缶詰で炊き込みご飯を作ったら?さっそくやってみた【炊き込みご飯合戦】

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スーパーの缶詰売り場をぼんやり眺めている時に、ふと思いつきました。

「缶詰で炊き込みご飯を作ったら、どうじゃろか?」

缶詰はいざという時の非常食としても、旅先などでも使えて、常にストックしときたい便利な食品ですよね。

 

そんな缶詰を使った炊き込みご飯。いざとなったら、飯盒(はんごう)でも作れちゃうし、これは試す価値ありでは? ……てかまぁ、単純に好奇心から食べてみたいって思ったのが本音ですが、とにかく一度作ってみようと思います。

と言うことで、今回はちょっと高級で魅力的な缶詰を厳選し、炊き込みご飯合戦を決行します。


さっそく選抜選手のご紹介です。バラエティ豊かな強者を5缶そろえました。

1番目:鯨の大和煮缶詰
2番目:わた入り するめイカの缶詰
3番目:オイルサーディン缶
4番目:コンビーフ缶詰
5番目:燻製牡蠣のオイル漬け缶&ムール貝の白ワイン蒸し缶

さぁ、さっそく片っぱしからじゃんじゃん作ってみましょう! レッツゴー!

おっとその前に、今回の炊き込みご飯の共通ルールとして、いくつか設定しました。


◎缶詰の固形量100g前後に対して、米1合で炊く。

◎味付けの調味料は、缶詰に合いそうなものを自由に使ってよし。

◎一緒に炊いてOKの具材は、ごぼう、しょうが、にんにく、トマト缶、仕上げの万能ネギのみ。

ではまず、一番手の鯨の大和煮缶詰からいってみよ〜!

1:鯨の大和煮缶詰で、炊き込みご飯

お酒のつまみにもご飯のおかずにも合う、鯨の大和煮。スーパーの棚でおいしそうな鯨缶が鎮座ましましたので、思わず買ってしまいました。見た目はお肉っぽいです。

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【材料】2人分

  • 鯨の大和煮 固形量120g ※目についたものを買ったら、たまたま120gだった。以下同
  • 米 1合
  • ごぼう 8cmくらい
  • しょうが ひとかけ(千切り、荒くて良い)
  • 万能ねぎ 適量

<調味料>

  • ごま油 小さじ1(炊き込みご飯には、油分がある方がうまい)
  • 醤油 小さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 塩 少々

 

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1)米1合をといだら、鍋(または炊飯器)に、水+しょうゆ+酒を合わせて180ccの水分を加えて(=米と同量)、20分ほど浸水する。この時に、刻んだしょうがも一緒に入れておく。

2)その間に、ごぼうを回しながら鉛筆を削るように切って、変色予防のため水にさらしておく(炊く寸前なら、水につけなくて良い)。

3)20分たったら、1の鍋に、ごぼう、鯨の大和煮を汁ごと、ごま油、塩ひとつまみを加えて炊く。

 

ごぼうが水を吸うので、ここでさらに大さじ1程度の水を追加しましょう。
私が今回使ったホーロー鍋だと、最初は強めの中火→沸騰したら弱火で9〜10分くらいでOKでしたが、炊飯器の場合は普通に炊けば大丈夫でしょう。

 

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4)炊き上がったら、10分蒸らした後、万能ネギを加え、しゃもじでかき混ぜたら出来上がり。
※もし味見して味が薄い場合は、塩を少々足してから、かき混ぜてください。

ごぼうは某料理本で、鰻と一緒に炊いたメニューを見つけて、鯨の大和煮でもまねしました。ごぼうの風味が加わるのと、食感が変わって食べ進んでも飽きないので、ごぼう入りは結構おすすめです。

 

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[自己採点](5点満点評価)★★★☆☆
クセのある脇役陣がいると成立。まだまだ伸び代がありそうな予感。


えーとですね、お味はまぁ普通でした。悪くはないんですが、鯨の大和煮が意外とクセがなく、甘めの味付けだったので、もっと塩味を効かせればよかったと反省しました。

鯨の大和煮を主役に炊き込みご飯にすると、やや個性が弱いかもしれません。でもその後、山椒をふって紅ショウガを乗せて食べたら、メリハリが出てグッとおいしくなりました。クセのある脇役陣がいると成立する感じ。まだまだ伸び代がありそうな予感です。


