『メシ通』読者の皆さん、こんにちは! 料理家の真野遥です。
私は麻婆豆腐が大好きで、様々な食材や調味料を組み合わせて日々おいしい麻婆豆腐を研究しているのですが、このたび「塩鮭」を使った麻婆豆腐を発明してしまいました!
麻婆豆腐によく使われるのは豚ひき肉ですが、そこを塩鮭に変えて「魚介のうま味」をベースに味を仕上げると、これまた異次元のおいしさなのです……!
味の決め手は「オイスターソース」。
麻婆豆腐にうま味を足すためによく使われる鶏がらスープの素ではなく、塩鮭に合わせて「魚介のうま味」で揃えるのがポイントです。
オイスターソースが決め手の「塩鮭麻婆豆腐」
【材料】(たっぷり2人分)
- 塩鮭(甘口) 2切れ(約140g)
- 絹ごし豆腐 1丁(300g)
- 生姜 1かけ
- にんにく 1かけ
- 花椒(ホール) 小さじ1
※無ければ、花椒パウダー小さじ1/4を仕上げに散らす - 豆板醤 小さじ2
- 長ねぎ 10cm
- 紹興酒 大さじ1
※料理酒orみりんで代用可 - サラダ油 小さじ2
- ラー油 あれば適量
- 青ねぎ あれば適量
(A)
- 水 200ml
- 味噌 大さじ1/2
- オイスターソース 大さじ1
(B)
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ2
※この2つは混ぜ合わせておく
作り方
豆腐を約1.5cm角に切ります。
切った豆腐を耐熱容器に入れ、ひたひたに水(分量外)を注ぎます。その後、ラップをかけずに600Wの電子レンジで5分ほど加熱してください。レンチンが終わったら、電子レンジから容器を取り出し、放置してください。
ぬるめのお湯で温めておくことで、豆腐の余分な水分が抜けると同時に、ツルンとした食感に仕上がりますよ。
余熱がある程度通ったら水切りをするので、タイミングはまた後でお知らせします。
塩鮭は、ペーパータオルで表面の水分を拭き取ります。
フライパンにサラダ油少々(分量外)を引いて中火で熱し、塩鮭を両面しっかり焼いていきます。
「ちょっと焼き過ぎじゃないかな?」と思うくらい、しっかりと焼き色をつけるのがポイントです。
しっかり焼き付けることで、水分と共に生臭みが抜け、焼き色がうま味に変わります。
焼き上げた塩鮭は一旦取り出し、粗熱が取れてから皮と骨を取り除きます。
細かい骨は多少残っていても大丈夫です。
塩鮭の皮が好きな方は、その場でつまみ食いしちゃってください!
そして、このタイミングで豆腐をザルに上げておきます。
にんにく、生姜、長ねぎをみじん切りにします。
長ねぎは、縦に何本か切り込みを入れてから、
このように端から切っていくと、みじん切りにしやすいですよ。
先ほど使ったフライパンの汚れをペーパータオルで拭き取ったら、フライパンにサラダ油を引き、にんにく、生姜、花椒を弱火で炒めます。香りが立ったら塩鮭、豆板醤、長ねぎを加えて中火で炒めましょう。
塩鮭と豆板醤が馴染んだら、紹興酒を加えて、中火のままさっと炒めた後、
(A)を加えます。
引き続き中火で加熱し、煮立ったら豆腐を加え、さらに一煮立ちさせます。
一度火を止め、(B)を回し入れたら、今度は強火にかけて、とろみがつくまで煮立たせて……
完成です! お好みでラー油や青ねぎを散らしてお召し上がりください。
塩鮭と味噌が織りなす、まろやかでコクのある味わい。オイスターソースの甘みと牡蠣由来のうま味。花椒のピリリと痺れる辛味と華やかな香り。そして豆腐のツルンとなめらかな口当たり……。新感覚の、魚介のうま味があふれる麻婆豆腐です!
甜麺醤ではなく、一般的なご家庭にある味噌を使うのもポイント。甜麺醤よりマイルドな味わいの日本の味噌を使うことで、鮭の優しい味わいがグッと引き立ちます。
豆板醤の量を減らして花椒を抜けば、辛いものが苦手なお子様のおかずにもピッタリですよ。
塩鮭麻婆豆腐のアレンジレシピ
この塩鮭麻婆豆腐、そのままご飯のおかずにしたり、
どんぶりにしたりするのはもちろん……
かた焼きそばにかけて食べても絶品なんです!
「塩鮭麻婆かた焼きそば」の作り方(1人分)
作り方はとっても簡単。
焼きそば麺(1袋)の袋に切り込みを入れて600Wの電子レンジで30秒ほど加熱。サラダ油(大さじ1/2)を熱したフライパンで、焼きそば麺の両面を中火でこんがりと焼き、盛り付けのときに塩鮭麻婆豆腐を適量のっけるだけ!
お好みの量の細切りきゅうりとパクチーをトッピングするのもおすすめです。
(2人分作る場合は、材料の分量と電子レンジの加熱時間を2倍にしてください。)
写真のようにフライ返しなどで押し付けながら焼くと、上手にこんがりと焼き上げられますよ。
パリッとしていて香ばしい麺と、塩鮭麻婆豆腐が絡むことで、豚ひき肉の麻婆豆腐では実現し得ない「海鮮かた焼きそば」のようなおいしさに……!
細切りきゅうりのみずみずしさとパクチーの爽やかな風味がアクセントになり、さっぱりとした感じも味わえます。
魚介のうま味がきいた、新感覚の塩鮭麻婆豆腐。
騙されたと思って、是非一度お試しあれ!
書いた人:真野遥
商社勤務を経て料理家として独立。 東京と京都を拠点にレシピ開発、メディア出演、発酵食と日本酒のペアリング料理教室の主宰など幅広く活動中。2022年からは「発酵室 よはく」として、発酵を通じて人生に余白を作る活動をスタート。Podcastラジオ「よはく採集」を毎週火曜日に配信中。 著書『手軽においしく発酵食のレシピ』(成美堂出版)、『いつものお酒を100倍おいしくする最強おつまみ事典』(西東社)