「カレーうどんカツ丼」「生姜からあげだれ」「牛丼カツ丼」──かつやのハイパーカツ丼を作った男たち

「うどんなの? カツなの?」「からあげなのに『たれ』って何?」「“牛丼カツ丼”って、日本語としておかしくないか?」などなど、とにかく頭の中に「?」を浮ばせるメニューの数々。その引っ掛かりをスッキリさせるためには、かつやに行くしかない!

エリア神田

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「カレーうどんカツ丼」!

 

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「生姜からあげだれのチキンカツ丼」!

 

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「牛丼カツ丼」!

 

よくわからないが美味そう

最初にこれらかつやの季節限定メニュー名を見た時に思ったのは、「日本語としておかしくないか?」ということ。

そして「なんだかよくわからないが、とりあえず美味そうだ!」ということ。

かつやのメニューには、そんな謎の魅力があります。

 

「うどんなの? カツなの?」「からあげで『たれ』って何?」「牛丼カツ丼って、そのままっぽいけど、そのままでいいの?」などなど、とにかく頭の中に「?」を浮ばせるメニューの数々。

その引っ掛かりをスッキリさせるためには、かつやに行くしかない!

そして数々の揚げ物でお腹を膨らませて満足し、「まあ名前はヘンだったけど、美味かったからいいか!」というかつやマジック

2019年はそんな魔法に踊らされたチェーン店好き・揚げ物好きも多いのではないでしょうか。

 

そんな「揚げ物ファンタジスタ」ともいうべき、かつやのメニュー開発の方に話を聞いてみたい! ということで、今回フェア商品(季節限定メニュー)の企画開発を担当されているアークランドサービスホールディングス株式会社・商品部の3人、庄田部長・戸田次長・阿部次長に話をおうかがいしました。

ちなみにそれぞれの企画した代表作は以下のとおり。

 

かつやの「揚げ物ファンタジスタ」たち

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▲庄田部長(「増し増しチャーシューエッグチキンカツ丼」「シビれ山椒のぶっかけ青ネギカツ丼」「焙煎にんにく味牛カツ丼」)

 

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▲戸田次長(「カレーうどんチキンカツ丼」「ふわたまレッドチキンカツ丼」「麻婆チキンカツ丼」)

 

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▲阿部次長(「牛丼カツ丼」「夏のさっぱりまぐろカツ丼」「出汁あんかけカツ丼」)

 

まさにあの名作メニューの生みの親たち!

まずは2019年のメニューの反響についてうかがいます。

 

──かつやの期間限定の商品、いわゆるフェア商品は趣向を凝らしたスペシャルなカツ丼という時点で毎回パワーがあるんですが、2019年はネーミングからしてもインパクトがありました。実際、反響も大きかったんじゃないですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:ツイッターを見ても反響の多さは感じています。ただ、反響イコール来店の多さではないんですよね。手応えのあった商品もあれば、「あれ?」というものもありますし。

 

──もともとこういうフェア商品はどれくらい前から始められたんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:遡ると6年か7年前くらいからだと思いますね。今は月イチで違ったものを出しているんですけど、もうそろそろネタが尽きてきていると言われますね(笑)。

 

──そんなことないですよ! こうやってメディアからもあらためて注目されていますし、ネットを見てもかつやのメニューにはこれまでになく引っ掛かっている人が多いんですから。

 

では、さっそくインパクトあるフェアメニューの開発秘話をそれぞれ企画した本人にうかがいましょう。

まずは「カレーうどんカツ丼」から。

 

「まずお腹いっぱいになってもらわないと意味がない」

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▲カレーうどんカツ丼(※現在は販売していません)

 

カツカレーとカツ丼を足す発想であればまだ思いつくのですが、カレーうどんにカツ丼を足しますか! 

ご飯の上にこんもりカツとうどんが盛られ、その味付けはキーマカレー系。

炭水化物のダブルパンチに圧倒されつつも、ネギがいい感じに両者を繋いでくれます。

 

──まず名前を見て「うどんなの? 丼なの?」と頭に「?」が浮かびますね。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:前からうどんを使ったメニューをやりたかったんです。牛すきとかすき焼きとかいろいろ可能性を考えているうちに、カレーうどんにたどり着いたんですね。

 

──カツ丼屋だけど、あえてカレーうどんに!

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:愛知県の豊橋に、カレーうどんの中にご飯が入っているみたいなのがあるっていうんで、かつやはカレーうどんの中にカツ丼が入っている、っていうメニューなら面白いんじゃないかと思ったんですね。それで名前も「カレーうどんカツ丼」って、意味がわからなくて面白いんじゃないかと。まあ、思っていたより売れなかったんですけど(笑)。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:言っちゃった!(笑)

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:個人的には味は美味しかったと思うんです。ただ、売り方というかお客様がイメージがしづらかったかなと。

 

──タイトルで「?」と思わせて、実際に注文させるかどうか、ということですね。自分は即注文しましたけども!

