たった2種類のスパイスだけ!絶品すぎる「サーモンココナッツカレー」【東京カリ~番長】

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でらいつカレーvol.11 「サーモンココナッツカレー」のつくりかた

TOKYO SPICE CURRY(週に一度のカレー屋)」をやっていると、「どうやってメニューを考えてるんですか?」と聞かれることがしょっちゅうあります。

……あ、「TOKYO SPICE CURRY」を知らない方に説明しますと、3種類のカレーを毎週メニューを変えて出し、かつ、過去に出したカレーは作らない、というスタイルで営業しています。

もう45回以上営業しているので……ってことは、135種類以上のカレーを出していることになるんですね(こうやって数字を見るとけっこう作ってますね~。毎週のことなんで特に気にしてませんでしたが)。

おっと、メニューの考え方でしたね。はい。

毎回ではありませんんが、買い出しに行って、安い食材、あるいは安くなっている食材があると、それを基本に考えることはよくあります。

 

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こんな風に安くなっている食材があると、「よし、今週はこれでカレー作ろう!」って感じで決めるんです。

これってもう、主婦感覚ですよね。

まさに、「でらいつカレー」の連載1回目に書いた、「オトコのカレーに主婦感覚を!」 です。

www.hotpepper.jp

 

てことで、今回は、スーパーに行ったときに安く売っていた「サーモン」を使ってカレーを作りたいと思います。

でも、それだけじゃ~ちょっと芸がないですよね。じゃーこうしましょう!

使うスパイスは、たった2種類! 

これでどーだ! ハイ、決まり! 今回も元気に行ってみましょう!

 

でらいつカレー!「たった2種類のスパイスで作る、サーモンココナッツカレー」編。

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今回使う食材はコレ!

 

材料(2人分)

サーモン(切り身):2枚  ディル(フレッシュ):2本 レモン:半分  

玉ねぎ:小1個 ココナッツミルク:200ml ヨーグルト:大さじ3 

粒マスタード:小さじ2 コリアンダーパウダー:小さじ2  

クミンパウダー:小さじ1 にんにく:1片  

しょうが:1/2片 青唐辛子:1本 塩:小さじ1

(※詳細レシピは最後に掲載します)

 

「たった2種類のスパイスでホントにカレーになるの?」

とお思いの方。ご安心ください。これで、ちゃーんとおいしいカレーが作れますから!

おっと! ディル。

初登場でしたっけ?

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スーパーではハーブコーナーでこんな感じで売っています。

もう少し多めのパックで売ってたりもします。

 

まずは下ごしらえから

いつもの通り、スムーズな調理のため、下ごしらえをしましょう。

  1. にんにく、しょうが:すりおろして水(分量外:50ml程度)で溶いておく
  2. ディル:茎ごと粗めのみじん切り
  3. 青唐辛子:小口切り
  4. 玉ねぎ:繊維方向にスライス(スライスする前に繊維と垂直方向に半分に切る)
  5. サーモン:食べやすい大きさに切り、塩をふり(小さじ1/2)、レモンを絞りかけよく混ぜ合わせる

(※サーモンに骨が残っている場合は、最初に取っておいた方がイイです)

それぞれこんな感じです。

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玉ねぎは薄くスライスする必要はありません。

切り方は、まず繊維と垂直方向に1/2に切った後、繊維方向に4~5mmの厚さでスライスします。ちなみに、玉ねぎ小は、切った状態の重さで100~120g程度です。 

 

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レモンはぎゅ~っと絞れば大さじ1くらい出ます。

酸味がしっかり効いたカレーがお好みなら大さじ1、ほんのりレモン風味のカレーでよければ大さじ1/2以下、そんな感じで加えてください。

以上。

 

下ごしらえの準備ができたら、調理の開始です!

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・フライパンに調理油(大さじ1.5)を中火で熱し、青唐辛子を加える。

 

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油を熱したところに加えるので、入れた瞬間ジュワッとします。油の飛びはねに注意してください。

辛いのが苦手な人は、ししとうでも構いませんが、今回はチリパウダーを使わないので、青唐辛子の辛味は欲しいですね~。

ここはぜひとも青唐辛子を使ってください!

 

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・玉ねぎを加え、強火で炒める。

でらいつカレーの熱心な読者の方ならお気づきかもしれませんが、今回は「強火で炒める」としか書いていません。

そう、「アメ色になるまで~」の状態の説明をしていないんですね。てことは、今回はアメ色になるまで炒める必要はないってコトなんですね。

「どーゆーこと?」なんて思わず、まーまー読み進めてください。

続けますよ。

 

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ハイ。いつものプチテクニック。

玉ねぎを炒める時は、塩を少し振りましょう。

これもうクセになってますよね?

