祐天寺の有名鉄道メシ店「ナイアガラ」で『メシ鉄!!!』漫画家・YASCORN先生にイチオシ駅弁を聞く【鉄分補給】

f:id:Meshi2_IB:20180107120814j:plain

『メシ通』連載「鉄分補給」のライター・望月です。

平成30年(2018年)が始まりました。

例年1~2月は、各地の百貨店で駅弁大会が頻繁に開催される「鉄道メシ」のシーズン!

そこで今回は、東京目黒区にある東急東横線・祐天寺駅に。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120908j:plain

あれ、ここ駅じゃありませんでした。

実はお店の中なんです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180111215635g:plain

やっぱり駅じゃありません。お店の正面でした。

そう、ここは鉄道好きならご存じ、カレーステーション「ナイアガラ」。

こちらのお店で、これまた鉄道大好き! 漫画家のYASCORN(やすこーん)先生と待ち合わせ!

 

話す人:YASCORN(やすこーん)

f:id:Meshi2_IB:20180110111640j:plain

鉄道・駅弁大好きな漫画家・小説家。東京都在住。藤子・F・不二雄先生にあこがれて漫画家の道を志し、小学館の児童誌でデビュー。『GOGO♪たまごっち!』シリーズなどを手掛ける。約10年ほどから鉄道の魅力にハマり、昨年『おんな鉄道ひとり旅』を刊行。漫画に加え、キャラクターデザイン、シナリオ、ワークショップ、音楽など、幅広く活動中。

 

YASCORN先生のWEB連載漫画『メシ鉄!!!』(ふんわりジャンプ)には、うまそうな鉄道メシがたっくさん載ってます。

f:id:Meshi2_IB:20180112104758j:plain

©YASCORN/集英社

 

f:id:Meshi2_IB:20180112104813j:plain

 ©YASCORN/集英社

 

そんなYASCORN先生に「鉄道メシ」の魅力について、アレコレいっぱいお話いただきました。

 

見渡す限り鉄だらけ

本題に入る前にちょこっと「ナイアガラ」をご紹介。

店内に並ぶのは、国鉄時代、旧形客車と呼ばれた車両のボックスシートや木造座席。

f:id:Meshi2_IB:20180107120754j:plain

まさに昔の夜行列車気分も味わえそうな空間です。

 

見上げれば天井には、「つばめ号」の食堂車の照明が使われていて、壁にはナンバープレート、行先板(サボ)、愛称版、ヘッドマークでぎっしり。

f:id:Meshi2_IB:20180107120832j:plain

▲国鉄時代のホーローの駅名板もズラリ!

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120808j:plain

▲昭和30年代以前の運賃表。西日暮里、新横浜もなく、高尾は「浅川」の時代でした。

 

f:id:Meshi2_IB:20180111215359j:plain

▲首都圏の主要駅が自動改札になって四半世紀以上。有人改札時代の懐かしき思い出!

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120900j:plain

▲レアなひかりのオモチャまで!

 

これだけで十分「鉄分」は満腹になってしまいそう……。

f:id:Meshi2_IB:20180107120803j:plain

▲このデッカイ球体は「ひかり」の先端部分なのだ!

 

寝台特急が教えてくれた鉄の魅力

── YASCORN先生が鉄道に魅力にハマったきっかけは?

 

YASCORN:ちょうど10年くらい前、寝台特急「はやぶさ」に乗ったことでしょうか。

当時手掛けていた「たまごっち」の仕事で、九州へ行かなければならなかったのですが、編集担当の方が忙しく、「現地集合」といわれてしまったんです。そこで、ど~やって行こうかとなった時に、「はやぶさ」に乗ってみようとなりました。

 

── 「はやぶさ」に乗ってみて、どんなところが良かったですか?

