ガッツリいけて味も満足、後味スッキリ! まずはランチで食べたい“お助けマン”的中華

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メシ通レポーターの松鵜です。

空っ腹に苦悶する胃袋君をガッツリ満たして幸せな午後を迎えたい、でも贅沢病にかかってしまったグルメ舌ちゃんを「どうよ!」とも唸らせたい。

でもでも、胃もたれ将軍の攻撃を受けぬよう、食べた後のスッキリ感も望んでいる……。「Oh! ジーザスっ、今日の私はなんてわがまま気分なんだ〜 」という日でもしっくりくる、“ランチのお助けマン”的な店があったらいいな。を叶えましょう!

 

てことで、やって来たのは福岡市のお隣、糟屋(かすや)郡志免(しめ)町。福岡空港国内線の先、博多駅から車で30分ほどの場所です。

 

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この糟屋郡は隠れたいい店が多いエリア。

福岡市に比べると土地も安く、家賃をおさえた分だけいい食材を手に入れて、おいしい料理をリーズナブルに提供する、なんて志が高い料理人たちが店を構えています。風土も豊かで、この地で採れる野菜や果物がウマいというのも理由のひとつなんでしょうね。

そんな糟屋郡の精鋭料理人たちが口を揃えて支持する店が『中華料理 ハナチャイナ』福岡では比較的珍しい、上海料理がベースのダイニングです。

店があるのは、県道24号線のそば。博多駅からの道筋だと、イオンモール福岡の手前にあるヤマダ電気が目印です。

ヤマダ電気がある「南里駅前」の交差点を左折したら、すぐ左手に店があります。店を通りすぎて次の交差点を左折すると駐車場があるので、車で訪れる場合は、こちらを利用してください。

 

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店内には、ダイニングテーブルが2組、お座敷には掘りごたつ式のテーブルが4組、カウンターは7〜8人が腰掛けられて、と、充分に席は用意されているけれども、ランチラッシュ時にはすぐに席が埋まってしまいます。

「せっかく来たのに満席で、昼休みが終わっちゃうよアレレのレ〜」とならないように、事前の予約or確認は忘れずに。

 

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食べる側、作る側の熱気が充満するランチラッシュではありますが、店内は整理整頓がされてあり清潔感があるので、ゆっくりと食事を楽しむことができます。

とはいえ、厨房の中は常に戦争状態!? だからなのか、男前店主・櫻木さん、ついにカラダ改造に乗り出しました。ランチラッシュ後のヘトヘト状態にも関わらず、昼休憩時にはロッキー・バルボアばりに筋トレ&ランニング。元トレーナーだというスタッフの方の名前をもじった“やまザップ”なるトレーニングをはじめて3カ月(取材時現在)。その効果やいかに!? と聞くや否や、めくられしTシャツの奥には、グランドキャニオンよろしく!! 6つに割れた腹筋の渓谷がおでましです。

 

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この筋肉を駆使して(しなくても料理はできますが)腕を振るう料理には、料理人としての繊細さや丁寧さが如実に顕われています。

いい野菜が手に入ったならば、食材そのものの味に敬意を払って、調味料を加えすぎずに火加減や塩梅ひとつで美味なる一皿に。和食を思わせる上品な料理を振る舞ってくれたかと思いきや、担々カルボナーラなる大胆な発想でジャンルの垣根を超えてくる、そんな柔軟性も魅力的です。

気さくにファミリーや飲んべえたちを迎える店でありながら、料理は料亭や割烹の領域。

「料理はその土地で育つ、というのが自然な流れです。だから福岡の中華料理は福岡味でOK。本場の味に倣いつつもとらわれすぎず、目の前のお客さんの顔や生産者の顔を気にして料理をしていきたいんです」

と櫻木さん。

食材の値段は絶賛沸騰中で「とほほ(涙)」と嘆いてはいるけれど、地物の無農薬の野菜をはじめとする良質な食材を惜しまず使う心根が、この店のおいしさの証です。

 

下の写真は『季節野菜の塩炒め』(980円)。

パプリカやニンジンがシャキシャキと歯を喜ばせてくれ、ブロッコリーやホワイトアスパラのホクホク感に思わずニヤケ顔(でへっ)。オクラの粘りが食感にリズムを加え、マクワウリのメロンのような優しい甘味がアクセントとなって、どれだけ箸を進めても飽きがきません。

無論、ランチで注文してもOKですが、こういった一品料理は、酒を飲みながら皆でワイワイと皿をつつくのがウマいですよね。

ほかにも『あらかぶの姿蒸し』(1,500円〜)や『和牛のトウチ炒め』(1,500円)、『フカヒレスープそば』(2,100円)などなど、さまざまなメニューが並びマッスル!ちなみにコース料理(3,000円〜/飲み放題付き+1,500円)もありマッスル!

