテレビが立ち食いカウンターのそばにもう1台増設されていました。

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知り合いの電器屋さんにもらった初期不良品。画面にタテ線が入っています

あとこの店の名物は、鈴虫。お父さんがずっと飼っていて、夏になると鈴虫の音を聞きながらそばを楽しむことができるんです。う~ん、本当におじいちゃんちみたいだ。

 

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そして安藤氏が頼んだのが、いも天そば 。

 

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こういう普通の天ぷら屋さんやそば屋さんにはない天ぷらがいいんですよ。これ、立ち食いそばの楽しみのひとつ。一口、もらったけどねっとり甘くていいですね~。この店の名物でもある外ベンチでいただきます!

 

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食べていると鳥が寄ってくるというなごみ感。

 

さて、そばも食べたし、帰ろうかという時に目に入ったのが、店内に飾ってあった熊手。なんとそこにはしっかりと「よりみち」と店名が……

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そう。ここは「よりみち」なんですよ。まぁ「米次郎」でもあるんですけどね。近くにお越しの際はぜひよりみち……もとい、お立ち寄りを!

 

それでは最後に、立ちそば界の人間国宝「よりみち」のおやじさんの激シブな勇姿を動画でどぞ!  

 

お店情報

立ち食いそば よりみち

東京都目黒区南3-8-8
営業時間=月~土6:00_19:00
定休日=日曜

かけ=270円、ごぼう天そば=350円、いも天そば350円 ※冷やしは今はやっていません

www.hotpepper.jp

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:本橋隆司

本橋隆司

フリーランスの編集、ライターとしてウェブや雑誌などで仕事中。立ち食いそば好きが高じて2013年に『立ち食いそば図鑑 東京編』を、2014年に『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』を制作。そばであればだいたい好き。最近、注目しているのは細うどん。

撮った人:安藤青太

安藤青太

カメラマン、書籍制作。グラビア系から食べ物系まで何でも撮るカメラマン。本橋とは『立ち食いそば図鑑 東京編』『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』を制作。その他『檀蜜DVD色情遊戯2』『DK 男子高校生萌え』『書店男子』など。最新作は『TOKYO餃子図鑑』。好きな立ち食いそばは「コロッケそば」。

東京ソバット団

早く安く美味く、そして面白い立ち食いそばの魅力を広めるために結成。団員は現在、本橋と安藤の2名。

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