京大生が通う、あの味を求めて
学生の街・京都。そのなかでもキングオブ京都といえば、やはり京都大学ですよね。京都大学周辺には、学生向けの安くておいしい飲食店が軒を連ねています。そのなかで、何十年にもわたり、京大生の胃袋を満たし続けてきたという大衆食堂があると聞き、お腹を空かせて行ってきました~!
公共交通機関を使用する場合は、駅から遠いためバスがおすすめ。京阪バス「近衛通」で下車しましょう。そこから近衛通りをまーっすぐ7分ほど歩き、
右手にファミリーマートが見えてきます。これを右に曲がり、細い通りをグングン進みます。3つ目の角を左に曲がって直進すると……
ありました!こちらが、本日お邪魔する「丸二食堂」さんです。バス停を降りてから、歩いて20分くらいで到着しました。
おぉ~! 入った瞬間に感じるこの懐かしい空気。平成生まれの私ですが、感じる、感じるぞ! 昭和の空気をビンビンと!
家族経営のこちらのお店。お母さんに「いつ創業ですか?」と聞いてみると、「40年前くらいかなぁ、細かい年数は覚えてないけど」とのこと。ズラリとならんだ定食メニューは、きっと学生の要望に答えるうちに増えていったんだろうなあ。
めっちゃくちゃお腹が空いている私の目線はすぐに「本日の定食」を確認すべくテーブルの隅へ……。
▲かすれた感じがイイ。黒板に書かれた「本日の定食」
お母さんいわく「みんなほとんど定食を頼む」とのことですが、私の心は定食だけではなく、単品メニューにも目移り。しまった、定食を食べるつもりで来たのに、また優柔不断さが出てる……。
だって、単品のメニューもこんなに豊富なんですもん! はじめて来店する人は絶対に悩んじゃうと思います。単品のおかずをいくつか頼んで、セルフカスタマイズした定食にするってのもいいなあ。
するとお母さんから「最近肌寒くなってきたので鍋類を追加しました。冷しうどん・そうめんはそろそろ消しておかないとあかんなぁ」と、迷っている私に、さらに追加攻撃が。うどんやそうめんも候補に上がり、私の思考が追いつかない!
ちなみに、季節の変り目の「暑いんか寒いんかようわからん!」という微妙な時期にうどん、豆腐を注文されるお客さんには「あったかいのと冷たいのどっちにする?」という確認は必須だそうで。実家のノリでたずねられるこの感じ。グッときますね。
また、特筆すべきはビールの安さなんです。
- キリンラガー(大瓶) 480円
- のどごし生500ℓ缶 250円
- のどごし生350ℓ缶 200円
だし巻きや豚キムチ炒めなど、ご飯にあうおかずは必然的に酒にもマッチするわけで。お酒がこんなに安いんなら、主役はビールでアテを2、3品注文するのもいいなあ。
王道の定食を味わうか、ビールで飲みモードにいくか、う~ん、悩みましたが、ここはやっぱり定食で! 注文の品を決めたら、置いてある紙に自分で注文を書きます。
定食についている味噌汁は、生卵+味付け海苔に変更可。味噌汁のときは紙に何も書かず、生卵+味付け海苔にして欲しいときは「生卵」と書きましょう。私は卵かけご飯が食べたかったので、生卵+味付け海苔のセットをチョイスしました。
書けたら、紙を店員さんに手渡します。
調理はお父さんが担当。料理が運ばれてくるまで店内にあるテレビを観るのもよし、本棚にあるヤンマガを読んで待ってもよし。私はNHKの相撲中継に釘付けになりました。なぜか定食屋さんのテレビってNHKを流してますよね。で、何故かそういう場所で見るNHKの番組って異様に面白いんですよねえ……。
食べ盛り男子も満足! ボリューム満点の定食
▲一番売れ筋の丸二食堂(580円)
お母さん「はい、丸二定食です~」。おっ!来ました来ました、おまちかねの丸二のセンターです。
で、でっかいでェ~~~~~~!!!!!
