鯛・サーモン・タコの刺身でなめろうを作ったら、新しい世界が広がった【なめろうisフリーダム】

居酒屋の定番「なめろう」は青魚以外で作ってもうまい! 3種類の魚介の刺身や切り身を使った、それぞれ違う味付けのなめろうレシピをご紹介します。

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ぬる燗や熱燗をチビチビやるのが美味しい季節には、魚の肴を合わせたくなります。

 

シンプルに素材の味を楽しむ焼き魚や刺身もいいし、さつま揚げやカマボコなどの練り物もいいんですが、最近はたっぷりの薬味と味噌で味付けする「なめろう」がお気に入りです。

 

味噌を足せば、なんでもなめろうに? 

で、『メシ通』にはどんななめろうのレシピ記事があるのかなと、調べてみるとですね……。

 

www.hotpepper.jp

 

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おお! 目からウロコとはまさにこのこと。

いままでなめろうというと、鯵(アジ)か青魚で作るという固定観念が自分の中にありました。でも他の魚で作ってもいいし、なんなら野菜でもいいのか。

 

なめろうってフリーダムじゃん! 

 

ゴマペーストは〆への布石! 鯛のなめろう

早速、鯵以外の3種類の魚介でなめろう作りに挑戦してみることに。とはいえ、1匹丸ごとの調理は大変。スーパーマーケットで買った刺身やサクなどでなめろうを作ります。

 

まずは鯛(タイ)から。

 

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【材料】(1~2人分)

  • 鯛(刺身) 5~6枚
  • 味噌 小さじ1
  • ゴマペースト 小さじ1
  • 長ネギ 2~3cm
  • ショウガ 1切れ
  • 大葉 2枚(1枚は盛り付けの飾り用)

なんでも、なめろうは海に出た漁師が、揺れる船上で獲れた魚をタタンッと切って、持参した味噌とザザッと混ぜ合わせて作ったものがはじまりなんだとか。

 

なので、後でご紹介するレシピにも共通して言えることなんですが、材料の種類や分量は目安です。薬味が多かったり、どれか足りなかったり、多少バランスが狂ってもいいじゃないですか。おおらかにいきましょう。

 

そもそもどんな味噌を使うかにもよっても、しょっぱさが全然違いますからね(ちなみにウチの味噌は、妻お手製の信州系味噌です)。

作った後に「塩気がちょっと足りないなぁ」なんてことがもしあれば、醤油を2~3滴垂らしちゃってください。

 

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最初に、鯛を1〜2cm角(適当でOK)に切っていきます。

 

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次に長ネギ、ショウガ、大葉をみじん切りに。

切り終えたら、味噌もまな板の上にのせ、包丁ですべての材料を叩き合わせていきます。

 

さて、味噌だけでも十分美味しいのですが、ちょっとひと工夫。我が家で余りがちな調味料、ゴマペーストも上からかけた後に、混ぜていきます。(なければ入れなくてOKです!)

 

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よく叩いてペースト状にするなめろうもありますが、自分としては鯛の食感も楽しみたいところ。今回は、多少粘り気が出ればOKという気持ちで、サクッと叩き合わせる程度で留めています。

 

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そうこういってるうちに、はい完成!

 

ゴマペーストのコクが加わることで塩気が丸くなり、鯛の繊細な味と相まって全体的に優しい仕上がりになっています。一般的な、味噌の塩気と薬味だけの尖った味のなめろうも大好きなんですが、こちらも捨てがたい美味しさです。

 

普通におかずとして食べてもいいけれど、いや、ここで日本酒をやらいでか!

 

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うん、やっぱりこれですよ。なめろうと日本酒。古来より日本酒飲みに愛されてきた黄金の組み合わせ。文句のつけようがありません。

 

あと、どうもビンボー性なのか、美味しいものをちょっとずつ色々食べたいんですよね。というわけで、こんなアレンジはいかがでしょうか。

 

ゴマペーストの伏線回収! 鯛のなめろう茶漬け

材料(1~2人分)

  • 鯛のなめろう お好みの量
  • ご飯 お好みの量
  • 出し汁(市販のめんつゆをかけつゆの割合で希釈したもの) 約150cc
  • 大葉(追いがけ用) お好みの量
  • ゴマ(追いがけ用) お好みの量

 

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いくらか食べて残ったなめろう(私は半分残しておきました)をご飯にのせて……、

 

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みじん切りにした大葉とゴマをパラリとふって、最後に温めた出し汁をかければ……、

 

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黄金の汁に揺蕩(たゆた)うは米と鯛のなめろう。〆ご飯の出来上がりです!

 

お気づきの読者の方もいるかもしれませんが、日本で昔から愛されてきた「鯛茶漬け」をイメージしています。ゴマペーストを加えたのもそんな意図がありました。

お茶漬けにするとゴマペーストと出し汁が絡み合い、五臓六腑に染み渡る、より優しい味わいになりますよ。

 

ちなみに、めんつゆがなければ、鰹節ひとつまみをご飯にのせ、熱湯を約150ccかけてもOKです!

