極上のうま味が押し寄せる!「エビのマスタードカレー」のレシピ【東京カリ~番長】

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でらいつカレーvol.14 「エビのマスタードカレー」の作り方

「カレーの具の定番と言えば?」 

そう質問されたら何と答えますか? 

豚肉と答えたあなたは、東北、あるいは関東ご出身ですか?

牛肉と答えたあなたは、関西?

鶏肉と答えたあなたは……インド?

まーまー、いずれにせよ、肉方面を答える方は多いかもしれません。

少なくとも、

「シーフード!」

と大声で答える方は、少ないですよね~、きっと。

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某インターネットポータルサイトが行った「カレーにいらない具」のアンケート調査によると、第3位がシーフードでした。

その理由の多くが「生臭さ」だったらしいのですが……わかります。

それ、すっごくわかります。

 

でもちょっと待ってください!

シーフードっていうとちょっと抵抗あるかもしれませんが、エビ、だったらどうです?

エビ、好きですよね? 私は大好きです!

エビフライ、エビチリ、エビマヨ、エビグラタン、海老の天ぷら、えびしんじょ……もう絶対おいしいヤツばっかり!

だったら、カレーに入れたっていいですよね? ね? てことで、今回は、「きっと、みんな大好き〜!」な、エビを使ったカレーを紹介しましょう。

題して、でらいつカレー流「エビのマスタードカレー」

 

今回使う食材はこんな感じです!

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材料 (2人分)

  • エビ(冷凍むきエビ):250g程度  
  • ココナッツミルク:200ml  
  • 玉ねぎ:小1個
  • ヨーグルト:大さじ3  
  • トマトピューレ:大さじ1  
  • 粒マスタード:大さじ3
  • オリーブオイル:大さじ1  
  • カレーパウダー:大さじ1
  • ししとう:1本  
  • にんにく:1片  
  • しょうが:1/2片   

前にも書きましたが、ちょっとこだわりたかったら「カレーパウダー」の代わりに個別のパウダースパイスを使ってみましょう。

「コリアンダー」「クミン」

「カルダモン」「ホワイトペッパー」

「ターメリック」「レッドチリ」

を使って、自分の好きな香りに仕上げるのもいいかもしれませんね。

カルダモンの香りが立つと、ぐっと本格的になりますよ。

エビは新鮮な生の有頭エビなんか使うとすっごくおいしくなりますが、ちょっとお高いですし、下ごしらえが面倒なので、今回は冷凍のむきエビを使います。

 

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冷凍だって十分おいしく作れます。

ただし、ちっさいのではなく、おおぶりなヤツを使ってくださいね!

そこは絶対ケチらないほうがいいです。

ちなみにこれ、冷凍のむきエビを自然解凍しただけです。

火を通してないのに赤いって、加工工場の下処理の段階でちょっと火が入ってるんですかね~? 冷凍焼け? 

ん~、どうなんだろ? エビ加工に詳しい方、教えてw。

ま、いいや。

さっそく調理に取り掛かりましょう!


まずは下ごしらえから

スムーズな調理のため、下ごしらえをしましょう。

  • 玉ねぎ:繊維方向にスライス
  • にんにく、しょうが:みじん切り
  • ししとう:粗みじん切り

冷凍むきエビは、袋から出してボウルにあけておきましょう。

上記の下ごしらえ&調理をしていれば勝手に解凍されると思います。

なので、とくに何もしなくてOKです。

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▲玉ねぎ:繊維方向にスライス

 

極薄の必要はありません。2~3mmでOKです。

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▲にんにく、しょうが:みじん切り

 

めちゃめちゃ細かくする必要はありませんが、大きすぎるのも困るので、まー、この程度で。

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▲ししとう:粗みじん切り

 

ヘタの部分を切り落とし、縦に半分に切ってから横に向け粗みじん切りしてください。わかってると思いますが、ヘタは使いませんからね。

あ、ししとうを使ってますが、辛いのがスキ~! という方は「青唐辛子」でもOKです。

下ごしらえが終わったら、調理の開始です!

 

調理開始!

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フライパンに調理油(大さじ1.5)を中火で熱し、にんにく・しょうがを香りが立つまで炒めます。

 

まずはにんにくから。

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つづいて、しょうがを加えて炒めていきます。

さて、でらいつカレーの熱心な読者であれば、

「油を熱し」→「にんにく・しょうがを加える」

という一連の流れは何の疑いもなくやってますよね?

