二日酔いなら黙って飲め! 沖縄の究極のインスタント味噌汁「かちゅーゆ」を飲め!

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昨日はあんなに楽しかったのに。今朝はなぜ、こんなにも楽しくないのか……。
飲んではしゃいだ後に訪れる後悔……そう「二日酔い」。
10年以上大人をやっていると、さすがに人様に迷惑を掛けるレベルの失態は少なくなりましたが、翌朝にお酒が残ることが増え、回復力に年齢を痛感するこの頃。


やっちまったー……そんな時にモーレツに恋しくなるのが味噌汁です。
やっぱりね、日本人の原点よ。
弱った体が本能的に欲するあたり、実感します。
でも作るのはしんどいし、どこかに買いに行くのなんてもっとしんどいじゃない。

そんなときは、沖縄のおかぁの味「かちゅーゆ」を飲め! 黙って飲め!

 

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材料は「鰹節」と「味噌」のみ。とりあえず、作り方を見てほしい。

作り方(梅干、ごま入り)

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1、茶碗に鰹節をふぁさーっと盛り、味噌をスプーン1杯入れる。
(味噌汁とかつお節だけでもいいが、今回はいつも作る梅干とごま入り)

 

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2、あつあつの熱湯を茶碗1杯注ぐ。

 

以上! だ!

 

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なんと1分で作れる超時短レシピ。
なんならパッケージを開けて、味噌を絞り出して、お湯を注ぐインスタントよりも早いかもしれません。衝撃的なまでに簡単なのに、味噌や鰹節に含まれるアミノ酸やミネラルが肝臓の働きを助けて回復を早めてくれるので、疲れた時や弱った時に飲むと元気になるのです。失われた水分と栄養分がとれて、胃腸も温まり、具で栄養補給もできるんて、か、ネ申レシピ……!

さて、お味。

 

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んーー(ほっこり)。

薄味の味噌汁、味噌味のすまし汁といったらなんだか味気なく聞こえますが、あっさりとしながらもだんだん鰹節の旨味が広がってきて、痛んだ胃腸にじゅんとしみる味。くたくたになった鰹節を具として食べると満足感も出てくるし、ほぐしながら食べる梅干の酸味もアクセントに。「五臓六腑に染みわたる」ってやつですよ。最後の方、完全におにぎりが欲しくなってくる。
※しかし調子に乗って鰹節を盛り過ぎた結果、鰹節から出た出汁でどんどん味が濃くなってきたので、最初は薄いと感じるぐらいが丁度良いかもしれない。

沖縄では家庭ごとに様々な具を入れてアレンジして飲むようですが、今回は脱! 二日酔いレシピということで、二日酔いに効果的な食材をちょい足し。

なめたけおろし

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豊富な消化酵素とビタミンCが胃腸や肝臓の働きを助けてくれる大根。今回はビタミンCが多く含まれる皮ごとすりおろします。なめたけに含まれる食物繊維やヌルヌル成分「ムチン」には整腸作用があり、胃の粘膜保護に効果的とか。

 

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ズズーーッとすすると体あったまるわぁ~~~。

お味はさながらみぞれ味噌汁(そのまま)。最初はピリッとした大根おろしもだんだん辛みがとれてまろやかな味に。なめたけのトロッとした感じと絡み合って、優しさがにじみ出てきます。 こういう優しさを求めていたよ。

 

とろろ昆布、ネギ

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アルコールの分解で酸性になった体を元に戻す、海藻のアルカリ性パワー。ビタミンと吸収率の高い海洋性ミネラルもたっぷりのとろろ昆布にネギをIN!

 

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うまーーーいっ!

鰹節ととろろ昆布の両方から旨味が出て、平面的だった味に奥行きが出た! 美味しい…これ美味しいなぁ。ネギの清涼感もいいです。

 

にんにく卵

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――ロシア人は、二日酔いの酔い覚ましに生卵をジョッキで飲むって言ってた。
「へー、ロシア人ぽい~(おそロシア)」なんつってその時は聞き流しましたが、調べてみると卵黄はアルコール分解を促し、卵白のたんぱく質には肝機能を高める効果があり、にんにくには肝機能を高めるビタミンB1と吸収率を高めるアリシンが豊富だとか。ロシア人、ちゃんと理に適ってた。
でもちょっとくどいんじゃないの~? 二日酔いには厳しいんじゃないの~? と、身構えながら飲んでみる。

 

