「たまごかけごはん」には発案者がいたって本当!?TKGの聖地の白米&生たまごは誕生秘話込みで美味しかった

たまごかけごはんを考えて広めた人がいる?それは誰なのか?たまごかけごはんを広めた人の出身地で「たまごかけごはんの聖地」として知られている岡山県美咲町へ行って、そのキーパーソンに話を聞いてみた。

エリア岡山県その他

美咲町「食堂かめっち。」のたまごかけごはん

たまごかけごはんを「思いついた」偉人

たまごかけごはんを最初に考えた人物がいた──

と言われると、ほとんどの人が「まさか」と思うに違いあるまい。あんなシンプル極まりない食べ物、発案者もなにもないだろう、と。

ところが「いた」……らしい。明治時代に活躍したジャーナリスト「岸田吟香(きしだ ぎんこう:天保4年生〜明治38年没)」という人物である。

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▲岸田吟香(提供:美咲町役場)

 

ジャーナリストのほかにも目薬の販売など実業家や教育者などとしても功績を残した岸田は、画家の岸田劉生(きしだ りゅうせい)や、宝塚歌劇団の演出家でラインダンスの考案者である岸田辰彌(きしだ たつや)らの父親でもあった。

そんな岸田吟香が生まれた場所が、現在の岡山県 久米郡 美咲町の栃原(とちばら:かつての久米北条郡 中垪和谷(なかはが たに)村)。

実は現在、美咲町はたまごかけごはんで町おこしをしており、町内にある基幹店舗「食堂かめっち。」は全国からたまごかけごはん好きが押し寄せ、休日には行列が出来るほどの盛況ぶりとなっている。

一部では「TKGの聖地」とまで言われる岡山県美咲町を訪れてみた。

 

地元民すら知らなかった偉人の意外な一面

山陽自動車道の岡山インターチェンジから、国道53号線を車で北上すること約1時間。

美咲町の中心部に到着する。

美咲町中央運動公園

目指すたまごかけごはんの店「食堂かめっち。」は、美咲町の中心に近い「美咲町中央運動公園」の中にある。

ここ「食堂かめっち。」にて、美咲町のたまごかけごはんを使った町おこしの仕掛け人の一人である、美咲町役場産業観光課の川島聖史(かわしま まさし)さんにお話を聞いた。

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▲美咲町役場 産業観光課 川島聖史さん

 

 ──川島さん、はじめまして。最初にうかがいたいのは、美咲町出身の岸田吟香が、本当にたまごかけごはんを世に広めたのかという疑問なんですが……。

 

川島さん川島さん:本当のことを言うと、実は私自身も町民もこのことを知らなかったんですよ!

 

 ──ええっ。

 

川島さん川島さん:2005年、東京の新聞社から役場に一本の電話がありまして。そこで「たまごかけごはんを考えたのは岸田吟香という説は本当なのか」と聞かれたんです。岸田吟香の存在は郷土の偉人なので知っていましたが、たまごかけごはんのことなんて初耳でした。当時、私は町の広報の仕事をしていたのですが、教育委員会にたずねてみてもわからなかったんです。

 美咲町役場 産業観光課 川島さん 2

 

 ──地元の方も最初は気づかなかったのが意外です。

 

川島さん川島さん:ええ。で、地元の方や岸田吟香記念館の方々に協力してもらい調べてみたところ、ある町民の方が香川県立図書館で「岸田吟香がたまごかけごはんを明治時代初期に食べた」と書かれた文献を発見したんです。そのことを東京の新聞社に伝えると、すぐに記事になりまして。そこで美咲町という名前がジワジワ広まっていきました。

 

 なお、岸田吟香とたまごかけごはんに関する文献は、昭和2年発行の『江戸生活研究 彗星 第二年 八月号』である。

この中の荻原又仙子が書いた「明治初期の記者岸田吟香翁」という項に以下の記述が見られた(原文ママ、記述があるのは25ページ)。

 

翁は日報社を徐々退社する下組であった時、日々紙上が桜痴居士の主宰と替った、新聞の宣伝という名目で関西 中国へ序に自製の目薬 精錡水の販売をも兼用で長い旅行をされた。翁は毎朝、旅舎の朝飯に箸をつけず、兼て用意したものか左無くば旅舎に云い付けて鶏卵三四を取寄せ、食すだけの温飯一度に盛らせて鶏卵も皆打割り、カバンから焼塩と蕃椒(とうがらし)を出し、適宜に振りかけ鶏卵和(けいらんあえ)にして食されたものだ。<中略>シテ見ると翁が随輦(ずいれん)中に旅中の朝飯は此鶏卵飯であったらしい。

