料理がおいしくなる包丁を見つけた【5,000円程度で買える一流の調理ツール探し】

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料理けっこう作れるよとかいう、「料理できる系」男子女子が世にはびこってはいないでしょうか。

かくいう私、ライター半澤も、料理ができる系男子を気取って早10年以上経つわけですが、実は調理道具はどれもその頃から使い続けているものばかり。

これじゃいつまでもただの「できる系」の口だけ男じゃん。本当に料理ができる人間になるためには、まず形から。

良いアイテムと巡りあえれば、もっと料理が好きになるはずと、真面目に「本当に使える道具探し」をすることに。

そうさねえ、まあ1アイテムあたり5,000円以内。このくらい使えば一流の品が買えるんじゃない? そんな気持ちから、目指せU-5,000円の道具探しスタートです。

 

一流の包丁を見つけるべく、いざ合羽橋へ

ということで、今回は日本有数の道具屋街、合羽橋に料理家の風間章子さんと出かけてみました。

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あ、でも風間さん遠いなあ。

道具探しをご指南してくれる、風間さんはこの人です。

 

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日本橋人形町で「人形町キッチン」という料理教室を運営する料理人。

雑誌など各方面のメディアで活躍されている女性料理人です。

 

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合羽橋に来たならやっておかないと的な「かっぱ河太郎」との記念撮影を早々に済ませます。それじゃあさっそく行ってみましょう。

 

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合羽橋には数多くのお店がありますが、今回は「安くなんでもそろう」と風間さんオススメの店「飯田屋」にうかがいました。

 

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「飯田屋」は、なんと創業大正元年。

料理道具だけで約8,000アイテムもそろえるという驚きの品ぞろえ!

現社長で6代目の老舗は、これぞ合羽橋な雰囲気たっぷりですね。

 

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風間さんは早くも店内のキッチングッズに夢中。

いやいや、今回包丁なんで、包丁コーナーに行きましょう……と、いってから数分、やっと包丁売り場へ。これだけ商品があると料理人の血が騒ぐわなぁ。

 

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オッ! なんか見たことのないような包丁ばかり。さすが料理器具専門店。

しかし、どいつもこいつも男前だなあ。

 

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風間さんも見とれるように、包丁を眺めるてみるも、うーむ、どれも高級品。

さすがにU-5,000円は難しいですかね? と問うと「良い包丁となるとやはりお高いよね」と風間さん。

うぬー、こりゃ企画倒れか!?

 

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しかし、発見!

振り返ったその場所に、求めていた包丁を発見!

なんと風間さんも以前からお気に入りだったという一品を発見しました。

よかった、企画継続ですよ!

 

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「そう、これ探してたの!」とはしゃぐ風間さん。

ほっと安堵(あんど)する半澤。

しかしその喜びはつかの間、この写真を撮ったタイミングで気づいてしまいました……。

 

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よく見ると5,500円(税抜)のシールが。税込だと5,940円!

まあでも、これくらいだったら全然あれでしょ、許容範囲でしょ!! とビックリマークでごまかそうとするのは私、半澤の文才のなさと笑ってください。

まあこのくらい許して!

 

発見した包丁と半澤ダメ包丁がガチで対決

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▲関孫六 三徳包丁 165mm 5000ST

 

これが発見した名刀ならぬ名包丁。

スゴい名前ですね。

我々、一般ユーザーにもおなじみの「貝印」が販売している刃物ブランドで、包丁のほかには爪切りやハサミなんかもあるんです。

それにしても「まごろく」ってあんた。なんか道具というよりもはや、工芸品感すら漂っておる。

 

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では比較スタート。

まずは半澤のダメ包丁を見てみましょう。

ダメとかいっているけどこの子、数年使い続けてきて今も現役バリバリ、悪い包丁じゃないっスよ。

が、風間さんに「1回も研いだりしてないでしょ」と速攻で笑われました。

うぁ、バレた!

 

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「ていうか、さびてるよね」とさらに厳しい追い打ちが。

包丁が悪いんじゃないんだ、手入れしない私が悪いんだ。

調べたら本来こいつも数千円の包丁みたい。なのにこんな姿にしてしまって、すいません。

 

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で、こちらが料理家の風間章子さんご推薦の1本、関孫六。いやあ、黒光りしてやがんなあ。

かっけー。

とはいえ、同じ包丁でしょ。

形もそっくりだし、そんな差って出るかしら?

まあとにかく比べてみましょう。まずはものを切る前にスペックチェックです!

 

スペックチェック

対決1「柄」

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ダメ包丁は柄の中に持ち手部分が隠れてしまっているので、金属部分が柄の先で終わっている可能性も。

関孫六は刃が柄までつながっていることがわかり、これは良い包丁とのこと。

柄の部分まで1枚板で続いていないと、折れる危険性がありもろく、力も入れにくいとのこと。さっそく違いが出ましたね。

 

対決2「刃」

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刃の形にご注目。

ダメ包丁はだいぶストーンとした感じ。

それに対して関孫六は上に向かって鋭くなっている、くさび型です。

「これは切ったときに差がでるよ」と、風間さん。

 

対決3「重さ」

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関孫六は183g。

ってどんな感じかというと「割と重い」です。

正直、私が最初に持ったときは、あれ、こんな重くていいの? って感じでした。

 

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で、こちらは109g。

普段自分が使っているから気づかなかったけど、改めて持ってみるとかなり軽い印象。軽い方がサクサク切れていいと思うんだがな。

どうでしょう?

 

切れ味チェック

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包丁の切れ味を見るべく今回は4種の食材を用意!