 

隠し味はコチュジャン! サーモンのなめろう

次は、サーモンのなめろうに挑戦してみました。

 

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鯛ってなかなかのお値段なんですが、それに比べるとサーモンは少しお安い。だからちょっとだけ、材料の量が増えてます(笑)。まぁ誤差の範囲ですが。

 

【材料】(1~2人分)

  • サーモン(サク) 100g
  • 味噌 小さじ1.5
  • コチュジャン 小さじ1.5
  • 長ネギ 3~4cm
  • ショウガ 1切れ
  • ニンニク 1/2片
  • カイワレ大根 4~5本

薬味は他の魚で作るなめろうと共通でかまいません。ただ、今回はある理由から、ちょっとだけ変えています。

 

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はい、工程自体は鯛のなめろうと変わりませんね。サーモンを1〜2cm角(適当でOK)に切って……、

 

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みじん切りにした長ネギ、ショウガ、ニンニク、ざく切りにしたカイワレ大根、味噌と一緒に混ぜ合わせますが、今回はコチュジャンを加えてみたいと思います!

 

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タタタンッと、サーモンの食感が残る程度に叩き合わせたら……、

 

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サーモンのなめろう、完成です!

 

コチュジャン特有の深みとコクのある甘味が味噌の塩気と混ざることで、みんな大好きな「甘じょっぱい」テイストになります。これがサーモンのトロンとした身にまとわりつき、杯が進むこと間違いなし!

 

そもそもコチュジャンとニンニクを入れたのはあの料理をイメージしてるんですよ。そう、「ユッケ」

 

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味を変える場合は、ぜひゴマ油(分量外)を少しかけて、卵黄(分量外)を中央にのせてください。

さらに風味がよくなり、卵のまろやかさも加わって、ゴージャスなサーモンのなめろうが楽しめます!

 

柚子胡椒がぴりっと爽やか! タコのなめろう

魚以外のなめろうも美味しそうだったので、刺身用の生タコ足でトライしてみました。

 

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【材料】(1~2人分)

  • タコ足(ボイル) 1/2本(約50g)
  • 味噌 小さじ2
  • 柚子胡椒 小さじ1/2
  • 青ネギ 1~2本
  • ショウガ 1切れ
  • ミョウガ 1/2個
  • 大葉 1枚(盛り付けの飾り用)

 

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タコ足を、2cm角(適当でOK)に切り分けます。用意したタコ足が存外おっきかったので、1/2本だけ使う方向にシフトチェンジしました。

 

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青ネギは小口切りに、ショウガとミョウガはみじん切りにします。

 

今回のチョイ足し調味料は、柚子胡椒を選んでみました。和え物で「たこわさ」ってありますよね。あれをお手本にしつつ、柚子胡椒やミョウガを入れることで、爽やかな風味を足すことを狙っています。

注意いただきたいのは、柚子胡椒の風味がかなりパワフルなこと。入れ過ぎてしまうと、なめろうが「柚子胡椒の味がするなにか」になりかねません。なので、まず控えめに入れてみて、物足りなければちょっとずつ足していくのがオススメです。

 

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タコ足は身がしっかりしていて、特に食感を生かしたい食材なので、今回は叩き合わせません。すべての材料をボウルに入れてよく混ぜます。

 

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はい、タコのなめろうの完成です!

 

口に運ぶと、最初はタコの表面を覆う味噌のうまさと柚子胡椒の爽やかな辛さが飛び込んできますが、噛むほどにタコの弾力と身の甘さがじわじわ口内に広がっていきます。日本酒はもちろんのこと、キリッと冷やした白ワインにも合いそうですね。

 

タコ足の残り半分は刺身にして、一緒にいただきました。

ちょっと大きめの切り身を買ってきて、半分は刺身、半分はなめろうの2種盛にできるのは、家でなめろうを作るときのメリットですね。見た目が少し豪華になりますし、ちょっとした手間でひとつの素材を2度楽しむことができます。

 

魚介+味噌+薬味=だいたい美味しい!

3種類のなめろうを実際に作った結果、「魚介+味噌+薬味」の方程式が成立していれば、青魚以外でも、別の調味料を加えても、なめろうを美味しく食べられることを実感しました。

 

今回は試しませんでしたが、イカやホタテ、牡蠣なども美味しくできるのでは。機会があれば、野菜のなめろうにも挑戦してみたいなと思います。

みなさんもぜひ、いろんな種類の新鮮な魚介で試してみてくださいね。

書いた人:飯炊屋カゲゾウ

飯炊屋カゲゾウ

1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとして活動中。「子育屋カゲゾウ」名義で育児ブログも更新中。

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