「赤いタコさんウインナー炒め」に感涙!野方の定食屋でとりからとサバ味噌を生ビールで【ヒョイ飲み】

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安田理央の「ヒョイと一杯のつもりで飲んで」
野方の「野方食堂」でとりからとサバ味噌と赤ウインナー炒めで生ビール

前回が練馬で、今回は野方。いつも近所ですいませんね。でも、野方は隠れた飲み屋天国として一部で注目されてるんですよ。いま、あちこちに支店や弟子筋の店が出来ていて、評判のやきとん屋「秋元屋」の本店もありますしね。いい飲み屋には事欠かない街なんです。


そして飲み屋だけじゃなくて、ご飯を食べるにもいい店がいっぱいあるんですよ。僕も休みの日なんかに、よく自転車でお昼ごはんを食べに行ったりしてます。

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▲昼も夜もにぎやかな野方商店街

 

「野方食堂」は、その定番コース。絵に描いたような昔ながらの定食屋さん。なんと創業79年という超老舗。6年前に改装して、ずいぶん綺麗になりましたが、今も昔も地元の人たちに愛されているお店なんですね。昼どきは、いつもお客さんでいっぱいです。

 

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▲店頭のサンプル見るだけで、いい店だとわかりますね

 

僕は、さば味噌定食(780円)とかデミグラハンバーグ定食(880円)なんかをよく食べます。こういう店の常で、派手さはないけど、ホッとする味なんですよね。

 

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メニューを見る度に気になっていたのが、妙にアルコールメニューや、おかずや小鉢などの単品が充実していること。あれ、もしかしてここ、飲み推奨?

 

でも、僕は昼に家族で行くことが多かったので、せいぜい定食に生ビール一杯つけるくらいで我慢してました。腰を落ち着けて飲んだことはなかったんですね。

だから、ぜひ一度、野方食堂でちゃんと飲んでみたいと思ってたんですよ。だいたい定食屋で飲むビールって、妙に美味いんですよね。定食のおかずをつまみにするのも楽しいし。

 

てなわけで、「メシ通」スタッフのM君と夕方6時頃に入店しました、野方食堂。こんな時間に来るの、初めてだな。おや、この時間だと、空いてるんですね。他にお客さんは一組だけ。いつも混雑してる昼時とずいぶん印象が違うなぁ。


とりあえず奥の角、テレビの下のテーブルを陣取ります。いいですよね、テレビがあるお店。ひとりで来ても手持ち無沙汰にならないのはありがたい。

 

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「メニュー、品数がすごいですね」
とM君が驚いたように言います。そうなんですよ、居酒屋に負けないくらいに品数があるんですね。140円の小鉢から、390円の刺身、そして定食のおかずもみんな単品で注文できます。これは迷うな。

 

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お酒もビールから始まってホッピーにサワーにハイボールに本格焼酎に日本酒、ワイン。家族と来ると、この辺じっくりと見られないですからね。サワーもハイボールもお茶割りもみんな400円均一


おかず単品も140円、220円、290円、390円とざっくりとしたクラス均一価格。僕の持論として、クラス均一の店はいい店が多いんですよ。でも、完全均一価格になっちゃうと、ちょっと無理があって期待できないんですけどね。

 

ま、とにもかくにも生ビール(540円)。まだ明るい夏の夕方の生ビール。喉の奥までグイグイ来ます。全身に染みます。


実はこのために、水分を控えてたので、美味いのなんの。つまみが来る前に一杯飲み干しちゃいましたよ。

 

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▲ひと口めでだいたいジョッキ半分までは行く主義の筆者

 

いかんいかん。このタイミングでつまみが来ちゃったら大変だ。慌てておかわりを注文。もう一杯生ビール行きましょうね。

 

さて、まずおつまみとして選んだのは、とりから、つまり鳥の唐揚げです。野方食堂の看板メニューなんですよ、この唐揚げ。僕もとりから定食(720円)はよく食べてます。


嬉しいのは、とりからなどの揚げ物は一個(110円)から注文できること。おつまみは、ちょっとずつ色々食べたいじゃないですか。いくら美味しいとりからでも、他のメニューも気になるじゃないですか。なので、M君と一個づつの合計二個に、キャベツ(50円)も付けて注文。

 

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自家製のタレにしっかりと漬け込んだ揚げたての鳥の唐揚げ。これが美味しくないわけがないじゃないですか。カラっと揚がっていて、中身はジューシー。大ぶりなので食べごたえもあります。

 

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んで、そこに冷たい生ビールをキューですよ。ああ、幸せ。

 

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さらに、しめさば(390円)に長いものぬか漬け(290円)も来ましたよ。適度なしめ具合のしめさばに、意外に酸味の強い長いもぬか漬け。渋いですね。これは定食屋というよりも飲み屋の方が似合うメニューという感じですが、定食にこの辺をプラスしてゴージャスな食事にするというのもいいかもしれないなぁ。

