【パリッコ】エスニック業界にプライス革命が!? 衝撃の大衆的インド・ネパール料理店「タラキッチン」【東中野】

エリア東中野(東京)

いわゆるエスニック料理店に行った時、みなさんは何を飲んでいますか。やはりビールでしょうか。エスニック料理って、お酒が進むものが多いですよね。ただ、ちょっと値段が高いんだよね、とお思いのみなさん。パリッコ氏がその辺のことを東京・東中野「タラキッチン」で取材してきました。

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エスニック店が気付きはじめている!

こんにちは、パリッコです。今回も調査という名の飲み歩き活動にいそしんでいきたいと思います。

 

実は最近、外食業界の動きの中で個人的にひとつ、気になっていることがあるんですよ。

それは、

 

“エスニック系のお店はお酒が高い”問題に、本人たちが気付きはじめたんじゃないか?

 

ということ。

 

すいません、唐突すぎて意味がわかりませんよね? もう少し詳しく説明しましょう。

 

タイ料理、インド料理、ネパール料理などをはじめとする、いわゆる「エスニック」のお店、今や日本中にあってどこも大評判ですよね。和食にはないスパイスの刺激と発汗作用も心地良く、なんだか健康や美容にも良さそうで、僕も大好物です。

ところが、そういったお店って意外とお酒が高かったりして、まぁ高いといっても高級なバーほどではないんですが、いわゆる「大衆酒場」的な感覚からすると全体的に2300円くらい高いようなイメージで、気軽に寄ってちょっと一杯飲むには向いていなかったりします。

赤提灯のお店なら、おつまみ何品かとお酒を何杯か飲み、ほろ酔いになって2,000円。対してエスニックだと、がっつりとした主食級のメニューひとつと、ビール12杯でそのくらいいっちゃいがちです。

 

いや、それはそれでいいんですよ。時と場合によって使い分ければ。

ただもし「大衆酒場感覚で気軽に一杯やれるインド料理店」なんかが近所にあったらうれしいな、とは思いません?

イタリアンなら「サイゼリヤ」がある。

中華料理なら「バーミヤン」がある。

そんなノリで、各種エスニックに特化した(あと今日は関係ないけど、沖縄料理も!)激安チェーンができてくれないかな? これは、僕の数年来の願いでもありました。

 

そんな中、ここ12年でしょうか。

ちらほらと、軽めのおつまみに力を入れたり、お酒の値段を大衆酒場価格にまで引き下げているエスニックのお店を見る機会が増えてきた気がするんです。

 

例えば、僕の家の近所だけを見て回っても、

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ほら下がってる!

 

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こっちも安い! 種類もすごい!

 

これ、気付きはじめてますよね、完全に。

 

日本以外のアジア諸国って、実はそれほどご飯時にお酒を飲む文化が根強くないなんて話も聞いたことあります。なのでこれまでは店主のみなさんも、なんとなく先人に習って妥当な値段をつけていた。

ところが近年になり、日本でお店をやられている方々が、

 

「日本人、どんな料理の時でもウーロンハイをがぶがぶ飲むのが好きらしいぞ!」

「日本の居酒屋、うちらより全然安くお酒出してるみたいだぞ!」

 

なんてことを同時多発的に気付きだしたんだと、僕は勝手に思ってます。

そしてもうひとつ重要なポイントが……。

 

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本気出すと強い!

 

生ビールもハイボールもウーロンハイも250円で飲める居酒屋って、探してもなかなか見つからないですよ!

 

……すみません、前置きが長くなりました。

実際のところはわかりませんが、今回は僕が勝手に「そのような事実は確実にある」と仮定して、そんな「気付いてしまったエススニック店」の象徴のようなお店をご紹介したいと思います。

 

 生ビールが299円の衝撃プライス

場所はJR中央線「東中野」駅の西口。

「東中野ギンザ通り」という商店街を数分歩いたところにあります。

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「タラキッチン」

 

看板が出ていますね。

この建物の2階です。

 

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「本格インドカレーとおいしい無国籍料理」

 

この「無国籍料理」の部分が、いくらなんでも無国籍にもほどがあって衝撃的すぎるんですが、それについては追って。

まずはお店に入りましょう。

 

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それにしても天気いいな~。

 

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店内はこんな様子。

 

こじんまりとして、清潔で、とても落ち着く空間です。

 

さぁ、今日も暑かったし、なにはともあれビールが飲みたい!

