【閉店】キュートな看板娘を眺めつつ「ラクダ肉の串焼き」にかぶりつく……まさに酒池肉林な「海賊バル」を下北沢で発見!

ざわ… ざわ… シモキタざわ…

下北沢の地に足を踏み入れると、なんだか気分がざわついてくる。個人的にシモキタといえば、このあたりで阿呆のように酒をかっくらっていた学生時代の記憶ばかり。だからここに足を踏み入れると、そんな若かりし頃の無鉄砲な気分を思い出しちゃったりするワケです。うーん、南口商店街の奥でよく酔いつぶれてたなあ。

 

そんな与太話はさておき、下北沢に珍しい「南蛮海賊料理」を提供してくれるポルトガル酒場があると聞き、さっそく足を運んでみることに。つーか、そもそもポルトガル料理ってのも、なかなか味わったことのないタイプのお店ですよね。

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さっそく南口商店街を進んでいくと、おお、ありましたありました。あ、これ、聖フランシスコ・ザビエルさんじゃないですか。そうか、ポルトガル=宣教師といえばザビエルさんですもんね。

ポルトガルと言えば日本に最初にやってきた南蛮文化。だからカステラや天婦羅、コンペイ糖など、実はわが国には長崎の出島由来の伝来料理がいっぱいあるんですね。

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で、入り口らしき場所にはこんな看板が。なんだか海賊のアジトっぽい、ヤバそうな雰囲気がそそります。ここが噂の南蛮海賊酒場「BAR KAGI no TE」(バル カギノテ)ってことですな。

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さっそく店内へ。かなり暗くて妖しい雰囲気…ではあるものの、女性客が多く、楽しげな会話が弾んでいます。

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ああっ。天井の証明にはドクロのオブジェが!

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うわー、なんかこう、中世の海賊船にでもタイムスリップしたかのような不思議な気分。せっかく飲み屋さんで飲むんだから、こういう非日常を楽しめるような環境も大事なのだと思うのです。

カウンターの奥からキュートな海賊娘が……❤️

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「こんばんは。いらっしゃいませ」

と、カウンターの奥からカワイイ声。「BAR KAGI no TE」の看板娘、カナちゃんが出迎えてくれました。おお、なんとキュートな海賊娘。笑顔がとっても素敵です。

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今夜のお通しは「イベリコ・チョリソ」。

看板娘のカナちゃんいわく、なんでもこのお店の一番の売りはなんと2時間1,200円で飲み放題のコースをつけられるってこと。オリジナルのサングリアや発泡酒、焼酎なんかをセルフで注ぎ放題なんだとか。

いやこれ、オイラみたいな飲み助には最高のサービスなんですけど。

さっそくそのコースでお願いします!!!!

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まず最初のオーダーはカナちゃんが「個人的に大好物なんですよぉ♡」という「ニンジンとオレンジのサラダ」(300円)を。あ、ホントだ、人参の食感がプリプリしておいしい!

そして、気づいたらもう3杯目に突入。

だって、飲み放題なんですもん。

飲まなきゃ損、損!

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カナちゃん、サングリアまたおかわりしてもいいかな? と、調子こいてカナちゃんにばかり絡もうとするオイラ。

すると、「お客様、こちらもどうぞ」と、この店のキャプテン(店長)であるトオル氏から牽制気味にイチオシメニューの「タラとジャガイモの卵とじ」(700円)をサーブされる。

ありゃ、オイラちょっと彼女にカラみすぎましたかね(笑)?

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100%スマイルのイケメン店長さん。素敵な方です。

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それはそうと、この「タラとジャガイモの卵とじ」が、かなーり旨かったですよ。モリッとボリューミーに盛られたフライドポテトを、タラで卵とじにして、さらにアクセントに乗せたパクチーの香りも絶妙、ときた。

うん、ウマー!

気取ったところのない、ちょいジャンクで享楽的な盛り付けが男らしくて好感度大。こりゃリピーターが多いというのも頷けますね。

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飲み放題コースには入ってないけれど、カナちゃんオススメのワインもいただくことに。「ガタオ ヴィーニョ ヴェルデ」(グラス/500円)は、“緑のワイン”と言われるポルトガルの微発泡ワイン。「ヴェルデ」はポルトガルの地名。アルコール度数は9%と低めで、がぶがぶ飲めちゃう。レモンを思わせる柑橘系のさっぱりした味わい、しかもエチケットの猫ちゃんも可愛いしと、なにかと女子ウケしそうなワインだぞ!

