絶品すぎる!バターチキンカレーの作りかた【東京カリ〜番長】

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でらいつカレーvol.5 「バターチキンカレー」のつくりかた

もうあれですよね。

第5回ともなると、そろそろ本格的なカレーを作ってみたくなりますよね?

南インドのカレーはどーだ、とか、北インドのカレーはこーだ、とか、タミル地方はどーで、ゴア地方はこーで、ベンガル地方のはあんなんで、ケーララ地方は……とか。

 

だめだめだめ~!

ここはそんなオーセンティックというか、「ザ・本物志向!」みたいなカレーは作りませんよ!

ときにはマニアックな食材や材料も使いますが、あくまでも「主婦目線」を大事にしたカレーを紹介していくのが、でらいつカレーの使命なんです!

ですから、今回紹介する「バターチキンカレー」も、そんな「でらいつカレー哲学」にのっとった、こだわりの「バターチキンカレー」でございます。

 

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ほ~ら、別盛りにしてみると、もうレストランばりの本格的なカレーに見えますよね? ね?

作り方は「チョイむず」ですが、そのぶん、見た目はもちろん味も納得(←これが大事)のカレーが作れてしまいます!

さー、今回も肩の力を抜いて、でらいつカレー、いってみましょう!

 

あ、そうそう。

今回はいつもより写真の点数を多くしてみました。

作り方にこだわって欲しいからこそ、ここは大事にしたい、という点を詳しく解説して見せていますが、うざかったらごめんなさい。次回から、また減らします。

 

「バターチキンカレー」の材料

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基本の食材はこれ。

ちょっといつもより種類多めですね。やたら白いもん多いし。でもほら、気づきました? 玉ねぎがありません。そう、玉ねぎは使わないんです!

(詳細レシピは最後に掲載します)

 

材料(2人分)

  • 鶏もも肉:250g
  • バター:30g  トマトピューレ:100ml  トマトケチャップ:大さじ1
  • プレーンヨーグルト:大さじ3  牛乳:300ml  生クリーム:50ml
  • カレーパウダー:大さじ1.5  カルダモン:4粒  クローブ:3粒  青唐辛子:1本
  • カスリメティ:大さじ1  ピーナッツバター:大さじ1  あんずジャム:小さじ1
  • にんにく:2片  しょうが:1片  水:50~60ml

 

鶏もも肉は皮をはいだ状態で250gあるのが望ましいので、皮付きの場合は300gくらいを目安に。

辛いのが苦手な方は青唐辛子ではなく、ししとうでもOKです。

カルダモンとクローブは、あったほうがいいですね。

ちょっと大きめのスーパーなら売ってると思います。

それとカスリメティ、これは何としても手に入れて頂きたい! 街のスーパーじゃ売っていないと思いますが、この香りがあるとないとじゃ、雲泥の差。インターネット、あるいはスパイス専門店などで探して購入してください!

 

「バターチキンカレー」の下準備

スムーズな調理のため、下ごしらえをしましょう。

マリネに23時間かかりますので、この部分は前日から準備してもOKです。

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  1. 鶏もも肉は皮をはぐ
  2. なるべく筋肉の塊にそって食べやすい大きさに切る
  3. ひとつの大きさはこれくらい。成人男性の親指1本(付け根から指先まで)くらいの大きさです
  4. にんにく1片をすりおろす

 

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  1. プレーンヨーグルトにすりおろしたにんにく、トマトケチャップ、塩(小さじ1/2)、カレーパウダー(大さじ1/2)を加える
  2. ①をよく混ぜ合わせる
  3. ボウルに入れた鶏もも肉にを加え、よくもみ込む
  4. ラップをして冷蔵庫で23時間マリネする 

 

♪Yo! Yo! Yo! Yo! 俺はラッパー目黒育ち。若いころはおニャン子ひと筋。余裕があれば一晩マリネ。会員番号36番。そうよわたしはワタナベマリネ!Yeah~♪

……とまぁ、フリースタイルなラップを決める必要はありません。

ハイ。気を取り直して。

ここからは、調理直前の下準備です。

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  1. 青唐辛子は12mm程度の輪切りにする
  2. にんにく1片と、しょうが1片をすりおろす
  3. おろし器に残ったにんにくしょうがは、水(5060ml)を加え、「にんにくしょうが水」にしておく

 

準備ができたら、調理の開始です

いつものように、ちょっと深めのフライパンで、できるだけノンスティック加工(くっつかないヤツ)のものを用意してください。

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フライパンにバターを入れ、弱火で溶かす。

 

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カルダモンとクローブを加え、ごく弱火で炒める。

ごく弱火、というのがポイントです。強すぎるとバターが黒焦げになってしまいます。

 

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チョイ技】フライパンを傾け深さを作って、その中でスパイスを炒めるのがベターです。

