【閉店】まさかの店名は一文字で「煮」 勇気を出して暖簾をくぐると……そこには煮物職人が

f:id:mesitsu_lc:20160311120804j:plain

札幌駅の北口を出てフラリ。

夜は何を食べようかと歩いていると、驚きの店名にぶつかりました。

うそでしょ?

 どこからどうみても「煮」って書いてあります。

 

ただそれだけです! これはなんというか、ものすごくハードルの高い店名ではありませんか。

おそるおそる地下へ伸びる階段を進むと、そこには!

料理歴40年以上の職人さんが営むお店がありました。

「茄子の含め煮」に「キンキの煮付」など、絶品煮物料理が味わえるお店を突撃取材です!

 

どこで晩酌しようか思案中

f:id:mesitsu_lc:20160311120755j:plain

入りづらいお店を見つけるとテンションが上がる、メシ通レポーターの裸電球です。

一見さんが躊躇する佇まいは名店の可能性が高いという、独自のルールをもとに、札幌駅の周辺をフラリと散策します。

 

f:id:mesitsu_lc:20160311135235j:plain

久しぶりに「二度見」しました。

どこか良いお店がないかと探していると、「煮」の文字が。

これが店名? 漢字一文字で「煮」なんて。完全にグツグツしてそうじゃないですか!

頭の中に煮汁があふれだします。

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120801j:plain

なんて読むんでしょう……。そのものズバリ「に」でいいんですかね?

そもそも「煮」って漢字は「に」以外に読み方があるのでしょうか。

 

考えることしばし。

 

あ、「しゃ」がある! 煮沸のしゃ!

和食処「に」か、和食処「しゃ」か。どちらにせよ、このお店に入ってみます。

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120800j:plain

名店は地下。全国各地、あちこち飲み歩きましたが、地下にはパラダイスが広がっている可能性が極めて高いのです。

今日はこれだけ覚えて帰ってください、「困ったら潜れ」。 

 

いよいよ店内へ

f:id:mesitsu_lc:20160311140352j:plain

へっへっへ。ついに「煮」が姿をあらわしました。一見さんがなかなか入れないような佇まい。これぞビル地下の美学です!

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120824j:plain

いらっしゃいませ〜と元気で品のあるお母さんの声。勇気を出して良かった! この渋い店内、最高ではありませんか。

まず、私には今日一番の仕事があります。さっそく聞きましょう。

 

「店名は何て読むんですか?」

「にです」

「やっぱり、にですか」

「はい、にです」

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120821j:plain

煮のおススメ、含め煮なんて書かれた日には! 頼むしかないでしょう!

煮という店名で煮物がウリだなんて、最高じゃないですか!

すみません、この「茄子の含め煮 500円」をお願いします。 

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120809j:plain

まずはドローン撮影。上からじっくりと観察します。

これが茄子の含め煮か〜。

上品な器に、これまた美しく盛られているではありませんか。

 

それでは、ちょっと高度を下げてみましょう。 

f:id:mesitsu_lc:20160311120807j:plain

まったく煮崩れしていない茄子が綺麗に積み重なっています。ちょっと、これ。いいお店を見つけてしまったのではないでしょうか。煮物を「美しい」という対象で眺めることなど、そうそうないですからね。

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120806j:plain

う……うまい。なんと上品な味でしょう。舌の上にちょこんと置いた瞬間から、ジワ〜っと旨味が広がります。シンプルだからこそ難しい、限られた調味料で味をつけているからこそ、繊細。

煮物について全く考えたことのなかったズブの素人でもわかるのですから、この煮物、かなりレベルが高いです。

 

他の煮物も食べてみたい! 

 

さらには、どんな方が作っているのか気になるではありませんか。追加注文する雰囲気を出しつつ、厨房をのぞき見ます。

 

話しかけづらい雰囲気のご主人が黙々と

f:id:mesitsu_lc:20160311120819j:plain

ひぃい! 完全に、どの角度から見ても「厳しい」世界で修業を積んでいそうな職人さんが調理しています。

今年一番勇気を出して、声をかけてみました。煮の代表、館山さんです。

 

「こんばんは〜」

「はい」

「今は何を作っているんですか?」

「煮物です」

 

(さっ……さすが煮のご主人だ)

 

「それ、私にもいただけますか」

「はい、かしこまりました」

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120816j:plain

勇気を出して質問したところ、にこやかに色々と教えてくれたご主人。良かった、すごく優しくて良い人です。

 

お話を伺ったところ、この道40年以上のベテラン職人で、これまでにも有名ホテルで腕を磨くなど、徹底して料理の道を歩んでこられたそうです。中でも煮物に対する思い入れは強いとのこと。

 

お店の好評メニューだという「キンキの煮付 1,300円」を頼みました。

f:id:mesitsu_lc:20160311120815j:plain

その日の食材の、身の締まり方や季節によって、微妙に味付けを調整するそうです。醤油を何cc」「砂糖を何g」など、決まったレシピはありません。

まさに感覚を研ぎ澄ました世界。

ご主人も先輩の仕事を見て覚えたそうです。大変厳しい世界で、脱落者も多かったといいます。

 

キンキの煮付、これまた絶品!

f:id:mesitsu_lc:20160311120810j:plain

お客様に提供するときには見た目も大切だと、盛り付けにもこだわります。美しいですね〜!

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120805j:plain

すみません、このへんに「ほっぺた」が落ちていたら、それ、私のです。一口食べると、ホロリとほぐれる柔らかい身。ほんの少し噛み締めただけで、旨味が全身を駆け抜けます。

美味しい!

 

もっと煮を楽しみたい! 壁のメニューに目をやると……。

f:id:mesitsu_lc:20160311120820j:plain

焼物や、揚物があるではありませんか!

店名が煮なだけに、頭の体操が必要です。煮の「カンパチ カマ焼 1,000円」をお願いします。

 

大きいの一言! 素晴らしいサイズ!

f:id:mesitsu_lc:20160311120758j:plain

大きなカマが登場しました。

このお店、煮物だけではなく、焼き物から揚げ物、お刺身も評判のようです。和食一筋のご主人がしっかりと選んだ食材ですから、美味しいに決まっています。

 

f:id:mesitsu_lc:20160311120756j:plain

ふっくらとしたカマ。絶妙な焼き具合です。料理に対して、真剣に、真面目に取り組んでいるのがよくわかります。

「困ったら潜れ」が大成功! 煮物職人がつくる煮物に舌鼓を打ちつつ、ゆっくりとお酒を傾けてみてはいかがでしょうか。最後に、とっておきの情報を。

 

老舗感漂う「煮」ですが、

なんとオープンは2015年とのこと。

最後の最後で、またしてもウソでしょ!?

 

色々と楽しい「煮」でした。ごちそうさまでした!

 

お店情報

和食処(煮)

住所:北海道札幌市北区北7条西4丁目3 宮澤ビル B1F
電話番号:011-708-1510
営業時間:ランチタイム 11:00~14:00 ディナー 17:00~23:30(L.O.23:00)
定休日:日曜日

 

書いた人:裸電球

裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。

過去記事も読む

トップに戻る