注目の台湾グルメ! モツと鶏肉、あさりのプリプリの食感とうまみがはじける「麺線」もう食べた?

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以前、たった一度旅しただけにもかかわらず、さも「台湾通」みたいなテンションでこんな記事を書いたのですが、あれから早1年。いまだに行列が絶えない繁盛店の様子を横目で見るたび、「私の見込みは正しかった……!」と謎の上から目線でつぶやいているメシ通レポーターの大矢です。

 

ここで新たに猛プッシュしたい台湾グルメがあります。それは「麺線(ミエンシエン)」。かつおダシのきいたとろとろのモツ入りスープに柔らかい細麺がからむ絶妙な味わいで、日本人にも間違いなく好まれる味なのですが、なぜか日本では食べられるお店があまりないのです……。

 

心置きなく気軽にあの麺線を日本でも食べられたらいいのに……! と地団駄を踏んでいたところ、「西新宿に麺線専門店がオープンした」という情報をキャッチしました。そ、それはなんとしてでも足を運ばないと! ということで、早速行ってきました。

 

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新宿駅から西新宿方面に歩いてお寺の裏に入ると、目に入るのが大きな看板。ここですね。わかりやすい。お邪魔します!

 

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カウンター9席のみのこじんまりとしたお店です。

 

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迎えてくださったのは店主の佐久間政吾さん。お店をひとりで切り盛りされていらっしゃいます。こちらをオープンされたのは最近ですよね?

 

「今年の1月末に開店したばかりですね。それまでは開店準備とリサーチも含めて、新宿二丁目のバーで毎週木曜日に麺線を出していました。その時からの常連さんもいらっしゃれば、この近くで働いているビジネスマンの方とか、『麺線』と聞いて遠くから足を運んでくださる方もいて……やっと慣れてきた感じですね(笑)」

 

単刀直入に聞きますけど、どうして「麺線」の専門店を開こうと思ったのですか?

 

「昔から『いつか自分のお店を開きたい』とは思ってたんですけど、しばらく普通に会社員として働いていて。航空会社の日本支社で法人営業を担当していたんですよ」

 

え、全然違う職業。あ、だからこの飛行機のオブジェが飾ってあるんですね。

 

「そうそう。元同僚が持ってきてくれて」

 

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なるほど。台湾が本社の航空会社ですね。

 

「仕事柄、よく台湾にも出張していたんですが、食べることも好きなので、行くたびにいろんなお店を食べ歩いていたんですよ。それである時……クラブで遊んで飲んだ後の帰りかな、初めて『麺線』を食べて。『うわぁ、やさしいー!』と思ったんですよね。初めてなのになんだか懐かしいというか。それでよく『麺線』を食べるようになったんですが、日本にはあまりお店がないので、それなら私が作ろう! と一念発起して、お店を始めることにしたんです」

 

台湾には有名店に限らず、看板も出さずに地元の人ばかりが集まるようなお店をはじめ、実は至るところにお店があるのだそう。佐久間さんはお店を開業するにあたって、5〜60軒もの「麺線」を食べ歩いたのだとか。

 

「それこそ『家庭の味』みたいに、一軒一軒味が違うんですよね。その中からいちばん好きなお店の味をイメージしつつ、『本場よりもおいしい!』って思ってもらえるものを目指しています」

 

では、その自慢の「麺線」を注文させてもらってもいいですか?

 

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▲麺線(レギュラーサイズ)600円 ※お昼はテイクアウト用の器に入れてワンコイン(500円)で提供されています

 

ぅおおおっ! スープがキラキラしてる。それになんだか具だくさん。私が台湾で食べた「麺線」よりも、具がゴロゴロしている気がするのですが……。

 

「台湾ではよく牡蠣を入れたりするんですけど、日本のものよりも小振りなんですよね。なので、ウチはその代わりにあさりをたっぷり入れました(笑)。具材はあと豚モツの煮込みと鶏ムネ肉にパクチー。スープは鹿児島県枕崎産の鰹節と干しえびをたっぷり使っただしと豚骨スープを合わせています。味の決め手は台湾醤油ですね。同じ醤油でも日本のとは全然違うんですよ」

 

「麺線」をはじめ、食材の多くは毎月台湾に出かけて、直接仕入れているのだそう。

 

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では、さっそくいただきます……。うわっ! カツオだしのうまみがブワーっと口の中に広がったと思ったら、モツと鶏肉、あさりのプリプリの食感とうまみがはじける。とろみのあるスープと柔らかい素麺が渾然一体となって、のどの奥に染み渡ります。そしてふわりと八角とパクチーの香り。う、うまーいっ!

 

「“パクチニスト”の人なら、『追いパクチー』(150円)もオススメですよ。パクチー好きの方って、『もっとたっぷり!』なんてよく言うじゃないですか。なので負けずに『これでもか!』っていうくらいに盛りますから(笑)」

 

昼は麺線専門店「台湾佐記麵線」として営業していますが、夜になると「台湾バル888」と店名を変えて、「自家製台湾ソーセージ(香腸)」(530円)や「大根モチ 新竹在住・張さん直伝版」(480円)など台湾料理を台湾ビールやウイスキーと楽しめるバルに早変わり。カウンターでお客さんたち同士が乾杯したり、仲良くなったりとアットホームな雰囲気に。仕事帰りにフラッとひとりで立ち寄りたいお店が、もう一軒増えました。また来ますね!

 

お店情報:

台湾佐記麵線 & 台湾バル888

東京新宿区西新宿7-12-12 サギヤビル101
電話番号:03-3365-3050
営業時間:月曜日・水曜日・金曜日 11:30~13:30、月曜日・火曜日・木曜日・金曜日・土曜日 18:00~23:00(LO 22:30)
定休日:日曜日・祝日
ウェブサイト:https://www.facebook.com/sakimensen888/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

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書いた人:大矢幸世

転勤族の父親と夫を持ったがために、愛媛群馬東京京都福岡鹿児島福井を渡り歩いた流浪系ライター。現在地は東京。地元はしいて言えば福岡。立命館大学卒業後、百貨店勤務、フリーペーパーの編集を経てフリーランスに。月刊誌や広報誌、WEBなど各媒体で執筆中。著書に『鹿児島カフェ散歩』(書肆侃侃房)。

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