肉!肉!野菜なし!元アメフトのプロ選手が作った「野獣系バーガー」がすごすぎた【至高のグルメバーガー】

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【シリーズ】至高のグルメバーガー10選 no.9「ゴリゴリバーガー TAPROOM」@六本木

肉! 肉! 肉!

ハンバーガーというと、バンズの間に肉のパティと野菜が挟まっているのがスタンダードですよね。

でも、今回ご紹介する「ゴリゴリバーガー TAPROOM(タップルーム)」の看板メニュー、店名を冠したハンバーガーには、野菜はまったく入っていません!

バンズに挟まっているのは、肉のパティとチーズだけです。

しかも最高3枚! さらに1枚1枚がすっごくボリューミーなのです。

 

こんなハンバーガー、食べたことありますか?

そしてなぜ、こんなハンバーガーが出来上がったのでしょうか?

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六本木駅から、六本木通り沿いに西麻布方面に歩いて約2分。六本木六丁目の交差点の次の路地を入ってすぐのところにこの「ゴリゴリバーガー TAPROOM」があります。

 

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ゴリラのキャラがインパクト大。すごいハンバーガーが出てきそうな予感がします。

 

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平日は夜のみの営業、土日祝日は昼から通し営業です。

 

オーナーはアメリカンフットボールの元プロ選手

このような雰囲気なので、さぞかしガチムチでワイルドな男性が営んでいるのでは? と予想(期待?)しつつ、入店してみました。

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すると、出迎えてくれたのは、なんと若い女性! こちらは店長の佐野さんです。

 

実はこちらのお店のオーナーは、アメリカンフットボールの元プロ選手で、現在はアメフト評論家、指導者として活躍する中村多聞氏。現在はコーチ活動を主にしているため、お店には出ていません。

「ゴリゴリバーガー TAPROOM」の開店は、2016年7月。それから約半年後の2017年4月から佐野さんが店長として、お店を任されています。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330155041p:plain最初は大阪店の方でアルバイトをしていたのですが、東京店のスタッフが変わるタイミングでこちらのお店の店長になりました。常連さんもすごくあったかくて、ハンバーガーもクラフトビールも大好きなので、東京に来るのも抵抗ありませんでした。

 

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店内にはアメフトグッズがあちこちに。

このお店が誕生するまでの経緯をオーナーの中村さんに聞いてみました。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain現役選手時代にアメリカ、ヨーロッパでのプロリーグに参戦するため、会社員を辞めプロ選手として暮らしていましたが、いずれは飲食店をやりたかったので日本と海外を往復しながら仲間と一緒にお店を作りました。

 

──最初はスポーツバーだったんでしたっけ?

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain1998年ですのでまだ日本の飲食店では、「スポーツバー」って中で運動するの? と言われるような頃です。海外のバーやレストランでは当然のように季節のスポーツが流されていたので僕の中でフットボールを流すアメリカンフードのレストランバー、というものが確立されていました。

 

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入り口付近はカウンターと立食席。

 

最初の店舗は中村さんの出身の大阪。そのお店は最初はグルメバーガーを中心にしていたのですが、メニュー展開に苦しみさまざまな試行錯誤を重ねます。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain選手引退を迎えた2007年、東京に鉄板焼きのお店を開きました。場所は今の六本木店です。ここで元アメフト関係者のお客様らと日々を過ごすなかで思い出したのが「ハンバーガー」でした。

大阪のお店でメニュー復活を果たすためにも、自分好みの味とスタイルに仕上げる! をテーマに毎日お店でバーガーを研究し始めました。

 

──そこで今のゴリゴリバーガーの原型ができたわけですね。

 

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain大阪店での反応が良かったのを機に、六本木の鉄板焼きを全面改装し、現在の「ゴリゴリバーガーTAPROOM」になりました。

 

──ちなみに、この店名の由来はどういうものなのでしょう?