 

この中で登場する鶏卵和(けいらんあえ)というのがソレらしい。ただし、岸田吟香が食べていた「元祖」たまごかけごはんは、醤油ではなく塩やトウガラシをかけたものだったようだ。  

美咲町役場 産業観光課 川島さん 3

 

──江戸時代には、たまごかけごはんはなかったのでしょうか。

 

川島さん川島さん:生の鶏卵を食べるようになったのは明治からです。吟香のたまごかけごはんの話も明治初期の話ですね。江戸時代にたまごをごはんにかける食べ方もあったんですが、かけたあとに蒸して食べていたようです。たまごかけごはんは、生の卵をごはんにかけてそのまま食べるものですから、別の料理といえますよね。 

 

年間2万人の見込みがナント7万人超え!

岸田吟香がたまごかけごはんを世に広めたことを示す文献が発見──。

そんな記事が東京の新聞に掲載されると、やがて美咲町は大きなターニングポイントを迎える。約2年後、たまごかけごはんによる町おこしへと発展したからだ。 

美咲町役場 産業観光課 川島さん 4

 

──岸田吟香から、たまごかけごはんでの町おこしへは、どのようにつながっていたんですか?

 

川島さん川島さん:新聞社の記事から約2年後、私は美咲町が誕生して初めてできた観光の部署に異動になりました。「観光地や観光資源の少ない町の観光担当って、いったい何をすればいいんだろう」と困ったことを思い出します。いっぽうで「町の産業である養鶏やたまごを使って何かおもしろいことはできないか?」という初代美咲町長の強い思いもありました。そこで、岸田吟香のエピソードを使わない手はないなと。お店は、岡山国体が開かれたときに観光客向けのうどん店として利用されていた「食堂かめっち。」を、そのままたまごかけごはん専門店としてオープンすることに決まりました。

 

かめっち。の前の広場にある たまごかけごはん記念撮影用パネル

そして、いよいよたまごかけごはん専門店が本格的に始動する。 かと思いきや……。

 

川島さん川島さん:「食堂かめっち。」のオープンは2008年1月でしたが、オープン前に取材に来たのは地元の新聞社1社のみ。というのも、この取り組みに自信がなかったので、いっさいプレスリリースを出してなかったんです。でも、その新聞社の記事が出てから、取材依頼が殺到して。オープン日から2〜3日で岡山県内のマスコミはほぼ全部取材に来たんじゃないですかね。私自身も驚きましたよ。世の中には、たまごかけごはんが好きな人が多いんだな〜って。

 

──まさに、降って湧いたブームとはこのことですね。

 

川島さん川島さん:ただ正直、2カ月くらいでピークは終わると考えていました。たまごかけごはんって、全国どこでも、どこの家庭でも食べられるものじゃないですか。だから来客数の数値目標なんて考えていなかったんですね。そしたら取材に来られた方々が口々に「数値目標を教えてくれ」っていうんで、慌てて計算して、出した数値が1日50人で月間1500人。年間にすると1万8千人。これにプラスαで年間2万人くらいかなぁ、と答えたんですよ。ところが、実際には年間7万人を超えるお客さんが来て下さいました。

 

美咲町役場 産業観光課 川島さん 5

 

──うれしい誤算ですね。

 

川島さん川島さん:心からありがたいと感じています。全国どこでも食べられるたまごかけごはんが、美咲町=たまごかけごはんとなりました。まずは、たまごかけごはんを美咲町に食べに行って、それがきっかけで美咲町のことを知る。うまく美咲町のストーリーになったのかなって思いますね。 

 

たまごかけごはんは「美咲町の詰め合わせ丼」

川島さんの話でもチラッと出てくるとおり、美咲町がたまごかけごはんを名物としたのは、岸田吟香の出身地というだけではない。 

美咲町にある西日本最大の養鶏場・美咲ファーム

▲美咲町は養鶏業が盛んで、西日本最大の養鶏場「美咲ファーム」がある。まるで工場かと思うような巨大な養鶏場だ

 

美咲町大垪和西地区にある棚田

▲さらに米作りも盛んで、町内には「日本の棚田百選」に選ばれた大垪和西(おおはが にし)の棚田小山の棚田もあるのだ。田植えや稲刈り間際の時期には、大勢のカメラマンが撮影に訪れる

 

美咲町の旭支所(旧 旭町役場)敷地内にある 岸田吟香記念館

▲町内の総合支所(旧町役場)の敷地内には、岸田吟香記念館がある

 

つまり、美咲町はたまごかけごはんを広めた人物の出身地であり、たまごかけごはんの材料の産地でもあるわけである。

 

