『メシ通』の読者の皆さま、こんにちは。
昨年、「美味しいのにメチャ簡単! ビールに合うおつまみを日本燻製協会・佐藤暁子代表に教わってきた」という記事でスモークドチキンを紹介させていただきました、燻製ニストの佐藤暁子です。
約1年ぶりの登場ではありますが、さっそく超カンタンでいますぐできる燻製おつまみの作り方をご紹介したいと思います。
本日のメニューは、どんなお酒にも最高に合う定番の燻製おつまみ「スモークチーズ」と「うずらのくんたま」です。
とりあえず、買い出しから!
まずは燻製おつまみを作るための「スモークチップ」を購入しましょう。
ホームセンターやアウトドアのお店などに行けばすぐに買うことができると思います。
最近では大きめなスーパーのバーベキュー用品コーナーにも置いてあったりします。もちろん、ネットショップで買ってもいいでしょう。
スモークチップはだいたい500円前後で購入可能ですよ。
100円ショップのダイソーに来ました。
みんな大好き100円ショップのダイソー。ここにくれば大抵の調理用品が揃ってしまいます。さっそくキッチン用品売り場へGO!
ありました。
まずはボウル2個とアミを買います。これを「スモーカー」にしたいと思います。
購入のポイントは「ボウルの直径よりもサイズが小さい丸いアミ」を選ぶこと。
続いて、キッチン消耗品売り場へ。ここで買うのは、キッチンペーパー、ジッパー付き保存袋、アルミホイル、クッキングシート。
もちろん、家にあったら買わなくていいですよ。
それと、「めんつゆ」を買っておきます。これは、うずらのたまごに下味をつけるために使うものです。
はい、それでは会計へ。
〜100円ショップで買ったもの〜
- ボウル 2個(私が買ったものは直径21cmのもの)
- 丸い網 1枚(私が買ったものは直径17cmのもの)
- キッチンペーパー
- ジッパー付き保存袋
- アルミホイル
- クッキングシート
- めんつゆ
もちろん、すでに家にあるものはあらためて買わなくていいのですが、ボウルだけは燻製専用として買っておいたほうがいいと思います。試しに1回ボウルを燻製作りに使ってみると……
こうなってしまいますからね。
さて、食材となるチーズとうずらのたまごはスーパーで買いましょう。
チーズは6個入りチーズです。購入のポイントとして、あらかじめ熱処理がしてある「プロセスチーズ」を買ってください。プロセスチーズであれば6個入りチーズでなくてもOK。
たまごについては、今回はうずらのたまごの水煮を買ってきましたが、うずらのたまごは自分でゆでてもいいし、もちろん鶏卵のゆでたまごでも構いません。
うずらのたまごを、めんつゆに1~2時間漬けましょう。
めんつゆをかけそばのつゆ程度に薄めてください。
ジッパー付き保存袋にめんつゆとたまごを入れて、1~2時間漬けます。
ちょっとジッパー付き保存袋が大きかったかな。いわゆる食品用のジッパー付き保存袋じゃなくても、厚手のビニール袋があれば、それを使ってもいいです。
そして、燻製作りは、燻煙する前に食材をしっかり乾かすことが大事。
めんつゆに漬けてから1~2時間後、たまごを取り出し、たまごの表面についた水分をキッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。もちろん清潔なふきんで拭いてもOKですよ。
さっそく燻煙してみましょう
さて、いよいよ燻煙(くんえん)作業に入ります!
燻煙とは、食材をスモークチップでいぶす作業のこと。
まず、ボウルにアルミホイルを適当な大きさに切って、敷きます。
その上にスモークチップをひとつかみ乗せます。だいたい10g程度ですね。
網をセットし、その上にキッチンペーパーで水分を拭きとったうずらのたまごを乗せます。
そして、もうひとつのボウルでフタをして、火にかけます。
火加減は、弱火~中火です。
すると、約1分後にボウルの重なった境目から白く細い煙が出てきます。
これはボウルの中でチップが焦げて、煙が出てきたサイン。
で、ここがポイント。
煙が出てきたら、すぐに弱火にします。
弱火にしてから、そのまま触らずに7分間ボウルを見守ります。
もちろん、換気扇は「最強」にしておきましょう。
ほとんど煙は出ませんが、ふんわりと燻製の香りがします。わたしは「アロマ」と呼んでいますが、嫌いな方もいるでしょうから換気扇は回してください。
それから、燻煙の途中で、決してフタを開けないこと!
燻煙の途中で開けるとものすごい煙が出ますし、もちろんボウルも熱くなってますから直接触ると危険。火傷してしまいます。これは絶対に約束してくださいね。
けっして火のそばから離れないこと!