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:やっぱり「牛丼カツ丼」とかは横にプレートになっているから、写真で見た目がわかりやすいんですけど、「カレーうどんカツ丼」は丼にする際にご飯が見えないんですね。ちょっと悪ふざけみたいな名前で関心は持ってもらえたけど、お客様に「食べてみようかな」とまでは思ってもらえなかったメニューですね。

 

──あと、うどんとご飯で炭水化物&炭水化物、というのも気になったのかなと。もともと揚げ物の店なので「そこ気にする?」という気もしますけども。ちなみにメニューを考える時に「ヘルシーさ」って要素は考えたりしますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:もしカロリーオフのメニューを作るなら徹底してやるべきだとは思うんですけど、かつやはまずお腹いっぱいになってもらわないと意味がないと思っているんで、そこは噛み合わないですよね。
別にデカ盛りとかボリューム重視の店ではないんですけど、「量が足りなかったな」がいちばんのNGだと思っていますので。できるだけ「食べて高揚感があって、美味しいもの」を出したいんですね。わざわざかつやにダイエットをしたい人が来て「いつもより量を減らして食べよう」ってのは、たぶんないと思うんですね(笑)。

 

──たしかに!

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:実際、過去にさっぱりしたものとか、カツのボリュームが小さめのものとかを売ったことがないわけじゃないんです。でも、反響はいまいちでしたね。

 

続いては「生姜からあげだれのチキンカツ丼」の誕生秘話。

 

なぜからあげが「生姜からあげだれ」になってしまったのか

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▲生姜からあげだれのチキンカツ丼(※現在は販売していません)

 

ご飯の上にチキンカツ、その上にのった生姜だれのかかったからあげを、からあげごと「タレ」と言い切る暴挙……いや新解釈! 

生姜からあげだれとチキンカツのWチキンで頬張る快感は他にないもの。胃を落ち着けるためのキャベツと、たまに味を変えたい時のマヨネーズもいい仕事をしています。

 

──いつものかつやなら「生姜からあげとチキンカツの合い盛り丼」とか、そういう名前になっていたと思うんですよ。それがなぜ「生姜からあげだれ」になってしまったんですか。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:最初は「チキンカツ丼に生姜焼きがのっていたら、自分も食べたいな」と思ったんですよね。でもそれだけじゃ普通だなっていうのと、ちょうど変化球を欲している時期でもあったので、「からあげの生姜味」でいこうと、試しに作ったら美味しかったんです。で、「カツの上にのせるなら、『からあげだれ』でいいんじゃない?」って社内で意見が出たんです。その方がよりキャッチーなんじゃないかと。

 

──そしたら案の定、話題になりました。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:まあ、けっこう「これはやばい」とかネットで書かれましたけどね(笑)。出来るだけマイナスにとらえないようにして、褒め言葉と思うようにしています。お客様に引っ掛かったキーワードなんだなって。

 

──確実に「(いい意味で)やばい」ですから!

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:確実に今までとは違うお客様の食いつき方や「気になるね」って意見はありましたね。普通なら「合い盛り丼」とかにするところを「からあげだれ」にしてみて、「たれじゃないじゃん!」ってツッコミを受ける、ツッコミを受けてもいいというか……その辺のセンスは、わたしたちも経営者も変わってきたかなと思いますね。

 

そして、タイトルの直球具合では類を見ない「牛丼カツ丼」についてもお話を聞いてみました。

 

禁断のコラボレーション丼

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▲牛丼カツ丼(※現在は販売していません)

 

同じ「肉×ご飯」でも、かつやの通常メニューにはない牛丼。

これって商売敵の商品では? と言ってもいいくらい、禁断のコラボレーション感すらあります。そしてこの限定メニューのためだけに、かつやが牛丼を作ってしまったという事実。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191340p:plain阿部:これは「スーパーハングリーセール」の第3弾、ファイナルで出す商品で牛肉をたっぷり使ったものを出したいなということで考えました。それまでも2つの肉を足した合盛り丼とかはあったんですが、ここまで振り切ったものはなかなかないですね。

 

──この「牛丼カツ丼」の牛丼や、「カレーうどんカツ丼」のカレーうどんなんかは、フェア用に各店舗であらためて準備をしなきゃいけないわけですよね。その辺が大変そうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191340p:plain阿部:そうなんです。フェア商品を考える時は、店の限られたスペースでオペレーション出来るか、ということを考えなきゃだめなんです。だから難しい部分もありましたね。他の牛丼チェーン店みたいに牛丼用の鍋があるわけじゃないですし、その点は苦労しましたね。

 

──でも、逆に言えば牛丼屋で揚げたてのカツを出すのはかなりハードルが高いですからね。このクオリティの「牛丼カツ丼」をやれたのはかつやならではと言えます!

