野菜が止まらなくなる南フランス発祥の万能ソース「アイオリソース」の作り方をビストロ居酒屋のシェフに聞いてみた

吉祥寺の立飲ビストロRYOで料理長を務める松林涼さんに、南フランス発祥のアイオリソースの作り方を教えてもらいました。どんな料理にも合うアイオリソースの作り方をマスターすれば、料理の幅もグッと広がりそう!

エリア吉祥寺(東京)

こんにちは、塩見なゆです。

突然ですが、アイオリソースという南フランス発祥の万能ソースをご存じでしょうか。作り方は主に卵、油、ニンニクをかき混ぜ、乳化させて作るそうです。どんな料理にも合うので、フランスでは定番のソースです。

そんなアイオリソースの作り方が分かれば、肉や魚、野菜をより一層楽しめるはず!

そこで吉祥寺にお店を構える「立飲ビストロRYO」で料理長を務める松林涼さんに、アイオリソースの作り方を丁寧に解説していただきました。

立飲ビストロRYOの自家製アイオリソースの作り方

塩見なゆ(以下、塩見):本日はよろしくお願いします!

松林涼(以下、松林):こちらこそよろしくお願いします。うちはマヨネーズにニンニクやスパイスを合わせるのではなく、全て自家製なので、完成までの様子をお見せしますね。

塩見:そうなんですか! 楽しみです。

松林:早速アイオリソースを作っていきますね。使用する材料を並べておきました。分量はおおよそ50人分になります。

左のボウルは、皮をむいたニンニク1株分と白ワイン300ml、ディジョンマスタード30gを軽く混ぜたものです。

真ん中のボウルに入った粉末は、パプリカパウダー10g、塩10g、コショウ10gが入っています。卵は9個使用します。

右の容器には、サラダ油320mlとオリーブオイル80mlが入っています。使用する材料は以上です。

塩見:マヨネーズと違ってビネガーを使わないんですね! サラダ油とオリーブオイルの両方を使用する理由はなんでしょう。

松林:サラダ油とオリーブオイルの両方を使う理由は、サラダ油だけだとオイリーになってしまい、オリーブオイルだけで作ると香りが強くなり過ぎてしまうためです。油分と香りを調整していった結果、この分量にたどり着きました。

塩見:ちなみに家庭で作りやすい分量を教えていただくことはできますか?

松林:家庭で作る場合は、卵1個(全卵)に合わせて分量を調整すると作りやすそうですね。ニンニク1片、白ワイン約30ml、ディジョンマスタード約3g、卵1個、パプリカパウダー1g、塩、コショウ適量、サラダ油約30mlとオリーブオイル約8mlで作っていただければ、いい感じで作れると思いますよ。

塩見:ご丁寧にありがとうございます!

松林:ではアイオリソースを作っていきます。まずは卵を割っていきます。6個は卵黄だけ、3個は全卵を使います。卵の白身の量を調整することで、全体の滑らかさやコクを調整しています。

塩見:こだわりがすごいですね……!

松林:次に、ニンニクと白ワイン、ディジョンマスタード、パプリカパウダー、塩、コショウ、卵をフードプロセッサーに投入します。

松林:フードプロセッサーを回して、ニンニクを粉砕しつつ混ぜ合わせていきます。

松林:ニンニクがペースト状になったら、フードプロセッサーは動かしたまま、少しずつサラダ油とオリーブオイルを合わせたものを入れていきます。少しずつゆっくりと入れることがポイントです。

塩見:だんだんソースの色が変わってきましたね! 完成の目安はありますか?

松林:油を全て投入して、このくらいトロッとしてきたら完成です。

塩見:パプリカパウダーが入ることで色味が付き、食欲をそそる色になりましたね! 家庭で作る場合は、フードプロセッサーは必須でしょうか?

松林:フードプロセッサーがあると安定して混ぜ合わせることができるのでおすすめです。ただ、卵1個分の分量に合わせて作るのであれば、ボウルとホイッパーを使って、手動で混ぜ合わせても作れると思いますよ。

その場合は、ニンニクだけ事前にすりおろしておくといいですよ。材料も手に入れやすいものが多いので、ぜひ挑戦してみてください。

塩見:立飲ビストロRYOさんでは、このアイオリソースをどんなメニューに使っているんですか?