でも実は、「最初に油を熱する必要があるのか問題」ってのがありまして、

これは、活動19年目に突入した東京カリ~番長の中でも意見が分かれるところなんです。

イタリアンをちょっとでもカジッたことがある方なら、「コールドスタート」はご存知ですよね。

簡単に説明すると、オリーブオイルにニンニクの香りを移すときは、冷たい(常温の)オリーブオイルの中へにんにくを加え、それから火をつけ、弱火でじっくり香りが出るまで炒める、という調理方法です。

カレーを作るときだって、この方法を用いても全然OKなのですが、(実際、私も10数年前はそうしてました。ライブクッキングショーなんかの時に、得意げに「コールドスタート」なんて語ってましたね~)今は、油を熱してからにんにくを加える、ということが多いです。

「なぜ?」と聞かれたら、説明が面倒なので「その方が調理しやすいから」と答えるかもしれませんが、まーぶっちゃけ、どっちでもいいと思いますよ。

皆さんはお好きなように始めてください。

 

はいっ。調理に戻ります。

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白っぽいのがにんにくです。

これが茶色く色づくまで炒めましょう。

 

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この程度まで炒めたら、次の行程に進みます。

 

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粒マスタードを加え、混ぜ合わせる。

 

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熱した油の中に粒マスタードを加えると、バチバチと跳ねます。 

やけどにご注意を!

 

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玉ねぎを加え、きつね色になるまで炒め煮をする。

 

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玉ねぎを加えたらすぐに全体をしっかり混ぜ合わせてください。

いつもの玉ねぎ炒めでは、ここで「塩」を振りますが、今回は省略しても大丈夫です。

なぜかって? 

粒マスタードの中に塩が入っているからですよ。

 

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水を加える(150ml程度)。

 

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水を加えたら、強火にしましょう!

これ、チョットしたポイントです。

 

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フタをして炒め煮をします。

フタをする理由は、以前のレシピ紹介でも書いてますが、覚えてますか?

初めてここを読まれる方もいるかもしれませんが……書いてあるレシピ、探してみてください!(すみません。不親切で)

 

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途中フタを開け、玉ねぎが焦げつかないようかき混ぜながら炒め煮をします。

この写真の玉ねぎは、まだ白いところが目立っていて中はシャキッとしています。

目指す「炒め玉ねぎ」の完成まではまだまだですね~。

 

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炒め煮をしている途中、水分が蒸発してしまったら水を加えてください。

 

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水を加えたらまたフタをして、炒め煮をします。

水を加えたとは言え、強火なのでなべ底は焦げやすいです。

鍋底をしっかり刮(こそ)ぎながら炒めていきましょう。 

 

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玉ねぎの白いところがなくなるまで火が入ったら、フタを開け、水分を飛ばすように炒めていきます。

フタを開けてからも強火で炒めていきますが、玉ねぎの状態をよく観察し、状況に応じて火加減は弱めてもOKです。

この程度まできたら、「炒め玉ねぎ」の完成はもうすぐです。

 

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玉ねぎの白いところがなくなり全体がきつね色になったらこの工程は終了です。 

 

次の工程に進みましょう。 

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ヨーグルトとトマトピューレを加え、水分がなくなるまで炒める。

 

まずはヨーグルト。 

略して「グルト」……なんて言ってるのは、私だけでしょうか?

グルトは前もってなめらかになるまでしっかりかき混ぜておいてたほうがイイですね。

その方がダマになりにくいです。

この時、火加減は中火くらいに下げましょう。

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つづいてトマトピューレ、略して「トマピュー」を加えます。

あ、グルトとトマピュー、どっちを先に加えてもいいですよ。

 

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グルトのダマが出来ないよう、しっかり混ぜ合わせながら炒めていきます。

 

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この状態はまだちょっと水分が多いですね。

もうちょっと根気よく炒めましょう。

 

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この程度まで水分がなくなるまで炒めます。

って、言われても、ひとつ前の写真と比べてもちょっと分かりづらいですよね?

 

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こんな風にフライパンを傾けても水分が流れ落ちず、ずるっと滑り落ちない状態が目安です。

 

この程度にまでになったら次の工程に進みます。

「カレーロード」を見せてもよかったんですが、たまには、こーゆー見せ方もね、アリでしょ?

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カレーパウダーと塩を加え、弱火で炒め混ぜ合わせる。

 

カレーパウダーを加えるときは、弱火にしましょう。

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もう何度も書いてますが、弱火にするのはパウダースパイスを焦がさないためです。

とは言え、スパイスにもしっかり火を入れたいので、完全に火を消してしまうのではなく、弱火をキープしながら炒めていきます。

 

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カレーパウダーの粉っぽさが残らないよう、しっかりと炒めながら混ぜ合わせましょう!

この程度までしっかり炒めたら、「カレーの素」は完成です。

 

次の工程へ進みましょう。

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エビを加え、弱火で炒めながら混ぜ合わせる。

 

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エビに「カレーの素」を絡めながら炒めましょう。

火加減は弱火のままでOKです。

 

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ココナッツミルクと水を加え、強火で2分程煮込む。


水(100ml)を加えている写真を載せていませんが、水も加えてますよ!

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ココナッツミルク、水、カレーの素、エビをしっかり混ぜ合わせましょう。

 

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強火にして1~2分というのは、表面が大きくボコボコと沸騰するまでです。

1~2分というのはあくまで2人前を作るときの目安です。

表面がボコボコするまでは必ず強火にかけましょう。

表面のボコボコを見届けたら、いったんこのフライパンは火から下ろします。

 

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オリーブオイルを熱し、ししとうをテンパリングしてカレーに加える。

 

「tempering」を英英辞典で調べると、「hardening something by heat」と書いてあります。「熱処理で何かを硬化させる」と言う意味だと思うのですが、何のこっちゃですよね?