 

今回紹介したような期間限定のフェアメニューは3人が考案して、最終的に社長が決定。

「いちばん大事なのは売れそうか売れなさそうか。あと量が少なかったり、見た目に貧弱なものもNGですね。あとは『これでお客様を呼べるの?』とはよく言われます」と庄田さん。

料理自体の味やボリュームも大事なら、お客さんを呼ぶ要素である見た目やインパクトも大事。そしてSNS時代の今、ネーミングなども大事になってきているはず。

 

また、それ以外にもフェアメニューには大事な要素があります。それは「提供までのスピード」。

 

──これまでやってきたフェアメニューで大変だったメニューって何ですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:間違いなく言えるのは「増し増しチャーシューエッグチキンカツ丼」ですね。

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▲増し増しチャーシューエッグチキンカツ丼(※現在は販売していません)

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:丼からチャーシューを垂らさなきゃいけないので、とにかく調理の手間がかかるんですよ。とある店長から「めんどくさいんだよ、チャーシューが!」って、出張先の携帯にまでかかってきましたからね(苦笑)。「無理だよー! やるけどさー!」って。

 

──たしかにチャーシューののせ方にまでこだわっていますからね。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:われわれは提供時間にもこだわっているので、加熱時間が長いものはいろいろ言われますね……。カツ丼を作る時の加熱のボタンが大と小の2種類だけなんですけど、大だと小より30秒ほど長いんです。それでお待たせすることになるので、現場からは「小で出来る方がいいんだけどね~」って言われるんです。

 

禁断のボツメニューをご紹介

毎月登場するフェアメニュー、もちろん決定に至るまでにボツになった試作メニューも。商品部の3人にそれぞれボツメニューを教えてもらいました。

庄田部長は「ガパオチキンカツ丼」「生姜焼き丼」「生カツ丼かつお&チーズ」

 

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▲ガパオチキンカツ丼(※試作品)

 

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▲生姜焼き丼(※試作品)

 

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▲生カツ丼かつお&チーズ(※試作品)

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:「ガパオチキンカツ丼」は時代が早かったんですかね……。「見た目が悪い」って言われて。やっぱり世間の認知度も関係しますよね。最近ブームになった麻辣料理とかくらいまで話題になれば、メニューにもしやすいんですが。

 

──「生姜焼き丼」は下にカツはないんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:肉だけですね。今後カツがないメニューも考えていきたいとは思って、試作はしてるんですが、なかなか……。これは「こんな大きさじゃ食えねえよ!」って言われましたね(笑)。
あと「生カツ丼かつお&チーズ」は、カツは従来のままなんですけど、卵とじゃなくてタレと生卵でいただく、卵かけご飯みたいな感じですね。チーズも相性がよくて美味しいんですけどね、生卵がちょっと心配されて、ボツになりました。

 

続いて戸田さんのボツメニューは「牛スジ煮込みカツ」「台湾まぜカツ」「ぺぺたま」のなんとなく関西・名古屋福岡テイストな3種類。

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▲牛スジ煮込みカツ(※試作品)

 

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▲台湾まぜカツ(※試作品)

 

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▲ぺぺたま(※試作品)

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:「牛スジ煮込みカツ」はぼっかけ(牛すじとコンニャクを煮込んだ神戸名物)みたいな感じで、冬とか季節感があっていいかなと思ったんです。
ただ作ってみたら汁が多かったりして、自分からボツにしたメニューですね。あとフェアメニューって丼と定食でも発売するので、定食にはしやすいけど丼だと盛りづらいなというのもありましたね。

 

──たしかに丼と定食で出すのが前提、というのはかつやならではの理由ですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:「台湾まぜカツ」名古屋発で流行ってるからどうかなー? と思ったんですけど、いざ作ってみたらまぜられないんですよ。

 

──たしかに! カツをご飯とまぜるのは至難の技ですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191224p:plain戸田:混ぜたら美味しいのにまぜられないのは本末転倒ですし、それで「まぜカツ」を名乗るのもどうかな? と、考え直しました(笑)。
そして最後の「ぺぺたま」は、福岡に「らるきい」っていう店があって、そこの人気メニューなんです。オリジナルはペペロンチーノと卵のスパゲティなんですけど、うちはスパゲティをカツに変えて出来ないかな? と思ったんです。
見た目はペペロンチーノだけどカツ丼っていう。これはなぜボツになったかわからないですね、美味しいですし、個人的には納得いってないです(笑)。

 

そして阿部さんのボツメニューは「七色カツ丼」「梅しばタルタルチキンカツ」「海老チリカツ」

 

