こんにちは、料理・食文化研究家の庭乃桃です。
ラム肉を使ったトマトシチューをご紹介します。スパイスとたっぷりのオリーブオイルやにんにく、何より、ジューシーでうま味のあるラム肉が独特の風味を全体に添えてくれる一品です。
ラム肉は、スーパーでも買える薄切り肉でOK。スパイスをしっかり効かせることでおいしく仕上がります!
スパイシーな香りに爽やかさが加わった「コリアンダーパウダー」と、クミン、オレガノ、唐辛子などがブレンドされた「チリパウダー」の2種類を使用します。
それでは、スパイシーなトマトシチューをぜひ一緒に作ってみましょう! ご飯にもパンにも、そしてクスクスにもよく合うレシピですよ。
「ラム肉のトマトシチュー」
材料(2人分)
- ラム薄切り肉(焼き肉・ジンギスカン用など)……250g
- トマト……2個(350g)
- じゃがいも……2個(300g)
- にんじん……1/2本(100g)
- 玉ねぎ……1/2個(100g)※画像では新玉ねぎを使用していますが、通常のもので問題ありません
- にんにく……3~4かけ(40g)
- オリーブオイル……大さじ2
- 塩……小さじ1/2~
スパイス
- コリアンダーパウダー……小さじ2
- チリパウダー……小さじ1と1/2
作り方① 野菜を準備する
1. 野菜を切っていきましょう。
にんにくは薄切りに、玉ねぎは1cm幅程度のくし切りにします。
にんじんは2cm程度の乱切りにします。じゃがいもは皮をむいて芽を取り、2cm角程度の食べやすい大きさに切っておきます。
2. トマトは包丁を使わず、深さのあるボウルなどに入れて手で果肉を握りつぶしましょう。ヘタの部分は事前に取り除いておいてください。
包丁で切るとせっかくの水分が流れ出てしまいます。手でつぶすことで、トマトのうま味を余すことなくいただけます。なるべく滑らかになるまでつぶしておくことで火が通りやすくなるので、煮込む時にも楽になりますよ。
作り方② 具材を炒めて煮込む
1. 鍋ににんにくとオリーブオイルを入れて中火にかけます。にんにくがやや多めに感じるかもしれませんが、これがおいしさのポイントです。思い切って使いましょう。
2. にんにくがきつね色になったらラム薄切り肉を投入。軽く塩(分量外)を振って炒めます。
3. ラム薄切り肉の色が変わってきたら、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを入れて炒め合わせます。
4. 全体にオリーブオイルがなじんだら、スパイス(コリアンダーパウダー、チリパウダー)と塩を加えます。
5. しっかりとなじませながら炒めます。スパイスの香りを立たせるように、炒め合わせましょう。
6. スパイスとオリーブオイルが全体になじみ、いい香りがしてきたら、つぶしたトマトを加えます。
7. 鍋にふたをしてクツクツいうくらいの火加減(中弱火〜弱火)で15分ほど煮込みます。時折、全体を混ぜるとムラなく火が通ります。
最後に味をみて、お好みで塩(分量外)で味を調えたら出来上がりです。
パンにもご飯にもクスクスにも合う! ラム肉のジューシーな味わい
ふたを開けた瞬間、ぶわっと立ち上るラム肉とスパイスのいい匂い……!
相性のいいラム肉とスパイス、にんにくの折り重なる香りが食欲をかき立てます。
ラム肉はジューシーに、野菜はホクホクです。
まずは、ご飯と合わせて。
ひと口食べればじんわりと広がる、ラム肉ならではのうま味。
水を使わず野菜の水分だけで煮込んだので、味わいが濃厚です。作りたてもおいしいですが、鍋に入れたまま少し置いておくことで味がしっかりと染みていきます。
オリーブオイルを追いがけしたり、バターライスなどを添えたりしてもおいしい!
ラム肉だと、脂っこい重たさがなく食べやすいです。でも満足感はしっかりあるのでパクパクといただけてしまいます。
パンと食べてもおいしいので、朝食やランチにもおすすめ。
そして、やっぱり相性がいいのがクスクス!
クスクスは、北アフリカなどで食べられているデュラム小麦の粗挽粉から作る粒。ぽろぽろとした食感と、香りの良さが特徴で、ラム肉とは相性抜群です。
輸入食材店などで買えるクスクスは、同量の熱湯と一緒にフライパンに入れて、オリーブオイル、塩を混ぜ入れてふたをし、5分蒸らすだけで簡単に作れます。機会があったらぜひこちらも試してみてください。
まとめ
ラム肉に野菜を合わせたスパイシーなトマトシチュー。優しい味わいですが、スパイスが効いているのでラム肉も野菜もどちらもおいしくいただけます。
独特の味わい深さとしっかりした満足感が特徴のラム肉。ぜひ皆さんもこのトマトシチューで、ラム肉を楽しんでみてくださいね!
書いた人:庭乃桃
料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士。「おいしい」を取り巻くさまざまな食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発や、執筆、講演など多方面で活動中。著書『おいしく世界史』(柏書房、2017年)。