 

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炒め加減のポイントは、カルダモンがぷっくりしてほんのり色づくくらいです。

 

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すりおろしたにんにく・しょうがを加える。

(注意:下ごしらえの時に作った「にんにくしょうが水」はここで入れません)

 

火加減は「ごく弱火」のままです。

ごく弱火で炒めているので、少々時間はかかります。

この撮影の時は34分炒めました。 

 

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にんにくとしょうがをしっかり炒めたら、青唐辛子を加える。

にんにく・しょうがの炒めが弱いと、にんにく臭いカレーになってしまいます。

それがイイってならいいんですが、僕は、いやだな~。

 

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青唐辛子に火が入るまで、しっかり炒める。

(火加減はごく弱火のままです)

 

玉ねぎを炒めるときは「強火強火」と言っていますが、今回は玉ねぎを使いませんので「ごく弱火ごく弱火」です。

 

炒め加減の見極めは青唐辛子の「青臭さがなくなるまで」なのですが、ちょっとわかりにくいですよね。

見た目としては色が完全に変わってしまう(黒くなってしまう)と炒めすぎなので、時間にして12分くらいと思ってください。

 

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トマトピューレを加える。 

トマトピューレを加えたあとは火加減を中火にしてください。

 

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トマトピューレに続いて「にんにくしょうが水」を加え、しっかり混ぜ合わせる。

すみません、にんにくしょうが水を加えたところの写真を撮り忘れましたが、なんとなく、トマトピューレだけではない、ちょっとゆるい(水っぽい)のがわかりますよね……。

 

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火加減を強火にし、一度しっかり沸騰させる。

 

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沸騰したら、再度火加減を「ごく弱火」にし、ねっとりするまで煮込む。

 

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水分が飛び、ねっとりしたら残りのカレーパウダー(大さじ1)を加える。

火加減はごく弱火のままです。

 

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カレーパウダーをしっかり混ぜ合わせる。

 

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水分が飛んでいるので、このように、ぼってりとしてきます。 

なんかフツーに「ぼってり」と表現しましたが、伝わってますよね? この雰囲気。

 

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あんずジャムとピーナッツバター(ピーナッツクリーム)を加える。

 

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しっかり混ぜ合わせてください。この時の火加減も、ごく弱火のままです。

 

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ここでちょっと、味見をしましょう! 

このとき、「うまい!」と思えればもう8割がた、おいしい「バターチキンカレー」が出来るのは間違いありません。

逆に、「ん~?」という味なら……残念な結果になるでしょう。

やり直すなら、今です(笑)。

 

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牛乳を加える。

 

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牛乳を加えたらしっかり混ぜ合わせてください。

 

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火加減を強火にし、沸騰させる。

強気の強火で一気に沸騰させてください。沸騰させるのがポイントです。

 

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沸騰したら火加減を弱火にし、15分程煮込む。

煮込むときは、「弱火(ごく弱火)」。これ、鉄則です。

 

この時間を利用して、鶏もも肉を焼いていきます。

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別のフライパンに鶏もも肉をマリネ液ごと加える。

(※ポイント:ボウルに残ったマリネ液は、ゴムベラなどでかき集めて入れましょう。もったいないですから)

 

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鶏もも肉が重ならないように並べます。

 

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強火で炒める。

最初は動かしてはいけませんよ。

じっと我慢。我慢が大事です。

23分の間は触れず、動かさず、です!

(と、書きましたが、本当はフライパンの素材や厚さ、大きさ、さらには強火と言ってもコンロの火力によっても違うので、時間を言い切るのって難しんですよね。あくまで参考値、ということで)

 

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この程度まで炒めたら、たぶん焼き目がついているはずです。

鶏もも肉を裏返しましょう。

 

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このように、ほんのり焼き色がついています。

まだ焼き色がついていなかったら、見なかったことにして(笑)、もうちょっと焼きましょう。

 

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ここまで水分が飛びきったら、焼きあがりです。

 

ちなみに、もうこれだけで十分うまいチキンですよ!

串に刺して直火で焼いたら、立派なチキンティッカ……ってか?(笑)

 

次の写真は、バターカレーソースを煮込んでいたフライパンに戻ります。 

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15分ほど煮込んだ状態です。

スプーンですくってみて、とろっとしたら次の行程に進みます。

 

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焼いた鶏もも肉を加える。

このとき、いつも考えるんですよね。ソースを煮込んでいるフライパンに肉を加えたほうがいいのか、肉を焼いたフライパンにソースを加えたほうがいいのか……。

今回は肉を加えました。

なぜって? そっちのフライパンの方が軽かったからです。

いずれにせよ、フライパンについた油やソースのこびり付きをゴムベラなどできっちりかき集めて加えれば同じです。

 

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しっかり混ぜ合わせたら、ごく弱火10分程度煮込む。

 

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生クリーム(25ml)を加える。

 

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カスリメティを加える。

でました! 今回のマストスパイス「カスリメティ」。

この香り、マジで必須です!

