
こんちは~、じゃなくて、おはようございま〜す。朝から元気な、メシ通レポーターのマツータケシです。
「腹が減っては戦ができぬ」と言いますが、“朝ごはん”はきちんと食べていますか?
空腹ではいい働きができません。一日のスタートにおいしい“朝ごはん”を食べて、パワーチャージをしましょう。食は活力の源であり、いやしですよ。
ということで今回は、朝6時からおいしい朝ごはんをいただける
「おきよ食堂」をご紹介。
今日は朝ごはんの取材なので、家での朝ごはんはヨーグルトだけ。お腹ぺこぺこ、食べる気満々です。
ではでは急いでお目当てのお店へ。

降り立ったのは福岡市中央区にある長浜エリア。福岡市の中心街・天神から車を走らせること5分ほどの場所です。
「おきよ食堂」があるのは、博多の海の幸の港である「福岡市鮮魚市場 市場会館」の建物の中。奥に進むとお店の看板を発見できます。

「おきよ食堂」という店名は、先代の女将“清子さん”のニックネームが由来なんだそう。鮮魚市場で働く漁師さんや仲買の人たちのお腹を満たす食堂として昭和22年に創業。当時は、面倒見のいい女将さんを目当てに訪れるお客さんも多く、朝昼晩問わず大盛況、というのは今も変わりませんね。
そして、20年前に市場会館ができたのを機に、その建物の中にお引っ越し。朝から晩まで美味しい魚が食べられると噂が広まり、今では観光客や、近くで働く会社員の方が引っ切りなしに訪れるお店になりました。
その秘訣は、何と言っても魚の新鮮さ、そしてその魚をいかした料理の美味さにあり! です。鮮魚市場の漁師さんから直接仕入れるというだけあって、「おきよ食堂」で料理する魚は、サイズ、見た目、新鮮さが抜群! 創業から69年、人と人とのつながりを大切にしてきたことが、一番の秘訣だそうです。博多っ子の胃袋をつかんできた、ハートフルな食堂。さっそく中に入ってみましょう。

広めの店内には、テーブル席も多いです。最近では、家族連れや外国の方の利用もかなり増えたそうです。

カウンターも12席あります。ひとりでも気軽に入れるのはありがたいですね。

奥にある小上がりの席では、宴会もできるそうです。忘年会、歓迎会などいろんなシチュエーションで、美味い魚とお酒で盛り上がりたいですね。

と、見てください、この豊富なメニュー! 常時30種以上は揃っていて、朝からがっつりいただけるそうです。
一般のお客さんや観光客にはお魚メニューが好評で、とんかつやとりの唐揚げなどの肉メニューは、市場内で働く人たちに好評とのことです。
う~ん……どれを頼むか悩んでしまいますね。困った時は聞くのが一番。「すみません、今の時季は何が旬ですか?」。
「今日のオススメは胡麻ブリとキンキの煮付けやね。おいしかよ~」。
ふむふむ。でも、いくら何でも定食二つは食べられませんです……。
「単品でも頼めるけん、食べてみらんね~」。
えっ、そんな贅沢な頼み方もできるんですか。
それならばと、「胡麻ブリ (単品600円)」と「キンキの煮付け定食 (1,000円)」をお願いします。
※ちなみに、単品で頼む場合は定食メニューから100円引きです。

新鮮で脂ののった近海のブリを一口サイズに。って、少し分厚くないですか。

炒りごま、すりごま、ごまペーストの3種のごまに加えて、博多特有の甘辛醤油などを調合して作った特製のごまだれに絡めて。
ごまのいい香りがふわ~っと漂ってきました。

ごまの風味をしっかりと食材に移してから、大葉を敷いたお皿へ盛り付けます。

炒りごまと刻みのりをのせて、わさびを添えたら完成です。

それでは、いただきま~す!
プリップリの身は歯ごたえも良くて旨味に品があって、ごまの風味が鼻を駆けめぐり、海苔がナイスアクセント。そしてなによりも魚の新鮮さが印象的で、クリアな後口に舌鼓。白ごはんが止まりません。
というのは誰もが同じようで、ごはんのおかわり率も高めだそう。
しかも、「ごはんは好きなだけどうぞ」というありがたいセルフサービスがあり、カウンター横に設置してある炊飯ジャーのそばを陣取る強者もいるとか。
ちなみに今までに丼ぶりで5杯食べた人もいたとか。おみそれしました。

と、ここで補足情報。アジやサバが旬を迎えると、「胡麻アジ」「胡麻サバ」がメニューに登場するのです。これらのメニューは、言わずもがな福岡の郷土料理なんですが、青魚は鮮度が良い状態で水揚げされる土地でしか、生で食べる習慣がないそうなんです。 脂がのったアジやサバは、刺身で食べるとなお絶品。福岡を訪れた時には食べなきゃ損ですよ。

そして「キンキの煮漬け定食 (1,000円)」。
どことなく“魚の煮付けの女王”たる凛とした佇まい。なんだか自然と背筋が伸びちゃう心持ち。小鉢に酢の物、お新香に冷や奴もついて、ボリュームもバランスも満足な定食です。

彩りも鮮やかで目にもおいしいキンキの煮付け。ほんのり甘い煮汁が魚にしみ渡っていて、官能的なまでのおいしさです。こちらも、胡麻ブリ同様にごはんが止まらない一品です。
と、「ごはんが止まらない」という言葉にピンときたのか、ここで女将さんから粋なサービスが。
博多のごはん屋さん、伝家の宝刀「辛子明太子」が登場です。

おぉ〜。ありがとうございます!!
ほかほかのごはんに乗せて、いただきます。
爽やかな辛さがたまらない。ごはんが永遠にイケちゃいそうです。
ふう~、大満足!
もう、お腹もパンパン。
定食一つ一つが納得のボリュームで、なにより食材への敬いを感じる料理に胸を打たれます。ちょっと早起きして朝ごはん。家族でニッコリ昼ごはん。仲間とワイワイお酒を飲みながらの夜ごはん。一日中おいしい魚が楽しめるこの食堂には、福岡の食文化の今昔が詰まっています。ゆえに穴場の“観光地”だといっても過言ではありません。

お土産には、特製胡麻だれ「おきよ こだわりのたれ (500円)」をぜひ。
※ 金額はすべて消費税込です。
お店情報
おきよ食堂
住所:福岡県福岡市中央区長浜3-11-3 市場会館1F
電話番号:092-711-6303
営業時間:平日6:00~14:00 18:00~22:00(LO 21:30)
土曜6:00~14:30 18:00~22:00(LO 21:30)
日曜11:00~14:00 18:00~22:00(LO 21:30)
定休日:第一日曜日の昼・第一月曜日の夜