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▲七色カツ丼(※試作品)

 

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▲梅しばタルタルチキンカツ(※試作品)

 

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▲海老チリカツ(※試作品)

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191340p:plain阿部:「七色カツ丼」は、カツ以外は納豆とかとろろ・キムチなどネバネバ系を中心に7品のせたものなんですけど、これはオペレーションに手がかかりすぎてNGでしたね。

 

──7品あるってことは、7回手を動かさなきゃいけないわけですもんね。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191340p:plain阿部:平均ひとメニューを作る手数としては4回か5回なんですよ。特に納豆とかとろろは、冷蔵庫から出してねばねばしてるのを丼にいれて……と時間がかかっちゃうんですよね。

 

──続いて「梅しばタルタルチキンカツ」。タルタルソース系は定期的にフェアメニューになりますよね。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191340p:plain阿部:これは自信があったんですけど、見た目でNGでしたね。白いソースに梅しばを入れたから、少し時間が経つと白がピンクになっていくんですよ(笑)。あんまり見た目がよくないなって……味は「見た目以上に美味しいね」って言われるんですけど。

 

──最後は「海老チリカツ」。味も比較的想像しやすいですし、確実に美味しそうです!

 

f:id:Meshi2_IB:20200110191340p:plain阿部:そうですね。これはアレンジしていったら迷走してしまって、一度引いた品なんですけど、いずれまたチャレンジしたいです。ただ海老だけだと、いつものフェアメニューより値段が高くなりそうなのが悩みどころですね。「海鮮チリカツ」とかに代わるかもしれません。

 

各チェーン店でしのぎをけずる期間限定のフェアメニュー。

やはり他社のことは気になるそう。とんかつ屋チェーンというと「さぼてん」や「和幸」が有名ですが、かつやとしてはお客さんがかぶるのはむしろ牛丼チェーン。たしかにどのライバルチェーンもフェアメニューには積極的で、他にない企画商品作りに苦労するのもわかります。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:メニューが同じような感じでかぶった時はちょっと恥ずかしいし、売れないよね……ってなっちゃいます。牛丼とカツ丼でメイン商品が違うとはいえ、たとえばどちらの店にも「麻婆○○」があるとしたら、行くのはどっちかになりますしね。

 

──フェアメニューにしろ、かつやならではの強みを生かしていきたいと

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:たとえば「卵とじ」なんかは、ある意味うちの得意分野なんですよね。牛丼では勝てないけど、かつやは卵とじや揚げ物に特化した厨房ですので、そういった方向性のバリエーションを持たせて魅力を打ち出していきたいですね。

 

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とはいえ、こんな事実も。フェアメニューのインパクトで知られるかつやですが、実際の売上の割合でいえば4〜5割はカツ丼なのだとか。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:色モノ的な店に見られがちですけど(笑)、ベーシックな部分を磨いていくことも大事だと思っています。カツ丼のタレは変わっていないですけど、カレーなんかは頻繁に味を変えているんですよ。今後は、もっと基本のところもブラッシュアップしていきたいですね。メインのカツ丼や定食を楽しんでいただいたうえで、面白いものも出していきたいですね。

 

──ベーシックな部分もフェアメニューも楽しみにしてます! ちなみにどうしてもかつやだとメインは「カツ縛り」というのがあると思うんですが、カツ以外のものをメインにしたメニューも考えたりはしないんですか? ボツ案には「生姜焼き丼」なんてのもありましたが。

 

f:id:Meshi2_IB:20200110190936p:plain庄田:それは今後、あるかもしれないです。夏だったら冷しゃぶとか、季節限定なら可能性はありますね。かつやにいらっしゃるお客様から見て「カツはないけどこれならかつやだね!」って言っていただけるようなものを出していきたいですね。

 

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そしてこの1月、現在発売されているフェアメニューは冬にぴったりな身体をしっかり温めてくれそうな「青ねぎ味噌チキンカツ丼」&「青ねぎ味噌チキンカツ鍋定食」!

 

これからもかつやにはわれわれのハートをたぎらせる、いや最高温の油で揚げるフェアメニューを期待しちゃいますよ!

 

お店情報

かつや神田東口店

住所:東京都千代田区鍛冶町1-8-1 神田サクラビル1F
電話番号:03-5289-0408
営業時間:月曜日~金曜日10:30~23:00、土曜日・日曜日・祝日10:30~21:00、※日曜営業
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

書いた人:大坪ケムタ

大坪ケムタ

アイドル・グルメ・芸能etcよろず請け負うフリーライター。メシ通での好評連載『レスラーめし』(ワニブックス・刊)が書籍版のみの追加エピソード、小林邦昭☓獣神サンダー・ライガー対談も特別掲載して絶賛発売中!

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