松林:「旬やさいのアイオリ」(980円)というメニューなどで使用していますよ。作ってみますので、ぜひ見ていってください。

塩見:ありがとうございます!

立飲ビストロRYOの「旬やさいのアイオリ」の作り方

松林:まずは、旬の野菜を準備します。季節によって野菜の種類は変わりますが、大体10種類前後を用意しています。アイオリソースは万能なソースなので、家庭でまねする場合は、お好きな野菜を用意してみてください。

各野菜がちょうどよくゆであがるように、うまくカットしてみてください。

松林:野菜は塩が少し入ったお湯で2分ほどゆでたら、水気を切っておきます。

松林:ボウルに野菜を入れたら、塩を全体に振りかけて下味を付けておきます。

松林:野菜をお皿に盛り付けたら、ゴマドレッシング、コショウ、バジルペースト、ピーラーで薄切りにしたパルミジャーノチーズをかけます。各調味料の分量はお好みで大丈夫です。

松林:最後にお皿の端にたっぷりとアイオリソースをのせます。

松林:これで「旬やさいのアイオリ」の完成です!

塩見:この贅沢感はなんでしょうか? 野菜が主役なのに十分酒のアテになりそうです。ちなみにこのアイオリソースと合うお酒やメニューはありますか?

松林:お酒はなんでも合うと思いますが、白ワインがいいですよ! あとはバケットに付けてもおいしいと思いますよ。

塩見:両方いただいてもいいですか?

松林:もちろんです。ご用意しますね。

立飲ビストロRYOの自家製アイオリソースの味わいはいかに?

まずはこのアイオリソースを見てください。マヨネーズと似たような要領で作れるものですが、食欲をそそる色合いと上品なたたずまいがなんとも魅力的です。南フランス発祥のソースなだけあって、どこか気品を感じます。

ブロッコリーにアイオリソースをたっぷり付けて食べてみると、ニンニクのほどよいパンチとスパイスの風味、卵のコクとほどよい油分が感じられて、白ワインが止まりません。

まさかゆでた野菜でこんなにお酒が進むとは……。

マヨネーズの味わいと比べると、ビネガーが入っていない分、酸味がなくコクや味の深みがあるので、野菜に限らずどんな食材にも合いそうです。

続いて、味に少しクセがある赤カブにアイオリソースを付けてみると、赤カブの心地よい苦味を感じつつ、アイオリソースのよさも際立っていて、全体がうまく調和しています。

続いてバケットに付けて食べてみると、これまたよく合います。小麦の味わいや甘さをアイオリソースが引き立てているので、一つの料理として成立しています。

食材の邪魔をせずに魅力を引き出してくれそうなアイオリソース。冷蔵庫に常備しておけば、使用頻度は非常に高くなりそうです!

まとめ

井の頭恩賜公園の目の前にお店を構える立飲ビストロRYOに、南フランス発祥のアイオリソースの作り方を丁寧に解説していただきました。

今回はゆで野菜とバケットに合わせていただきましたが、肉や魚、フライドポテトなどの揚げ物に付けても絶対に合うだろうなと感じました。

どんな食材とも調和が取れて、一層おいしくしてしまうアイオリソース。もしよければ、レシピを参考に作ってみてください。

お店の立地や雰囲気、店員さんのフレンドリーな接客、こだわって作られる豊富なメニュー。どれをとっても高水準でしたので、吉祥寺でおいしいビストロをお探しの方はぜひお店に行ってみてください。それでは。

お店情報

立飲ビストロRYO

住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-17-9
電話番号:0422-26-7235
営業時間:火~金: 12:00~15:00 (料理L.O. 14:30 ドリンクL.O. 14:30)
17:00~23:30 (料理L.O. 22:00 ドリンクL.O. 23:00)
土、日、祝日: 12:00~23:30 (料理L.O. 22:00 ドリンクL.O. 23:00)

定休日:月
月曜日が祝日、または祝前日の場合は営業いたします。詳細は店舗に直接ご確認ください。

www.hotpepper.jp

書いた人:塩見なゆ

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酒場案内人(飲食・酒類専門ライター)。東京都杉並区・荻窪生まれ。 得意分野は街と酒。 新宿ゴールデン街に通ったお酒好きの両親を持つ。両親が飲んでいた瓶ビールに憧れて成長する。趣味からはじまった酒場めぐりは、次第に仕事になっていく。

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