▲日替わりの丸二定食、この日のおかずはミンチカツ、なすとちくわのフライ、揚げ豆腐でした
ミンチカツ、なす、ちくわ、全てBIGサイズ! おかずを乗せるお皿自体が大きすぎて、トレーからはみ出しとるがな~。
これでたったのの580円ってめっちゃ安くないですか?(驚)
ミンチカツは甘くてコクのあるケチャップソースがたっぷりかかっていて、噛むと肉汁がじゅんわ~。これはご飯にあう~! タレだけでもご飯かっこめるがな~! 後から食べる予定の卵かけごはんのことも考えると、ご飯がいささか少ないかも……。
お父さん「それなら、ご飯は特大にもできるよ」
どーん!!!!
定食についているご飯は中盛りですが、+20円で大盛り、+50円で特盛りに変更できるらしい! 写真は中盛りの2倍ある特盛り。おっきいぞ~!!
これで余すところなくおかずを楽しめる!たった50円でご飯が倍になるなんて、オトクすぎる。
なんでこんなにサービスしてくれるんですか!?
お母さん:うちはお客さんの8割が学生さん。食べ盛りの世代だから、少ないと満足できないでしょう。お腹いっぱい食べられるようにこの量と価格にしています。
お、おかあさま(感涙)。授業やらサークルやら部活やら、学生はいつでもお腹ぺこぺこですもんね。毎年春になるとサークルの先輩に連れられて来店する新入生の姿をよく見るのだとか。先輩から後輩へ。そうして丸二食堂は、何十年も京大生の胃袋を満たし続けてきたんですね!
▲豚しょうが炒定食(700円)。また皿が収まりきれてないぞ
みんな大好き豚のしょうが焼きも、ご飯がすすむったらありゃしない! たれが染みた玉ねぎもこれまたおいしいんですよね~!
キャベツの横にチラリと見えるケチャップ味のスパゲティは懐かしい味。どこかで食べたなァ……。あ、子どもの頃に食べたお子様ランチにもついていたスパゲティと同じ味だ!やわやわに茹でられた麺と、甘いケチャップの味がたまらない~。ご飯と一緒に食べてもおいしいんですよね、じつは。
▲さば煮定食(650円)
頭脳明晰な京大生なら毎日求めているであろう(?)DHAがたっぷり摂取できるさば煮定食もいただきます。下宿をしているとなかなか魚を食べないですからね。しかも煮魚なんて料理好きでもない限り絶対につくらないよ……。
まあ、学生だけじゃなくて働きはじめてもそうなんですけどね(遠い目)。ああ、職場の近くにこんな食堂があったら助かるなぁ。
メインはさば煮ですが、横にある肉じゃがもメイン並にお皿がデカイ!むしろメインがふたつあるくらいの豪華さです。しっかり芋のなかまで味がしみ込んだ肉じゃがは、心までホカホカにしてくれます。
前述した生卵+味付き海苔は、おかずと一緒に白米を食べたあとに、卵かけご飯ができて2度楽しめるので個人的には激しくオススメ! 〆に卵かけご飯とは、贅沢な定食ですなな~。ご飯特盛りにしといて正解やったワ……。
すべて食べ終わる頃には、満っっ腹! お母さんが言うには男子学生だけでなく女子も多く来店するということなので、ボリュームにビビらず女子もお腹を空かせて行ってみて欲しいです!
学生はもちろん、大人になってからでも。40年間変わらずに続く、店内の懐かしさと、サービス満点の料理を提供してくれるお母さん、お父さんの人情が心にじんわりしみわたります。いつまでもいつまでも、こんな場所があり続けてくれたらいいなぁ。以上、京都からライターの川上がお伝えしました!
店舗情報
【閉店】丸二食堂
住所:京都府京都市左京区岡崎西福ノ川町2-5
電話番号:075-771-0883
営業時間:11:30~14:30、17:00~21:00
定休日:土曜・日曜、祝日
※このお店は現在閉店しています。
※飲食店の掲載情報について。