本当にケーキ屋さんなの?焼肉の聖地・鶴橋に佇むスイーツ店「おもて」の男前ケーキを食べてきた

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鶴橋の男たちの甘味欲を満たす「おもて」というケーキ屋さん

大阪にきた際にぜひ訪れて欲しい街、鶴橋。

味のある焼肉店が軒を連ねており、じつに賑やかなグルメの街です。コリアンタウンもあるので、東京でいうところの新大久保に近いかもしれません。

そんな鶴橋の駅前に、周りの雰囲気に全然負けないインパクト大のケーキ屋さんがあるのです。

 

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ポップかつ派手な店構え。右隣の真っ赤なラーメン屋さんにも、左隣の電飾たっぷりの理髪店にも引けを取らないこの迫力です。

とても気になりお店をのぞいてみたら、ガタイのいい店主がお客さんと楽しそうに談笑していて、しっかり下町コミュニケーションがなされている様子。

「俺のケーキ」と名打ち、鶴橋の男たちの甘味欲を満たしている「おもて」の秘密に迫ってきました。

 

ストリート系やさしい店主

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「あ、どうも!」

ラグジュアリーにほどよくかわいらしさをトッピングしたスイーツ店カウンターで、ヒゲを蓄えたストリート系店主・表さんが笑顔を見せてくれました。

 

既存のイメージにとらわれず、いろんな要素が混ざり合ったこの店構え。多様性が叫ばれる現代社会をある意味代表するお店なのでは。

 

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ショーケースにはおいしそうなケーキがずらり。これから夜にかけて、ケースの中がさらに充実するそうです。

 

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お店の中には豪華なシャンデリアも。

なお、この日のBGMは重低音の効いたゴリゴリのレゲエでした。本当に多面的なお店なのです。

 

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▲一見近寄りがたそうですが、話すととてもやさしい店主・表さん

 

お店の中に入らせていただくと、シュガーとミルクのあまーい香りに包まれます。もちろんケーキ屋さんなので当たり前なのですが、イメージを固定させないオリジナリティーあふれる佇まいなので、「本当にケーキ屋さんなんだ……!」と思わずハッとしてしまいました。

 

ホテルパティシエからの転身

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▲シンプルなケーキも評判

 

じつは表さん、ホテルパティシエ出身というとても気になる経歴の持ち主。それも、大阪に本社を構える老舗の超一流ホテルで腕をふるっていたそう。

 

「僕は広島出身で広島の専門学校に行ってたんですが、そのホテルで働いている先生に教えてもらっていて。話を聞いているうちにホテルもいいなと思って、本社で募集があるってことだったんで受けさせてもらったんです」

 

── とはいえホテルに合格するって、かなり難易度高いですよねぇ。

 

「倍率とかはやばいっすね。一流ホテルだと特に受ける人は多いと思います。実際働いてみても、ケーキ作りに関する環境はやっぱりすごくて。でもホテルってかなり真面目なんですね。僕は当時あんまり真面目じゃなかったんで、本当は禁止されている坊主頭でずっと通していたりしてまして(笑)。地元の広島に戻りたいなというのもあって、5年働いた後に辞めました」

 

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▲ホテル仕込みの軽妙な手さばき

 

広島に帰った表さんは、ウェディング場のパティシエとして働くように。

 

「そこには1年ぐらいいたんですけど、ちょっとゆるい感じでここにいても成長せんなと思いだして。そんな時に、今のオーナーに『空き店舗があるからケーキ屋やるか?』と誘われたんです。当時は全然知識なかったんですけど、じゃあやりますって軽く始めてしまいました(笑)」

 

── お店がオープンしてからは順調だったんですか?

 

「いやいや、オープンして3カ月ぐらいで限界にぶち当たりました(笑)。最初のコンセプトが『宝石のようにキレイで小さなケーキ』で、ホテルのバイキングみたいなケーキを作っていたんですけど、それが鶴橋であんまり受けんかったんですよ。あ、これダメやなと思って、そこからめっちゃ勉強し始めました」

 

ホテルではできない味を追求したかった表さんは、ホテルのレシピは一切使用せず、真面目に試作を重ねてケーキ作りにまい進していきます。

 

そして生まれたのが、現在の看板商品「生ブリュレ(350円)」。 

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▲注文後、その場でキャラメリゼしてくれます

 

舌の上でとろりととろけるクリームは、重すぎないのが特徴。口の中ですっと溶けて、いくらでも食べられるおいしさです。

 

この「生ブリュレ」がスマッシュヒット。じわじわと認知度が高まり、オーナーの発案でフードトラックもスタートすると、たちまち評判になっていきました。現在、「生ブリュレ」のフードトラックは関西を中心に8台が走っているそうです。

 

気になることを聞いてみよう

── 「俺のケーキ」っていうネーミングもまた面白いですよね。ちょっと「俺の○○」シリーズを連想しますけれど(笑)。

 