川島さんは、たまごかけごはんは「美咲町の歴史文化の詰め合わせ丼」だと語る。

美咲町役場 産業観光課 川島さん 6

川島さん川島さん:正直、私はたまごかけごはんを名物にしようとか、B級グルメをつくりだそうとかいう考えはまったくなかったんです。岸田吟香というたまごかけごはんを世に広めた人の出身地で、町の名産である卵やお米を味わって、それをきっかけにして美咲町のことを知って欲しいだけなんですよ。とにかく観光地が少ない美咲町に人を呼びたかったんです。美咲町は名所旧跡も少なく、観光産業が成り立っていませんでした。いまだに観光協会もないんですから。

 

──あくまでB級グルメではなく、美咲町そのものを味わうという感じですね。

 

川島さん川島さん:おっしゃるとおりです。美咲町の卵や米が日本一だとか、最高だとかいうつもりもありません。日本では、いろいろな場所においしいものがたくさんありますから。ただ「かめっち。」に来られた方が、みなさん「おいしい」と言いながら、おかわりもたくさんしてくれます。それは美咲町の卵や米はおいしい証なんだろうと。ありがたいことです。その一言で、養鶏業者や米農家も元気になれますから。

 

──シンプルなたまごかけごはんが、とてつもなく奥深いものに見えてきました。

 

川島さん川島さん:もともと美咲町は、久米郡町(あさひちょう)・中央町(ちゅうおうちょう)・柵原町(やなはらちょう)という3つの自治体が2005年に対等合併して新設された町です。3つの町とも観光資源に恵まれていません。しかし合併してひとつの町となり、美咲流の「たまごかけごはん」ストーリーが誕生したのです。私は旧中央町の出身ですが、私が高校生・大学生のころ「中央町ってどんな町?」って尋ねられると、きまって「よくわからない」と答えていました。

 

──自分の町のことを知らなかったとは意外ですね。

 

川島さん川島さん:そうなんですよ。町のことを知らない、郷土愛に欠けた少年でした(笑)。しかし今の子供たちは、美咲町といえば「たまごかけごはんが有名」「ピオーネがおいしい」「桜がきれい」「棚田が好き」「亀の形をした駅がある」「昔は鉱山で栄えていた」など、次々とキーワードが出てくるんです。そんな子供たちを見て、私はいつも「すごい」「すばらしい」と感動しているんですよ。たまごかけごはんから、棚田という中山間地域の風景が思い浮かぶこと。また養鶏場をはじめとする産業、岸田大先輩の活躍が語れる。たまごかけごはんが、そういったひとつの「ツール」になればと思っています。まさに、たまごかけごはんは美咲町の歴史文化の詰め合わせ丼なんですよ。

 

「黄福の黄色いハンカチ」が掲げられているようす(亀甲駅構内)

▲亀甲駅の構内には願い事が書かれた「黄福の黄色いハンカチ」がたくさん。映画にヒントを得て設置された

 「黄福の黄色いハンカチ」を使った観光マップ

▲棚田をめぐる黄色いハンカチ観光マップも作成。棚田ファンも多く訪れるという

  

名物TKGを求めて「食堂かめっち。」へ

それでは実際に「食堂かめっち。」で、たまごかけごはんを注文して食べてみた。 

場所は、美咲町の役場などがある中心部に近く、国道53号線からすぐ。JR山線の亀甲(かめのこう)駅からも徒歩で15分ほどで、アクセスは良好だ。 

美咲中央運動公園のようす

▲「食堂かめっち。」は美咲町中央運動公園の中にある。そのため駐車場も規模が大きい

 

「食堂かめっち。」のようす

▲運動公園の坂を登っていくと「食堂かめっち。」が見えてくる

 

 

「食堂かめっち。」の外観

▲「食堂かめっち。」は、もともと運動公園のお客さん向けのうどん店。そのときと外観や内装はほとんど変わっていないそうだ

 

「食堂かめっち。」店頭メニュー

▲店頭にはメニューが (2019年7月で唐揚げと串カツは終了)

 

「食堂かめっち。」店頭の10周辺記念メニュー

▲取材時は、開店10周年の限定記念メニューもあった(2019年7月時点)

 

いよいよ「たまごかけごはん」を注文

「食堂かめっち。」店内のようす

▲「食堂かめっち。」の店内は全部で18席。食べることに集中できる、シンプルな造りだ

 

「食堂かめっち。」店内のようす

▲壁際にはここを訪れた有名人のサインがぎっしり

 

「食堂かめっち。」の順番待ち表

▲休日ともなれば終日行列ができることも。入口にある順番待ち表に名前を書いて待つ

 