2:わた入りスルメイカの缶詰で、炊き込みご飯

「わた入り」にひかれて買ってみました。缶には“北海道で水揚げされたスルメイカを、わたを入れたまま手詰めし、能登いしり(いか醤油)で味付けした限定品、酒の肴にぴったり”と書いてあります。きっと、ぬるめの燗と一緒が似合いそうですが、ここはぐっと我慢して、さぁ炊き込みご飯を作るのだ。

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【材料】2人分

  • わた入り するめイカの缶詰 固形量95g
  • 米 1合
  • ごぼう 8cmくらい
  • しょうが ひとかけ(千切り、荒くて良い)
  • 万能ねぎ 適量

<調味料>

  • ごま油 小さじ1
  • ナンプラー 小さじ2
  • 酒 大さじ1

 

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缶には大きなイカの塊がゴロゴロと3つ入っていました。

 

イカは一口大に食べやすく切ってから鍋に投入。作り方は、鯨の大和煮の炊き込みご飯と一緒ですので、割愛します。ただし今回は、醤油の代わりにナンプラーを加えてみました。思いの外、イカのわたが大量に入ってます。これは炊き上がりが楽しみです。

 

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炊き上がってから、蒸らした後にふたを開けたら、想像通りにイカのわたがお米になじんでおいしそう。すでに炊いてる時から香ばしい良い匂いが漂っていましたが、かき混ぜるとさらにイカアロマ倍増。思い切り食欲をそそられます。ではさっそく試食。

 

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[自己採点](5点満点評価)★★★★★
ヤバイ! これ! めっちゃうっまーい!!! 調味料をナンプラーにしたのも大正解。

 

コクうま味と苦味がマッチして、うまい、うますぎる。ずーっと箸が止まりませんでした。一杯だけではおさまらず、次々とお代わりしたことは言うまでもありません。というか、あまりにおいしくて1合全部平らげてしまいました。

ダイエットしないとならぬ豊満ボディなのに、うっかりでした。あと今回、調味料をナンプラーにしたのも大正解でしたね。これは定番メニューにしたい。お酒の後で〆ごはんにでも出そうものなら、招かれた客人が大喜びしそうです。

 

3:オイルサーディン缶で、炊き込みご飯

お次はオイルサーディンこと、イワシの油漬。これで作るパスタがうまいんだから、炊き込みご飯だってきっとうまいはず! という単純な理由でチョイスしてみました。さて、どうなるか?

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【材料】2人分

  • オイルサーディンの缶詰 固形量75g
  • 米 1合
  • しょうが ひとかけ(みじん切り)
  • ニンニク ひとかけ(みじん切り)
  • 万能ねぎ 適量

<調味料>

  • カットトマト缶 大さじ3くらい
  • 醤油 小さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 塩 少々

 

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炊く時の水分量ですが、醤油+酒+水の総量と米が同量です。その他に、カットトマト缶を大さじ3ほど加えます。今回はオイルサーディンですから、別途油は足さず、缶詰の油分をそのまま利用します。今回の塩加減は、塩ふたつまみほど入れました。

 

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今回も炊いてる最中の香りがたまりませんでした。炊き上がりは、トマトが入ったから鍋底におコゲもできて、ちょっとパエリアぽい印象です。豪快にかき混ぜてから、器に盛りつけます。

 

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[自己採点](5点満点評価)★★★★★
思わぬ伏兵登場。ぺろり完食! こりゃ参った。

 

オイルサーディン缶を侮るなかれ。

ぶっちゃけ、作る前はここまでおいしいと思っていませんでした。それにしても和風パエリアがこんな簡単にできちゃうなんて驚き。オイルサーディンの油と青魚の風味がご飯になじんで、うま味が想像以上でした。

カロリーを考えるとナンですけど、心の満足度は大きい一杯。まだ3品しか作ってない段階で言うのもなんですが、わた入りイカ缶の炊き込みご飯と1、2を争うおいしさでした。また肥えちゃう〜と嘆きながらも一合完食。これもまた、おもてなし料理にイケますね。

 

4:コンビーフ缶詰で、炊き込みご飯

いよいよコンビーフ缶詰の登場です。昔から存在しながらも、個人的にはイマイチ扱いに困る缶詰でした。しかし、だからこそこの機会に試してみたかった。さてどうなるか!?