ふたつまみ程度でOKです。レシピの分量外ですよ。

 

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塩を振ったらざっくりと混ぜ合わせ、2分ほど放置します。

放置するってのは、動かさない、ってことです。

 

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「アメ色玉ねぎ」を作るなら、きっちり焼き色が付くまで動かさないのですが、今回はあまり焼き色がつかないうちに、少し早めに動かしながら炒めていきます。

 

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途中で差し水をします(アメ色玉ねぎを作るときより気持ち多めの水の量です。100mlくらいですかね~)。

今回はアメ色になるまで炒めませんが、基本的には、今まで何度も書いてきた玉ねぎ炒めのテクニックは同様です。

・強火で炒める!

・放置して動かすを繰り返す!

・ちょっとくらいのコゲは気にしない!

それと、

・途中で差し水をする。

です。

ただ、今回はアメ色になるまでまで炒めないので、「ちょっとくらいのコゲは気にしない」のところは、「なるべく焦がさないように」炒めてください。

いや、いいんですよ。今回も焦がしたって。

味だけ考えたら、いつものように「アメ色玉ねぎ」を作ったっていいんです。

だって、なんで今回はアメ色にしないかというと……「色」の問題だけですから!

 

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強火で炒めているところに差し水をすると、一瞬で沸騰します。

それによって、玉ねぎがゆでられ中まで火を入れることができるんです。

 

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・にんにくしょうが水を加え、青臭さがなくなるまでしっかり炒める。

 

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「青臭さがなくなるまで」というのはかなり重要です。

しょうがは生でもイイんですが(生でトッピングに使ったりもしますしね)、にんにくが生な状態のカレーは、まーおいしくないです。

昔、「カリ~番長」で某イベントに出たときの話です。

ライブクッキングでどんどんカレーを作っていくというスタイルだったのですが、某メンバーが、カレーの仕上げに生のにんにくをドバっと入れたんです。生ですよ! ナマ!

もう驚きです。

「ラーメンか!」って!

「ましましか!」って!

案の定、マズいカレーが出来上がってました。あ、わたくしの個人的な味覚ですけどね……。本人はそれでウマイと思ってるんですから(ホント、信じられない 笑)。

おっと、青臭さがなくなるまで、の話でしたね。

目安としては一緒に加えた水分がキッチリ飛ぶまで、でしょうかね。

でも、それでも青臭いことあるからな~。

もうこれは、やってみて覚えるしかありませんなぁ。

 

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この状態はまだまだ水分が多いですよね。にんにくの青臭さも残っています。

少なくともこの水分がなくなるまでは炒めましょう。

 

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・ヨーグルトを加え、水分がなくなるまで炒める。

わかっていると思いますが、砂糖の入っていないプレーンヨーグルトです。

 

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ヨーグルトはなるべくダマがなくなるまで、しっかり混ぜ合わせながら炒めてください。これはまだちょっとダマ(白いカタマリ)が見えますね。

もう少し頑張って混ぜながら炒めましょう!

 

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あああああ……。

ちょっとカメラに気を取られていたら、玉ねぎに焼き色が付き過ぎてしまいました。

ま、いいんですけどね。

この程度なら目指す味にさほど違いはでません。

たぶんでません……

でないはずです……

でないで欲しいです……

でないでくれぇ~……。

 

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・粒マスタードを加えしっかり混ぜ合わせる。

ヨーグルトを入れた直後に加えてもOKです(玉ねぎの焼き色をおさえるなら、その方がよかったかもしれませんね……)。

 

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水っぽく見えているのは、油です。

一番最初にフライパンに入れた大さじ1.5の油です。 

 

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・弱火にし、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、塩を加えしっかり混ぜ合わせる。

ずーっと強火で炒めてきましたが、パウダースパイスを加えるときは弱火にするか、一度止めましょう。 

 

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スパイスと塩を加えたら、弱火(ごく弱火)で、しっかり混ぜ合わせながら炒めてください。

もう一回書きますが、水ぽく見えているのは、油です。

 

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これで、カレーの素は完成です。

……正直に言います。

コレ、焼き色が付き過ぎました(テヘ♪)。

本当はもう少し焼き色の付いていない状態を目指していたのですが、シャッターを切りながらだったので、火が入り過ぎてメイラード反応が進み過ぎてしまいました……(反省)。

ま、でも、最終的に目指す味にはそれほど違いはでません。

たぶんでません……

でないはずです……

でないで欲しいです……

でないでくれぇ~……。

(って、まだ言うか)

 

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・ココナッツミルクを加える。

 

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・水を加える。

ココナッツミルクを入れていた計量カップをそのまま使っているので、水が白っぽくなっていますね。紛らわしくて、スミマセン……。

 