「食堂かめっち。」の食券販売機

▲「かめっち。」は食券制(画像は2019年7月時点のメニュー)。入口の横にある券売機で食券を買ってから、席について店員に食券を渡すスタイルだ。なお、券売機で使用できるのは1000円札と10〜500円硬貨のみ。事前に両替しておくべし

 

「食堂かめっち。」の券売機の「黄福定食」のボタン

▲お店のおすすめは、やはり「たまごかけごはん」。白米・生卵1個・味噌汁・漬物がセットになって「黄福定食」(税込350円)というメニューで提供されている

 

子供向けに量を減らした「こども定食(税込200円)もあるのも、家族連れにはうれしい(注文は6歳以下限定)。

さらには、「かめっち。」で使用されている美咲ファームの卵も買うことができる。

ほかにも以下のメニューがそろう。

  • 森のたまご(美咲ファーム産)……300円
  • 黄福巻き(出汁巻き玉子)……300円
  • 黄福のオムレツ……300円
  • 黄福オムライス……600円
  • 黄福親子丼……600円
  • カルボ(開店10周年の限定記念メニュー)……600円
  • トントン(開店10周年の限定記念メニュー)……600円

もちろん、この取材で「かめっち。」に来たからには、まずはたまごかけごはん一択だろう。というわけで「黄福定食」を注文した。

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」

▲注文後、すぐに運ばれてきた。これが美咲町のたまごかけごはん「黄福定食」の全貌だ!

 

まずはごはん、次に玉子だけ、最後にかき混ぜる

では、このたまごかけごはん、どう食べればよいのか。再び川島さんに登場してもらおう。

 

──たまごかけごはんのおすすめの食べ方はありますか?

 

 川島さん川島さん:まずは、ごはんをひとくち食べてください。できれば真ん中の方がいいですね。

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のごはん

川島さん川島さん:このお米は「棚田百選」に選ばれている美咲町 大垪和(おおはが)西地区の棚田でとれたお米(通称「棚田米」)なんですよ。まずは、素材の一番手、お米の味を味わってください。

 

──粒が立っていて、水分もほどよく、すでに感動しています。

 

川島さん川島さん:美咲町のごはんをよく味わったら、今度はたまごを割って、ごはんの真ん中に落としてください。ちょうど先ほどごはんをすくった部分が穴になっていますよね。

 

──あ、確かに。

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のごはん

 

川島さん川島さん:その穴へ生たまごを落とし入れてください。 

 

──了解です!

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」の卵

 

川島さん川島さん:次に、美咲町のたまごだけを味わってみてください。

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」の卵

 

川島さん川島さん:このたまごは、町内にある西日本最大の養鶏場「美咲ファーム」のものです。産みたての新鮮なたまごが毎日納品されているんですよ。

 

──インタビューのバイアスを抜きにしてもおいしいです。とにかく味が濃い!

 

川島さん川島さん:たまごも味わったら、ごはんとたまごをかき混ぜます。お好きなだけかき混ぜて食べてください。

 

──いよいよ、たまごかけごはんの完成ですね。いただきます!

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のたまごかけごはん

 

川島さん川島さん:仕上げに、美咲町内にある江原醤油の醤油をお好きな量かけて食べてください。

 

──醤油なしでも十分おいしいのですが、もちろん醤油もいっときます。

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のたまごかけごはん

 

川島さんのおすすめの食べ方で食べてみると、美咲町という場所にわざわざ訪れて、そこの米・卵・醤油という特別感が味わえるような気がした。これはとても大事な要素だと思う。

 

しそ・ねぎ・のりのタレで味変も楽しい 

350円で満腹になるまで、たまごかけごはんを楽しめる。まさに、たまごかけごはん好きには天国。 

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のおかわり注意事項

▲なお、黄福定食のたまごかけごはんは、おかわりが無料・無制限(完食したときのみ)。たまごのみの追加は1個30円かかる

 

おかわりができるのは「黄福定食」のごはんと卵のみで、それ以外はおかわりの対象外だ。

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のたまごかけごはん用の3種のタレ

▲お店の卓上には、醤油以外に「しそ」「ねぎ」「のり」の3種類の特製タレも。おかわりしながら、それぞれの味を楽しんでみるのもおすすめ

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のたまごかけごはん用の「しそ」タレ

▲「しそ」の中には、刻んだしその葉が入っている。しそ独特のさわやかな風味でサッパリとした味わいが特徴的

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のたまごかけごはん用の「ねぎ」タレ

▲「ねぎ」には、刻んだねぎが入っている。少し赤みがかっていてゴマ油の風味が印象的。パンチの効いた味だ

 