 

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さぁて、いよいよランチの話。

ほとんどの人が注文するのが週代わりの麺ランチ(1,200円)で、前菜5種に春巻きとサラダが載ったプレート、そして週代わりの麺とデザートがセットになっています。

 

まずは前菜。『押し豆腐と雪菜の和え物』『インゲンのピリ辛和え』『砂ズリの麻辣ソース』『きのこの粒マスタード和え』『キュウリの甘酢漬け』と、どれも「うめえッス!! 」と、気の利いたコメントが出てくる前に素直な感想が漏れてしまうほどの美味です。シンプルな味付けなんだけどエッジが効いていて、優しい味なんだけど単に薄味というわけでなく、いわゆる「上品」なわけで。

サラダもニクい!! かぼちゃの種が食感を楽しくしてくれて、その香ばしさもグッド。“旨”酸っぱいドレッシングも食欲を掻き立ててくれます。

 

で、で、で、すんごいオススメしたいのが、春巻き。春巻きです!!!!!!!!!!(政治家みたいに、二度言っちゃいます)。

“羽衣”って言葉がしっくりくるほど、サクッと軽い食感で、油のキレも良い。衣が含んだ揚げ油が口の中にジト〜っと流れる嫌な感じがまったくないんです。もうこれだけで「ハイッ、ノックアウト〜! 」な感じなんですが、この後に真打ち登場となるわけで、、、。

 

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(ル〜ルルルルル〜)

てことで、本日のメインはきつねうどん、、、ではなく(たんたんたぬきの、、、も全く関係ない)『担々麺』。

最初に言っておきますが、溜め息ものです。表現するならば、滋味深い味。スープにまるみがあって旨味豊か。ピリッと刺激的な心地よさは感じるけれど、嫌な刺々しさはない。麺にスープがよく絡んで、「ズズズ〜、ズズズ〜」と箸を止めたくない感じ。とはいえ、後味がクリアで舌や胃が疲れないんです。

味の決め手は、鶏ガラスープ。研究に研究を重ねたこの店の料理の命とも言える代物だそうです。凝縮した鶏の旨味が舌に印象を残すのに、後味はサラッとしつこくない。じわりと胸に染み入る滋味深いスープが、この担々麺もさることながら、あらゆる料理の核となって味を膨らましてくれます。

 

『酸辣湯麺』や『五目スープそば』など、その他の麺料理も「ぜ」「つ」「ぴ」「ん」、絶品です。

 

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汁まで飲み干して、お腹をポンポン。

「ふ〜」っと息をついて、半目気味に楊枝で歯をシーシーしていると、「そうだ忘れていた!?」とデザートが運ばれてきます。そうです、最後まで気は抜けません。この甘味も、わざわざこれを食べにきたいほどのおいしさなんです。

この日は『マンゴープリン』。トロケル味わいの自家製マンゴープリンの上にかかっているのは、濃厚なココナッツミルク。そしてさらにその上に載っているトッピングは、ドライフルーツのヨーグルト漬け。「技あり」否、「一本!!」てことで、こりゃもう、ひと口目で勝負ありです。色気すら感じるこの一品。必食でしょう!「杏仁豆腐」や「ココナッツミルク」の日もあるそうなので、ぜひ制覇を目指したいですね。

 

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ランチは麺やご飯ものの単品注文も可能。

2,000円のランチコースもあるので、いろいろとお試しください。

 

お店情報

中国料理 ハナチャイナ
住所:福岡県糟屋郡志免町南里5-7-17 第28川崎ビル
電話:092-692-7867
営業:11:30〜OS14:00/17:30〜21:30OS
定休日:火曜・他1日(月に一度連休あり)

 

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書いた人:
マツータケシ

福岡在住。某出版社を経て、フリーのカメラマン&ライターとして活動中。好きな言葉は「一日三度のメシ」。福岡の安くてうまい穴場を発掘することにはまっている。

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