こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は週末メシ。
春の食材が続々と出てきて、売り場で目移りしてしまいます。中でも菜の花が大好きな僕が今回ご紹介するのは、この時期に人が集まるときの定番料理で、以前やっていた間借り店「くせものやツジメシ」でも好評だった一品です。
作り方は簡単、菜の花を焼いてブルーチーズと合わせるだけ。ポイントは油で炒めるのではなく、油なしで焼く(乾煎りする)こと。これで菜の花の個性がぐっと際立ち、癖のあるブルーチーズとの相性がさらに良くなります。
単品としてワインなどのおつまみにもいいですし、牛肉やラム肉のステーキ(ロースト)のつけあわせにしても、またパスタにしても美味しいです。
ツジメシの「焼き菜花とブルーチーズ」
材料(おつまみサイズ1人分)
- 菜の花 50g
- 塩 ひとつまみ弱
- ブルーチーズ 小さじ1
- オリーブオイル(香りのよいもの) 適量
- 黒胡椒 適量
作り方
おつまみサイズ1人分ということで、菜の花は50gほど使います(以前からある円筒形に紙を巻いた束のもので1束200g、最近見かけるこのパック入りのものは90gほどでした)。
やや筋が目立つ調理法なので、菜の花はできるだけ新鮮なものを使ってください(根本の切り口が瑞々しい、黄色い花が咲いていないのが目安です)。また使う前にしばらく水につけておくとシャキッとするのでおすすめです。
菜の花は50gでこのくらい。ブルーチーズは小さじ1ほど使います。お使いのものの塩加減にに合わせて量は調整してください。ねっとりしたものよりほろほろタイプが散らすときに使いやすいです。
根本の硬いところは切り落とし、食べやすいように切り分けます。葉と茎は分けておいたほうが焼くときにやりやすいです。
このくらいならそのままでよいのですが、茎が太いものは根本に縦に切り込みを入れ、ばりっと裂いてから切り分けましょう。
フライパン(写真のものは26cm)を中火にかけ、油は引かず、菜の花を並べてあまりいじらず焼きます。ここで下味として、軽く塩を振っておきます。
菜の花の焼けるよい香りが立ちのぼります。もうこれだけで白ワインがいけそうです。
葉がカサっとした感じの質感になって焼き色が付き、茎も押してみて少し柔らかくなるまで、時々上下を返しながら焼きます。葉はあまり焦げそうなら先に取り出しておきましょう。
ほどよく焼けたところでオリーブオイルをほんの数滴加え、さっと混ぜ合わせて菜の花を油でコーティングしておきます。これでパサつくことなく、つまみとしてゆっくり味わえます。
菜の花を器に盛り、
ブルーチーズをちぎって散らし、黒胡椒を挽き、オリーブオイルを回しかけたら出来上がり。焼くことでほろ苦さがブーストされ、茹でたものとは違うしっかりとした食感の菜の花に、独特の香りと塩気のブルーチーズの組み合わせが、まさに癖+癖=うまい!です。
冷えた白ワインなどと一緒にどうぞ。軽く温めたバゲットなんかあったら、もう十分幸せな食卓ですね。
この「焼き菜花とブルーチーズ」、単品でおつまみはもちろん、牛肉やラム肉を焼いたもの(ステーキ、ロースト)に添えても美味しいです。「くせものやツジメシ」ではよくラム肉を焼いたものにこれを合わせていたのですが、「菜の花が本体でラムは付け合わせですから」なんて言ってお出ししていました。
パスタにするのもいいですね。写真はスパゲッティですが、ペンネやフジッリなどのショートパスタで作るとつまみ度が増し、「おつまみパスタ」としてお酒のアテにもなります。
パスタの場合も、炒めるのではなく、まず油なしで焼きます。
塩10gを溶かしたお湯1Lでパスタ100gを茹で、菜の花80gをフライパンで乾煎りし焼き色がついたらオリーブオイルを足してみじん切りのニンニク少しを炒め、パスタの茹で湯、ブルーチーズ大さじ1、茹で上がったパスタを絡め、仕上げにオリーブオイルと黒胡椒、あればパルミジャーノをかけます。
菜の花は、4月に入るとある日突然売り場から姿を消してしまいます。あるうちにぜひ一度お試しください。
作った人:ツジメシ
本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。
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