いよいよ実際に食材をカットしてその実力を比べてみます。

 

対決1「カボチャ」

硬い食材の代表カボチャ、果たして差はでるのでしょうか?

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ダメ包丁。

ググッとかなり力を入れるとやっと切れ込みが。

まあ、とはいえ一応切れるは切れる。

私はこれで長年、ちょっと不便は感じながらも大きな疑問も持たず暮らしてきたわけです。

 

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しかし、関孫六で切ってみるとその切れ味に感動すら覚えました。

硬いカボチャ相手なのに、スッと切れたのです。

矢印に注目!

切れ目の両脇に溝が生まれているのがわかるでしょうか。そう、刃形の差がやはり切れ味に大きく影響したみたい。関孫六はカボチャを「切る」というより「切り開く」って感じ。この「くさび型」、よくよく考えると木を切るおのにも似ている。

こりゃ破壊力が違うわ!

 

対決2「ピーマン」

これも硬い野菜代表ですね。「輪切りにすると切れ味に差が出るよ」と風間さん、じゃやってみましょう。

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一見切れているように見えますが、ブニッとピーマンがつぶれてしまっていますね。

できた輪っかも不ぞろいになってしまいました。

 

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あれ? スルスル切れとる。

ピーマンの輪っかの薄切りも簡単に量産できました!

これは刃先の切れ味が良い証拠。

ダメ包丁よりもラクに、そして薄くカットできました。

驚いたのはカットしたピーマンの輝き方の違い!

「良い包丁で切ると野菜は光る!」と風間さん。

細胞をつぶさないからシャッキリとカットすることが可能なのだそう。うまく切れるかどうかは、料理の味にも影響しますね。なるほどー。

 

対決3「トマト」

柔らかいものの代表としてトマトも切ってみましょう。これは切れ味がものをいうから、差がでそうだなあ。案の定……

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もう切れ味の違いが明らかすぎて笑えました。

ダメ包丁は皮をうまく切れず、トマトをつぶしてしまったのに対し、関孫六はストレスなく薄切りカット。トマトの薄切りも激ラクです。

 

対決3「鶏もも肉」

切れ味で絶対差が出るのが鶏肉。

特にその皮。鶏肉好きの私としては、この対決とても気になりますね。

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ダメ包丁はグッと力を入れてやっと刃が皮に入ったという感じ。

なかなか切れません。

このイライラ、いつも感じていたなあ。

 

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で、関孫六ですよ。

刃がしっかり入るので、切りにくい鳥の皮もすんなりカットできました。

切れ味の差もあるけど、どうやらそれだけが原因ではないみたい。

 

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「刃の形の違いも重要ですね!」と風間さん。それはどういうことでしょう?

 

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刃先に注目。まずダメ包丁。

刃は丸みがかっているものの下のカーブはそれほどきつくありません。

ちょっとのぺっとした印象があります。

 

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関孫六は下のカーブがしっかりあります。

切っ先が上にあがっていることがわかりますね。

こちらの方が皮やスジなど切りにくいものを切るときに力が入れやすいし、切りにくいものも第一刀を入れやすい!

刃先にも違いがありました。

対決終了!!

 

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ご覧の通り、切れ味対決ではすべて関孫六の圧勝!

さすがっす。

研いでいない包丁との比較のため、そりゃそうだってところはあるのですが、今回わかったのは、切れ味に影響するものが刃そのものだけでなく、もう一つあるってこと!! それが包丁の「重さ」です!!

 

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好みはあるかも知れないけれどとことわりをつけながらも「包丁はある程度重たい方が、安定感があっていい!」と風間さん。

「文房具なんかもそう、軽すぎるものってかえって使いにくいよね」

た、確かに!!

 

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重たい包丁は重心がブレないから、カットしにくい食材もブレにくくストレスなく切れます。

「軽い」を正義と考えていた私としては、目からウロコ!!

 

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またカボチャ対決を思い出してみると、さらに納得。

刃の形の違いで切れ味は変わりますが、重たい方が当然破壊力もUP!

重い包丁は硬い食材もサクサクとカットできるんですよね。

 

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関孫六で切った食材はどれもキラキラ。

これは料理の味も変わってきますね。きっと。

 

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ということで、風間さんにジャンバラヤを作ってもらい包丁探し終了!!

コレが激ウマ! やはり良い道具で作ると料理のレベルも上げられますね。

孫六(もはや呼び捨て)スゲーな。マジで。

 

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今回紹介した「関孫六」のはホームセンターなどいろんな場所で購入できる包丁です。気になったらお試しあれ。

軽い包丁で満足していたあなたにこそ手にとって欲しいな(注:私は貝印のまわしものではありません)。

というのは包丁が変わると、本当に食材がみずみずしくなり料理の味も変わるんですよ。孫六がいれば(擬人化)、あなたも「できる系」ではなく真のできる人になれること間違いありません!

 

お店情報

料理教室 人形町キッチン

住所:東京都中央区日本橋人形町3丁目2−10
ウェブサイト:FORM☆AGGIO

 

飯田屋

住所:東京都台東区西浅草2-21-6
電話番号:03-3842-3757
営業時間:10:00〜19:00(月曜日~土曜日)、10:00〜18:00(日曜日・祝日)
定休日:無休

www.kappa-iida.com

※この記事は2017年10月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:半澤則吉

半澤則吉

1983年福島県生まれ。2003年大学入学を期に上京。以来14年に渡りながく一人暮らしを続けている。そのため自炊も好きで、会社員時代はお弁当を作り出勤していた。2013年よりフリーライターとして独立。『散歩の達人』(交通新聞社)にて「町中華探検隊がゆく!」を連載するなどグルメ取材も多い。朝ドラが好き。

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