マレーシア料理の達人に聞いた「絶品のラクサが食べられるお店」5選

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多民族国家ならではの多様性。マレーシア料理の世界へようこそ

みなさん、マレーシア料理と聞いて思い出すものはありますか?

 

「サテ」「ナシゴレン」

正解です。インドネシア料理と言われがちですが、マレーシア料理でもあるんです。

 

「チキンライス」「バクテー」

それも正解。シンガポール料理と言われがちですが、やっぱりマレーシア料理でもある。

 

私たちにとって「マレーシア料理」がどうもフワッとしがちなのは、ひとえにマレーシアが多民族国家だからにほかなりません。

マレー系、中国系、インド系の人々が、さまざまな宗教と文化、多言語をもって暮らしているため、シンプルにひと言では語りにくい。

2014年に世界のおいしい料理ベスト10入りを果たしたマレーシア料理である「ラクサ」にしても、検索して出てくるものの多くはシンガポール料理としてのそれ。

がんばってほしい、マレーシア!

 

そして、そんなマレーシアに、ぞっこんというのがこちらの女性。

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マレーシアに4年住み、そのご飯のおいしさと多彩さに惹かれ、帰国してから「マレーシアごはん」なる会を立ち上げた古川音さんです。

 

malaysianfood.org

 

マレーシアごはんに関わるイベントを開いたり、関連著書を出版したり。まさに日本におけるマレーシアごはんの第一人者なのです。

 

ラクサは日本で言うところの「ラーメン」

 

f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:ラクサは、“スパイス・ハーブを使ったスープ麺”の総称で、地域性がとっても豊か。ラーメンに醤油やとんこつがあるように、スープの質も地域で全然違います。すっぱ辛かったり、胡椒辛かったり、カレー感が強めだったり……共通するのはどれも、個性が強くて旨味が深いということ。

 

日本でラクサというとカレースープの麺が主流ですが、実は本場マレーシアで全国的にメジャーなのは「アッサムラクサ」。

日本でこれが食べられるお店は今のところ少なく、ここ港区のペナンレストランは本場のラクサを味わえる貴重な存在です。

 

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▲アッサムラクサ(1,078円)

 

アッサム=酸っぱいという意味で、タマリンドやアッサムクピンという酸味のある食材で味付けされ、魚のほぐし身とオタ・ウダンという海老ペーストでコクと塩味、唐辛子で辛みがつけられたなんとも奥深き味わい。

食せば汗が止まりませんが、箸も止まりません。

 

ペナンとはマレーシアの首都クアラルンプールから北にちょっと行った港町。

そこからやってきたエドワード一家が本場の味を提供してくれます。

 

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中央がオーナーシェフのロバート父さん。おいしいマレーシア料理をいつもありがとう!

 

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f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:最初は海老ペーストの匂いが強烈で苦手だったんだけど、これが一回好きになるとハマる味なんです。

 

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米の麺に汁が絡んで……うまい!

 

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なぜ日本でアッサムラクサを取り扱うお店が少ないのかというと、魚をほぐす手間やらコストやらがかかるので大変だから。

ペナンレストランではランチに適した価格でアッサムラクサを提供するために、ラクサの量を少なめにする分ごはんをつけています。

このサービス、辛みが強いラクサをごはんで和らげられて、思いのほか嬉しい。ご飯にのっている魚のフレークも瓶詰にして売り出してほしいおいしさです。

 

f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:もともとラクサは、多民族ならではのマレー文化と中国文化の掛け合わせから生まれたもの。マレーシアでは、いろんな民族の人が同じ空間でそれぞれに過ごしているのが普通の状態。訪れるたび、ひとつの国というより、「地球にいるなあ」と感じるんです。マレーシアの料理文化や、ラクサの多様な世界観が大好きなんです。

 

お店情報

ペナンレストラン

住所:東京都港区芝2-4-16 加藤ビル1F
電話番号:03-3456-3239
営業時間:ランチ/11:00~14:30、ディナー/17:00~23:00
定休日:日曜日

 

www.penang-restaurant.com

 

東京都内で本格的なラクサを食べられるおすすめ店

ペナンレストランのほか、ラクサのおいしいお店をさらに4店ほど古川音さんに紹介していただきました。ぜひ、多様なラクサの世界をお楽しみください!

