今日は富良野です。でも、今回は『北の国から』もラベンダーもチーズもワインも牛乳も関係ないんです。今日のご紹介は「たい焼き」。といっても、ちょっと普通とは違う「たい焼き」なんです。
お店の名前は「甘太郎」。場所はJR富良野駅から歩いて5分ほど。のれんに歴史を感じますね。創業は1953(昭和28)年というから、今年で64年目を迎える老舗です。
▲撮影した時はまだ道路わきに雪が残っていました
すぐ隣にちょっと目を引くおもしろい看板がありました。
「へそ歓楽街」。
お店のすぐ隣には細い小路があって、居酒屋さんやスナックが建ち並んでいるんです。「へそ」は富良野市が北海道のど真ん中にあるということで、富良野市の象徴的な隠語。おみやげには「へそまんじゅう」がありますし、全国的に有名なお祭りに「へそ踊り」を大勢で踊る「へそ祭り」もありますね。
実はココが富良野のナイトスポットなんです。東京でいうと「歌舞伎町」、札幌でいうと「ススキノ」みたいなものなんですが、小路の長さは100mもありません。でも、夜は結構賑わっています。夜の富良野を味わいたい方は、狙い目のスポットです。
さて、ちょっと横道にそれましたが、今回ご紹介するのはこれ。そう、「たい焼き」です。でもこれ、中身がちょっと珍しいものなんです。
それがこちら。なんと、ハムとマヨネーズなんです!
特注の四角いプレスハムはこの店のオリジナル。お店の人に言わせると「ちょっと昔によく食べた廉価版のハム」だそうです。今はほとんど流通していないので、お肉屋さんに特別にお願いして作ってもらっているのだそう。このハムをちょっと厚めに切ってその上にたっぷりマヨネーズを搾り、さらに上からハムでサンドします。
これがそのまま「たい焼き」になっちゃうんです。その名も「ハムたい」。「たい焼き」の皮になる生地は小麦粉に砂糖を加えたちょっと甘めの生地。そこにハム&マヨサンドをのせていきます。なんかちょっとシュールな絵面です。
でも閉じてしまえば、見た目は普通の「たい焼き」と同じです。焼き時間は約15分。見た目の特徴ははみ出た「ミミ」の部分が多めということくらいでしょうか。
さっそく焼きたてをいただきます。食べる前はちょっと疑心暗鬼だったけど、いや、これはうまい! やや甘めの生地の中から、うま味のあるハムにちょっと酸味とコクのマヨネーズがひとつになって。ほかに比べるものがないオリジナリティーにあふれた味わい。ただ、勢いよくパクつくと中の熱いマヨネーズが飛び出すので注意。
最後に残った大きめのミミもパリパリに焼き上がっていて口直しにちょうど良いんですねえ。ちなみにこのミミは焼きたてじゃないと味わえません。作り置き保存するときに並べて保温器にいれるため、普段は邪魔なので切ってしまうんです。
ミミ付きが食べたければ、事前に来店する時間を調整して「ミミ付きでヨロシク」と電話予約するのがおすすめです。いや、ミミ、マジでオススメ。
このほかのメニューは、「たい焼き」が小豆あんの「あん」、チョコクリームが入った「チョコ」、手作りカレールーが入った「カレー」の4種がすべて1個 120円。そして、実は侮れないのが創業当時からロングセラーのおやきです。
全国的には「今川焼き」とか、「大判焼き」とか、「回転焼き」と呼ばれているアレですね。こちらは「黒あん」、お豆あんの「白あん」、クリーム入りの「カスタードクリーム」の3種でそれぞれ1個 110円です。
お店の「甘太郎」という名前は。このおやきのあんが甘いところから名付けられたのだとか。とっても食べやすく、常連さんならお年寄りの方でも平気で1人で3つくらいいけちゃうといいます。
おやきの皮はモチモチ。たっぷり使った小豆は粒あんで、甘さを控えめにしているから小豆の味がしっかり感じられる極上品です。食べ飽きしないおいしさ。これは確かに何個でもいけそうです。
店内にはイートインが16席ほどあります。テーブルもベンチも特別にオシャレではないんですが、なんか、こう、飾らない味わいのある店内です。普段は市内のお客さんが多いのでほぼテイクアウトばかりだそうです。
夏の観光シーズンになると、多い日にはなんと1000個も売れるという「ハムたい」。特に週末は予約が必須です。富良野観光の合間にちょっと小腹を満たすのに最適なご当地ソウルフードですが、冷めてもおいしいのでちょっと意表を突いたおみやげにもいいかも。
お店情報
甘太郎
住所:北海道富良野市日の出町12-30
電話番号:0167-22-2551
営業時間:9:30~19:00
定休日:月曜日
※この記事は2017年7月の情報です。
※金額はすべて税込みです。