
こんにちは、料理・食文化研究家の庭乃桃です。夏はそうめんの出番が多くなる季節。乾燥そうめんを大量にストックしている人も多いのではないでしょうか。
でも、頻繁に食べていると「正直、飽きてきたな……」と思う時もありませんか? あるいは、いつもと違うメーカーのそうめんを買ってみたけれど自分の好みに合わなかった……なんてこともありますよね。

そこで今回は、そうめんを「麺」として食べるのではなく、フライパンでこんがり&ふんわり焼き上げた「お好み焼き」にして楽しむアイデアをご紹介します。
実はそうめんをお好み焼き生地のベースとして使うと、麺と麺との間に適度な隙間ができるため、簡単にふんわりしたお好み焼きができてしまうんです。
ゆでてからだいぶ時間がたってしまったそうめんや、「いまいち味が好みじゃなかった……」というそうめんでも、おいしいお好み焼きに変身してくれるのが、とてもうれしいポイント!
かつおぶしのうま味をしっかりと効かせた生地は、そのまま食べてもおいしいですし、マヨネーズやソースをかけてもOK。野菜やタンパク質がとれる上に、生地も扱いやすく、フライパンひとつでささっと焼けるのが最高です。
いつものそうめんに食べ飽きてしまった時や、そうめんのリメイクレシピとしてもおすすめできるひと皿、早速一緒に作っていきましょう!
「カリカリ豚バラ肉とチーズのそうめんお好み焼き」

材料(1~2人前)
- そうめん……100g
- 豚バラ肉……6~8枚(100g)
- キャベツ……2枚(100g)
- 小ねぎ……4〜5本(30g)
- 卵……1個
- シュレッドチーズ(ピザ用チーズ)……30g
- 片栗粉……大さじ1
- かつおぶし……1g ※または、和風だしの素(顆粒)小さじ1でも代用可能
- 塩……ひとつまみ
作り方① 材料を切る

お好み焼きに入れる野菜はキャベツと小ねぎの2種類。キャベツは焼くと甘みが出ますし、小ねぎは彩りとしても楽しめます。
キャベツは存在感が出るよう、やや太めの千切りに。小ねぎは小口切りにしておきましょう。

続いて、そうめんを準備します。
そうめんはゆでたてでももちろんかまいませんが、水気が多いと生地が緩くなってしまうので、いったんザルに上げてしばらく置き、しっかりと水気を切ります。
※すぐに作らない場合は食品保存容器などに入れて冷蔵庫で保存してもOK。ゆでたそうめんは冷蔵庫で2日程度は日持ちします。

麺が長いままだと生地になじみにくくなってしまうので、食べやすさも考慮して上の写真のように包丁でカットします。
ゆでたそうめんをまな板の上に広げたら、やや短めになるよう縦横方向にまんべんなく包丁で切っておきます。もちろん、キッチンばさみなどを使ってもいいですよ。
作り方② 生地を混ぜる

具材の準備ができたら、生地を混ぜていきましょう。
まずは先ほどのキャベツと小ねぎ、そうめん、そして豚バラ肉以外の残りの材料すべて(卵、シュレッドチーズ、片栗粉、かつおぶし、塩)をボウルに入れます。

全体がムラなく混ざるよう、菜箸などで丁寧に混ぜていきます。そうめんは塊になりやすいので、卵のとろみや水分を利用してほぐしていきます。

しっかりと混ぜ合わせたら、生地は完成です。
通常のお好み焼きと比べると、とろみや水分が少なく感じるかもしれませんが、これでOK。そうめん同士がもともとくっつきやすいですし、卵や片栗粉がつなぎになるので焼くとちゃんと固まります。
作り方③ 焼く
お好み焼きを焼いていきましょう。

1. ボリューム&ごちそう感のアップする豚バラ肉を半量(50g)フライパンに並べ、塩、こしょう各少々(共に分量外)を振ります。

2. その上に先ほどの生地をこんもりとのせ、できるだけ隙間を空けないように平たくして、丸く形を整えます。このタイミングで火をつけて、まずは中弱火で3分ほど焼いていきます。

3. 片面を焼いている間に、上に残りの豚バラ肉(50g)をのせて、同様に塩、こしょう(共に分量外)を振っておきましょう。

4. 豚バラ肉がこんがり焼けてきたところでひっくり返し、ふたをします。同じく中弱火でさらに4分ほど焼きます。
ちなみに生地をひっくり返す時は、フライ返しなどを使うとくずれやすいので、フライパンのふたやお皿を使うのがおすすめです。やり方は簡単。まず一度、フライパンの生地をふたやお皿にスライドさせ、フライパンを逆さにかぶせます。その後、フライパンとふたまたはお皿を一緒にひっくり返せば、生地をきれいに裏返すことができます。


なお、フライパンを逆さにする際は、安全のためにフライパンに残った油を拭き取ってください。

両面の豚バラ肉がこんがりと焼けて、中まで火が通ったらできあがり。皿に盛り付けます。
豚バラ肉と、溶け出したチーズのビジュアルに食欲がそそられます……!

青のり(分量外)を振ってみました。
断面から見えるそうめんのふんわり感、焼いて甘みが増した、たっぷりのキャベツがたまりません。まさに外はカリッと、中はふんわり。
早速いただいてみます。

口当たりは、ふわふわ。そして、噛むごとに、ほろっとくずれる生地の軽やかな食感。
食べごたえのある豚バラ肉に、かつおぶしの出汁やチーズのうま味が効いているので、何も付けずにこのまま食べても十分においしいです。

でも、せっかくなのでマヨネーズやソース(共に分量外)もかけてみます。

うん、安定のおいしさ。間違いありません。
ゆでたそうめんを使うと生地に粉っぽさがなくなり、キャベツや小ねぎなど他の具材ともよくからんで一体感があります。
後味は普通のお好み焼きよりも軽いので、これならパクパク食べられそうです。
まとめ
いつものそうめんに食べ飽きた時や、残ったそうめんのリメイクレシピとしても楽しめる「カリカリ豚バラ肉とチーズのそうめんお好み焼き」。
こんがり焼けた豚バラ肉とチーズでボリュームや食べごたえも増して、最高においしいひと皿になります。しかも、これひとつで麺や野菜、肉、チーズまで食べられて、残ったらひと切れずつラップに包んで冷凍保存もできます(日持ちは2週間程度が目安)。
書いた人:庭乃桃

料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士。「おいしい」を取り巻くさまざまな食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発や、執筆、講演など多方面で活動中。著書『おいしく世界史』(柏書房、2017年)。


