
北海道からお取り寄せと聞いてすぐにアナタ、
「蟹?いくら?ロイス?じゃがぽっくる?」とか考えたんじゃないカニ?
そうはいかないのがこの連載ぽっくる。
各都道府県の「そう来ます!?」たる、隠れた(り隠れてなかったりの)逸品を
次々にご紹介していくぽっくるよ!
語尾うざめで!
うそ。今すぐやめます。
さて、その第1回は北海道から、
鼻息も荒く熟成“えぞ鹿のサラミ”をお届け。

最初に言っちゃうけどこれ、なまら美味い。
こう、切る時は包丁に結構な力入れないといけない感じなわけ。
そして一切れを口に入れて、噛みしめるとね、ギューッと高密度で旨味が詰まってるのがわかるの。
脂の旨味が、とにかく濃いのよ。
口の中で肉がほぐれていくとチーズのように熟成された味わいが楽しめて、それもいつまで噛んでても味が薄れない。
ビールもすすむ、ワインもすすむのすすむ兄さんですわ。
ちーなーみーにー、
本当はこんな感じに薄く切って召し上がっていただくのがお勧めですって……。↓

私の↓

で……出てしまった。性格が。
確かに、薄いスライスでも十~二分に濃縮した旨味を味わえる。
そんでまあ私なんていうもんは、一介のキッチンドランカーなわけですけどね、
料理し~の、
1歳児に両足にしがみつかれ~の、抱っこし~の、
4歳児に泣きわめかれ~の、なぐさめ~の、
6歳児に用事言いつけられ~の、用事こなし~の、
鬼のような形相でキッチン戻り~の、ワインあおり~の、
サラミ口に入れ~の・・・・・・・
天国~の(仏の笑顔で)。
このサラミとワインがあれば、誰がどんな邪魔をしてこようが、きらいな料理の時間も優雅なひとときに早変わり。
どこでもドアで一歩、修羅からお洒落バーに入ったも同然です。
もちろん、実際に優雅な感じでも食しましたよ。
きちんとテーブルに座って、家族と、飲みながら。
また、サラミをのせてピザを(夫が)焼いてみたりもしました。

なんの変哲もないフツーの素人が焼いたピザでも(焼かせておいてこの言いざま)、このサラミと一緒に口に入るというだけで、なんと高級感の出ることかー!
このえぞ鹿のサラミがこんなにもうまいのには、ちゃんと理由がありますよ。
作ったのは、北海道は豊頃町(北海道を拳銃に見立てたとしたら、人差し指をかけるあたり)にある「ELEZO社」。
このELEZO社は、野生のえぞ鹿や羊、牛豚などの食肉加工処理会社。
狩猟、家畜生産、屠畜、解体、加工、販売までをすべて手掛けており、すごくきっちりした哲学を持っているのです。それは
「自然に身をおき、自然の流れや摂理を読み取る。
四季や素材の『走り』『盛り』『名残』を感じ取る。
自然・生命・従事者に感謝し、慈しむ。」
というもの。
ひとつの命をいただいたら、骨や内臓を含めて、できる限りあますことなく用いて加工をし、ひとつひとつ丁寧につくりあげて人々に届けているのです。
もちろん、その際に選ぶ命も厳選。
スタッフ全員が狩猟免許を持ったハンターであるってことも、さらに加工したり調理したりの料理人だってことも驚きの、稀有な存在です。
人の体をつくり、心を豊かにする食。
それを与えてくれる自然に対して、真摯に向かうこの態度。
不自由なくお店で肉を買い、とくにその源に思いを馳せる機会のない私は、ハッと姿勢を正しましたよ。
このサラミは北海道の大地の恵みであると同時に、確固たる意志を持ったプロの心と腕の恵みでもあるわけです。
ありがたしっ!
商品情報
十勝産蝦夷鹿1ヶ月半熟成サラミ
Saucisson sec de chevreuil 150g
ELEZO社
Facebookページ:https://www.facebook.com/elezo.co
書いた人:矢島史

食うこと飲むことでメンタルをやりくりしているライター。収納やライフスタイルなど暮らし系の書籍の執筆協力、広告・クリエイティブ系の方々のインタビューなど。4コママンガも描くんだけど、今はPTAの仕事が大変でお休み中。脳みそがあっちこっちに飛んで落ち着きのない四十路。
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