 

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そして僕の大好きなサバ味噌煮(510円)。あまり甘過ぎず、グズグズに煮込み過ぎてないサバ味噌。定食で食べる度に、ああ、これご飯じゃなくて、酒のアテにしたいと思っていたんですよ。んー、本当は日本酒で行きたいとこだったけど、まぁ、ビールで行っちゃうか。うん、生ビールとサバ味噌。この組み合わせもいいですな。


あ、サバが重なっちゃったけど、まあ、いいよね。サバ大好き。

 

気が付くと、店内は結構埋まってきていました。グループで飲んでるお客さんもいますが、もちろん一人で定食食べてるお客さんも多いです。そしてほとんどがビールやサワーのジョッキが片手にあります。女性の一人客も何人もいるんですが、彼女たちもみんな飲んでます。

 

そうそう、一人でヒョイっと来て、定食をつまみに軽く飲めるのがこういう店のいいところなんですよね。女性が一人で軽く飲むにも最適なお店。というか、本来、この連載はそういうコンセプトなんでした。なのに、こんなに腰を落ち着けてがっつり飲んでちゃいけないんだよな、本当は。


でも、これはもう飲まずにはいられないですよ。すいません、ハイボール(400円)お願いします。

 

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ずっと気になってたのが、赤ウインナー炒め(220円)。安っぽいはずなのに、ちゃんとしたウインナーより美味しそうに思える赤ウインナー。

 

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切り込みが入るとさらに美味しさアップ。なぜかひとつだけがタコさんカットになってるのがうれしいじゃありませんか。

 

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マカサラダグラタン(390円)は、マカロニサラダをそのままグラタンにしたというもの。まぁ、正直言ってマカロニグラタンと、あんまり変わんない気もしましたが、香ばしくて濃厚で酒のつまみにはピッタリですね、これ。

 

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もつ豆腐(390円)は、もつ煮込みではなく、ダシでサッと煮たものなので、さっぱり味。ふむ、これはこれでなかなか。

 

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いったいなんだろう、と思ったのはキャベツパパージ(140円)。キャベツを塩昆布とゴマ油で和えたもので、最近飲み屋で流行ってる奴ですね。ただ、普通はキャベツはザク切りなのが、こちらは千切りなのが珍しいです。ちなみにパパージとは「パパ味」のことで、特に意味はないようです……。

 

これ、キャベツがいくらでも食べられちゃうんだよな。箸休め的には最強のメニューです。安いし。

 

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お店の名前を冠した「のがしょくハイボール」(400円)も興味深かったのですが、なんとウイスキーのウーロン茶割りでした。ハイボールというとウイスキーの炭酸割りの印象が強いですが、本来はジュースや水で割ってもハイボールだし、ウイスキー以外の酒でもハイボールになるそうです。って、ことは、焼酎の水割りもハイボールってことか?

 

ウイスキーのウーロン茶割りである「のがしょくハイボール」は、大変飲みやすいです。そういや、大昔にサントリーが、ウイスキーの麦茶割りを「アカプルコ」と呼んで流行らそうとしたけど、さっぱりだったのを思い出しました。あれ、なんの根拠でアカプルコだったんだろう。実は僕は自宅ではよくやりますけどね、ウイスキーの麦茶割り。麦と麦なので合うんですよ。余談ですね。すいません。

 

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はい、そんな感じで大変気持よくなってしまいましたよ。定食屋であんまり飲み過ぎるのは、カッコ悪いとは思うんですが、これだけ条件が揃ってると、ついとまらない。だって、飲み屋以上に飲兵衛向きなんですもん、このお店。

 

最後にほうじ茶を出してくれたのも、すごくよかった。定食屋だから、お茶が出てくるのは当然なんですが、飲んだ後の熱いお茶って、すごくホッとしますよね。

 

いや、よかったな、野方食堂飲み。

 

あまりに飲み屋シフトなんで、連載のコンセプト忘れてガッツリと飲んでしまいましたが、これは一人でヒョイと飲むのにも最高ですね。


ちなみに野方食堂は、創業79年ということもあって、現在のご主人は三代目。

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▲右が三代目で真ん中がお母さん。大変家庭的なお店であります

 

ご飯を食べに行くのはもちろんのこと、その時にちょっとビールをつけるのもよし、本格的に飲むのもよしと使い勝手のいいお店なんです、野方食堂。こういう店がある街の住人は、本当に幸せだと思いますね。

 

ちなみに、僕とM君は野方食堂で、がっつり飲んだにも関わらず、もう一軒行っちゃいました。だって、野方は飲み屋天国なんですから、ヒョイと一杯じゃ止まらないんですよ……。

 

お店情報

野方食堂

住所:東京都中野区野方5-30-1
TEL:03-3338-7740
営業時間:11:30~14:45 17:30~23:00
定休日:木曜日 

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

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