えーと、生、生……。

 

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安っ!

 

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イェ~!

 

というわけで生ビール(299円)が、キンキンに冷えたでっかいジョッキで到着です!

隣に写っているのはサービスの「パパド」という、南アジアでよく食べられているおせんべいのようなもの。

豆で作ったえびせんって感じで、パリパリと香ばしく適度に口の水分を奪い、流し込むビールとの相性バッチリ。

 

ひと段落して店内を見回すと、

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怒涛の情報量!

 

エスニック系一品料理から、インドカレー各種、さらには「山いもガーリックバター焼き」なんてものまで、いったん頭の中を整理しないと冷静に選べないほど大量のメニューが、所狭しと貼られています。

この感じがすでにエスニックのお店としては珍しいですよね。

 

ちなみにここらでお店の基本情報をご紹介しますと「タラキッチン」はネパール出身のタラさんが、2011年にオープンしたお店で、ここ東中野と江戸川区の瑞江の2店舗があります。

スタッフもみなさんインドやネパールのご出身で、本格的なインド、ネパール料理が味わえる他、日本のお客さんのニーズに合わせて料理やお酒の種類を増やし、価格をチューニングしていった結果、現在のスタイルに至ったそうです。

 

定番タンドリーチキンも299円也!

それではいろいろと頼んでみましょう!

まずはやっぱり、

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本格炭焼タンドリー

 

これは外せないでしょう。

それにしても安い! というかここ、何もかもが安くて、しつこくなるので今後はいちいち驚かないようにしますね。

 

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▲タンドリーチキン(299円)

 

食べ応えのある骨付きチキンが2ピース。

スパイシーで食欲をそそる風味が最高で、ビールに合いすぎる~!

下に敷かれたたっぷりの野菜にもタンドリー味がうつってうまいです。

とてもこの値段とは信じられない充実の一品ですね。

 

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▲揚げ物コーナー

 

「パコラ」というインド風天ぷらの他、普通にポテトフライや軟骨揚げがあるのが和むんですよね。

 

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▲カプシウムパコラ(490円)

 

唐辛子の天ぷらということで、どんだけ辛いんだと覚悟して望んだんですが、辛味はほとんどなく、いわゆる甘唐辛子を揚げたものですね。

ほんのり塩味のついたスパイシーな衣に、肉厚の唐辛子。

揚げ加減絶妙、ボリュームもたっぷりで、ものすご~くうまいです!

 

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お酒を追加したいな、と……安っ!

 

すみません、さっきいちいち驚かないと約束したんですが思わずびっくりしてしまいました。

お酒とソフトドリンクが同じ値段ってのもすごいですね。

 

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▲レモンサワー(290円)

 

レモンサワーとインド料理、合うな~!

そりゃあアジア各国のご当地ビールも大好きですが、こういう普通のサワーをエスニック料理と合わせられるのが楽しいんですよね。

 

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▲モモスープ(599円)

 

ネパールの蒸し餃子「モモ」。

オーソドックスなのが6399円で、今回はトマトベースのスープに入った、いわゆる「スープ餃子」を頼んでみました。

 

トマトの酸味とかなりの辛味、そしてモモをかみ締めるとジュワッと広がる肉汁が、多層的ハーモニーを奏でます。

餃子の風味と辛味のせいか、どこか中華の四川料理的にも通じる爽快さ。

 

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▲ジャスミンハイ(290円)

 

ジャスミンってのがちょっとアジアっぽいかなと選んでみると、これまた大正解! まぁ、なんでも正解なんですけどね。

 

ナントさっぱり和風メニューも!

さらにメニューを見ていきましょうか。

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アヒージョにガーリックトースト、マグロアボカド!

 

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豚の角煮に……た、たぬき豆腐!?

 

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ひえ~、モロキューや枝豆、長芋の千切りまで……。

 

先ほど「いくらなんでも無国籍にもほどがある」と言いましたが、こういうことなんです。

本格的なインドやネパール料理を堪能しつつ、箸休め的に長芋の千切りを食べられる。

こんなお店そうそうないっすよね!

