
朝らぁめんが評判のお店
新潟市で朝からウマいラーメンが食べられると話題のお店があります。
その名も……

「手仕事らぁめん八」

店内はカウンター席とテーブル席が数席あります。
こちらのお店で朝から食べられる一杯がこちら。

▲朝らぁめん(600円)
アッサリとしたスープは、煮干しがしっかりと効き、サッパリとした飲み口ながらもコク深い味わいです。
朝からスッキリと食べられる一杯です!
ちなみに、こちらのお店、以前掲載した焼き肉店なのにハイレベルなラーメンを提供している「なにわ塩焼き肉 にく舞台」と同系列店となります。
「焼き肉店とは思えない、おいしいラーメンを提供している」
として紹介しましたが、ラーメン店が手がける焼き肉店なので、ラーメンがおいしくても決して不思議ではありません。
では、なぜラーメン店が焼き肉店を始めたのでしょうか? そこには、「ラーメン」における「肉」の重要性が影響しています。
まず、「肉」というのは、一般的にスープに使われる豚骨や鶏がらなどの「ガラ」に比べ、格段に強い出汁を取る事が出来ます。ガラで出汁を取る場合、部位などによっても異なりますが、髄などのコラーゲン成分を除けば、うま味の多くは骨の周囲についている肉から出ている事が多いと思います。他にも、チャーシューの煮汁や肉を漬けた醤油ダレに抽出された肉のうま味の活用は古くから行われてきました。
また、肉として食べた時のおいしさや肉汁のうま味などを考慮した部位の選択、効率的な肉の活用は多くのラーメン店に取って重要なポイントでもあります。
という事もあり、おいしいラーメンを作る研究を進めていくと、肉についても強いこだわりを持つようになり、気付いたら焼き肉店までオープンしてしまっていたようです。
このように、こちらのお店では、おいしいラーメンを作る研究を日々繰り返していますが、今回はそのこだわりにほんの少し迫ってみたいと思います。
「八」のこだわりの仕込みとは
煮干しを前面に出したスープを提供していますが、ベースとなる動物系スープをしっかりと取るところから始まります。

ゲンコツを煮出します。

じっくりと煮込み、ガラを濾した後のスープに、豚のモモ肉を投入します。

肉がかたくなり過ぎないように、徹底した温度管理によりボイルしていきます。
この過程で、スープに肉のうま味が加わっていきます。

肉を取り出した後、一晩寝かせたスープ

ここに、たっぷりの平子煮干を加えます。

良質な出汁が取れつつもクセの少ない平子煮干をたっぷりと用いていました。

煮干しをメインに据えつつも、味に広がりを出すために、サバ節、カツオ節をプラスします。

沸騰しないように温度管理しつつ、魚介出汁を抽出していきます。

ここで、先ほどのモモ肉に続き、もう1種類の肉が登場です。
豚のバラ肉です。

スープでボイルしタレに漬け込むモモ肉とは違い、バラ肉はチャーシュー専用のタレで煮込み仕上げていきます。
当然、バラ肉からも良質の出汁が取れるので、この肉をモモ肉同様にスープで煮込むというのも十分ありえる選択だと思いますが、ここを同じ工程にしないところにもこだわりを感じます。
恐らくは、モモは脂身が少なくひきしまった筋肉質の肉から取れる出汁をスープに活かし、逆に脂肪分が多くジューシーな食感のバラ肉は脂分も出来るだけ残し、スープに浮く油の質も保ちつつ、肉としておいしく頂けるようにしているのではないかなと。
濃厚系スープの仕込み
今回ご紹介した「朝ラーメン」には関係ありませんが、「八」ではあっさり系以外にも濃厚系のラーメンも提供しています。
そのベースとなるのがこちら。

濃厚白湯スープ
圧力寸胴を用い、豚骨、鶏ガラ、豚足、モミジ等のエキスを抽出し、一晩寝かせたものを使用します。
上の油は冷すことでスープから分離した動物系脂です。

沸騰させ拡販すると、スープに溶け込んでいきます。

そこに魚介を加えます。
この時間差投入と火加減が良質なスープのポイントです。
このように、スープは出来上がるまでに2~3日かかるサイクルとなっています。
7時半~23時という長時間営業の合間に作業を行うことで、こうした時間のかかる仕込みをこなしているようです。
朝から出来る行列!?

早朝からこのような仕込みをしていると、開店の朝7時半には、お店の前で待つ人の姿が……。

ちなみにこの時、お店の駐車場は異様な光景となっています。
朝7時頃から車が集まり出し、七時半の時点で駐車場は満車となっていました。
それだけ、朝一の「八」のラーメンを食べたいのでしょう。
開店と同時に一斉に車から人が降りてきて、一気に20人程の行列が出来ました。
朝からここまで並ぶお店が他にあるでしょうか?

お店に入ると、ラーメンとつけ麺の食べ方が貼ってあります。

朝のセットの案内
たくさんの注文が入ると、厨房では一気にラーメン作りが始まります。

麺をゆでつつ、ゆで麺器で丼とタレを温めます。

魚介風味が詰まった油は、電磁調理器で湯煎し温めておきます。

スープは一杯ずつ手鍋で温めます。

タレと油が入った器にスープを注ぎます。

麺がゆで上がり……


麺をほぐします。

盛り付けて……

出来上がり!
今回はミニ炙りちゃーしゅー丼付きのセットにしました。

▲Cセット(600円+100円)

滑らかな質感の自家製中太麺が、スープにベストマッチ!
朝らーめんは、通常のあっさり「煮干し中華」よりも、油少なめで煮干しの出汁感抑え目であっさりと食べやすく仕上げてあります。
また、出来立ての魚介のフレッシュ感あるスープも特筆モノです。
朝ならではの魚介スープの美味しさを求めて、多くの人が行列を作っているのかもしれませんね。

柚子皮がスープに清涼感を与えます。

朝はバラ肉は用いず、重たさのないモモ肉がトッピングされます。
説明書きの中にあった「生卵」が気になり追加トッピングしてみました。

▲生卵(+50円)

まるで「すき焼き」のような気分です。
書かれた通りに、ここにスープをお好みの量を加えることで卵のまろやか感と出汁の風味のコラボを楽しむ事が出来ます。

▲セットのミニ炙りチャーシュー丼
Aセットの生卵とライスにして、おじや風に食べるのもおいしそうだったのですが、今回は、このチャーシュー丼にスープをかけ、ラーメン茶漬け風にいただく事にしました。
これはもう……
見たまんまです! おいしくないはずがありません!
各種美味しいメニューを提供
「八」では、今回ご紹介した「朝ラーメン」以外にも、さまざまなメニューを提供しています。
仕込みのところでご紹介した白湯スープを用いた濃厚系。

▲濃厚煮干中華(700円)
つけ麺も提供しています。

▲煮干しつけ麺(730円)
さらに……

▲濃厚煮干つけ麺(800円)
このようにバリエーション豊富に取りそろえ、何度行っても楽しめるメニュー構成となっております。
朝からおいしいラーメンを食べられるお店「手仕事らぁめん八」
機会があれば、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
お店情報
手仕事らぁめん八
住所:新潟県新潟市中央区堀之内南1-1-17
電話番号:025-245-8818
営業時間:7:30~23:00
定休日:無休
※この記事は2017年1月の情報です。
※金額はすべて税込みです。