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ココナッツミルクと水を加えたら、カレーの素をしっかり混ぜ合わせましょう。

 

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・強火にし、しっかり沸騰させる。

一度きっちり沸騰させるのがポイントです。

 

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・サーモンを加え、弱火で煮込む。

サーモンはレモン果汁ごと加えてくださいね。

 

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煮込むときは「弱火」あるいは「ごく弱火」が鉄則です。

弱火(ごく弱火)というのは、表面が小さく沸々とする程度です。

今まで何度か書いてきましたが、カレー作りの重要ポイントを表現した格言、

「強気で炒めて、弱気で煮込む!」

(by 水野仁輔/カレースター ex.東京カリ~番長)これです!

 

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煮込み時間はサーモンに火が入るまでです。

カットした大きさにもよりますが、10分もあれば十分だと思います。

煮込んでる途中は何度かかき混ぜてくださいね。

なべ底に玉ねぎが溜まりますので、底を刮(こそ)ぎながら、かつ、サーモンの身が崩れないよう、ゆっくり丁寧にかき混ぜましょう。

 

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・ディルを加え、混ぜ合わせながら1~2分煮込む。

「ディルがない場合、省略していいですか?」

という質問が聞こえてきそうですが、ん~、ここはなんとか見つけて入れてください。

ディルってサーモンと相性がいいですし、今回のカレーは、このディルの風味がポイントなんですから!

 

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最後の煮込みも、身を崩さないように気を抜かず、丁寧に混ぜ合わせましょう。

ディルが全体に行きわたったら、さー、あとは盛り付けるだけです。

 

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2種類のスパイスだけで作る、「サーモンココナッツカレー」の完成です!

 

さー、盛り付けたら、温かいうちに食べましょう!

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スパイスとディルの風味をまとったサーモン、サイコーにウマイです!

(※骨には気を付けてくださいね~。)

 

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ココナッツとほのかなレモンの酸味が効いたカレーソース、ご飯とバッチリ合っています。

 

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後半はサーモンを崩して、ご飯とソースと混ぜ合わせていただきましょう。

魚のうま味、ココナッツの風味、レモンの酸味、ご飯の甘味、これぞ今日のカレーの醍醐味(だいごみ)です!

 

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最後の一口まで、うまいカレーだな~。

 

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「サーモンココナッツカレー」、ごちそうさまでした~!

いや~、今回もすんごいうまい! ホントに!

 

おさらい

2種類のスパイスでつくる「サーモンココナッツカレー」 材料(2人分)

  • サーモン(切り身):2枚(200g程度)
  • ディル(フレッシュ):2本
  • レモン:半分
  • 青唐辛子:1本
  • 玉ねぎ:小1個
  • にんにく:1片 
  • しょうが:1/2片  
  • ヨーグルト:大さじ3
  • 粒マスタード:小さじ2
  • ココナッツミルク:200ml 
  • 水:100ml + 50ml(にんにくしょうが水用) 
  • コリアンダーパウダー:小さじ2  
  • クミンパウダー:小さじ1
  • 塩:小さじ1(サーモンのマリネに1/2、スパイスを加えるときに1/2)
  • 調理油:大さじ1.5

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  1. ライパンに調理油を中火で熱し、青唐辛子を加える
  2. 玉ねぎを加え、強火で炒める
  3. にんにくしょうが水を加え、青臭さがなくなるまでしっかり炒める
  4. ヨーグルトを加え、水分がなくなるまで炒める
  5. 粒マスタードを加えしっかり混ぜ合わせる(※④と⑤は同時でもOK)
  6. 弱火にし、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、塩を加えしっかり混ぜ合わせる
  7. ココナッツミルク、水を加えたら強火にし、しっかり沸騰させる
  8. マリネしたサーモンを加え、弱火で煮込む
  9. ディルを加え、混ぜ合わせながら1~2分煮込んで完成

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最後にワンポイント!

煮込むときは弱火で、サーモンを崩さないように!

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どーでしたか?

「サーモンココナッツカレー」。

使ったスパイスはたった2種類ですが、これだけで十分カレーになるんです!

それは、最初に加えた青唐辛子、途中の粒マスタード、そして最後に加えたディルがポイントなんですね~。

この味は食べてみないとわかりませんよね?

作ってみてください! ぜひに!

 

※この記事は2017年6月の情報です。

 

書いた人:伊東

伊東盛

料理ユニット「東京カリ~番長」のリーダー。得意技は全国各地へカレーを作りに行く「出張カリ~」。雑誌・書籍・WEB等でのレシピ紹介やカレー関連商品の監修、飲食店のメニュー開発などを手掛ける。週に一度“間借り”でカレー屋を営業中。

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