 

というわけでここらで、

 

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▲長芋さっぱり(299円)

 

を。

とことん和風の味付けになんだかちょっと笑ってしまいますが、刺激的な料理の合間にうれしい一皿。

 

ところでこちらの店員さん、みなさんすごくいい人で、定期的に各テーブルを回っては「大丈夫ですか? お口に合いますか?」なんて声をかけてくれます。

「何か頼んでくれ」みたいな押し付けがましい感じでないことは、その笑顔を見れば一目瞭然なので、ちょこちょこと「美味しいです!」と伝えられることがこちらもうれしかったり。

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そんな人の良さはメニューの絵にも表れている

 

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この氷の表現好きです。

 

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心の美しい人にしか描けない「手羽餃子」。

 

 

シメは肉ゴロゴロのカレー&チーズナン

さて、そろそろお腹もふくれてきました。

最後はもちろん、インドカレーをいただいてシメにしたいと思います。

 

メニューは豊富で、ランチ時にはナンと2種類のカレーが付いて790円なんていうお得なセットもあり。

僕はどうしても「チーズナン」が食べたかったので、単品で頼むことにします。

「チキンカレー」「マトンカレー」「シーフードカレー」「野菜カレー」「ポークカレー」各ジャンルの中でさらに数種類ずつに分かれていて、品数膨大。

今日はそんな中から、

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▲マトンマサラ(599円)

 

をチョイス。

 

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お肉ゴロゴロ!

 

絶妙に羊肉の風味を感じますが臭みはなく、各種スパイスが生み出す複雑な味わいが、ここにきてまだ食欲を加速させます!

 

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▲チーズナン(500円)

 

普通のナン(超巨大!)の290円に対してなかなかの高級品ですが、これがまたたまらないんですよ。

そのままでプレーンなピザ的に味わえるこのチーズナンを「アチッ! アチッ!」なんて言いながらちぎって、カレーに付けて食べるあの至福感……

思い出しただけで幸せになれますね。

 

ネパール焼酎&スイーツも大満足

ちなみに、

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お酒を追加しようと選んでみたのは、

 

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ネパールのだったんそば焼酎「そむらす」

 

シングルのロック(350円)。

 

ネパールで作られたそば焼酎なんて珍しいですが、全く違和感なく焼酎ですね。

うまい!

 

で、本当に最後に、今日は取材ということもあり、せっかくなので普段は頼まないデザートも頼んでみようと思います。

だって、インドのスイーツなんて珍しいじゃないですか?

と、よくわからずに選んでみたのが、

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▲ラスマライ(290円)

 

「自家製パニール(チーズ)と牛乳の甘いデザート」と説明がありますね。

もちろん初めて食べるものです。

 

どれどれ、とスプーンを入れてみると、

 

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え!?

 

アイスクリームかシャーベットみたいなもんかと思ったらこれ、スポンジケーキの生地みたいな感じの何かです。

一口食べてみると……

「ぅ甘~い! あ、甘すぎる!!」

 

こんな甘いもん初めて食べたってレベルで甘いです!

これひとつで一カ月分の糖分が取れた気がします。

文化やお国柄の違いなんでしょうね。

僕にはちょっと甘すぎましたが、そば焼酎と交互に頂くと不思議とマッチして、最後まで食べきることができました。

激甘党の方はぜひ試してみてくださいね。

 

 

以上、衝撃の大衆的インド・ネパール料理店「タラキッチン」のご紹介でした。

冒頭でも書いたような飲食業界の流れは、僕にとってはうれしい限り。

ただしもちろん価格を安くするには企業努力が必要なわけで、好きなお店にはせっせと足を運んで、良いサービスのお返しを少しでもできればと思ったりしました。

 

ごちそうさまでした~!

 

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▲タラさんはネパールに里帰り中だったので、スタッフの方と

 

お店情報

タラキッチン

住所:東京都中野区東中野3-16-8 2F
電話番号:03-5330-5299
営業時間:11:00~23:00(LO 22:30)

定休日:無休

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:パリッコ

パリッコ

DJ/トラックメイカー/漫画家/居酒屋ライター/他。FUNKY DANCE MUSIC LABEL「LBT」代表。酒好きが高じ、雑誌、Webなどの媒体で居酒屋に関する記事を多数執筆中。

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