ヒンナヒンナする?アイヌ料理を本場・北海道で堪能!

アイヌ民族をテーマにしたあの漫画のファンなら知っている、アイヌ料理「チタタプ」。食べたくても食べられないと諦めていた諸君に朗報です。すすきの駅「海空のハル」に、チタタプ、ありました! まあ、落ち着いて。裸電球氏が先んじて「ヒンナヒンナ」した様子をまずはご確認ください。

エリアすすきの駅(北海道)

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こっそり教えます。「チタタプ……食べられるお店、見つけましたよ……」これにピクッと反応してしまうのは、あの漫画のファンでしょう。アイヌ民族をテーマに描かれた、『ゴールデンカムイ』!

作中によく登場するのが、アイヌの伝統料理。食べたくても食べられないと諦めていた方も多いと思います。

探してみると、さすが北海道。めちゃくちゃ本格的なお店がありました。個室はなんと伝統家屋の「チセ」。さらにアイヌ民族博物館が監修!

「海空のハル」をご紹介します。さあ、今こそ憧れの「ヒンナヒンナ」しようじゃありませんか!

 

アイヌの伝統料理が食べられる

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今日は特別な夜になる予感の裸電球です。

皆さんは話題の漫画『ゴールデンカムイ』を読んでいますか? あれ、面白いですよね~。私も大ファンです。

漫画に登場するアイヌの伝統料理の数々! 「食べてみたい」とは思うも、実際に食べられるお店を見つけるのは難しいのではないのでしょうか。そこは北海道の強み。探したらすごいところがありました。

 

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お邪魔したのは、北海道の食材が堪能できるお店、すすきの駅から徒歩2分、「海空のハル」です。店内にいけすもある本格的な居酒屋さんで、新鮮な海鮮をはじめ、それに合う道産酒もそろっています。

そんな「海空のハル」には、とんでもない個室ととんでもないセットがあるのです!

 

「チセ」がある居酒屋さん

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なんと個室が、アイヌの伝統家屋「チセ」。この世界観、すごくないですか!?

しかもこれ、「チセ風」のものではないんです。北海道白老町にあったアイヌ民族博物館が監修。本格的すぎます!

 

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『ゴールデンカムイ』のヒットにより、若い世代を中心に訪れる方が急増。もちろん、ここは本格的な「チセ」なので、アイヌ文化を研究する大学教授もやってくる。「この部屋を希望されるのは若い女性か専門家」と店長の星さん。なんですか、そのとんがった客層は。

 

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部屋の中心にはいろりが。ここに座れば、本当に博物館の中にいる感覚です。北海道の人はもちろん、最近はここを目的に観光の方もやってくるそうです。

 

アイテムも本格派

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天井からは鮭(サケ)がつるされ、アイヌの人々の生活をビシビシと感じることができます。いや~、ビルの中にいるとは思えない空間ですね。時の流れもゆっくりに感じます。

 

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例えば、鍋をつるす道具やいろりの小物も、アイヌ民族博物館が持ってきてくれたものなんですって。そりゃ、研究者も集まりますよね。

 

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アイヌの伝統衣装も貸してもらえます。「チセ」でこの服を着たら、もう!

 

念願のアイヌ伝統料理が登場

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▲アイヌ伝統食セット 1,980円(税抜)※1日限定8食・前日までに要予約

 

これまでいろいろ食べ歩いてきたけれど、パッと見ただけでは何かわからないものが出てきました! 早速、味わっていきましょう。そして、『ゴールデンカムイ』ファンなら絶対に言いたい、「あの言葉」を声高らかに!

 

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さあ、何かわかりますか? これぞ、ファン待望の「チタタプ」ですよ! 「チタタプ」とは「たたき」といった意味。原作では「リス」など衝撃の「チタタプ」が登場しますが、こちらはマグロとサーモン。

 

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ヒンナヒンナ~!

食べ物に対する感謝の言葉。これを言いたかったんだ~。お料理も博物館の監修ですって! 伝統の手法は守るものの、「味は変えてもらいたい」というのが要望だったそうです。

手に入る調味料が限られた時代。そのまま当時の味だと、「伝統料理=おいしくない」になってしまう可能性も。それってすごく寂しいですよね。そんな理由から、例えば当時は捕れなかったマグロなども使い、現代でもおいしく食べてもらえる料理を提供しています。

 

アイヌの伝統食といえば汁物

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そしてあの、「オハウ」(漫画を読んでいたら感動の連続)。「オハウ」のスープに関しては、昔ながらの作り方でも十分おいしいということで、当時を再現。味噌などが手に入らないので、味付けは塩。ダシもカツオがなかった時代なので、昆布です。

おいしく食べられるよう現代に合わせた味と、伝統の味が手をつなぎます。

 

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具材は北海道を味わってもらいたいと、旬の食材が使われます。この日はサクラエビ!
塩味のスープの中で、食材の素朴な甘みがグッと引き立ちます。

 

ヒンナヒンナ~。優しい味付け、ほんと、ヒンナ~。「オハウ」、おいしい。朝、味噌汁の代わりに、「オハウ」がいい!

 

 

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やっぱり北海道ですからね。「チポロシト」は外せないですよ。「チポロ」はいくら。「シト」がもちの意味。いくらののった、いももちです。ふわりと柔らかく、おいしい! お酒のツマミとしても間違いない一品です。

 

お酒も珍しい! 飲んだことない!

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「カムイトノト」です。アイヌの人々は神事の際に飲んだんですって。原料はお米ではなく、なんと「ヒエ」。ほんのり自然な甘みが広がり、アルコールは強め。クセになる味わいで、スルスル飲んでしまいました。

 

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「ユク」です。もう名前だけ聞いたらわからないですよね。「ユク」とは鹿肉のこと。
臭みもなく、柔らかい!

 

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伝統家屋「チセ」の中で、「ユク」をつまみに「トノト」を傾ける。おまけに衣装付き! なんてぜいたくな!

 

まさに「モノよりコト」

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どれもお酒が進む最高の肴でした。前日予約・1日限定8食なので、そこだけ要チェックです。
北海道は今年で命名から150年。そんな節目の年にグルメを入口に、アイヌの伝統食や文化に触れてみるのはいかがでしょうか。

ヒンナヒンナ~!

 

お店情報

海空のハル

住所:北海道札幌市中央区南3条西4丁目 J-BOXビル 5階
電話番号:011-231-6868
営業時間:17:00~23:30(料理LO 22:45 ドリンクLO 23:00)
定休日:日曜日(月曜日祝日の際は日曜日は休まず営業し、月曜日は代休)

www.hotpepper.jp

 

書いた人:裸電球

裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。

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