 

YASCORN:最初は鉄道についてまったく知らなかったので、とりあえずA寝台、B寝台というのがあると聞いて、行きと帰りで両方に乗ってみようと。それまで1人旅はしたこともなく、とても不安で、車内販売もないというから、駅弁などを大量に買い込んで乗ったんです。でも、乗ってみたら、どちらもカギのかかる個室で、とても快適で(脚注1)。以前、住宅関連のブログを手掛けていたこともあって、宿泊施設には興味があったので、個室の“ホテル感”が気に入りました。ちょっと昭和レトロな感じとか……。

脚注1:寝台特急「はやぶさ」には、A寝台1人用個室「シングルデラックス」と、B寝台1人用個室「ソロ」が連結されていた。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120913j:plain

 

── 同じく寝台特急の「北斗星」にもたくさん乗られたのだとか。

 

YASCORN:「北斗星」の良かったところは、何と言っても「ご飯が食べられる」ということですよね。「グランシャリオ」という食堂車で。たいていは、予約なしでも食べられるパブタイムの料理でしたが、最後の最後に奮発して、フランス料理のコースをいただいた時は、もうハーモニカホルダーを改造して、自分の体にスマートフォンを装着して、動画を自撮りしてしまいました!

 

オッ、ココで名物の「新幹線カレー」が、汽車で運ばれてきましたよ!

f:id:Meshi2_IB:20180111215142g:plain

 

座席の前でピタリと到着。

f:id:Meshi2_IB:20180111215930j:plain

このお店、すべてのメニューを座席まで汽車が運んでくれるのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120848j:plain

ライター・望月は、東海道新幹線のエリアで育ったので、0系新幹線の「新幹線カレー」(720円)を。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120855j:plainYASCORN先生は、ちょっぴり豪華に「エビフライカレー」(970円)をいただきました。

「ナイアガラ」のカレーは、昭和の製法そのままに製造しているのがポイント。ラード・小麦粉・バター・チーズ・ニンジン・ジャガイモ・玉ねぎ・豚肉など、食材も国産品にこだわっており、お米は秋田県・大潟村産のあきたこまちを使用しているそうです。さすが、秋田新幹線の愛称「こまち」を使ってくるあたり、鉄分も濃いめですね。

一方で香辛料などは、しっかりと輸入品にこだわっており、実は手が込んだ「鉄道メシ」なのです。

 

ちなみに、カレーの辛さは、特急(辛口)、急行(中辛)、鈍行(甘口)の3種類。

f:id:Meshi2_IB:20180107120840j:plain

特に辛い味として、超特急(大辛)特別急行券も発売しているのだそう。「新幹線カレー」は、通常甘口だそうですが、オトナ向けの中辛で今回はいただきました。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120938j:plain

じゃ、いただきます!

 

駅弁は駅弁大会で「予習」、現地で「復習」を

── 食堂車の話題が出てきましたが、YASCORN先生にとっての「鉄道メシ」は何ですか?

 

YASCORN:やっぱり「駅弁」ですね。駅弁は、とてもイイものがあるのに、残念なことに、最近はどんどん数が減ってきています。だからこそ、もっと広めなくちゃ……という使命感のようなものを感じていますね。最初は、いわゆる“いい駅弁”といわれるものを厳選していましたが、最近はどんな駅弁でもまずはいただいてみようと。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120919j:plain

 ── 全国にいろんな駅弁がありますけど、最初は何から入ったんですか?

 

YASCORN:元々、鉄道好きになる前から、食べるのは大好きで、味にもこだわるし、お酒も大好きなんです。最初の駅弁は、正確には憶えていないですが、親が駅弁ではなく、ご飯として買ってきた“釜めし”でしょうか(脚注2)。あとは、コチラも駅弁というよりご飯としていただいた、横浜駅の「シウマイ弁当」ですね。駅弁にはエピソードがたくさんあって、地方の業者さんにも、頑張っているところもいっぱいあるんですが、なかなか知られていないので、そういったすき間を埋めていけたらイイなと思っています。

脚注2:「峠の釜めし」は信越本線・横川駅の駅弁。昭和33年(1958年)発売、今年で60周年を迎える駅弁の代名詞。

 