燻製作りのよくある失敗例。それは火が強すぎて煙がモクモク出ているのに気づかず、家は煙たくなるわ、食材も真っ黒になってしまうわで食べられなくなるケースです。
それと、弱火にしたつもりが、いつの間にか火が消えていた、というパターン。これも危ないですね。
いずれも、火のそばを離れたことが原因です。必ず見守っていてください。
さて、7分間経過しました。まずは火を止めます。
でも、まだフタは開けないでください!
フタを開けるのは、火を止めてから10分後です。すぐに開けると、冷めやらぬ煙が暴れ出てきて部屋中が大変なことになります。それにまだボウルが熱く、火傷をしてしまいます。じっと我慢して10分そのまま待つと、煙が落ち着いてきます。また、ボウルはステンレスなので、あっという間に熱も冷めてくれます。
必ず10分待って、煙が落ち着いてから、フタを開けましょう。
火を止めてから10分後にフタを開けます
おおー! 我ながら会心の出来栄えです。
「くんたま」完成!
日本酒、焼酎、どんなお酒にも最高に合いますよ。
そうそう、使用後のスモークチップは、水をかけるなどして完全に消火してから捨ててくださいね。
チーズの燻製も簡単です!
作り方は、「くんたま」とほぼ同じです。
ボウルにアルミホイルを敷き、スモークチップをひとつかみ入れます。
網をセットし、その上にボウルの大きさに切ったクッキングシートを敷きます。
クッキングシートの四隅を折って、紙がボウルからはみ出さないようにします。
その上にチーズを並べましょう。
ボウルにフタをして換気扇を回し、中~弱火で1分間。
白く細い煙が出たら弱火にして7分間。
ここでも絶対に火のそばから離れないこと!
「くんたま」と同じように弱火で燻煙してから7分後に火を止めて、そのままフタを開けずに10分間待ちます。
すぐに開けたくなる気持ちをぐっと堪えて10分後……。それではさっさくフタを開けてみましょう!
お見事!
表面についているのはくん液です。すぐに食べると、やや酸っぱい味がします。
少し置いて乾かすか、キッチンペーパーで拭いてください。
燻製は、出来立てを食べるよりも、少し置いた方が味がなじんで美味しくなります。
燻製チーズは、ワインやウイスキーと合わせるのがおすすめ。もちろんビールも!
家で燻したものを食べると、市販の燻製チーズなんかじゃ味も香りもぜんぜん物足りなく感じるようになります。ほら、やってみたくてウズウズしてきませんか?
とにかく一度、お試しあれ。
もちろん使用後のスモークチップには水をかけるなどして、完全に消火させてから捨てるのをお忘れなく。
作り方のおさらいです!
◎うずらのくんたま
【材料】
- うずらのたまごの水煮 好きなだけ
- めんつゆ 適量
- ボウル 2個
- 丸い網
- スモークチップ ひとつかみ
- アルミホイル
- ジッパー付き保存袋(またはビニール袋でも可)
- キッチンペーパー
【作り方】
- めんつゆをかけつゆ程度に薄め、うずらのたまごの水煮と共にジッパー付き保存袋に入れて、1~2時間、漬けておく
- 漬け終わった1のたまごを取り出し、キッチンペーパーでたまごの表面の水分を拭きとる
- ボウルにアルミホイルを敷き、スモークチップをひとつかみのせる
- ボウルに網をセットする
- 水分を拭き取ったたまごを並べる
- もうひとつのボウルでフタをし、換気扇を最強にして、中~弱火にかける
- 火にかけて1分後、ボウルのフチから細く白い煙が出て来たら、さらに弱火にして7分間ほど燻煙する
- 火を止めて、10分間待つ
- 使用後のスモークチップは、水をかけるなどして完全に消火してから捨てること
◎スモークチーズ
【材料】
- 6個入りチーズ 1箱
- ボウル 2個
- 丸い網
- スモークチップ ひとつかみ
- アルミホイル
- クッキングシート
【作り方】
- ボウルにアルミホイルを敷き、スモークチップをひとつかみのせる
- ボウルに網をセットする
- クッキングシートをボウルのサイズに切って、ボウルから紙がはみ出さないように四隅を折るなどする
- クッキングシートの上に、6個入りチーズを並べる
- もうひとつのボウルでフタをし、換気扇を最強にして、中~弱火にかける。
- 1分後、ボウルのフチから細く白い煙が出て来たら、さらに弱火にして7分間燻煙する
- 火を止めてから、じっと10分間待つ
- 使用後のスモークチップは、水をかけるなどして完全に消火してから捨てること
いかがでしたか?
休日の昼下がりにピッタリの燻製作り、さっそく始めてみてはいかがでしょうか。
そうそう、美味しさのあまり燻製作りにすっかりハマってしまった皆さまには、最近発売したばかりの私の新刊もあわせてご覧になっていただけたら幸いです!