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れれ? にんにくの存在感が……ない。

スープの味は、基本のかちゅーゆ。
でも卵をくずしてみると、味噌とかつお節が染み出した汁に卵の甘味が混ざり合ってマイルドに! にんにくを齧ってみると、ピリッとした辛みで味が引き締まる感じ。この組み合わせ……イケる! お昼はもうこれと納豆ごはんだけでいい気がしてきました。
ただ、二日酔いで本当の底辺にいるときは、若干この卵の甘さがメンタルにくるような気がするので底辺から少し上昇した頃にいただきたいです。

 

さきいか

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肝機能を助けるタウリンたっぷりでお馴染みのシジミ。でもシジミってそんなに手軽な食材じゃないですよ。シジミを買う!って思ってないと、偶然家にあるような類の食材でもない。そこで調べてみたら、加工品のさきいかやスルメイカにもタウリンが含まれることが判明。お湯を入れたら小皿を被せて、2分程度蒸らしてみました。

 

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こ、これは……!とろろ昆布のようにさきいかから「だし」が出て、味に深みが出ています。どちらかといえば、とろろ昆布より濃厚な、甘じょっぱい……アミノ酸!(調味料的な)という感じ。少々ジャンクな旨味です。

 

チーズ、トマト、アボカド

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アボカドとトマトって言っておけば、女子が集まると思ってる。
でもこれ、味噌に入れちゃいますからね!

オシャレなサラダやパンに挟んだりしないからな!

吸収率の良いチーズのたんぱく質に、頭痛や吐き気などの不快症状を抑えるトマトのリコピン、ビタミンたっぷりのアボカド、おつまみ食材としても圧倒的支持を得ている3品ですが、容赦なく味噌と鰹節の海に沈めてやります。

 

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だいぶ穏やかな「豆乳味噌スープ」。
ブラックペッパーを振ってみると、さらに和洋折衷な風合いのスープになります。
とけたチーズが鰹節に絡み、柔らかくとろけたアボカドも悪くない。しかし二日酔いの状態で飲めるかっていったら……個人的にはもう少しあっさりした和風がいいです。

ではここらへんで、安全地帯から旅立ちたいと思います。

 

スイカ、パイナップル、メロン

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どれも利尿作用を高めるカリウムや疲労回復に役立つビタミンB群が多く含まれ、果汁たっぷりでジューシーなフルーツです。スイカとメロンはカボチャと同じウリ科だし、パイナップルも料理に入れたりするし……(戸惑いながら)。

 

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汁を啜ってみるとスープは完全にベースのかちゅー湯(果物が溶けてない)。

そこでスイカを食べてみました。
「スイカの味……」

パイナップルを食べてみました。
「パイナップルの味……」

メロンを食べてみました。
「メロンの味……」

彼らは味噌味に染まることなく、また、溶けて他者を染めることもなく、姿形も香りも味も、彼らは己のアイデンティティをひたすら保っていました。
ただただ、汁だけが鰹節の出汁で濃くなっていきました。

そして二日酔いとは関係ないけどやってみたかった。

 

かちゅー湯めし

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さきいかかちゅー湯に残りご飯をどぼん!(ついでにネギとみょうがを散らす)
味噌汁ぶっかけ、ねこまんま。これがめちゃめちゃ旨かった。
さきいかとかちゅー湯の旨味をごはんが吸い込んで、雑炊のようになります。みょうがとネギの清涼感がアクセントになって、これも正解!

 

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実食レポ中なので必然的にこうなります。今日の昼ごはん。

さらにますます二日酔いとは関係ないですが、やってみた。 

ポテチかちゅーゆ

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ポテチの味噌汁が市民権を得ていると聞いて。

 

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汁気を吸ってふにゃっとした頃に食べてみると、普通に薄切りじゃがいもの味噌汁です。さらにベースがアボカドチーズトマトのせいか、違和感なく食べられます。


二日酔いの時。
自炊で味噌汁まで作るのが面倒な時。
残業で疲れたけど何かお腹に入れたい時。
大急ぎで朝ごはんを食べたい時。
そんな時に、大活躍のかちゅーゆ。

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1分で作れるこの味は最高!

※ちなみに2日間に分けて行った実食レポートにより、80g入りの鰹節が一気になくなったので、プリン体めっちゃ摂り過ぎている気がしなくもない。いや、する。

 

書いた人:山口紗佳

山口紗佳

ビアジャーナリスト/ビアテイスター 1982年愛知県出身、名古屋と東京の編集プロダクションで雑誌や広告、書籍の制作経験を経て、静岡県西部でビール代を稼ぐフリーライターに。休日はオートバイで食材調達ツーリング。ビールとバイクと赤が好き。

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