こんにちは! 料理家の美窪たえです。
今回は台湾のスープ料理、麻油鶏(マーヨージー)を紹介します。
麻油鶏は、しょうがやごま油、酒などで鶏肉を煮込んだ料理になります。
※レシピ名の麻油は中国語でごま油を指します。
使用する材料は、鶏肉、しょうが、ごま油、酒、水、醤油、塩のみ。手軽にまねできるレシピですので、ぜひ作ってみてください。鶏肉でタンパク質もおいしく摂取できますよ。
また、残ったスープを使ったリゾット風の〆もご紹介します。
材料(2人前)
- 骨付き鶏もも肉(※鶏もも肉でも可)……500〜600g
- しょうが……1個(約100g)
- ごま油……大さじ4
- 米焼酎(※清酒でも可)……150cc
- 水……150cc
- 醤油……小さじ2
- 塩……小さじ1
麻油鶏の作り方
1.しょうがをよく洗ってから皮ごと3〜4mmの薄切りにします。
普段しょうがを使う際は、1片やすりおろしたしょうが小さじ1程度であることが多いかと思いますが、使用するしょうがは1個(約100g)になります。
チューブなどで代用せずに、生のしょうがを皮ごとたっぷりと使うようにしてください。
2.フライパンに、しょうがをできるだけ重ならないように並べて、ごま油を加えて中火にかけます。あまり触らずに、3〜4分かけて加熱していきます。
いざフライパンに入れてみると、しょうがもごま油も量が多いように感じるかもしれませんが、料理が完成したときのおいしさに直結しますので、ぜひ分量通りに使ってみてください。
このように調理することで、ごま油にしょうがの香りや風味が移り、スープにグッと深みが出ます。しょうがが縮んで茶色になるまで、じっくり加熱することがポイントです。
3.骨付き鶏もも肉(※鶏もも肉でも可)に醤油をなじませます。
材料がシンプルな麻油鶏は、骨からもうま味が出る骨付き鶏もも肉がおすすめですが、鶏もも肉や手羽先、手羽元でも代用できます。
4.しょうががしっかり色付いたら、お皿などに取り出しておきます。黒みを帯びると苦くなりますので、茶色のうちに取り出してください。
5.しょうがを加熱していたフライパンで、骨付き鶏もも肉を焼いていきます。油が多めではねやすいので、最初は弱火にして静かに並べてください。
その後中火にして、しばらく触らずに2分ほど焼きます。片面にしっかり焼き色が付いたら裏返し、反対の面も1〜2分加熱します。
骨付き鶏もも肉を焼く前に醤油をなじませたことで、おいしそうな焼き色が付きやすくなります。また、醤油が焦げる良い香りも加わります。それらがスープに溶け込むことでうま味とコクが出てきます。
6.骨付き鶏もも肉の両面にしっかりと焼き色が付いたら、しょうがを戻し、米焼酎(※清酒でも可)を加えます。
米焼酎が煮立ってきたらそのまま1分ほど加熱を続け、水と塩を加えます。
7.再び煮立ってきたらふたをして弱火にし、静かに沸き続ける状態を保ちながら15分ほど煮込み、アルコールを飛ばします。全体が乳化して、スープに少しとろみが出てくれば完成です。
麻油鶏の楽しみ方
熱々のうちにいただきましょう!
まずは、スープを一口飲んでみると、骨付き鶏もも肉のうま味とごま油のコク、しょうがと米焼酎の爽やかな香りが見事に溶け合い、シンプルな材料で作ったとは思えない奥行きが感じられます。味付けは少量の醤油と塩だけですが、深みのある味わいになっています。
ごま油を多めに使っていますが、しょうがのさっぱりとした風味のおかげでくどさはさほど感じません。全体が乳化しているため、まろやかでとろっとしたスープに、さじが進んでしまうはずですよ。
スープをあますところなく楽しむ〆のおすすめ
あまったスープを使って、〆まで楽しめるのも麻油鶏の魅力です。
本日はごはんで〆る、リゾット風のレシピをご紹介します。
材料(1〜2人前)
- 麻油鶏のスープ……約80cc
- 麻油鶏の具材……お好みの量
- ごはん……約150g
- バター……5〜8g
- 黒こしょう……お好みの量
麻油鶏のリゾット風の作り方
1.麻油鶏のスープと具材、ごはんをフライパンに入れて中火にかけます。
2.ごはんが麻油鶏のスープを吸い込むまで2〜3分煮たらお皿に盛り、バターをのせます。お好みで黒こしょうを振れば完成です。
麻油鶏のスープとごま油、バターのコクで味わいは濃厚ですが、しょうがの爽やかさも感じられます。黒こしょうのピリッとした刺激があとを追いかけてくるので、上品な〆を楽しみたい方はぜひお試しください。
まとめ
台湾のスープ料理、麻油鶏を紹介しました。ごま油と水分を乳化させて作ったスープは、とろみがあって冬でも冷めにくく、寒い季節におすすめです。うま味たっぷりのスープで、どうかあたたかくお過ごしください。それでは。
書いた人:美窪たえ
料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー⇒日本料理人⇒フレンチコック⇒アメリカンデリという、異色の経歴を持つ料理家。料理のおいしさと酒への思いを発信するユニット[おとな料理制作室]としても活動。著書『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)が好評発売中。