商店街に週2限定で現れる 鶏肉店が営む立ち飲みって何だ!?【京都】

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関西では立ち飲みブームと言われて久しい昨今(東京ではどうなんでしょうか)、京都では、鶏肉店が立ち飲みをしていて、しかも話題らしい……ということを聞きつけて、さっそく行ってきました。

 

鶏肉店が立ち飲みにモデルチェンジ

 3月のまだまだ寒い日、京都の二条城の北から伸びる堀川商店街にて、時間は18時ごろ。 突如目の前に、ビニールシートで覆われたお店が出現!

 

昼間は鶏肉専門の精肉店として営業していますが、水曜と金曜の夜だけ、お店の前にカウンターを作って立ち飲みの営業をしています。しかしビニールシートとはなんとも異様な光景。これは夏には開いてとても開放的なお店になるそうです。

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横では店主が、焼き鳥を焼いています。

中に入ってみると、サラリーマンらしき方が2名、すでに飲んでいました。 カウンターにはたくさんのフードメニュー。焼き鳥が20種類近くあり、揚げ物や一品も充実しています。

  

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まずはここで番号札を受け取り、注文。

 

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はじめての来店でもわかりやすいよう、利用方法が看板で書かれています。

 

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チューハイのレモンを飲みながら注文した唐揚げを待っていると、 店主の大橋さんが出てきてくれました。

 

3カ月に1度の「フォアグラ祭」

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ここでホワイトボードに、「フォアグラ祭」なる文字を発見。

 

お客さん、いい日に来ましたね。今日は3カ月に1度のフォアグラ祭りなんですよ(大橋さん)

 

えっ、そう言われると注文したくなる……。というかフォアグラ祭りって何だ!? 立ち飲みでフォアグラが出てくるなんてリッチすぎる!

 

すかさずフォアグラ注文をして、加えて焼き鳥数本と唐揚げを注文。 その他一品メニューも豊富にあって、目移りしてしまいます。

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鴨のスモークと苺のサラダ……?

 

肉汁じゅわーな鶏肉と、Aさんの登場

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▲モモ肉の唐揚げ(4個)300円

 

注文していた唐揚げがやってきたので、いただきます。 サクサクの衣と、柔らかいお肉、そして何と言っても甘みのある、懐かしいような、珍しいような、クセになる味! さすが鶏肉店の唐揚げ!

 

こそこそ写真を撮影していると、 「この唐揚げはこのソースで食べなさい」との声が。 横を向くと、最初からいるサラリーマンのお客さん(Aさんとします)。僕にチリソースをおすすめしてくれました。 

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こういう常連さんからのアドバイスには全力で乗っかるもの。いただいてみます。 チリソースをかけて……ガブリ。

 

おっ、これは! ソースの甘みと辛みがマッチしてさらにおいしく変身してる!

 

「ソース、美味しいでしょ? まあこれは僕が持ち込んだんだけどね」とAさん。 彼はどうやらかなりの常連さんらしいです。

 

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▲瓶ビール 400円

 

ここは、サッポロの赤い星のラベルのビールが飲める珍しいところなんだ。赤ラベルは生がないから、僕はこれをジョッキでいただくわけ。唐揚げとビールが最高なの(Aさん)

 

僕はチューハイ。すみませんビールが飲めないんです……という話を伝えつつ、Aさんにお店のお話をうかがってみました。

 

ここは創業50年以上のお店で、こちらの唐揚げは丹波産の地鶏を使っていて、冷めても美味しいと評判なんだよ(Aさん)

 

確かに冷めても柔らかく味が染み込んでいます。

 

あと、フォアグラは頼んだ? 赤字覚悟の恒例イベントで、店主は昔ホテルの洋食出身だから、ソースも美味しいんだよ(Aさん)

 

全力でフォアグラをすすめてくれました。 なるほどホテルの洋食で腕を振るっていたからこそフォアグラ祭りか!

