赤ワインと合うラーメン? 蒲田の「銀河系スペインラーメン」の謎に迫る

ラーメンを食べるとき、お酒を飲むとしたらビールだろうか。レモンサワーも悪くない。日本酒とか焼酎って人もいるかもしれない。東京・蒲田「リオブール」には、ワインを飲みたくなるラーメンがあるという。その名も「銀河系スペインラーメン」。今は銀河系もスペインも全然ピンと来ないだろうが、食べたら納得なのだ。

エリア蒲田 (東京)

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この世には多種多様なラーメンがあります。私もラーメンが好きなので、いろいろ食べました。
でも、今回は誰もが食べたことがないであろうラーメンを見つけてしまいましたので、皆様にお伝えしたく、取材に行ってきました!

 

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そのラーメンがあるのは、東京の下町、大田区蒲田。
多くのラーメン店が軒を連ねていますが、スペイン色はかなり薄い街です。

 

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見えて来たのは……なんだろうここは? ラーメンののぼりにラーメンと書かれたちょうちん。そして豚ちゃん。パッと見ラーメン屋さんですが、パエリアの表記がちらほら見えます。

 

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店内はカウンターのみ9席の小さなお店。ちょっと入りにくかったのですが、いい雰囲気です。
そして、スペインといえばサッカー! な感じが伝わる店内です。

 

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店内に入ってすぐのところに、生ハムが佇んでいますね。
これがあるということは、ここはスペインバル。さすがにラーメン屋さんにこれはない!

 

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席に座ってメニューを見ると「アルコールセット」が。
一般的なラーメンの店であれば、別途アルコールも注文してね、というスタンスですが、ラーメンとのセットをここでは積極的にすすめているようです。

 

なるほど、これは納得のスペイン!

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やって来ました、これが銀河系スペインラーメン、その全貌です。
いただいたのは赤ワイン「ムレダ オーガニック ティント」。
ワインはとりあえず置いておいて、ラーメンを味わっていきましょう。

 

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寄ってみると……ラーメンの要素が麺しかない……! 削りたての生ハムがどんぶりの周囲を赤く飾り、チャーシューのような豚肩ロース、その隣にはグリーンピース、ひよこ豆、そしてカリカリに焼いたチーズとベーコン。いや、うまそうだけれども……まだ目がこの光景に慣れていないですね。

 

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スープはほんのりとチーズのコクが感じられる豚骨ベース。ただし、豚骨を煮込むときに、生ハムのハムとしてカットできない端の部分をいれて煮込んでおり、その塩気、味がしっかりとスープに出ています。
味のベースを守るという意味で、サッカーでいうディフェンス。派手な活躍はないかもしれませんが、彼らがいなければこの一杯は成り立ちません。

 

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ラーメンでいうところのチャーシュー、スペインラーメンにおいては豚肩ロースが担います。うまそうな照り……! このどんぶり内で最も濃い味を持っており、サッカーでいうならば攻めのポジション、フォワードがふさわしいです。
そして赤ワインと合う! 豚骨という和の要素もあるこのラーメン、豚肩ロースとワインの組み合わせだけは純粋にスペインなのです。

 

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麺を見てみましょう。細いです。これは……ラーメン? いや、パスタなのか……? 店主さんにうかがうと「企業秘密」とのこと。すすってみると、口触りはパスタ。かんでみるともちもちした食感、そして染み出す味わいはラーメン。
2つの味を巧みに表現するその様は、ディフェンスもオフェンスもできるミッドフィルダー!


控え選手が試合をひっくり返す

銀河系スペインラーメンには薬味、そして無料のトッピングがあります。

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まずこれ、アヒージョ高菜です。オリーブオイルに漬け込みスペイン風に仕上がっています。私は高菜が苦手ですが、漬物っぽいクセがないですね。スープのコクと合わせるとうまいこと調和して、高菜を食べている気がしません。
手前の小皿に乗っているのは赤いほうがクミン、ターメリック、パプリカパウダーを混ぜ合わせた塩、黄色っぽいのはレモンを2カ月間塩に漬けこみ、すりおろしたものです。

 

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こちらはアヒージョ玉子(100円)。ラーメンでいう煮卵にあたるわけですが、玉子そのものの味をいかし、味は薄めです。濃い味のアヒージョ汁を塗りたくって酒のつまみにするもよし、ラーメンとともにまろやかにいただくもよし。

 

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そして最後のお楽しみ「あと混ぜ用チーズパエリア(180円)」。そのまま食べてもうまそうなこのパエリア、ラーメンのスープとあわせてリゾットをつくることができるのです。

 

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どんぶりに投入するとこんな感じ。口に入れるとパエリアの香りがまず感じられ、生ハムの塩気、チーズの風味が出てスペイン的だ! これうまいな!! 選手交代でこんなにオフェンスが強くなるとは……このチーム、控え選手も充実しているぞ!

 

もろもろの疑問を店長さんにぶつける

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最後に残された謎を解決しておきましょう。「お米バル リオブール」店長の阿部さんです。
長くフレンチのお店で修業をし、恵比寿のスペインバルを経て、現在このお店を一人で切り盛りしています。

 

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── なぜラーメンを始めようと?

阿部さん:日替わりランチメニューの一つでブイヤベースのスープを使った「スペインつけ麺」をやっていたんです。それが人気で口コミでたくさんお客さんが来るようになり、その流れでラーメンもつくってみようかと思い、2017年から提供を始めました。

 

── あの……スペインラーメンの隣のバカラーメンって……?

阿部さん:スペイン語で牛を「vaca」というんです。スペインラーメンに牛タンを乗せているので「バカラーメン」ですね。

 

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── 「銀河系」というネーミングは?

阿部さん:スペインリーグ、レアル・マドリードは圧倒的な強さゆえに「銀河系軍団」と呼ばれていたんです。そのもじりですね。スペインらしさも出るし。

 
確かにそれぞれ強烈な個性ある素材をまとめあげた感がある……ラーメン界のレアル・マドリード、そういうことか! 銀河系スペインラーメンというと、パッと見ネタだと思うかもしれません。そんなことはありません、ホンモノです。

素材はどれもスター選手のこのラーメン。自分なりの試合の組み方(食べ方)で銀河系スペインラーメンを攻略してみてください!

 

お店情報

お米バル リオブール

住所:東京都大田区西蒲田7-6-10
電話番号:03-6715-7420
営業時間:12:00~14:00、18:00~23:30
日曜日・祝日12:00~14:30、18:00~22:00
定休日:月曜日
Twitter:https://twitter.com/kome00bar

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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