もはや珍味にあらず!東京・四ツ谷「オステリア クロチェッタ」で、 美味&ヘルシーな“イタリアン・ダチョウ料理“をいただいてみた

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だんだん暑い日が増えて、夏はもう目の前。さわやかな晴天が続くと、どこかに出かけて食事するのが楽しくなりますね。この時期、おいしいのが「肉」。みなさん好きですよね、肉。あ、「展開が強引すぎ」というツッコミが聞こえてきそうです。いやたしかに。お肉は1年中おいしいんですが、そよ風が気持ちの良いこの季節、オープンテラスや窓べりの席で肉料理をいただくのは格別でしょう。

そんなシチュエーションにピッタリのお店が東京・四ツ谷にある「オステリア クロチェッタ」。オープンテラスをはじめ、開放感に溢れた店内は実に気持ちの良い空間です。ただ、この店の個性は、なんといってもダチョウを用いたイタリア料理を出していることでしょう。

「ダチョウ」と聞いて、いったいどれほどの人が食べた経験があるでしょうか? かなり少数なのではと察せられますが、これがなかなかどうして。以前、ダチョウの生ハムを試食させていただいた時、赤身がすごくきれいなお肉で驚いたんですが、非常に味わい深くて美味しいんです。

イタリアンのシェフが作るダチョウ料理とはいったいどんなものなのか。思わず跳ね上がりたい気持ちを抑えつつ、東京・四ツ谷へ行ってみました。

 

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四ツ谷駅前から三栄通りを歩いていくと目指すお店「オステリア クロチェッタ」がありました。

 

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オープンテラスが用意されていて、晴れた日はこちらでも食事が可能。

 

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自然の光が差し込む窓側の席は、開放感たっぷり。

 

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バールと調理場は客席から見通せて、イタリアンレストランらしい造り。

 

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ボックス席も落ち着いた雰囲気。

 

赤身が鮮やかなダチョウ肉は脂っこくないのに、濃厚な味わい

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こちらはオーナーシェフの門脇稔さん。ではさっそく料理をお願いします!

 

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まず、ダチョウ肉を使った自信の一品が登場。

スベディーノ(ダチョウ肉の串焼き)、2,800円。旬の野菜を使うので季節によって変わることがあります(要予約)。

 

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見てのとおり、赤身がすごくきれいなお肉です。脂分は少なめなのでクセがなく、あっさりした風味で非常にヘルシー。それでいて、しっかりお肉をいただいている食感があります。

「ワインだと赤ワイン。トスカーナのワインに良く合うと思いますよ」とは、門脇オーナーシェフの談。

 

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このソーセージもダチョウのひき肉を詰めたもの。一般的な豚肉のソーセージと比べて、脂が気になりません。スモークの香りがしっかり残っていて、くせになる美味しさです。なによりビールに合いそう。いや絶対合う!

 

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あっさり最後までいただけました。 

続いて出てきたのは、ダチョウのスジ肉を使ったパスタ料理。

 

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ダチョウ肉のスジ肉のラグー(ミートソース)1,300円。

 

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「ラグー」というのは、いわゆるミートソースのこと。こちらは牛肉を使ったミートソースに比べて脂の強さや匂いがなく、それでいて濃厚な風味。ゼラチン質の食感で、平打ちのパスタにもしっかり絡み合います。 

どちらの料理もダチョウと言われなければ気付かないほどイタリアンとマッチしていました。なによりヘルシーだし、脂っこい肉が苦手な人にもオススメです!

 

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門脇オーナーシェフ、ごちそうさまでした!

 

本場イタリアでは今やジビエ肉をも凌ぐ評判?

ところで、そもそもイタリア料理でダチョウ肉という食材ってあったんでしたっけ?

そんな素朴なギモンを専門家にぶつけてみると予想外の答えが。

「もともとダチョウは、93年まで南アフリカ共和国がほぼ独占的に繁殖をさせていました。その後、ヨーロッパや日本に輸入されて広がったんです。なので、イタリアで料理され始めたのは、ほんの20年くらい前からですね」

 答えてくれたのは、ダチョウの利用を啓蒙されている加藤貴之さん。実はこのお店を紹介してくださったのも、加藤さんなのでした。

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▲“ダチョウ伝道師”こと、加藤貴之さん

 

南アフリカ共和国内で繁殖させたダチョウの肉は現地で消費されていたものの、93年に南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策に世界中が反対したことで、卵や生体輸出が解禁になったとのこと。そういえば、筆者が若い頃、南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策に反対する『Sun City』(Artists United Against Apartheid)なんて曲がありましたが、人種差別の撤廃だけでなく、動物の輸出入規制にまで影響が及んでいたとは。

 

そんな経緯から、1993年を境にしてダチョウの卵や生体は、イタリアをはじめヨーロッパへ輸入されて広がっていったのだそう。イタリアでも、お肉といえばやはり牛肉や豚肉、鶏肉が一般的ですが、近年ではウサギや鹿のようないわゆるジビエ肉よりもダチョウの方がメジャーな位置づけになってきており、好む方が増えているのだとか。

 

実は門脇オーナーシェフとダチョウ肉の出会いも、イタリア・トリノで修行を終えて帰国した際、加藤さんという仲人がいたからこそ。今日出していただいた料理は、イタリアで培われたセンスと、ダチョウ肉の普及に心血を注ぐ情熱とが融合した結晶ともいえるでしょう。

ちなみに、日本国内におけるダチョウ繁殖の歴史は意外に古く、幕末にはすでに繁殖が行われていたとのこと。ただし、食用というよりは羽根飾りとしての需要で、あのペリーが浦賀へ来航した際、船に乗せていた調度品の中にダチョウの羽根飾りがあったそうです。宝塚歌劇団のあの派手派手な羽根飾りもダチョウ。

こうして考えると、我々日本人にも意外になじみ深い動物なのかもしれません。

 

お店情報

レストラン オステリアクロチェッタ

住所:東京新宿区三栄町16-2
電話:03-6457-7171
営業時間:ランチ11:30〜15:00 ディナー18:00〜23:00
定休日:日曜日

 

書いた人:松沢直樹

松沢直樹

1968 年福岡県北九州市生まれ。SE、航空会社職員などを経て、1994年よりフリーランスの編集者・ライターとして活動。主に扱うジャンルは、食全般、医療、 農業、安全保障、社会保障など。マグロ解体ショーの実演、割烹の臨時板前などとして、メシを作ることも。近著に「うちの職場は隠れブラックかも(三五 館)」。

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