こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。
みなさんのお家に「名前のない料理」ってありますか。
既存の料理名がしっくりこず、よく作るのにどうも名前がはっきりしない、そんな料理。今回は、うちの「名前のない料理」の代表選手、長年「お焼き(仮)」のまま作り続けている一品をご紹介します。
お好み焼きのような、スペインオムレツのような見た目ですが、お好み焼きというには粉が少なく、オムレツというにも卵が少ない。もちろん、皮であんを包む信州・長野名物の「おやき」とは全然違います。味の中心は焼いた野菜の香ばしさと甘みで、それをよく混ぜた納豆と玉子、少しの粉とでギリギリつないで形になっている、外カリカリ中ふんわりの何か、です。
使う材料の基本は、焼いて美味しいキャベツに、つなげるための納豆と玉子。
他に野菜はニラ、長ねぎ、玉ねぎ、青ねぎ、豆苗、にんじんなど。めかぶやひじきなんかもいけます。使う材料の組み合わせを変えたり、肉を使ったり麺を入れたりと、バリエーションも自在です。
レシピメモはこちら。
今回は、僕がこの時期よく作る、キャベツと春菊の組み合わせで。
ツジメシの「お焼き(仮)」
【材料】(1人分)
- キャベツ 1/6~1/8個(150g)
- 春菊 3本(50g)
- ニンニク 1かけ
- 玉子 1個
- 納豆(大粒、小粒、ひきわりなど好みのもの) 1パック
- 小麦粉 小さじ2
- ナンプラー 小さじ2(めんつゆ小さじ1、水小さじ1、鶏ガラスープ小さじ1/2、塩少々でもOK)
- サラダ油 小さじ2
作り方
1. キャベツは千切りに、春菊は3~4cmのざく切りに、ニンニクはスライスしておく。
2. ボウルに玉子、納豆、小麦粉、ナンプラー、コショウを入れ、
軽く泡立つまでよく混ぜ、
キャベツ、春菊、ニンニクを入れてさらに混ぜる。
3. フライパン(1人分なら20cmがちょうどいいです)を中火で熱してサラダ油を入れ、油がすっと流れ薄煙が上がったら(樹脂加工のフライパンの場合は加熱しすぎないこと)、2のボウルの中身を全て入れる。
4. 丸く平らになるよう軽くヘラなどで整形し、弱火にして5分焼き、裏返してさらに弱火で5分焼く。
裏返す時、慣れている方はフライ返しなどでえいやっとひっくり返してください。心配な方は、失敗しないやり方をこの後で説明します。
5. 皿に盛り付け、フォークなどで崩しながら食べる。
野菜もたっぷり食べられます
玉子と納豆でタンパク質もあり、野菜たっぷりで食べ応えもある「お焼き(仮)」。玉子や粉を増やすとまとまりやすいのですが、ギリギリ形になるくらいの量にすると、焼いた野菜の風味が感じられて美味しいです。
でも、やはり肉っけがほしいなという時は、豚バラ肉をのせて焼きましょう。
上のレシピの工程3までは同じで、
フライパンに広げた野菜の上に、食べやすく切った豚バラ肉スライス(約80g、2枚くらい)を並べ、肉に軽く塩、コショウ(適量)をします。豚バラ肉は小さいと返すときに剥がれやすいのでやや大きめに切ります。
これを、上のレシピ同様に弱火で5分焼いたら裏返します。
今回は皿を使って裏返してみます。フライパンより大きな皿を用意して、
片面を焼いたら、フライ返しを下に差し込み、
皿にスライドさせます。
その上にフライパンを伏せ、皿とフライパンを同時にひっくり返します。
フライパンに触って火傷しないように注意しましょう。
皿を外せば、先に焼いた面が見事に上側に。再度火にかけ、肉の焼ける音がしてきたら中火~弱火で5分ほど焼いて、
出来上がりです。
カリカリの豚バラ肉、その脂を吸ったキャベツでビールが進むこと間違いなしです。
さらに、生地に麺も一緒に混ぜて同じように焼けば、これで満腹になる一皿に。
乾麺のラーメンや中華の生麺なら硬めに茹でてから、焼きそば麺ならそのまま加えて大丈夫です。写真ではつけ麺用の太麺を使いました。カリカリもちもちで食べ応え満点です。
裏返すときに崩れてしまっても、それはそれで大丈夫。皿の上で整えたら味は変わりませんよ。
作った人:ツジメシ
本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。
- ブログ:ツジメシ。プロダクトデザイナー、ときどき料理人
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