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【材料】2人分

  • コンビーフ缶詰 固形量100g
  • 米 1合
  • ごぼう 8cmくらい
  • しょうが ひとかけ(みじん切り)
  • 万能ねぎ 適量

<調味料>

  • 醤油 小さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 塩 少々

 

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コンビーフ缶はあえてほぐさず、このままの状態で炊いてみました。作り方は、鯨の大和煮の時と一緒です。ただし、コンビーフに油分があるので、ごま油は省きました。

 

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いよいよ炊き上がり、ふたを開けると…。なんとコンビーフ缶はいっさい煮崩れることもなく、最初と変わらぬ姿で凛と立っていました。

 

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ですが、コンビーフ缶にしゃもじを入れると、あっけなくほぐれて、米とよく混ざります。


コンビーフの赤身が色鮮やかで、見た目はとてもおいしそうです。いざ実食!

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[自己採点](5点満点評価)★★★★☆
一杯目は最高です。ごぼうを入れたのが正解。

 

これもおいしかったです。コンビーフの塩分と油分がコクにつながり、満足度が高い。もしあれば、薄焼き卵を細く切って上から散らしても、色味的にも味的にも良さそう。

ただですね、もはや育ち盛りをとうに過ぎた中年の私には、二杯目以降はちょっとくどく感じました。逆に言えば、一杯で「しっかり食べた〜!」という気分になれて満たされます。ごぼうは、味が単調にならずに済み、入れて正解でした。あと、来客時に、炊き上がりの鍋ごとテーブルに出して、コンビーフをほぐすパフォーマンスすると、客人にウケるかもしれません。

 

5:燻製牡蠣のオイル漬け缶&ムール貝の白ワイン蒸し缶で、炊き込みご飯

最後は、燻製牡蠣のオイル漬け缶とムール貝の白ワイン蒸し缶の合わせ技で豪華にいってみます。

どっちも白ワインのお供に食べたい魅惑的な代物。思わずゴクリと喉が鳴ってしまいます。しかも今回買った缶詰で最も高級だった2品を一緒に炊くので、大変セレブ。お値段的にも期待大です。

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【材料】2人分

  • 燻製牡蠣のオイル漬け缶&ムール貝の白ワイン蒸し缶詰 固形量 計100g
  • 米 1合
  • しょうが ひとかけ(みじん切り)
  • ニンニク ひとかけ(みじん切り)
  • 万能ねぎ 適量

<調味料>

  • カットトマト缶 大さじ3くらい
  • 醤油 小さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 塩 少々

 

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これもカットトマト缶を入れるので、パエリアっぽいですね。でも味付けは醤油です。醤油とトマトは合うので、ぜんぜん問題なしです。


今回は、仕上げに黒こしょうも振ってみました。他には、ガラムマサラを小さじ1/2くらい加えてもおいしそうです。

 

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結局5品とも、うちのホーロー鍋では、炊飯時間は18分、蒸らし10分で大丈夫でした。実際にご自宅で作る際は、ご自身の炊飯事情に合わせて調整してください。

 

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[自己採点](5点満点評価)★★★★☆
これも一杯目は最高でした。が!!!

 

おいしかったですよ。確かにおいしかったんですが、はっきり言いますと、費用対効果的にもっとおいしい世界を期待しましたが、そこまでではなかったような……。

やはり、これも2杯目からくどく感じましたし。むしろ、オイルサーディン缶の時の方が、いくらでも食べられました。ぜいたくな味わいだから、イコールおいいってもんじゃないんですね。それと、もしかしたら、ナンプラーであっさり炊いた方がよかったかもな。

 

具材が濃厚かつ個性的な場合は味付けあっさり、反対に具材が淡白な場合はこってりした味付けを目指すと、全体バランスが取れそうです。


と言うわけで、ずいぶん長くなりました!
今回の炊き込みご飯合戦の栄えある優勝者はーーーー?
(ダダダダダダダダ……ドラムロールの音色のつもり)

わた入りするめイカの缶詰と
オイルサーディン缶の、

ダブル優勝に決定!!!

 

3位はコンビーフ缶詰、4位は燻製牡蠣のオイル漬け缶&ムール貝の白ワイン蒸し缶、5位は鯨の大和煮缶詰となりました。

いやはや、それにしても炊き込みご飯合戦は想像以上においしかったです。また機会があれば、第二弾の缶詰炊き込み合戦を開催してみたいですね。

 

※この記事は2017年5月の情報です。

 

書いた人:江瀬レミ

江瀬レミ

本のデザインをしたり、インド料理を作ったり、占ったりの人。吉祥寺で月イチ・インドカレー屋もやってます。年と共に落ち着く予定が、逆にとっちらかり中。とはいえ、腹が減ったら全てを中断してでも、食べることに没入したいワガママボディ。

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