3分煮るだけでこってりウマい「かんたんいか飯」を老舗魚屋店主が作ってみた【魚屋三代目】

こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。

今回は、駅弁なんかでおなじみのいか飯を作りやすくアレンジした「かんたんいか飯」。いかの胴体に水に浸したもち米を詰め、口を爪楊枝で止めたら、そこから出汁や調味料を加えてじっくり煮て……なんて手間いらず。もち米も圧力鍋も不要の、3分煮るだけのメチャ簡単なレシピでご紹介します。

いかから出る水分と最低限の調味料、そして落とし蓋(アルミホイルでOKです)と鍋の蓋をダブルで使うことで、短い時間でもこってり美味しく仕上がりますよ。

今回使うのは、するめいか。ひと口にいかといっても、やりいかや赤いか(剣先いか)などいろいろ種類がありますが、ここでは1年を通じて手に入れやすく、他のいかに比べるとお値段的にも買いやすいするめいかで作ります。

とはいえ近年、するめいかは漁獲量が激減し、以前と比べるとめっちゃ高くなっています。するめいかを使う市販のいか飯も値上げに……。

少しでも安く食べるには、やっぱり自作! ということで、こちらのレシピをぜひお試しください。

 

魚屋三代目の「かんたんいか飯」

【材料】2人前

  • するめいか 2杯
  • 温かいご飯 軽く2膳分

(A)

  • しょうゆ 大さじ4
  • さとう 大さじ3
  • みりん、日本酒 各大さじ1

 

作り方

1. まずは、するめいかの下処理から。いかの胴体をしっかり持って、内臓(ワタ)や目、くちばし、足(ゲソ)をゆっくりと引き抜き、さらに透明な軟骨(薄く透明でペラペラしたもの)も引き抜きます。

スーパーや鮮魚店でお店の人に聞いて鮮度がいいものを買い、頼めれば、いか飯に使うことを伝えて胴体と足に捌いてもらうのもおすすめです。

 

抜いた足は、内臓と目をまとめて切り落とし、かたい口ばしや足の吸盤は流水で洗い流しながら、指で滑らせるようにこそげ落とします。胴体は内側もよく水洗いします。

 

2. 鍋に(A)を入れて、

 

中火でひと煮立ちさせます。

 

3. 2にいかの胴体、足を加え、

 

落とし蓋(今回は鍋よりひと回り小さく切ったアルミホイルを使用)をかぶせ、

 

さらに鍋の蓋をして、中火で3分煮て火を止めます。

落とし蓋に加えて鍋の蓋もすることで鍋の中で熱がまわり、落とし蓋の下の対流もよくなるので、より効率よく加熱できます。蒸気が逃げないので、煮汁が焦げるのも防げます。

 

いい色に煮えました。このまま冷ましておきます。

 

4. いかの粗熱が取れたら、まずは鍋から足を取り出して包丁で2cmくらいに切り、ボウルでご飯と混ぜ合わせます。

ご飯は温かい方が足と混ぜやすいです。

 

5. 大きめに広げたラップの上にいかの胴体を置き、

 

スプーンなどで4のご飯を半量詰めます。

 

ご飯は奥に強く押し込むようにして詰め込むのがポイント。ご飯をギュッと潰すように詰め込めば、もち米のようなもちもち食感になりますよ。

 

6. ご飯を詰めたいかをラップでしっかり包みます。

 

もう1つの胴体も同じようにしてラップで包み、味をなじませます。

 

7. 味をなじませている間に、いかを取り出した鍋を中火にかけ、残った煮汁が半分ほどになるまで煮詰めます。

 

8. 6をラップごと食べやすい大きさに切り、

 

ラップを外して器に盛り付けます。煮詰めた煮汁をかけて完成。

 

こってり味で箸がすすむ!

かんたんいか飯、15分もかからずに完成しました! 煮るのはごく短い時間なので、いかはかたくならずに食べやすいです。さとうじょうゆのこってり味で箸がすすみますよ。お酒を飲みながらつまむのにもいい感じです。足は噛みごたえ、そしてうま味もあるので、ご飯に混ぜ込んで中に詰めるこのレシピは本当におすすめ!

そのご飯には、刻んだ大葉や白いりごまなどを混ぜると風味が増します。また、煮汁も一緒に混ぜるとさらに味が濃くなるので、しっかり味がお好きな方にはそちらもおすすめですよ。

水は加えず、いかから出る水分と調味料で煮ればいいので、煮汁が薄くなる心配もありません。いかの下処理さえ済めば、あとは手間いらずのかんたんいか飯。一度作ってみてください。

 

作った人:魚屋三代目

魚屋三代目

本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。62種の魚介の詳しい捌き方と、それらの魚をおいしく食べる100を超えるレシピ、捌き方やおろし方の動画が見られるQRコードも掲載の最新刊『魚屋三代目の魚のおろし方と料理』(エイ出版社)が発売中。2023年4月、新鮮な魚介類を使ったお惣菜店「noboru 魚武商店」もオープン。

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企画協力:フーディストノート

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