嗅いだことがない方、是非手にして嗅いでみてください。

きっと好きになるはずです。

 

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カスリメティをしっかり混ぜ合わせる。

 

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ごく弱火で5分程煮込む。

 

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はい! オレンジ色の油が浮いてきたら、完成のサイン。

最後に塩加減を調整して下さい。

さー、盛り付けましょう!

 

残りの生クリームをたら~っと垂らせば、美しい「バターチキンカレー」の完成です!

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「簡単バターチキンカレー」の完成でーす!

バターの濃厚な風味とトマトの酸味、そしてピーナッツバターのコクとあんずジャムの甘味が渾然一体となった、とてもリッチな味のカレーです。

 

これが作れるようになったら……東京カリ~番長に入れますよ。

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意味もなく、どアップ写真。

あ~、うまそ~~!!

 

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いよいよ実食!

鶏もも肉をスプーンにのせて、ぱくっとひと口、いちゃってください!

この、お店のような味にきっと誰もが驚くハズ。

驚かなかったら、そりゃ~、あんた……。もう一回よく読んで、最初から作り直してください。

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ぺろり。ごちそうさま!

 

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そうだ。食べていると、このクローブとカルダモンが口の中でヒットすることがあると思います。

僕は全然気にせずガリガリ食べちゃう派なんですが、やっぱり苦手な人っていますよね。

そんな人には、もうひと手間かけて、生クリームを入れる前に「ざるでこす」というのもアリです。

でも、さすがにそれは、めんどくさいですよね~。

いいんじゃないすか、これはこれで。

(チャンチャン♪)

 

おさらい

簡単バターチキンカレー 材料(2人分)

  • 鶏もも肉:250g (皮をはいだ状態で)
  • バター:30g
  • カルダモン:4粒
  • クローブ:3粒
  • にんにく:1片
  • しょうが:1片
  • 牛乳:300ml
  • 水:50~60ml
  • 青唐辛子:1本 (辛いのが苦手な場合は、ししとうで代用可)
  • トマトピューレ:100ml
  • カレーパウダー:大さじ1
  • あんずジャム:小さじ1
  • ピーナツバター(粒の入っていないもの):大さじ1 (ピーナッツクリーム可)
  • 生クリーム:50ml(煮込み時に1/2、盛り付け時に1/2を使用)
  • カスリメティ:大さじ1
  • 塩:適量

 

(マリネ液用食材)

  • プレーンヨーグルト:大さじ3
  • カレーパウダー:大さじ1/2
  • トマトチャップ:小さじ1
  • にんにく:1片
  • 塩:小さじ1/2

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  1.  フライパンにバターを入れ、弱火で溶かす。
  2.  カルダモンとクローブを加え、ごく弱火で炒める。
  3. すりおろしたにんにく・しょうがを加え、しっかり炒める。
  4. 青唐辛子を加え、しっかり炒める。
  5. トマトピューレと「にんにくしょうが水」を加え、しっかり混ぜ合わせる。
  6. 強火にし、一度しっかり沸騰させる。
  7. 沸騰したら、再度ごく弱火にし、ねっとりするまで煮込む。
  8. 残りのカレーパウダー(大さじ1)を加えしっかり混ぜ合わせる。
  9. あんずジャムとピーナッツバター(ピーナッツクリーム)を加えしっかり混ぜ合わせる。
  10. 牛乳を加え、強火にし、しっかり沸騰させる。
  11. 沸騰したら弱火にし、15分程煮込む。
  12. 別のフライパンに鶏もも肉をマリネ液ごと加え強火で炒める。
  13. 焼いた鶏もも肉を⑫のフライパンに加える。
  14. しっかり混ぜ合わせたら、ごく弱火で10分程度煮込む。
  15. 生クリーム(25ml)とカスリメティを加え、しっかり混ぜたら5分程煮込む。
  16. 塩で味を調整して完成。

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最後にワンポイント!

バターを溶かして、スパイスを炒めるときは、ごく弱火で。

少々時間はかかりますが、ここを焦ってはいけません!

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いかがでしたか?

こだわりの絶品バターチキンカレー」。

本当においしいカレーのためには、この程度の手間は必要なので、ぜひトライしてみてください!

 

※この記事は2017年2月の情報です。

 

書いた人:伊東

伊東盛

料理ユニット「東京カリ~番長」のリーダー。得意技は全国各地へカレーを作りに行く「出張カリ~」。雑誌・書籍・WEB等でのレシピ紹介やカレー関連商品の監修、飲食店のメニュー開発などを手掛ける。週に一度“間借り”でカレー屋を営業中。

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