先日、鍋が食べたいと思いたったとき、家にサバ缶と使いかけの白菜しか食材がありませんでした。雨で買い出しに行きたくなかったので、泣く泣くそれらと白だしのみで作りました。
それのみ。それのみです。
こりゃ流石にわびしいかな……と思ったら、ちゃんと美味しかったんです。
缶汁ごと入れたこともあり、鍋つゆにもサバのコクが感じられて美味しい。それを吸った白菜も、しみじみ美味しい。
「サバ缶のポテンシャルってすごいな〜」と思いました。
後日、「鍋とスープって似てるし、いわゆる『おかずスープ』ってやつも缶詰で簡単に作れるんじゃないか？」というひらめきが！
さすがに缶詰を水で煮込むだけ……は無茶がすぎるので、冷蔵庫に常備されていそうな野菜類と、調味料を使って、いろんな缶詰でスープを作ってみることにしました。
それでは、今回選出した缶詰のラインナップはこちら！
- サバ缶（水煮）
- 焼き鳥缶（タレ）
- あさり水煮缶
- コンビーフ缶
- オイルサーディン缶（オリーブオイル漬け）
手に入りやすい、王道ラインでまとめております。
サバ缶コンソメスープ
まずは、サバ缶でコンソメスープを作ります。和風だしが合うのは鍋で立証済みなので、今回は洋風仕立てにチャレンジです！
材料（2人分）
- サバ缶（水煮） 1/2缶（1缶190g）
- コンソメスープの素（顆粒） 小さじ2
- 白菜 1～2枚
- 水 300ml
- 乾燥パセリ 少々（あれば）
食べやすいサイズにカットした白菜、水、コンソメスープの素を鍋に入れ、白菜に火が通るまで中火で煮込んでいきます。
次にサバを缶汁ごと投入し、さらに煮込んだら（サバの中まで温まればOK）、器に盛り付けます。
あれば乾燥パセリをふりかけて、「サバ缶コンソメスープ」の完成です！
う～ん、いい感じですね～……。
食べてみると、くたっとした白菜の食感が優しく、脂がのったサバとの相性もよし！ どこか懐かしさを感じさせるほっこりスープです。さっぱりとした感じで食べられるので、食欲があまり無いときにオススメですね。
今回は白菜を使いましたが、キャベツなどの葉物野菜全般と相性がよさそう。
焼き鳥缶味噌汁
親子丼は焼き鳥缶で作ったことがありますが、味噌汁は初めて。果たして上手くいくのでしょうか……。
材料（2人分）
- 焼き鳥缶（タレ） 1缶（1缶75g）
- 味噌 大さじ1
- 玉ねぎ 半玉
- 水 400ml
薄切りにした玉ねぎ、水、焼き鳥を缶の中のタレごと鍋に入れて、玉ねぎに火が通るまで中火で煮込んでいきます。
弱火にしてから、味噌を溶かし入れます。
「焼き鳥缶味噌汁」の完成です！
おお、これは美味しい！
甘くて濃厚なタレが味に奥行きを出しており、いい仕事をしています！ 玉ねぎも相まって、全体的に甘めな仕上がりです。
温まった焼き鳥は、冷たいときよりもむっちりとしていて印象がだいぶ違います。シャキッとした玉ねぎもよく、ほんのりと残った辛味が全体を引き締めてくれます。長ねぎも相性がよさそうですね！ （焼き鳥だからそりゃそうか）
あさりの水煮缶中華スープ
続いては中華風スープに挑戦です！
材料（2人分）
- あさり水煮缶 1缶（1缶130g）
- 鶏ガラスープの素（顆粒） 小さじ2
- 白菜 1～2枚
- 水 300ml
鍋に食べやすくカットした白菜、水、鶏ガラスープの素、あさりを缶汁ごと入れて、中火で煮込んでいきます。
白菜に火が通ったら、
「あさりの水煮缶中華スープ」の完成です！
すっごい、上質なお味……。
あさりのうま味が全開です。すごくシンプルなのに細やかで奥深い、高級感のある仕上がりのスープです。食材と調味料をどさっと入れて煮込んだだけなのに。手間と見返りが、いい意味で伴っていません！
白菜のような、主張が強すぎない味でみずみずしい野菜が合いますね。モヤシでもよさそうです。
コンビーフ缶ミルクスープ
お次は4品目！
材料（2人分）
- コンビーフ缶 1/2缶（1缶80g）
- コンソメスープの素（顆粒） 小さじ2
- しめじ（ほぐしたもの） ひとつかみ
- 水 100ml
- 牛乳 200ml
- 黒コショウ 少々（あれば）
しめじ、食べやすく崩したコンビーフ、コンソメスープの素、水を鍋に入れ、中火で煮込んでいきます。
