これ……牛肉じゃないんですか!? 北海道で「エゾ鹿」を様々な料理で味わえるレストラン

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いきなりですが、

『鹿、食べると最高にうまいです』

 ということで今回の舞台は道北のマチ、鷹栖町に行ってきました!

鹿肉の解体業者がすぐ横でレストランを開いているそうなのです。

その名も「山恵」。

こんなお店は全国的にも珍しいはず。早速調査してきました。

 

旭川空港から車で40分

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人口およそ7,200人のマチ、鷹栖町。電車が通っていないため車で向かいます。
道中は今にも鹿が飛び出してきそうな雰囲気です。

 

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広大な北海道を舞台に食べ歩き。メシ通レポーターの裸電球です! 
あたりは真っ白な大雪原。
せめてもの救いは、赤のジャンパーを着てきて大正解でした。
(除雪中のおばちゃんをつかまえて撮ってもらっています)

 

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極寒の鷹栖町。命の危険を感じるほどの寒さ−14度です。
北海道ではこんな日を「鼻毛が凍る」と表現します。

鹿肉料理が味わえる「山恵」はここからさらに山奥へと進みます。
寒いというより、痛い! 

 

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家と家との距離が遠い、まさに北海道な光景が広がります。
「地吹雪」と呼ばれる現象が起きるのも鷹栖町のキケンな名物。
降ったばかりの軽い雪が風で舞い上がり、視界を真っ白に覆うのです。

車を走らせるにつれて、どんどん集落も減っていき、若干不安に。

 

まわりを山に囲まれたのどかな場所

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到着しました! こちらが山恵さん。お洒落な外観ですね。
店内はレストランだけではなく、鹿肉の販売もしています。

 

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様々な部位の鹿肉を使った料理が並びます。ステーキにハンバーグ、スープカレーまでありますよ。これには鹿も自分のポテンシャルの高さに驚いているのではないでしょうか。期待が高まります!

 

店長の荒田さんにお話を伺ったところ、
鹿肉初心者にオススメのメニューがあるとのこと。

 

「粗挽き鹿肉のラグーソースパスタ 864円」それをお願いします!

 

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お料理ができるまで、美味しそうなジャーキー!ビールに合いそうな商品のコーナーを見つけて物色開始。
夜は鹿ちゃんをつまみに一杯やりますか。

すると店員さんが一言。

 

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「そのコーナーはワンちゃんのおやつです」

 

なんとまあ! そうでしたか!
人間も食べられそうなジャーキーに見えましたよ。

 

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鹿肉を使ったペットフードが所狭しと並んでいます。
最近のワンちゃんは牛肉や鶏肉にアレルギーを持っている子も多いんですって。
野生で育った鹿の肉は大丈夫というケースもあり、喜ばれているそうです。

 

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夏も冬も利用できるドッグランです。
夏はワンちゃんが走り回る様子を見ながら、食事を楽しむこともできます。

 

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さて、お料理ができました。なんともお洒落なパスタの登場です。
ゴロゴロと粗めに挽いた鹿肉が楽しめそうではありませんか。

カリカリのチーズが船の帆のように飾られています。

 

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筆者の裸電球も、正直、臭い鹿肉にあたったことがあります。
知り合いの猟師がおすそ分けしてくれた鹿肉だったのですが、血生臭くてひどい思いをしました。このような経験から、「鹿肉=臭い」と認識している人が多くいるそうです。

はっきりと言いましょう。山恵さんの鹿肉、まったく臭みがありません!
むしろ、肉の旨味をビシビシ感じるほどです。


黙って出されて、これが鹿肉と見抜ける人は少ないのではないでしょうか。

 

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ラグーソースがモチモチのパスタに絡んで最高です。
それにしても、どうしてこんなに美味しいんですか?

店長の荒田さんが「クリーンキル」という方法を教えてくださいました。鹿を仕留めるために、山の中を追いかけ回すと、肉は硬くなり、味もそこねるそうです。

 

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鹿を長く苦しめることなく、急所を1発で撃つ方法で、鹿肉のなかに血やガスが巡らないので推奨されています。しかし、ハンターにとってこの方法は難易度が高いもの。

山恵さんはハンターから鹿肉を買い取る時に、他の業者よりもはるかに厳しいルールを設け、条件に満たない鹿肉は全てお断りするそうです。

そんな話を聞くと、
今度はダイレクトに鹿肉を味わいたくなるではありませんか! 

 

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注文したのは「エゾ鹿モモ肉のソテー 1,080円」です。

 

うひょ〜! これまた美味しそうなお料理が登場しました。
選べるソースはグリーンペッパーをチョイス。
ガーリックが香り立ち、食欲をそそります。

 

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鹿肉の食感がしっかりと楽しめるモモ肉。
特記すべきはたっぷりとついた脂の美味しさ!
サラッとしているにもかかわらず、旨味は牛肉に引けを取らないほどに濃厚です。

それでいて鹿肉は他の肉に比べて高タンパクで低カロリー。
北海道では道路を走っていると、よく鹿が飛び出してくるのですが、
今度からは「美味しそう」とヨダレを垂らしてしまうかもしれません。

  

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最後に注目するのはお値段! 稀少な鹿肉をこんな価格でいいのでしょうか。
近年、ジビエ料理としても注目される鹿肉。
東京で同じ鹿肉を食べようと思ったら、2倍……いや3倍はするかもしれません。

飼育ではなく、野山を駆け回っているのですから、
いくら増えたとはいえ、なかなか口にできるものではありません。

鷹栖町に来れば、驚くほどリーズナブルにいただけますよ!

山恵さんがきっかけで、すっかり鹿肉の虜になってしまいました。
北海道、エゾ鹿、最高です! 皆さんも鹿肉の本当の美味しさを体感してみませんか?


※この記事は、2016年2月時点での情報です。

 

お店情報

山恵 

住所:北海道上川郡鷹栖町13線16号2番地 
電話番号:0166-87-4229 
営業時間:11時~18時(ドッグラン&ドッグカフェ) 10時~18時(ドッグラン) 
定休日:火曜日 

 

書いた人:裸電球

裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。

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