メシ通編集部です。
2017年11月にスタートしたレギュラー企画「蟲通」も早いものでそろそろ1年。
おなじみ、小林銅蟲先生も
健在です。
さて今回は、大食い企画。
ドデカイ料理を作って、大食いアイドル(のちほど登場予定)に食べてもらおうと考えました。
気になるメニューは、あの……
超級カツ丼。
そう、以前『メシ通』でも取り上げたあの巨大化したカツ丼です。
銅蟲先生:こんにちは。超級カツ、でかいですよね。でかいだけでなくうまいという特徴があります。超級カツカレーもいいなと思ったんですが人生が間に合いませんでした。というわけでカツ丼です。
低温で肉に火を通す
まずは肉の下準備。
用意したのは2132gの豚ブロック。
正直、サラリーマンやOLが会社帰りにスーパーでフラッと買って帰るようなサイズじゃないです。デカイ。(撮影:小林銅蟲先生)
巨大な豚はジッパー付き保存袋に入れて、水の入った大きな鍋へぶちこんでおきます。あとは低温調理専門の器具で約61℃に設定しておくだけ。自然と設定温度にまで水が温まり、ずっと水温をキープしてくれるというわけ。これで肉の下準備が完了。(撮影:小林銅蟲先生)
念のため言っておきますと、一般的に肉は温度を70℃近くまで上げると、タンパク質の分水作用などの影響で硬くなり始めてしまいます。
つまり、その手前の温度(今回は61℃)のお湯に長時間浸しておけば、以下のことが可能になるってわけです。
- デカイ肉に火が通る(分厚すぎるのでカツで揚げるだけで火を通すのは難しい)
- 肉自体がやわらかくジューシーに仕上がる
- 加熱殺菌処理も兼ねている
銅蟲先生:低温調理については十分大丈夫だろうという方法で注意してやっていますが、極端な話、食べ物を100%安全に食べる方法は存在しません。皆さんが自分でやってみたい場合はインターネットでよく勉強してから納得したうえで頑張ってください。
巨大肉が全貌を現した
そして約20時間後 ── 。
約60℃のお湯から、
豚ブロックが全貌を現しました。
これを、
切ってみると、
ちゃんと火が通ってる……。
しかも、ほとんどチャーシューみたいなプルプルの弾力感!
ぐわぁ、このままカブりつきてぇ……。
揚げる準備をする
カツ丼へのステップとして、衣を。
まずは小麦粉。
次に溶き卵。
そしてパン粉。うん、カツですな。
ちなみに銅蟲先生は、もう一度溶き卵につけてから、
パン粉をつけてました。
つまり、肉→小麦粉→溶き卵→パン粉→溶き卵→パン粉。
入念です。
銅蟲先生:衣の二度付けでカツっぽさを出します。超級カツは衣に対して肉の占める割合が通常のカツよりも大きくなるため、衣を強化して主張をデカくすることでバランスを取るわけです。衣が厚いほうがつゆもたくさん吸ってくれるので。
そんな中、ちょっと変わったフォルムの肉が。
こ、これは……豚の脂身?
普通なら切り落とされる運命ですよね、これ。
しかし、ふと壁を見やると「そこだけは切り落とさないでね……」と懇願する目が。
さて、ここから巨大な豚を揚げるのですが、
サラダ油は、もちろん
1滴残らずフルで使い切る!!
そんじゃ第1投、いきまーす。
さっきまで単なる豚だった肉がカツへと化けていく数十秒間。
それは、
すっぴんの少女が、
化粧を覚え、
きれいな服を身にまとい、
大人の女性になっていくようなものなのか。
……なわけない。たとえがオッサンすぎてキモイわ!
このカツを切って、
4合炊いた米の上に、
敷き詰めていく。
すでにヤバイ絵ヅラです。
卵とじをかけて完成へ
実は銅蟲先生、揚げるのと同時進行で「卵とじ用のあん」も作ってました。
まず自家製のめんつゆに玉ねぎを投入。
数十分煮込んでいくともうクタクタに。
そこへ卵6個分をとじて、
いざ、待ち構えるカツたちの上に
なだれ込ませるっ。
溶き卵のナイアガラ状態!