しめじに火が通ったら、牛乳を入れてひと煮立ちさせ、器に盛り付けて、
あれば上から黒コショウをふって「コンビーフ缶ミルクスープ」の完成です！
うんめえな、これ……。
いちばん驚いたのはこのスープかも。コンソメスープの素しか調味料を入れてないので、もっと淡泊かと思ったら、シチューのようにクリーミーかつコクが出ております。ほぐされたコンビーフに牛乳がいい具合に染み込んで、噛むとジワっと広がるうま味がたまりません！
もしかすると、うま味成分を含むしめじを入れたのが、功を奏したのかもしれません。他のきのこでも、香味野菜である玉ねぎを入れてもよさそうです。
テンションが上がりすぎて、パスタを投入して少し煮込み、スープパスタにしちゃいました！ こちらも間違いない美味しさでペロリと完食。
オイルサーディン缶コンソメスープ
いよいよ、ラストの5品目です！
材料（2人分）
- オイルサーディン缶（オリーブオイル漬け） 1/2缶（1缶105g）
- コンソメスープの素（顆粒） 小さじ2
- 玉ねぎ 半玉
- 水 300ml
- 乾燥パセリ 少々（あれば）
オイルサーディン缶の中のオリーブオイル（漬け汁）大さじ1と、カットした玉ねぎを鍋に入れ、中火で炒めていきます。
玉ねぎが透明になってきたら、水とオイルサーディン、コンソメスープの素を投入。沸騰してから2分ほど煮込んだのち、器に盛り付けます。
あれば、乾燥パセリをふりかけて「オイルサーディン缶コンソメスープ」の完成です！
ああ……満たされる～。
温められて水分を含んだイワシは、ふんわりほくほくに！ 塩味もオイル感も程よくなって、非常に食べやすくなりました。
玉ねぎは炒めたことで甘みが強くなり、オイルもイワシのうま味が染みているのか、魚の風味を強く感じます。自分の中でオイルサーディンの評価が一気に上がりました。
全部簡単。全部うまい。全部オススメ！
という訳で5品作ってみました。いやはや、どれも美味しかったです。
「缶詰と調味料＋冷蔵庫にありそうな野菜」というルール、やる前は「食べごたえも味も物足りないケースもあるかも……」と危惧しておりました。いい意味で裏切られましたね。
缶詰は適度な味付けがほどこされており、下味を付ける必要もありません。
そして、煮込むことでスープにうま味が程よく溶けだし、熱が加わり水分が入ることで缶詰の具材自体の食感もよくなるというメリットもあるんですね。これは発見でした！
個人的イチオシは「コンビーフ缶ミルクスープ」ですね。
細かい味付けも無く、非常に簡単にできて、想像より何倍も美味しい！ キャンプの朝とかパンと一緒に食べたら最高な気がします！
……
あ、今回の5品、どれもキャンプ飯としてイケるんじゃないか？
イケるぞ！ キャンプ飯！
こちら100円ショップで購入した、取っ手付きアルミ製飯ごうです。こういう本格的なキャンプ道具が手軽に買えるなんて、いい時代になったな～。
こいつで、イチオシの「コンビーフ缶ミルクスープ」を作ってみます。
これはガスコンロで使えるタイプだったので、鍋と同様の作り方をしました。「自分も持ってるし、やってみよう」という方は、くれぐれも五徳から外れて倒れないように気を付けてください。
ちょっと趣向を変えて、豆乳で作ってみました。牛乳も豆乳も200mlの使い切り紙パックが手に入るので、キャンプに持っていくのに便利だと思います。
では試食。
折角のキャンプ飯。
少しでも雰囲気を出そうと……
ベランダに来ました。
ここなら外だし、スープも冷めない距離です！
熱々を冷ましながら早速一口……
……
うめぇ……。
豆乳でも何の遜色もありません！
使う材料も少なく、美味しくて温かい。缶詰スープはキャンプ飯にピッタリです！
どの缶詰スープも絶品で、誰でも作れるお手軽さなので、是非皆さんも試してみてくださいね～！
いい天気だ……。
書いた人：ディスク百合おん
ナードコアという特別なテクノを得意とするミュージシャン。コンビニで手に入る食品を合わせて新しい料理を作りあげる「コンビニかけ合わせグルメ」を紹介する人として様々な媒体に取り上げられ、同名の初書籍が2017年11月2日（木）に発売。山本さほ「岡崎に捧ぐ」に登場する杉ちゃんのモデルという棚ぼた知名度も獲得している。