 

マレーアジアンクイジーン/渋谷

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▲ミーラクサ(カレーラクサ)(1,210円/夜)

 

f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:ココナツが濃厚でクリーミーな味わい。干しエビの出汁が強く濃く効いてます。麺は中太の卵麺。かまぼこや油揚げ、エビとのコラボレーションがまた味わい深いです。

 

お店情報

マレーアジアンクイジーン

住所:東京渋谷区2-9-9 SANWA 青山ビル2F
電話番号:03-3486-1388
営業時間:ランチ/月曜日〜土曜日11:00~14:30、日曜日11:00~15:30(L.O.15:00)ディナー/平日17:00~23:00(L.O.22:30)、日曜日17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

馬来風光美食/荻窪

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▲カレーラクサ(1,045円)

 

f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:荻窪で20年近く続く、マレーシア料理店のカレーラクサです。煮込まれた鶏肉と油揚げのコクがあり、濃厚な味わい。ガツン! とくるようなスパイシーなカレースープが特徴です。

 

お店情報

馬来風光美食

住所:東京都杉並区天沼2-3-7 SAKAIビルディングB1F
電話番号:03-5938-8633
営業時間:火曜日~金曜日18:00~23:00、土日16:30~23:00
定休日:月曜日

www.hotpepper.jp

 

マレーチャン/池袋

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▲アッサムラクサ(1,518円/夜)

 

f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:日本のマレーシア料理店における老舗、マレーチャン。本場と同じレモングラスやダウン・クスムなどのハーブを輸入し使用しているそう。魚の出汁がもっちり米麺に絡んで、旨味と酸味のマリアージュが素晴らしいです。比較的マイルドなので、アッサム初心者にもいいでしょう。

 

お店情報

マレーチャン

住所:東京都豊島区西池袋3-22-6
電話番号:050-5356-1917
営業時間:ランチ/月曜日〜金曜日、祝日前11:00~15:00、ディナー/月曜日〜金曜日、祝日前17:00~23:00、土日祝日11:00~23:00
定休日:なし

www.hotpepper.jp

 

ちりばり/大崎広小路

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▲つけ麺式ラクサ(935円 パクチートッピング+110円)

 

f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:濃厚なカレースープに卵麺を絡めて食べる、つけ麺式。ココナツミルクとエビの出汁が効いていて、まさに美味そのもの。夜にはつけ麺ではないラクサもあり、そちらは辛党好みのスパイシーな逸品です。

 

お店情報

ちりばり

住所:東京都品川区西五反田7-12-4
電話番号:03-6420-0133
営業時間:ランチ/月曜日〜金曜日11:30~14:30、ディナー/平日18:00~23:00、土曜日17:30~23:00
定休日:日曜日、祝日

 

ラクサの世界は奥深い

 

f:id:suikafumi:20191015161753j:plain音さん:マレーシアのラクサは港町なら魚介が豊富に、南に行けばスパイス度とココナツ度が上がり、島方面では胡椒辛さが勝り、地域によってはスプーンで食べるために麺がぶつぶつ切れていたり……と、非常に地方色が濃厚なんです。東京でもさまざまな味わいを楽しめるので、ぜひご堪能ください。

 

そんな音さん渾身の調査・執筆による『マレーシア 地元で愛される名物食堂』(ダイヤモンド・ビッグ社)も発売中。 

マレーシア 地元で愛される名物食堂 ローカル過ぎて地球の歩き方に載せられなかった地域密着の繁盛店

マレーシア 地元で愛される名物食堂 ローカル過ぎて地球の歩き方に載せられなかった地域密着の繁盛店

 

 

マレーシアに行く折には必携の書。

旅行者にはなかなか見つけられない穴場レストランも数多く載っており、マレーシアのグルメを満喫したい人には強くお薦めしたい一冊です。

 

書いた人:矢島史

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食うこと飲むことでメンタルをやりくりしているライター。収納やライフスタイルなど暮らし系の書籍の執筆協力、広告・クリエイティブ系の方々のインタビューなど。4コママンガも描くんだけど、今はPTAの仕事が大変でお休み中。脳みそがあっちこっちに飛んで落ち着きのない四十路。

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