こんにちは、料理・食文化研究家の庭乃桃です。
本日ご紹介するのはそうめんを使った「葱油拌麺(ツォンヨウバンミィェン・台湾ねぎ油まぜそば)」です。
「葱油拌麺」というのは、台湾や上海で愛されているとてもシンプルな麺料理です。
作り方はとっても簡単で、まずは多めの油でねぎをじっくりと揚げ焼きにして香りを移し、そこに醤油と砂糖を混ぜ入れて食欲そそる味わいのたれを作ります。そのたれを、茹であげた麺にからめればできあがり。
ねぎ油で作ったたれは作り置きができるので、まとめて作っておくと、麺を茹でるだけでいつでも食べることができます。
ねぎの香ばしさと深いコクが食欲をそそる「ねぎ油だれ」は、大葉やミョウガ、ショウガなど、そうめんの定番の薬味や具材とも相性抜群。店によってはさらに調味料や具材がプラスされることもあり、アレンジはまさに無限大です!
記事の後半では、おすすめの追加トッピングや味変調味料についてもご紹介していますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは一度食べたらやみつきになるそうめんの「葱油拌麺」、早速作っていきましょう!
「葱油拌麺」
材料(約4人前)
- そうめん……8束(400g)※1人前あたり2束(100g)
【ねぎ油だれ】
- 小ねぎ(細ねぎ)……1束(50g)
- サラダ油……80ml(大さじ5強)
- 醤油……大さじ3
- 砂糖……大さじ1
「ねぎ油だれ」の作り方
まずは、味の決め手となるねぎ油だれを作ります。
ねぎ油だれは作り置きができるので、作りやすい分量でまとめて作るのがおすすめです。
1. 小ねぎを洗ってキッチンペーパーでしっかりと水気をふき取ったら、根元を切り落として3cmくらいの食べやすい長さに切りましょう。
次に、小ねぎの白っぽい部分と緑の部分をおおまかに分けておきます。
ちょっと手間ですが、こうしておくと油に入れた時にまんべんなく火が通りやすくなりますよ。
2. フライパンに大さじ5強の油を入れて、中弱火にかけます。温まったら、小ねぎの白い部分を投入。
ちょっと油が多いかも? と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは躊躇しないことが大切です。思い切って入れましょう。
最初は大きな泡がたくさん出てきます。
そのままじわじわと火を通していきましょう。時間は3分くらいです。
3. 小ねぎの緑の部分を入れて弱火にします。
なるべく小ねぎが重ならないように広げて、全体が油につかるようにします。そのまま4〜5分、今度は小ねぎから出る気泡が小さくなるまで、油にじっくりとねぎの香りを移していきましょう。
4. 小ねぎの緑の部分がカラリとしてきたら、火を止めます。
そして砂糖と醤油を静かに混ぜ入れ、再び弱火で煮立たせたら、全体をそっと混ぜながら砂糖を溶かせばできあがり。
砂糖と醤油は混ぜ合わせた状態でいれてもOKですが、バラバラに入れたほうが溶け残りが無く、作りやすくなります!
こうして作ったねぎ油だれは、完全に冷めてから清潔な保存瓶に入れておくと、冷蔵庫で1週間〜10日ほど持ちます。写真左下は作り立て、右上は1週間ほど置いたものです。日に日に味がなじんで美味しくなっていきますよ。
ねぎ油だれとさっぱりそうめんの組み合わせが最高!
さあ、このねぎ油だれさえあれば、あとはいつでも食べたい時にそうめんを茹でるだけで「葱油拌麺」が楽しめます!
そうめんは、熱湯で茹でてザルにあげ、流水でもみ洗いして水気をしっかりと切ります。
この時の大事なポイントは2つ。
① 麺は、袋の表示時間よりもやや短めに茹でること(※通常は2分と指定されているものが多いので、その場合は1分30秒ほどがおすすめ)
② ザルにあげたら流水でもみ洗いし、最後はそうめんをザルに押しつけるようにしてしっかりと水気を切ること
いずれもご家庭でそうめんを茹でる際に、コシやのど越しをしっかり出すためのコツです。参考にしてみてくださいね。
そうめんの準備ができたら皿に盛り、先ほどのねぎ油だれをかけましょう。
まずはシンプルに、麺とたれのみで。いただきます!
全体をよく混ぜると、パンチのあるねぎの風味と甘辛いたれのうま味が一気に口の中に広がります。それがのど越しの良いそうめんとからみ合って、えもいわれぬ美味しさです。
具はねぎだけなのに、もうこれだけでも十分に美味しいですね!
卵黄、鶏ささみ、大葉、何にでも合うねぎ油だれを活用したアレンジレシピをご紹介!
さらに今回は、「これだけではやはり少し物足りない」という方や「栄養バランスが気になる」という方のために、おすすめの具材や味変調味料についてもご紹介しておきたいと思います。
ご紹介したねぎ油だれは、食欲をそそる味わいでとにかく何にでも合います。なので、トッピングをいろいろ追加してもそうめんが最高に美味しくいただけるんです。
卵黄×ショウガ
まずは王道のトッピング、卵黄を合わせてみました。油まぜそばの「葱油拌麺」にはピッタリですね。
ここにおろしショウガや刻み海苔などを加えると、甘辛いねぎ油だれとしょうがの香り、それ加えて卵のコクが絡み、とても満足感のある油まぜそばになります。
豚しゃぶ肉×ミョウガ&大葉
続いて、食べ応え重視なら豚しゃぶ肉もおすすめ。特に、酒を加えた湯でさっと茹でた豚しゃぶ肉を刻んだミョウガと合わせるのが最高です!
電子レンジにかけたもやしや、千切りきゅうりやミニトマト、大葉などをのせても美味しいですね。ついでに豆腐も添えてみましたが、こちらもよく合います。
辛みのアクセントとして柚子胡椒を添えても、さわやかさが増して◎。驚くほど美味しくなるので、頑張った日には特におすすめですよ。
鶏ささみ×きゅうり
最後は、鶏ささみときゅうりです。
鶏ささみは酒を振って電子レンジにかけ、千切りきゅうりを添えました。
こちらも淡泊な味わいの鶏ささみをねぎ油だれが引き立てて、さっぱりしていながらも満足感のある味に仕上がります。
さらに、カレー粉をひと振りすると、あら不思議! 風味と辛味がタンドリーチキンを彷彿とさせ、きゅうりの爽やかさもアクセントになります。一風変わった味変バージョンも、ぜひお試しくださいね!
まとめ
パンチのあるねぎ油だれのコクとうま味が猛烈に食欲をかき立てる、そうめんの「葱油拌麺」。
ねぎ油だれさえ作っておけば、時にシンプルに、また気分次第で豪華にも楽しむことのできる便利なメニューです。
そうめんを食べる時、定番のめんつゆやごまだれに飽きたらぜひ試してみてくださいね!
書いた人:庭乃桃
料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士。「おいしい」を取り巻くさまざまな食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発や、執筆、講演など多方面で活動中。著書『おいしく世界史』(柏書房、2017年)。