「食堂かめっち。」の「黄福定食」のたまごかけごはん用の「のり」タレ

▲「のり」の中には、のりが入っている(画像ではわかりづらいが……)。のりの風味がたまごとよく合う

 

ちなみに、3種のタレは「かめっち。」でつくられている。なお、ごはんの量も調整できるので、たくさん食べられないが3種類のタレを食べ比べしたいなら、ごはんの量を少なくして注文してみるのもアリだろう。

 

川島さん川島さん:でも、おいしいからといって食べ過ぎには注意ですよ!!(笑)

 

TKG以外のメニューも食べてみた

せっかくなので、たまごかけごはん以外のメニューも食べてみた。

「食堂かめっち。」のオムレツ

▲「黄福のオムレツ」(300円)を注文。いわゆる具の入っていないプレーンオムレツだ。使っている卵はもちろん、美咲町の美咲ファーム産

 

「食堂かめっち。」のオムレツ

▲オムレツの表面はフワフワ、中はトロットロ。 ほのかに香る甘いバターの風味がたまらない!

なお、オムライスもあって、こちらは600円。

私は、親子丼やオムライス、出汁巻き卵が大好きだ。だが、今回の主役はたまごかけごはん。さすがにたくさん食べられないので、未練が残るが注文しなかった。

次回の訪問時には、ぜひとも親子丼・オムライス・黄福巻きも存分に味わってみたい。

美咲中央運動公園の遊具

▲「食堂かめっち。」のある運動公園内には巨大な遊具もあり、子連れにも優しい

 

ところで、なぜ店名が「かめっち」なの? 

「食堂かめっち。」の看板

ここで気になるのが店名の「かめっち」。この記事を読んでいて、亀など出ていないから不思議かも知れない。

 

岡山県民や鉄道好きにはわかるかもしれないが、美咲町役場がある町の中心部にあるJR山線の駅名は「亀甲(かめのこう)」。 

亀甲駅の表札

しかし、亀甲という地名は実在していない

では、なぜ?

 

亀甲岩

▲実は、駅のすぐ近くに亀の甲羅のような形をした巨岩「亀甲岩(かめのこういわ)」がある

 

亀は縁起がいいということで、駅の名称に採用されたわけだ。 

亀甲駅舎 全景

▲平成7年(1995年)に完成した駅舎

 

亀甲駅舎の亀頭部分

▲なかなかのインパクト。このユニークな駅舎を撮るために降りる人が後を絶たない

 

亀甲駅周辺の亀の名前を使った店

▲駅の周辺には亀を使った名前のお店があったり……

 

亀橋

▲亀の名を冠した橋や

 

亀橋にある亀の像

▲亀をモチーフとするものが多い

 

そんなわけで、たまごかけごはんのついでに、縁起の良いかめを探してみてもいいかもしれない。

 

「土地の幸」を楽しもう

「食堂かめっち。」の入口
たまごかけごはんを広めた美咲町出身の岸田吟香、3町が合併した美咲町の養鶏・棚田という町の宝、それらをたまごかけごはんが一つのストーリーとしてつながって、たまごかけごはんの町・美咲町が生まれたのである。

 

「かめっち。」の取材のあと、亀甲駅や亀甲岩、岸田吟香記念館、岸田吟香記念碑・像そして青々とした稲が広がる大垪和西の棚田を訪れてみた。

岸田吟香像

▲岸田吟香の出身地区である栃原(とちばら)には、岸田吟香の像と記念碑が建てられている 

大塀和西の棚田

▲大垪和西の棚田は、棚田百選に選ばれている

「かめっち。」でたまごかけごはんをたらふく楽しんだら、ぜひ美咲町の「宝」も味わって欲しい。心身の疲れもきっと吹き飛ぶはずだ。

 

参考リンク

www.town.misaki.okayama.jp

 

 

店舗情報

食堂かめっち。

住所:岡山県久米郡美咲町原田2155
電話:なし(運営:株式会社 美咲物産 0868-66-1123)
営業時間:9:00~17:00(L.O.16:30)
定休日:年末年始

www.hotpepper.jp 

 

書いた人:アサノヨウスケ

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岡山県出身、広島県在住のライター。昭和50年代生まれ。好奇心旺盛で、フラッと出かけて地域の文化を探るのが好き。特に名物・銘菓・名産などに興味があって、裏側のストーリーをいろいろ調べたい。ほかにも地名由来を探ったり、古い町並を散策したり、神社に参ったり、食べ歩きをしたり、写真を撮ったりしている。 Web:きびナビ Twitter:@asnyskJP Instagram:yosukay

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