そんな豪快なアクションの直後に、すだち&三つ葉の薬味も欠かさないのが銅蟲先生の絶妙なバランス感覚です。
もえあず vs 超級カツ丼
「おーい、できたゾ〜」
若干、日曜日のオトーサン感ある先生が持ってきたのは、
チョー超級カツ丼!!
重さなんと
約4.7kg……。
鍋の重量が約700gだからおよそ4kgですね。
これはもう、超級を超えた「最終形のカツ丼」ともいえるシロモノ……。
そして、これをたった一人で食べようとするのが、
大食いもこなす、アイドルの
もえのあずきさんです(^o^)!
食べる人:もえのあずきさん
大食いグルメアイドル“もえあず”こと「もえのあずき」。アイドル育成型エンターテイメントカフェ「AKIHABARAバックステージpass」から誕生した超ウルトラスーパーミラクル選抜ユニット「エラバレシ」のメンバー。エラバレシ6thシングル「逆境ノンフィクション」12月12日発売決定!
もえあず:ワクワクするサイズですねー。普段の大食いだとギョーザ300個とか数が多いのはよくあるんですけど、そのもの自体が巨大なものはあんまりないので。
銅蟲先生:通常の人類は超級カツを1切れ食えば満足するようにできているので全部のせにしたのは初めてです。とりあえずビジュアルだけ作って味見みたいな感じで一応やったんですけど、食うんですか。こういうのやらせとかないんですか。
このカツ丼、もえあずの顔の4倍くらいある……。
そんなわけで、
食べ始めたもえのさん。
笑いながら食べてます。
味が気になる銅蟲先生だったが、
もえあず:フッツーにおいしいです。というか肉が柔らかいのに感動しました。フツー以上においしいかも。
銅蟲先生:口に入れた次の瞬間に食べ物が消滅してますね。食べる速度おかしくないですか。それにしてもプロの大食いの人が自分の料理を食べているというのは世界がバグったみたいで味わいがあります。
あの人がやってきた
と、そこへ
(通りすがり風)
あ、パリッコさんだ!(Tシャツに酒の文字……)
お久しぶりです。
い、飲酒運転っすか……。
そういえばパリッコさん、『メシ通』で銅蟲先生の「超級カツ丼」を紹介してくれたのでした。
パリッコ:実はもえあずさんには以前、お仕事でお世話になったことがありまして、超級カツ丼の規格外の「超級」さを知る僕としては、応援に駆け付けずにはいられませんでした。もえあずさん、微力ながらお手伝いします!
と言いながら、
手が伸びる。
たまらずガブリ。
なんだ、酒の肴にしたいだけか……。
パリッコ:やっぱりうまいな〜。肉、やわらけ〜! 衣、こうばしい〜!
禁断の大好物「脂身」をペロリ
そんなパリッコさんを尻目に、もう箸がとまらない。
あ、それ。
もえあず:見つけちゃいました、脂身。大好物!
さっきの脂身部分だ!
メタボなオッサンは絶対食べちゃいけない禁断のオイリーパーツを
もえあずさんは容赦なく
胃袋に収納していきます。
大食いの後に晩ゴハンを(驚)
食べ始めてから約40分後……
フツーにフィニッシュしてしまいました。
あの最終カツ丼を、ものの見事に。
銅蟲先生もさすがにこれには脱帽。
もえあず:本気でおいしかったのでスルッと入ってしまいました。ごちそうさまでした! 実はこの後、お友達と夕ご飯を食べる約束があったのですが、時間も間に合いそうでよかったです☆
え……、こ、この大食いの後に、友達とご飯行くの!?
ウソでしょ……と思ったら、
マジでした(インスタに上げてました。マネジャーさんにも同日の夜であることは確認済)
胃袋どんだけ余裕あるの!?
大食いよりむしろこっちの方にビックリしたわ!!
次回もお楽しみに。
撮影/石川真魚