昼は職人、夜はバーテン。ダブルワーカーが営む酒場が気になる【二条】

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どうも! 一昨々日も一昨日も昨日も飲んで、なんなら昨夜は酔いつぶれて家のトイレに籠城していた、メシ通レポーターの平山です。あー、頭が痛い。

 

おいしいお酒と楽しい酒場があれば、遠い距離もなんのその。京都市内を々浦々、出かけて行きますが、今回はJR二条駅近くにあるバーをご紹介します。

 

「二条って夜、何もないやん」と、京都をお知りの方は言うでしょう。まあ、そうなんだけどさ。二条駅といっても、あの二条城に行くには歩いて20分近くかかるし、住宅地も近いので夜はオヤスミが早いもんで。 

 

でも、二条にはあるんやで。「サマータイヨウ」という酒場がな。

 

二条の夜に輝く、沈まない太陽

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場所は御池二条の交差点を少し南に下ったところ。二条駅の東口の斜向いです。

 

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小さな雑居ビルの小さな入り口、そのかたわらに看板が。

 

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「ケイカイ心をコウキ心に変えてぜひ3Fまでどうぞ」と書かれた黒板。

 

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昭和54年に建てられた、当時の容相を残すレトロなビル。

 

どうしても雑居ビルのなかにある飲み屋さんって、入店をためらってしまいがち。でも勇気を出してグワッとドアをあければ、ステキな空間が広がっていることもあるんです。このお店もそう。

 

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3階にあがると、ぬくもりのある木のドアが。これはワンクッション用のドアで、開けると正面にトイレ、左手にお店の入り口があります。いざ入店!

 

音楽と笑い声が飛び交うオトナの秘密基地

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店内は満席。後ろにはロータイプのテーブル席がふたつありますが、こちらもギッシリ。飲み友達がたまたま、カウンターの横に立つようなかたちで飲んでいたので、その隣に陣取りました。

 

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▲瓶ビール 700円

 

生ビールはアサヒですが、喉が乾いていたため瓶ビールをチョイス。アサヒのグラスでサッポロを飲むのです。このお店の瓶ビールはサッポロラガーなのがうれしいですね。赤星を見るとテンションがあがってしまう……。

 

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照明に反射してキラキラ輝くボトル。ウィスキーは20種以上、カクテルはスタンダードなものから、お好みを伝えてオリジナルカクテルまで、いろいろとつくってくれます。

 

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豪快に笑うこの人がマスターのマコトさん。

 

背もデカイ、身体もデカイ、手のひらも声もデカイ。気さくなアニキです。

 

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店内のBGMはレコード。音楽好きのマコトさんがチョイスしたレコードが棚に150枚ほどあり、その時々で盤は変わります。

 

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▲コンビーフとチーズのカリカリ焼き 300円

 

リーズナブルなオツマミも充実しています。口寂しくなってきたので、お気に入りのアテ、コンビーフとチーズのカリカリ焼きを注文。香ばしく焼き上げられたカリッカリのチーズとコンビーフのハーモニーがたまりません。

 

週替わりの限定カクテルは必飲!

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辛いものと酸っぱいものが好きな私は、あま〜いカクテルは普段ほとんど飲みません。バーボンロックと水! が常套句ですが、ここではちょくちょくカクテルを注文します。

 

それは、週替わりで登場するフレッシュフルーツをたっぷり使った限定カクテル。

 

フルーツの自然な甘みがめちゃくちゃウマ〜なので「甘いのは苦手!」という方でもこれは気に入るはず。

 

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大玉のグレープフルーツを半分も使って、フレッシュジュースを絞っているマコトさん。そこに方々から注文が入り「ちょま、ちょっと待って待って」と慌ただしくなる厨房。

 

「なんでみんな一気に言うの?」

 

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▲グレープフルーツのカクテル 700円

 

絞りたての果汁がたっぷり入って、これはウマイ!  爽やかな甘みと酸味が、初夏の一杯にピッタリです。結構アルコールが入っているようですが、全然気にならないキケンな一杯です。

 

グラスのフチにできるエンジェルリングに、たくさんの果肉がついてくるのがうれしいですね。それだけフレッシュジュースが入っているということですから。

 

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で、

 

これだけならまあ、街中にある普通のバーですけれども。

 

マコトさんはバーのマスターとしての顔だけではなく、昼間の顔も持っているのです。

 

リアル太陽の下では、布職人

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さて、ここはサマータイヨウの近所にある商店街。

 

その一角に、

 

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「3JO CRAFTSMAN SHOP」と書かれたカッチョイイ店構えのショップがあり、

 

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トートバッグを中心に、クラッチバッグやエプロンなどが並ぶ……

 

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お店のマスターがマコトさんなんですね。

 

撮影しながら雑談してたんですが、夜にしか会わない人に昼間会うと、何話していいかわからなくなりますね。

 

彼は皮や布製品をつくる職人と、バーのマスター、2足のわらじを履きこなすダブルワーカー。深夜までバーの営業があって、どうやって昼間の工房もやってるのか謎です。パワフルすぎるやろ……。

 

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これらの商品がまたカワイイのなんのって。ひとつひとつ丁寧に縫製されたバッグは使いやすくて丈夫です。

 

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「一乗寺キャスケット」というブランドを展開して、自転車用のグッズもつくっています。

 

以前友達から裾バンド(スポーツ自転車に乗る際に、パンツの裾が汚れないように足首に巻くバンド)をプレゼントされたんですが、誰がつくっているか知らないまま、サマータイヨウに飲みに来た際にそれを装着していたら「あ、それ僕がつくってます!」という話で盛り上がったことがあります。

 

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奥は工房になっています。

 

マコトさんは身体が大きいので、写真を撮るとモノの縮尺が若干おかしくなる……。

 

ダブルワークって大変そう……と思いますが、楽しいとマコトさんはあっけらかんと笑います。それぞれのお客さんのジャンルは違っているし、違っていながらそれぞれのお客さんがそれぞれのお店に来てくれるなど、相互効果もあるのだそう。

 

現在商店街に構えるお店も、ゆくゆくは工房をメインにして移転したいとのことです。

 

彼のパワフルさの秘密は、ふたつの仕事をそれぞれ全力で楽しみながら新しいことに挑戦し続けることにあるのかもしれません。

 

さあさあ皆さん、二条に来た際はぜひ、この酒場で楽しく一杯やりませんか。

 

 ※ 金額はすべて消費税込です。

 

店舗情報

サマータイヨウ

住所:京都市西ノ京職司町19-3 二条ビル3F
電話番号:075-801-0139
営業時間:20:00〜翌1:30(LO 翌1:00)
定休日:木曜日
ウェブサイト:facebook

 

平山(おかん)

書いた人:
平山(おかん)

京都在住。合同会社バンクトゥの編集者/ライター/たまにイラストレーター。阪神間の酒場をうろつく酒好き。大学時代のあだ名「おかん」がいまや通称に。趣味は料理とアジア旅行。

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