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plainゴリゴリは、僕の昔からの仲間らとよく使っていた言葉なんです。そして僕は日本のアメフト界の歴史上最もゴリゴリなランナーなので、ダブルの由来ですね。あとはそんなアホなネーミングする人いないだろうし、オリジナル感が出るかな、と思いました。タップルームは、そのまま「クラフトビールの専門店」という意味です。

 

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注文は各席に備え付けられているiPadで行います。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain大阪と違い東京はお客様も従業員さんも、会話が上手くありません。クールを装ったりシャイだったり人見知りしたりで、お互いが機械を相手にしたような関係性が、僕にとってとても不満だったので、今回のお店ではお客様が自分で操作するオーダーシステムを導入しました。

 

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奥の方には団体さんにも対応できるテーブル席があります。

客層は20〜60代と幅広く、女性だけのグループやカップルも多いそうです。

ハンバーガーのインパクトが強いため、ユーチューバーにも好評だとか。

 

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壁に描かれているイラストは、中村さんの知人のイラストレーターBOXER  JUNTAROさんの手によるもの。

 

ハンバーガーの調理は主に佐野さんが行っています。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330155041p:plain肉をさばいたり、仕込みの段階から自分でやっています。基本のレシピからいろいろと自分で改良したりもしています。

 

佐野さんも肉とチーズだけのゴリゴリバーガーが大好きだとか。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330155041p:plain仕込んだ後には毎日試食しています。好きなハンバーガーはその日の気分によって違うのですが、やっぱりゴリゴリバーガーと、あとはパイナップルバーガーが好きですね。甘酸っぱさがいいんですよ。

 

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※写真の価格はすべて税抜です。

パイナップルバーガーは、パティ1枚のゴリゴリバーガーJr.にパイナップルを入れたものです。やはり野菜は入っていません!

 

では、さっそくゴリゴリバーガーを作っていただきましょう!

 

肉だけが3段重ね! 肉肉しいにもほどがある巨大な肉バーガー

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ゴリゴリバーガーには、パティ1枚のゴリゴリバーガーJr.、2枚のゴリゴリバーガー、3枚の3×3ゴリゴリバーガーがあります。

 

1番のおすすめは、3×3とのこと。お客さんに1番評判なのもこれだとか。

マジですか!?

 

厨房から、佐野さんがパティを焼いているジュージューという音が聞こえてきて、何とも言えないおいしそうな匂いが漂ってきました。

 

さて、やってきました!

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▲3×3ゴリゴリバーガー(2,592円)

 

野菜がないので、意外とコンパクトに見えますが……

本当に、全部肉です!

アメフトのボールのかわいいピックはアメリカから仕入れているそうです。

パティは牛肉100%。

細かいレシピは企業秘密ですが、牛肉をできるだけ粗びきにして、何種類のもスパイス、赤ワインで味を調えています。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330155041p:plain肉にも個体差があるので、スパイスの種類は同じなのですが、肉の状態によって配合具合を変えています。

 

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大きさは1枚180g。一般的には120g〜140gのお店が多いのでかなり大きめです。

3×3は、3枚なので合計540g!

1ポンドステーキが約456.6gなので、それよりも多いです。

それが一つのハンバーガーに挟まっているなんて!

 

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紙に包んで、いただきましょう。

 

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ちょっと中身が見てみたかったので、特別に切ってもらいました。

通常、カットサービスはしていませんが、シェアしたい人にはナイフを貸してもらえるので自分で切りましょう。

 

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切った途端に上がる湯気!

写真を撮っていてある程度時間が経っているのに、まだすごく熱々です。

野菜が入っていないので、冷めにくいのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330155041p:plainそうですね、結構、食べ終わるまで熱々だったりしますよ。

 

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断面を見ても、まったく野菜がない潔さ。

 

f:id:Meshi2_IB:20180330155041p:plain入っているのは、自家製のソース、パティ、チェダーチーズだけです。チーズはパティ1枚につき1枚。焼き加減は、赤みがギリギリ残らないくらいにしています。

 

──自家製のソースにもおいしさの秘密があるそうですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plainスモーキーさとバーボンの風味、がアメリカではチョット高めのバーベキューソースなんですよ。だからそうなるように調整してあります。季節によって味は少しずつ変わります。寒い時は濃いですね。これはパティも同様です。

 

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一口かむと、パティが柔らかくほどけていきます。

牛肉はかなりの粗びきなので肉肉しい食感です。

スパイスが結構、強めに効いています。メインはナツメグとかオールスパイスでしょうか? スパイスの香りで肉の風味が引き立っています。

 

バンズはふっくら柔らかで、甘みと適度な弾力があって、肉をしっかり包み込んでいます。このバンズにもこだわりが詰まっています。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plainバンズも僕の好みになるまで大阪のオッチャンにワガママ言い続けて完成した塩梅になってます。見た目、重さ、大きさ、味、オッチャン半泣きなってました!すごく助かってます!