お菓子作りに詳しい方なら、チョコレートの「テンパリング」を思い浮かべるかもしれませんし、刃物の熱処理に詳しい方なら、「あ、あのことね!」と思ったかもしれません。

カレー作りでいう、テンパリングとは、ざっくり言うと、「火入れによる香りだし」です。熱した油に香りの出るものを加え、油にその香りを引き出す、という作業工程です。 

 

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テンパリングするときは、深さを作ったほうがいいので、フライパンは傾けましょう。

この時の火加減は、中火くらいです。

 

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テンパリングしたししとうをオリーブオイルごとカレーに加える。

<注意!!>

この時、油が熱々だと、加えた瞬間、カレーが爆発するように噴き出す可能性があります。

テンパリングしたオイルは、温度を少し落ち着かせてから加えましょう。

テンパリングしたてのアッツアツのオイルを「ジュワッー!」と加えるのもカッコイイのですが、慣れないうちは、油の温度が下がってから入れるのをおススメします。

 

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とろ火で5分程煮込んで完成!

 

テンパリングオイルは全体にしっかり混ぜ合わせましょう。

「とろ火」とは、表面が小さく沸々とする状態です。

煮込み時間の5分というのはあくまで目安です。

時々かき混ぜながらエビに火が通るまで煮込みましょう。

 

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エビに火が通ったら完成です!

さー、あとは盛りつけるだけ。

具がエビだけのシンプルなカレーですから、ちょっとシャレオツにライスと別盛りで盛り付けましょうか。

ライスもターメリックで色つけちゃったりして……。

 

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「エビのマスタードカレー」の完成でーす!

今回用意したライスはバスマティと日本米のミックスをターメリックで色づけました。
ん~、なかなかイイ感じじゃないですか?

 

さ、温かいうち、いただきましょう!

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まずはエビでしょ!

ん~、冷凍エビとは思えないくらいプリップリに仕上がっていて、本気でウマイじゃん! 大きいエビだからこそ、ですね。

 

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次はカレーソースをターメリックライスと合わせて、パクリ。

自分で言うのもなんだけど、いい味してんな~。

 

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残りわずか。

最後はライスにかけ、混ぜ混ぜして食べましょう!

 

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いつも思うけど、最後のひと口って、ちょっと寂しいですね……。

でもしょうがない。 

食べていればいつかはなくなるんです。

なくならないカレーなんて、ないんです……。

 

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あっという間の完食。

ごちそうさまでした!

粒マスタードの酸味が効き、オリーブオイルがほのかに香るココナッツミルクの濃厚なソース。エビの風味が漂っていながらも、決して生臭くない、とっても美味なカレー。

これは今回も、女性にウケちゃうな~!


おさらい

「エビのマスタードカレー」 材料(2人分)

  • エビ(冷凍むきエビ):250g程度
  • 玉ねぎ:小1個
  • ヨーグルト:大さじ3
  • トマトピューレ:大さじ1  
  • 粒マスタード:大さじ3
  • カレーパウダー:大さじ1
  • 塩:小さじ1/2
  • オリーブオイル:大さじ1 
  • ししとう:1本  
  • にんにく:1片(小さめ4g程度)  
  • しょうが:1/2片(5g程度)
  • ココナッツミルク:200ml
  • 水:100ml
  • 調理油:大さじ1.5

※その他、玉ねぎの炒め煮用に水を150ml以上使います。

下準備

  • 玉ねぎをスライス
  • にんにく・しょうがをみじん切り
  • ししとうを粗みじん切り

調理

  1. フライパンに調理油を熱し、にんにく・しょうがを香りが立つまで炒める
  2. 粒マスタードを加え混ぜ合わせる
  3. 玉ねぎを加え、きつね色になるまで炒め煮をする
  4. ヨーグルトとトマトピューレを加え、水分がなくなるまで炒める
  5. カレーパウダーと塩を加え弱火で炒める(これでカレーの素が完成)
  6. エビを加え、「カレーの素」をしっかり絡めながら炒め混ぜ合わせる
  7. ココナッツミルクと水を加え、強火で2分程煮込む
  8. オリーブオイルでししとうをテンパリングし、カレーに加える
  9. とろ火で5分程煮込んで完成

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最後にワンポイント!

テンパリングオイルは冷ましてから加えよう!

「アツアツでジュワッ」は、慣れてから!

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いかがでしたか? エビのマスタードカレー。

敬遠しがちなシーフードカレーかもしれませんが、まずはエビから始めてみると、意外とハマるかもしれませんよ! 今回も作ってみてください! 是非に! 

 

※この記事は2017年11月の情報です。

 

書いた人:伊東

伊東盛

料理ユニット「東京カリ~番長」のリーダー。得意技は全国各地へカレーを作りに行く「出張カリ~」。雑誌・書籍・WEB等でのレシピ紹介やカレー関連商品の監修、飲食店のメニュー開発などを手掛ける。週に一度“間借り”でカレー屋を営業中。

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