ユーザー120人に聞いた、夏の「そうめん」を飽きずに食べ倒すには?【具&薬味のバリエーション大研究】

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ハクオーことフードライター白央篤司が、毎回ひとつの食テーマを掘り下げてお届けする「ハクオー研」。

今回のテーマは「そうめんの薬味&具」です。

 

そうめんに欠かせないものとは?

みなさんはそうめん、どんな風に食べてます?

人によってこれ、かなり違うと思うんですよ。まずは定番どころでいうと……

  • ネギ
  • ミョウガ
  • おろしショウガ
  • ゴマ
  • きざみ海苔

このうちのどれか、もしくはこの中から2つ3つを入れる人は多いはず。あ、ワサビを添える人もいますね。あとは……

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大葉は外せない、って人も。蒸し暑いときに、大葉のさわやかさはうれしいものですな。

 

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薬味じゃなくて具になりますが、私はシーチキンをめんつゆに入れるの、好きなんです。

 

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シーチキンもいろいろあれど、私はそうめんの場合、カツオのオイル漬け一択。コクがあって味が濃いめで、つゆと相性がいいんだなあ。

キュウリやミョウガと一緒に食べると実にうまい。

 

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あと、トマトを細かく切ったのもいいですね! トマトとめんつゆも好相性。

 

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「ざく切りトマト×ラー油×大葉のせん切り」、この組み合わせは一時ハマりました。ピリ辛さっぱり、食欲のないときにもツルツル入ります。トマトを凍らせて、おろしてめんつゆに混ぜて使う人もいますね。

 

うーむ。

そうめんアレンジ、世の中にかなりありそう。これはいっちょ調べてみたいと思い、ツイッターでアンケートをお願いしたんですね。いただいたリプライは121件。

想像を軽く超えた、バラエティに富んだそうめん世界がそこにありました……!

 

安定の「たまご系」

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教えてもらったそうめんアレンジから、手軽でマネしやすそうなものを中心にご紹介します。まずは……

 

たまご系

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錦糸卵(薄く焼いた玉子を細切りしたもの)を入れる」という意見はかなり多かったんですが、炒り卵派もかなりの数。錦糸卵より手間がかからず、いいですよね。

 

「ゴマ油と塩でほろほろに炒った卵、そうめんが止まらなくなる」

(佐々木浩久監督 @hirobay1998 )

 

という情報をいただきました。さっそく試してみたら、

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めちゃ、うまい。ゴマ油がほんのり香ってコクが出るなあ。

シソを足したくなったんですが、素晴らしいコンビでしたよ。さらにシラスを加えたのも最高でした!

 

たまご系では他に

  • 温泉卵
  • 生卵
  • 目玉焼き
  • ゆで卵の黄身を細かくしたもの
  • ウズラの卵

を入れるという人も。

 

手軽さが魅力の「缶詰系」

続いてはこちら。

缶詰系

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さんまのかば焼きを入れる、という意見にはちょっとビックリ。

 

「個人的に単体ではそれほど食べたいと思えないものですが、なぜかそうめんと合わせると異様な旨さを発揮します」

(@Euphonica_045 さん)

 

マジっすか!

 

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おお、ごちそう感増すなあ……。

「さんまのコク&甘辛いタレ×めんつゆ」ケンカしないもんですね! そうめんがいくらでも入っちゃう感じ。箸が進みました。

滋賀県にサバを甘辛く煮つけてそうめんと一緒に食べる郷土料理があるんですけど、かなり感じが似てます。

 

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ちょっとひらめいて、ワサビをのせてみたらこれまたうまいッ。よりサッパリします。

 

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そうそう、缶詰ものといえば私はコンビーフをそうめんつゆに加えるの、好きなんですよ。

 

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ここにネギとかミョウガをどばどば入れて食べると、うまいんだ。

ちょいマヨネーズつけてもいいですよー。辛子マヨネーズなんか添えるとオツな味になります。

 

缶詰系ではサバの水煮缶を入れるという人は多かったですねえ。イワシやサンマの醤油煮、ツナマヨを作って入れるという人も。

 

そうそう、サバ水煮缶といえば先日『メシ通』で作ったこの記事。

この味噌汁を冷やしておいて、そうめんを入れてもですね……

 

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うまかったんですよ!

キュウリ足して冷や汁風にすると夏にピッタリ。そうめんが入るぶん味が薄まるので、味噌や醤油、だし醤油などで調整するとちょうどよかったです。

 

夏はやっぱり辛いモノが欲しい!

まだまだあります。

唐辛子系

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キムチを入れるという声もちらほら。

暑くて食欲のないときに、酸味と辛味のあるキムチは役立ってくれますよね。

 

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「キムチ×刻みトマト」の組み合わせ、実にいい相性でした!

ここにツナ、カイワレなどを足すのもおすすめ。

 

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「キュウリを千切りにして一緒に食べる」という声はかなりいただいたんですが、その中に「キュウリをコチュジャンで和えたものを入れる」というのがあったんです。

おお、うまそう。

 

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やってみました。

 

合うなー!

