芸術の秋。東京ではさまざまなアートイベントが開催されるので、アート志向なシティボーイ&シティガールは見逃せないものばかりだろう。一人で行くもよし、デートで行くもよし、友達以上恋人未満の二人が距離を縮めるために行くもよし、好きなように楽しむがよろし。
特に推したいのは、今年で28年目を迎える「東京国際映画祭」である。コンペティションの行方もさることながら、黒澤明作品を片岡愛之助の歌舞伎とともに楽しむ「歌舞伎座スペシャルナイト」、特集上映の「寺山修司生誕80年 TERAYAMA FILMS」なども大注目だ。今から鼻の穴を50倍ほどに広げて、ふんがふんがと興奮冷めやらぬ夜を過ごすシネフィルな紳士淑女は数多いることだろう。
ただ、「東京国際映画祭」を10000%楽しむには、ただ映画を観たり、関連イベントに足を運ぶだけではダメなのである。脈絡もなくバッサリと言い切ったが、とにかくダメなのである。まがりなりにも「メシ通」を読んでいるのだから、映画だけではなく、「食」にもご注目いただきたいのである。
そう、去年大好評だった「東京映画食堂」が今年も開催されるのだ。アート好きも映画好きも、芸術の秋だけじゃなくて、食欲の秋も忘れてはいけないだろう。
都内屈指の話題店の味をお手軽な価格で楽しめる
「東京映画食堂」は、老舗の名店や数ヶ月先まで予約ができないお店など和洋中華イタリアン各ジャンルの名だたるシェフが集結し、六本木ヒルズアリーナにキッチンカーで出張出店、お手軽価格で食べれちまうというドリーミーなイベント。
どのお店もオードブル、メイン、デザートなど数種類を用意しているので、コースメニューを堪能できると言っても過言ではないかもしれない。もしかすると過言かもしれない。
ではでは、各店のシェフとメニューを怒涛の勢いで紹介してしまおう。
本場、広東の味を追求する「広東名菜 赤坂璃宮」
「広東名菜 赤坂璃宮」譚 彦彬氏
素材を生かした本場の広東の味にこだわり、メニューの豊富さ美しい盛り付けなどが多くのファンを魅了。
赤坂の中華の名店「広東名菜 赤坂璃宮」の譚 彦彬氏は、「中国風ハンバーグのせ蒸しごはん」(500円)、「璃宮特製窯焼きチャーシュー入り肉まんじゅう」(500円)、「香港風特製シュウマイ」(500円)、「果肉たっぷり璃宮特製マンゴープリン」(500円)と、4品を届けてくれる。
▲中国風ハンバーグのせ蒸しごはん
飲茶からデザートまで、ワンコインで極上の中華を味わえる。贅沢の極みとはこのことである。
「鮨よしたけ」の三つ星の味を1,000円で!
「鮨よしたけ」吉武正博氏
仕込みには営業以上に時間をかけ、築地で目で見て手で触れ、良質な魚介を仕入れる。一つひとつのネタと向き合い、その魅力を最大限に引き出せるよう常に工夫している。
銀座と新橋のあいだに位置する「鮨よしたけ」の吉武正博氏からは、「うにプリン」(1,000円)、「鯖の玄米棒ずし」(1,000円)、「十六穀米の焼きリゾット 魚介のソース エゴマの香り」(1,000円)の3品。
▲十六穀米の焼きリゾット 魚介のソース エゴマの香り
あの三つ星をこの価格で味わえるのは、本当に貴重な機会である。本当に本当に、貴重な機会である。「オレ、三つ星の寿司食ったのよー」と自慢もできる、はず。
【閉店】銀座のフレンチ「レストラン タテルヨシノ」からはワインも!
「レストラン タテルヨシノ」吉野健氏
日本各地のレストランをプロデュースしながらフランスで認められた独自の「テロワ(大地)の料理」を追求し続ける。
銀座のフレンチレストラン「レストラン タテルヨシノ」の吉野健氏は、「ビーツのボルシチ仕立て」(500円)、「シュープリーズ ド フォワグラ」(900円)、「栗のクリームスープ」(400円)、「牛ホホ肉の赤ワイン煮 バターライス添え」(1,000円)、「赤ワイン:ムートン・カデ・ルージュ・キュヴェ・カンヌ 2013」(300円)の5品だ。
▲牛ホホ肉の赤ワイン煮 バターライス添え
牛ホホ肉が1,000円で食えるなんて! 嘘みたいだけど、嘘ではない。
ちなみに、ムートン・カデ・ルージュ・キュヴェ・カンヌ 2013は、ボルドー地方のワインのカンヌ映画祭リミテッドエディション。東京国際映画祭にぴったりな、実にニクいセレクトである。
日本料理ももちろんある。「一凛」では上質なお弁当を
神宮前に佇む日本料理「一凛」の橋本幹造氏が手がけたのは、「黒毛和牛・二色の牛肉重」(1,000円)、「豚汁の白味噌仕立て」(500円)、「鶏の竜田揚げ 大」(500円/小 300円)、「彩り鮭弁当」(950円)の4品。
▲彩り鮭弁当
彩り鮭弁当は、キノコやサツマイモなど、秋の彩りと味覚に目も舌も喜びそうなこと請け合いである。見た目も上品、一級品の佇まいを感じる。
【閉店】京都イタリアンの名店「イル ギオットーネ」はパスタもデザートも!
最後は、京都に本店を構え、東京・丸の内にも出店している「イル ギオットーネ」笹島保弘氏は、「サーモンと水菜のタリオリーニ 黄柚子の香り たっぷりのいくらをのせて」(1,000円)、「お揚げが入った野菜いっぱいのミネストローネ」(500円)、「ソイティラミス」(500円)の3品をプロデュース。
▲サーモンと水菜のタリオリーニ 黄柚子の香り たっぷりのいくらをのせて
なお、タリオリーニとは、玉子の入ったやや平打ちのパスタのこと、だそうだ(知らなかった……)。
▲初開催で大盛況となった2014年の様子
以上、「東京映画食堂」のメニューを駆け足でご紹介させていただいた。
どうであろうか。舌なめずりが止まらず、ヨダレを垂らしながら、既に足が六本木方面へと向かっている頃合いではなかろうか。
映画の前の腹ごしらえでもよし、鑑賞後に余韻に浸りながら食うもよし、なんだってよしである。
芸術の秋と食欲の秋、その両端を結びつけたい欲しがり屋さんは、六本木ヒルズアリーナへ。食べて、映画観て、また食べて、飲んで、また映画観よう!
イベント情報
期間:10/23(金)~10/31(土)
営業時間:11:00~20:30(ラストオーダー) ※10/31のみ15:00開店、19:00終了
場所:六本木ヒルズアリーナ ※アリーナには5人のお店のキッチンカーとドリンクバーを設置 ※売り切れ次第終了