 

というところで、フォアグラのソテーと焼き鳥が運ばれてきました。 

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▲フォアグラのソテー 1,000円、焼き鳥(1本)100円

 

フォアグラが! 大きい! 普段あんまり見られないボリュームだ……。口に頬張ると、濃厚な風味が広がり、ゆっくりと溶けていきます。フォアグラだけを一人でゆっくり食べるって、最高の時間ですね。思わず笑みがこぼれます。

 

「美味しいでしょ!」 とAさんも満面の笑み。AさんはSNSの操作が得意ではない店主に代わって、お店のfacebookの更新なども行っているかなりの常連さん……というか、もはやスタッフかも。

 

毎週にようにバスに乗って飲みにくるのだというから、筋金入りである。

 

「これも食べる?」 と言ってAさんがくれたのが、気になっていた「鴨スモークと苺のサラダ」と「皮のぽりぽりあげ」。気さくにおすそわけしてくれたり、あげたりできるのも、立ち飲みの醍醐味ですね! 

 

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▲鴨スモークと苺のサラダ 500円

 

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▲皮のぽりぽりあげ 200円

 

いいんですか、すみません、と言いつつ、いそいそいただきます。

 

うーん、サラダは苺と鴨がよく合う、さっぱり味。フルーツと肉の組み合わせって、海外ではメジャーな組み合わせですもんね。生のマッシュルームが入っているなど、リッチな一皿です。

 

そして、カレー風味の皮もお酒によく合います。 安くて、美味しくて、とても素敵なお店だ! あとAさんの人の良さ! こんなにいい人が常連さんの飲み屋は、いいお店だと相場が決まっています。

 

立ち飲み屋開店のワケ

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感動したところで、店主大橋さんも登場。

 

立ち飲みスタイルは、普段店頭で売っていた唐揚げと焼き鳥を、できたてのタイミングで食べてもらいたくて始めたのだとか。ちょうど商店街の夜店のイベントでつくった椅子の木材が余ってしまったことから思いついたのだそう。

 

立ち飲みは今年で3年目。最初は試しにお店を開いてみただけで、メニューも唐揚げと焼き鳥だけだったのが、今やひっきりなしにお客さんが訪れるお店に。

 

水・金だけじゃなくてもっと開けたいんですけどね。仕込みとかの関係で増やせないのが現実。だったらサービスをあげようと、品数を増やして、週替わりのメニューも充実させました(大橋さん)

 

フォアグラは週替わりのメニューで、それ以外の時は、大橋さんの気まぐれ、中華や洋食、和食など、様々なメニューが楽しめるとか。何度も訪れる楽しみになりますね。

 

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気づかないうちに入れ替わり立ち替わりで席はいっぱい。

 

さらに人は入れ替わって、この店で偶然2回目の出会いを果たしたという若者たちとともに、Aさんにも入っていただいて撮影。この「人の輪」感、いいですね。

 

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最後に締めとして特製の白いスープをいただきました。骨付きもも肉などを煮込んだ鶏ガラスープで、ほんのり塩味の、とてつもなく優しい味です。

 

これをベースにカレーを作ったら、すごく美味しそうと思っていたら、カレーもメニューにありました。Aさんに聞くとやはり絶品とのこと。また次回、来た時にもっといろいろ頼んでみようと思います。

 

番号札を持って、お会計へ。 夜になると商店街に出現する立ち飲み(冬はビニールハウス)は、お客さんたちに愛される、鶏料理が絶品のお店でした。ここは通い詰めたい! 水・金の夜は、堀川鳥岩に集合です!

 

お店情報

堀川鳥岩

住所:京都京都市上京区西堀川通下長者町角
電話番号:075-441- 4070
営業時間:17:30~22:00(LO)
定休日:日曜休、祝日は不定休
※店舗営業は11:00~19:00

※本記事は2016年3月の情報です。

 

書いた人:松永大地

松永大地

1981年、静岡県生まれ。大学から京都に住み、早17年。出版社、大学勤務を経てフリー。唐揚げとミルクが好物です。お酒は極めて弱く、チューハイ2杯が限界ですが、酒場とアテは好き。

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