── 駅弁から鉄道の魅力にハマっていくのは『メシ通』の読者向けだと思います(笑)。

 

YASCORN:やっぱり「鉄道と食」は相性がいいので、そこから入っていくのがいいんじゃないでしょうか。たとえば、冬の時期ですと、「駅弁大会」がありますので、これもきっかけの1つになりますよね(脚注3)。まずは駅弁大会で気になった駅弁を手に取ることで「予習」して、今度は現地に行って「復習」。駅弁も、「予習」と「復習」が大事なんです。

脚注3:もっとも有名なのは、東京の京王百貨店新宿店で開催される「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。第53回目となる今年は、1月10日(水)〜23日(火)まで開催されており、毎回混雑する人気イベントとなっている。

 f:id:Meshi2_IB:20180107120818j:plain

 

オススメ駅弁はコレだ!

── 『メシ通』の読者にオススメの駅弁ってありますか?

 

YASCORN:そうですねー、たとえば高山駅で売られている「金亀館」には、飛騨牛のローストビーフを使った駅弁があります。もちろん、駅弁大会でも見かけますが、現地のお店にうかがうと、まだ切りたての赤いお肉のローストビーフを駅弁に入れてくれるんです。食に目がない男性の方には、きっとたまらないですよね!?

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120924j:plain

──  お肉系は確かにソソられますよね。

 

YASCORN:甘いの大好きな方ならスイーツ列車! 特にJR九州の「或る列車」がイチオシですね。あと、もし日本酒が大好きな方なら、新潟県内を走っている地酒がいっぱい飲める観光列車「越乃Shu*Kura(コシノシュクラ)」をぜひ体験してみてほしいなぁ。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120949j:plain

▲来店客には、記念切符も発行してくれる

 

── 精力的に現地へ足を運ばれているYASCORN先生としては、今年2018年はどんな食べ物のある列車に乗りたいですか?

 

YASCORN:今年は「TOHOKU EMOTION」のランチでしょうか。あと、軽鉄道のストーブ列車にも乗ることが出来ていないんです。それと、道南いさりび鉄道の「ながまれ」号。私が生まれたのは青森・三戸で、青森のBリーグチームのグッズを手掛けていることもあるので、まずはこのエリアを重点的に乗っていけたらと考えてますね。

 

── きょうはお忙しい中、ありがとうございました。

 

藤子・F・不二雄先生にあこがれて“まんが道”に入られたYASCORN先生。この10年で、“まんが道”と“鉄道”の“複々線化”を見事に成し遂げられました。

YASCORN先生の作品は、とても丹念に取材されていながら、とても分かりやすい言葉で表現してくれるのが読み手としても、胸がスッとするところ。

そして何より「人と出会う」ことが好きで、転勤族のご家庭に育ったせいか、会うだけでなく、“懐に入り込む”術を持っていらっしゃるのはうらやましい限りです。

果たしてYASCORN先生が、これからどのような視点で、「鉄道メシ」にまつわる作品を生み出されていくのか、次の作品を楽しみに待つことにいたしましょう。

 

f:id:Meshi2_IB:20180107120952j:plain

「ナイアガラ」さん、ごちそうさまでした!

 

【おまけ】

f:id:Meshi2_IB:20180107121001j:plain

「ワム」といえば、鉄道好きには80年代洋楽よりも「貨物列車」!

 

お店情報

ナイアガラ

住所:東京都目黒区祐天寺1-21-2
電話番号:03-3713-2602
運転時間:11:00〜20:00
運休日:月曜日、木曜日
ウェブサイト:http://www.niagara-curry.com/

※この記事は2017年12月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:望月崇史

望月崇史

1975年静岡県生まれ。放送作家。 ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは足かけ15年、およそ4500個! 放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。 ラジオの鉄道特番出演、新聞・雑誌の駅弁特集でも紹介。 現在、ニッポン放送のウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載中。

過去記事も読む

トップに戻る