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ちなみに「BAR KAGI no TE」のイチオシ料理は、「エスペターダ」っていうポルトガルの郷土料理で、鉄串で肉を食す素朴でワイルドな串焼きのこと。

それと、都内にポルトガル料理のお店は何軒かあるけれど、「ポルトガル風バル」という業態はおそらくここだけなんだとか。

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「豚肉とあさりのアレンテージョ風」(980円)。肉と魚介をごっそりと合わせるというワイルドな組み合わせの評判メニュー。シンプルな味付けなんだけど、妙に滋味深くてクセになる、まさに海賊たちが好みそうな味。

酒だ、酒持ってこーい! なんてひとりごちたい気分。

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さらに追加で世界三大酒精強化ワインとして有名なマデイラワイン「サンデマン ファインリッチ マデイラ」(グラス/700円)まで頼んじゃおう。酒精強化ワインとは、発酵の途中でブランデーなどを加え、アルコール度数を高くしたワインのこと。シェリー酒のようなまろやかな甘みは、まさに大人の味。

 

うーい、ワタクシ……

すっかり出来上がってまいりました。ヒック。

いよいよ「ラクダ肉」ちゃんとご対面!

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そして!

なんと言っても今夜の主人公はコイツ。

海賊サマの今夜のメインディッシュ。鉄串にぶっさされたエスペターダです。

ちなみにこのお店の肉串のラインナップ、

 

鶏モモのオレガノ風味、子羊クミン風味、馬ハラミのパストラミ風味、豚バラガーリック風味、鹿モモのグローブ風味、ラクダのカレー風味、鴨ケイジャン風味、牛ハラミのエルプド風味、キジのチーズ焼

 

……の9種類。このなかから3本をお店が選んで焼いてくれるのだ。

くぅぅぅ! ウマそう!

で、本日は「ちょっと珍しいものを」ってことで、

  • ラクダのカレー風味
  • 子羊のクミン風味
  • キジのチーズ焼き

という3本を焼いてくれることに。

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フックにぶらりとブラ下がった豪快な肉串。

こいつらが、いかにも早くとっちめてくれと言わんばかりに鎮座しております。

こいつにレモンをドバドバと絞り、ひとくちで頬張ります。

がぶり。……もぐもぐ。

うーん、ジュウシィ!!!!

聞けば「BAR KAGI no TE」さん、ジビエ(野生肉)に強いらしくて、いろいろな種類の肉を楽しめるのがウリなんですね。今日は注文しなかったけど、ほかにも鹿モモ、馬ハラミなんて珍しいものもあり、それこそあらゆる多種多様な肉をポルトガル風の串焼きで愉しめるってワケ。まさに七つの海を我が物顔で暴れまわった海賊たちが好みそうな、ワイルドで多彩なお肉ちゃんたち。

 

こうなったらもう、この店の肉ぜんぶ喰ってやるぜええええ!!(心の声)

 

で、肝心のラクダの肉のお味はというと、牛肉とラム肉の中間のような舌触りで、想像してたようなクセはなく、歯ごたえもあるけれど、けっして硬いって感じでもなくて……とにかく、ワインとの相性もバッチリ。もちろん味付けのカレー風味のスパイスもいい感じ(ちなみにオーストラリア産のフタコブラクダなのだそうです(!))。低コレステロール・高たんぱくでカラダにも良さそうだし、お肉としても普通に美味しいし、また食べたいなと思える味でした。

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それにしても……アルコールが進むにつれて、ビール樽の上に鎮座するドクロ様がまるで異国の地で志なかばに飲みつぶれた海賊の骸(むくろ)のように思えてきました。

 

だけど、シモキタはずっと、酔いどれの海賊たちにやさしい街。

それはきっと、昔から変わらないこの街の魅力のひとつです。

 

ともあれ、リーズナブルなのに美味しくて、なにより飲んでいてワクワクするお店「BAR KAGI no TE」、女のコにもオススメの良店です。

 

ふう。オイラ、今夜は飲みすぎちゃったかも!

 

お店情報

BAR KAGI no TE(バル カギノテ)

住所:東京都世田谷区北沢2-14-5 イスズビル2F

※このお店は現在閉店しています。
飲食店の掲載情報について。

書いた人:多部留戸元気(たべるこげんき)

多部留戸元気(たべるこげんき)

第2の人生を迷走中の40歳ライター。最近またリバウンド的に太り始めたのを『メシ通』の仕事のせいにしてます。きっと適度な運動と愛情が不足しているせいです。あと、カルシウムも。ここで一句…「世知辛き 世間にまみれた 不惑かな」。青臭かったあの頃みたいに、ショートカット女子を追いかける永遠の童貞小僧でありたい。

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