野菜を調味料に浸すだけ。シンプル冷やし中華を3種類【ツジメシの日常メシ】

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こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。
「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は手軽な材料で簡単に作れる「日常メシ」。

 

「冷やし中華、意外とめんどう」問題

暑くなってくると食べたくなる夏の風物詩、冷やし中華。
でも自作するとなると、材料をいろいろ揃えて薄焼き卵を焼いて冷ましてその他諸々を細かく刻んで、とこれがなかなか手間のかかるもの。

 

そこで冷やし中華の良さをもっとシンプルに味わえないものか、去年の夏いろいろ試した中で僕が気に入ったのが「きゅうりの冷やし中華」。
しょうゆ、酢、ごま油などの最小限の調味料に細切りきゅうりと大葉を10分浸して汁ごと冷たい麺にかけたら出来上がり。
調味料の塩分できゅうりは適度にしんなりして麺とからみやすく、きゅうりから出た水分で漬け汁も美味しくなるという仕掛けです。

 

ほらサンドイッチでも、ミックスサンドはリッチで素敵ですけど、きゅうりだけ、たまごだけのサンドイッチもまたいいものですね?

 

はい、ということで「シンプル冷やし中華のすすめ」です。

 

きゅうりのほかにも野菜と調味料の相乗効果のある組み合わせを計3パターンご紹介します。軽い昼食や、飲んだ後の締めにいかがでしょう。

水洗いするだけの豆腐やこんにゃく由来の麺を使えば、ローカロリーで火も使わずにさらに手軽ですよ。

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基本こんな作り方です

 

 

きゅうりの冷やし中華

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いかにも夏らしい、涼しげな香りと食感のきゅうり。アクセント程度の量ならいいのですが、メイン具材にするとパリッとした生のきゅうりは麺とのなじみが悪いです。調味料に浸すことで塩もみのようにしんなり食べやすくなります。清涼感をアシストする大葉と組み合わせました。
タバスコまたはラー油は辛くするというより味を引き締める程度。遠くの方に辛味がいるかな?というくらいが美味しいと思います。

材料(1人分)

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  • 中華細麺 1玉(110g)
  • きゅうり 中1本(100g)
  • 大葉 3枚
  • しょうゆ 大さじ1
  • 酢(黒酢) 大さじ1
  • ごま油 小さじ1
  • タバスコ(またはラー油) 2-3滴

 

作り方 

きゅうりは斜め薄切りにしてから細切りにします。こうすると細切りのきゅうりの両端に緑の皮が残って見た目もきれいで食感も均一になります。

大葉は3-4mm程度の細切りにしておきます。

 

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調味料全て、きゅうりと大葉をボウルに入れて混ぜ、

 

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ラップを密着させて(落としラップ)冷蔵庫に10分入れておきます。

 

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中華麺は冷やしの茹で方が記載されていればその通りに茹でます。
書いてなければ温かい麺の茹で時間より30秒〜1分ほど長めに茹でます。茹で鍋の隣に冷水を用意し、一本取って冷やして食べてみて茹で加減を確かめると確実です。


茹で上がったら流水で冷やし、もみ洗いをしてぬめりを落とし、ざるに押し付けてしっかり水切りし、器に盛ります。ここで水切りが甘いとタレが薄まりぼんやりした味になるので水切り重要です。

 

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10分経ったところ。きゅうりはしんなりして、汁気も出ています。これを汁ごと麺にかけ、混ぜていただきます。

 

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 たっぷりの青臭いきゅうり、酸っぱくてふんわりごま油の香り。夏ですね。

 

トマトの冷やし中華

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甘酸っぱいトマトで同様に作っても美味しいです。普通の大きさのトマトやミニトマトでもいいのですが、この場合ミディトマト(中型トマト)の方が実と種、皮のバランスがいいように思います。
サブ食材はセロリの葉っぱをきざんだものを使いました。先ほど同様に大葉でもOKです。辛味にはラー油をお好みで。ゆずこしょうも合いますが、しょっぱくなるので入れすぎ注意です。

 

材料(1人分)

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  • 中華細麺 1玉(110g)
  • 中型トマト 2-3個(100-120g)
  • セロリの葉 適量(または大葉 3枚)
  • しょうゆ 大さじ1
  • 酢(黒酢) 大さじ1
  • ごま油 小さじ1
  • ラー油(またはゆずこしょう) 適量

 

作り方 

中型トマトはヘタを取って1/8に切り、セロリの葉は細切りにします。

 

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調味料とトマト、セロリの葉をボウルに入れ、トマトのタネの部分を軽く潰しながら混ぜ合わせ、落としラップをして10分間冷蔵庫へ。

 

中華麺は上記と同様に茹でて冷水で冷やし、しっかり水切りして器に盛り付けます。トマトを汁ごと麺にかけ、混ぜていただきます。

 

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トマトの甘酸っぱさが際立ち、セロリでさわやか。ごま油がいるので中華麺ともばっちり合います。

 

おかひじきの冷やし中華

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最後は、スーパーの野菜売り場の片隅で見かけるパックに入った謎の草、おかひじきを使います。
おかひじきは茹でておひたしにしたりもしますが、生でも食べられ、シャキシャキ歯切れのいい食感が楽しい食材です。これなら具材は1種類だけ、包丁も使わずに作れますよ。

 

こちらは辛味に練りからしを使いました。お好みですが、わりと効かせめでもよさそうです。

 

材料(1人分)

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  • 中華細麺 1玉(110g)
  • おかひじき 1/2パック(35-40g)
  • しょうゆ 大さじ1
  • 酢(黒酢) 大さじ1
  • ごま油 小さじ1
  • 練りからし 適量

 

作り方 

おかひじきは茎の根元の硬い部分を手でちぎり取り、食べやすい長さにちぎって水にさらし、水気をよく拭いておきます。

 

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調味料とおかひじきをボウルに入れて混ぜ、落としラップをして10分間冷蔵庫へ。

 

中華麺は上記と同様に茹でて冷水で冷やし、しっかり水切り、器に盛り付けます。

おかひじきを汁ごと麺にかけ、よく混ぜていただきます。

 

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さくさく食感のおかじひきが中華麺と一緒になって、意外とこれでビールが進みます。

 

先にも書きましたが、味が薄まってしまうので、茹でで冷水で洗った麺はしっかり水切りしてください。ザルを振るより、麺を手でぎゅっとザルに押し付けるようにしたほうがよく水が切れます。

 

お酢はお好みのものでどうぞ。加熱しないで使うので、マイルドなものが合うと思います。僕は鋭い酸味が得意でないこともあり、しっかり酸味はありながらマイルドでコクもある「玄米黒酢」を愛用しています。(最近は休肝日にはこれをストレートでちびちび舐めてやり過ごしています。なにしてるんでしょうね)

 

最小限の要素で作ろうと試行錯誤する中で必要ないと思い、甘みは入れていません。
「甘酸っぱ味こそが冷やし中華だろ」という方は、みりんや砂糖を加えてよく溶かして使ってみてください。みりんのアルコールが気になる場合は一旦沸かして冷ますと安心です。

 

ここではわかりやすく単品で作りましたが、この作り方で冷蔵庫に半端に余った野菜をいくつか組み合わせてみても美味しいですよ。

ぜひお試しを。

作った人:ツジメシ

ツジメシ

本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。

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