 

スパイスのおかげか、野菜がないのに、しつこい感じは全くありません。

肉の味がダイレクトに伝わってきて、おいしい!

熱々のハンバーガーを意外なほどどんどん食べ進めて、あっけなく完食してしまいました。

 

食べてみると、この肉とチーズだけのハンバーガーがおいしいのがよくわかります。でも、なぜここまで思いきったメニューを思いついたのでしょう?

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain「どうやったら人気が出るか?」「どうやったら儲かるか?」を先に考えてもダメだな。どうせなら自分が好きなものだけを徹底的にアピールするお店にしようと考えました。だからハンバーガーはバランスだとか言う日本の格言など完全無視。どこかのバーガー屋さんに修行に行ったわけでもありませんから既成の概念による固定観念がありません。作ってみておいしいと感じたものを絞り込んだだけですので、世に受けるかどうかは気にしませんでした。

 

いちおう、野菜が入ったハンバーガーもあります。

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でも中村さんはやはり、肉とチーズだけのゴリゴリバーガーが好きなのだそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain死ぬ前の最後に食べるなら「チーズバーガー」と思うほどに大好物です。また、お酒も海外でいろいろ見て飲んで楽しんだ「クラフトビール」が大好きでした。

 

ドラフトクラフトビールが最多で13種類も

そうなんです、このお店は、クラフトビールもすごいのです。

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▲シエラネバダ トロピカルIPA(L)(1,069円)

 

トロピカル、の名の通りどこか南国のフルーツを思わせるようなフルーティな香り、柔らかい口当たりと深いコク。これはおいしい!

 

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ドラフトクラフトビールのラインアップは随時変わるのですが、最大で13種類もそろっています。クラフトビールの専門店並ですね。

 

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アメリカと日本のおいしいクラフトビールを厳選してそろえています。

 

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いろいろ試してみたい方用に、6種類のテイスティングセットも!

 

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メニューには、こんなものも……。

 

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お酒を飲む人には、無料でセルフのポップコーンがつきます。

入り口近くのカウンターから持ってきましょう。

 

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おつまみメニューも充実しています。クラフトビールのお供に、絶品のナチョスをどうぞ。

 

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ここには、中村さんが好きなものがたくさん詰まっています。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plain「行きたいお店ナンバーワンが自分のお店!」という今、とても幸せを感じています。僕がコーチ活動で不在ばかりのなか、運営してくれている仲間にはいつも助けられていて感謝しています。

 

このお店は、中村さんが自分で作った理想のお店なのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180331170712p:plainフットボールの映像が流れる店内で、おいしいビールが何種類もあって、宇宙一おいしいナチョスをつまみに酔っ払ってきたらシメにバーガー。いつもつい飲み過ぎてしまいます!!

 

わかります、わかります。私も飲み過ぎる気満々です。

ごちそうさまでした!

 

お店情報

ゴリゴリバーガー タップルーム (GORI-GORI BURGER TAPROOM)

住所:東京都港区西麻布1-2-3 1F
電話番号:03-6804-2435
営業時間:月曜日〜金曜日18:00~23:00(LO 22:30)、土曜日・日曜日・祝日12:00〜22:00(LO 21:30) (バーガー売り切れ次第終了)
定休日:無休
ウェブサイト: http://gorigori.beer

 

書いた人:工藤真衣子

工藤真衣子

カメラマン。美しい女性が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでテレビドラマのスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ雑誌など、素敵なものを愛を込めて撮るお仕事をしています。趣味は美味しい料理を作って食べること。

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