なんかね、ごく普通のそうめんがいきなり冷麺っぽくなるんですよ。

キュウリ2分の1本に対して、コチュジャン大さじ1ぐらい、ゴマ油とみりん少々で和えてみました。ここにサラダチキンや温泉卵なんか入れて、さらに冷麺風にしても良さそう。

  

まさに十人十麺

そうめんの具、中にはこんな食べ方も。

冷やし中華の具系

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カニカマを入れるという人もいましたねえ、刻んだカマボコを入れるという人もあり、またハムを入れる人も。冷やし中華の具になりそうなものは、間違いなく合いますね。

キクラゲの刻んだの、という人もいたなあ。ゆでもやしも加えたくなる。めんつゆにちょっと酢を入れてもよかったです。

 

そのほか

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野菜類の中で特に多かったのが、オクラを入れるという声でした。

「刻みオクラを入れると、めんつゆに軽くとろみがついておいしい」という意見、目立ちましたね。ここに練り梅や梅干しを添えてサッパリいただく、という人も。

やっぱり夏はサッパリ感の演出、大事だなあ。

「梅×オクラ」そうめん、ファンになりました。サラダチキンを細かく切って、さらにミョウガも加えたバージョン、うちの定番になりそうです。

 

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スダチを絞る派も多かった。

私は「そうめん×スダチ」やったことなかったんですが、グーンと上品な感じになるものですね! いきなりな高級感。ちょっとハマりそう……。

「カボスも合うよ!」という声もいただきました。

 

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「アボカドを入れる」という人も。

これ、完熟したのをつぶし和えるようにして食べるとウマい! さらにトマトを合わせてみました。

あとこれね、黒コショウをかけると妙に合いますよ。さらにはゴマ油とかもいい感じ。

 

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「大葉もいいけど、エゴマの葉もすごくいいよ」と教えてくれたのは料理家の服部志真さん。

 

うん、ホントに良かった……。

いやー合うもんですなエゴマ! 大葉みたいに千切りにしてめんつゆに入れてみたら、思いもよらぬ相性の良さにビックリ。

エゴマと他のものいろいろ合わせてみましたが、「エゴマ×カニカマ×ラー油」がすんごいうまくて、そうめん食べ過ぎてしまいました。

 

バリエーションは無限!

ああ、残念ながらすべては紹介はできず! その他の「そうめんと〇〇を一緒に食べるとうまいよ」なご意見、以下にまとめてみました。

 

野菜・海藻系
  • パクチー
  • ホースラディッシュ
  • ゆでたホウレン草
  • 刻みヤマイモ
  • 玉ねぎみじん切り
  • 甘辛く煮た干しシイタケ
  • 炒めたミョウガ
  • バジル
  • モロヘイヤ
  • 大根おろし
  • 焼ネギ
  • 軽く塩ゆでしたゴーヤ
  • めかぶ
  • ワカメ
  • ラッキョウ漬けを刻んだの

 

大豆系
  • 納豆
  • パリパリに焼いた油揚げ
  • 薄甘く煮た油揚げの刻んだの

 

梅系
  • 梅干し
  • 梅酢
  • ねり梅・叩き梅

 

オイル系
  • ラー油
  • オリーブオイル

 

その他
  • 天かす
  • 七味
  • スイートチリソース
  • ユズ胡椒
  • 豆鼓
  • 豆乳×ゴマ油とラー油
  • 刻みピーナッツ
  • S&Bの「刻み青じそ」←これ、使ってみたら便利でした!

 

あと、「グリーンカレーをつけダレにする」という人も多いですね。そうめん用にいなばの缶詰を利用する人も増えているよう。

 

一品料理をそうめんに加える、またはそうめんにかけて食べる派もかなりの数。

  • 鶏ささみを蒸してほぐしたの
  • 鶏そぼろ
  • 豚しゃぶ
  • イカ刺
  • 焼きナス
  • ナスの味噌炒め
  • ナスのゴマ油炒め
  • ナスと豚肉の炒め
  • 素揚げしたナスを干しエビのだしで煮たもの
  • 夏野菜類の素揚げ
  • 麻婆豆腐
  • バルサミコとハチミツでマリネしたプチトマト
  • ナスやミョウガの甘酢漬け
  • ぬか漬けの千切り
  • ピーマンのおかか和え
  • 山形の「だし」

 

みなさん独自のアレンジで楽しんでますねえ。

「めんつゆが冷えてない場合、冷凍のオクラや焼きナスをそのまま入れて冷やす」なんてアイディアは「なるほど!」と膝を打ちました。オクラはあらかじめ刻まれたものが冷凍商品で売られていたりもしますね。

それぞれを組み合わせたら、バリエーションはもう無限。

 

 

栄養を考える人に

そうめんって、ついついネギとかミョウガとか、薬味だけですませちゃうことも多いかと思います。以前に雑誌『栄養と料理』の編集委員、監物さんから習ったんですが、

 「主食+主菜+副菜」の組み合わせを守ると、栄養バランスを整えやすいのだそう。これをそうめんで応用するならば……

「主食(そうめん)+主菜(肉・魚介・大豆製品)+副菜(野菜)」

この構成でトッピングを楽しむといいわけですね。サラダチキンをほぐして加えるもよし、納豆そうめんに薬味たっぷり……なんてのも良さそう。夏バテ防止で、なるべく主菜・副菜一緒のせを心掛けたいですな。

 

この夏いろいろとおいしい組み合わせ、さらに研究してみます!

  

執筆・撮影:白央篤司

白央篤司

郷土料理がメインテーマのフードライター。雑誌『栄養と料理』、『ホットペッパー』、農水省広報誌などで執筆。著書に「にっぽんのおにぎり」(理論社)「ジャパめし。」(集英社)など。

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