「実はオープンして1年ぐらい経った時に、ケーキをばーっと注文した後に『領収書ください、俺の株式会社で』っておっしゃった方がいて。実はその方「俺の○○」シリーズの副社長さんだったんですよ! ええええ! ってなりましたよね。それでもう潔く聞いちゃおうと思って、『この店名、大丈夫ですかね……?』って尋ねたら『全然問題ないですよ、使ってください!』って快くおっしゃっていただいて……いや、良かったです(笑)」

 

── おお、そうだったんですね! じゃあ、系列ではないけれどお墨付きということか。それは一安心です(笑)。あと気になったのが、看板のキャラクターなんですが……。

 

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▲妙に味わい深いマスコットキャラクター

 

「あれね、僕がモデルなんですよ。看板のデザインとかも全部任せてたんで、どういう経緯でできたのかはわからないんですけど。ちなみに『おてもやん』っていう名前です。誰も知らないですけどね(笑)」

 

なお、現在体重125kgというガタイの良さを誇る表さんですが、オープン当初は今より30kgほど痩せていたそう。その頃をモデルに描かれたイラストなので、少々スマートな「おてもやん」となっています。

 

男性に愛されるケーキが並ぶ

鶴橋という土地柄に加え、お店の佇まいも相まって、やはり男性客が多いそう。取材中にも近所の男性が訪れてショートケーキを買っていくなど、街の人に愛されていることが伝わります。

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▲お客さんと話すのが好きだという表さん。広い背中からは愛情深さがにじみ出ています

 

また閉店時間も遅く、通常は22時まで、土曜・祝前日なら24時までオープンしているため飲んだ後にふらっと立ち寄れるのもうれしいところ。飲み会後の締めケーキ、結構需要ありそうです。

 

── ところで鶴橋っていう土地柄は、ケーキ作りにおいて意識しているんですか?

 

「いや、あんまり気にしてないですね。最近はインスタ映えとかもよく聞きますけどそこも意識してなくて、シンプルでおいしいものを作ろうと。ただ、甘さはめっちゃ控えめです」

 

余計な甘さも飾りも控えて、実直においしいケーキを追求。

たしかに街のケーキ屋さんに求めることって、毎日食べても飽きずに、かつシンプルで手軽でおいしいってことだもんな……と改めて思わせていただいた次第です。

 

もちろん、定番だけでなく新しいチャレンジも。空いた時間は試作に費やし、メニューを考案する日々だとか。

 

取材中「これ、最近のヒット作なんでぜひ食べてみてください」と出されたケーキも、アールグレイのムースにオレンジバターソースが効いていて最高においしかったです。

 

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▲表さんの現在のイチオシ「ジャンジャンブル(450円)」

 

気になるケーキを食べてみた

今回は3種類のケーキをお持ち帰りすることに。

「特別にこの紙袋に入れましょう!」と出してくれたショッパーが、これまたインパクト大でした。

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▲クロコダイル調の真っ赤な袋に金色の箔押し文字

 

シンプルでおいしそうなケーキたちをご覧あれ。

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  • 俺のショート(420円)
  • バナナとくりのモンブラン(380円)
  • 俺のチョコレート(420円)

「俺のショート」は、もう間違いないおいしさ。定番で飽きずに食べられて、なおかつ生クリームがたっぷり入っているのがうれしかったです。

 

「バナナとくりのモンブラン」は、最初にバナナの味をぐっと感じ、次にくりのまろやかさが押し寄せるイメージ。舌の上でころんとした丸い甘味が残り、後口がじつに上品です。

 

「俺のチョコレート」は、ショートケーキのような定番のチョコレートケーキをイメージしていたら全然違って驚きました。とてもとてもビター。とはいえまろやかな苦味で、ビター系スイーツにありがちなトゲトゲ感が一切ないのです。2個3個ペロリといけちゃえる感じがありました。

 

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▲スポンジとクリームが何層にも重なっていて軽い口当たりなのも魅力です

 

「俺のチョコレート」は男性にも好評のようで、それも納得。甘い物好きはもちろん、甘い物が苦手な人でもおいしく食べられると思います。

 

お店の佇まいは独特ではありますが、その実態はいたって真面目な街のケーキ屋さん。

「先のことはあんまり考えてないんですよ。それより、今あるケーキをもっとおいしくしていきたい、と常に考えてます」という表さんの気概にあふれたケーキを、ぜひご賞味あれ!

 

お店情報

俺のケーキ おもて

住所:大阪大阪天王寺区舟橋町18
電話番号:06-6765-5488
営業時間:12:00〜22:00 ※土曜日・祝前日は〜24:00
定休日:不定休
ウェブサイト:http://oreno-omote.com/

 

書いた人:木村桂子

ケメコ

福井県出身、大阪府在住。某エンタメ系企業にて雑誌編集に携わり、その後コピーライターを経てフリーランスに。大衆居酒屋から小洒落たカフェまで、うまいと聞けばどこへでも突入。ゆえに体重増量中。

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